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メールマガジン「法円坂」No.2



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    メールマガジン「法円坂」No.2(2001/8)(国立大阪病院)
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はじめまして、国立大阪メルマガ編集部です。

お盆休みも終りました。皆様、いかが過ごされましたか?
第2号を、メルマガ編集部からお送りします。

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         院 長 井 上 通 敏 で す
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# エイズ診療で学んだこと #

 本院のエイズ診療体制は薬害エイズ原告団と協議しながら築いてきました。患
者団体の意見を聴いて病院の診療体制を築くなんてはじめての経験でしたから、
当初は戸惑いや不安がありましたが、この経験は病院にとって大きなプラスだっ
たし、これからの医療のあり方を考えさせられました。

○ エイズに対する偏見差別の解消、インフォームドコンセントの徹底、プライ
バシーの保護といったことを通じ、人権重視の意識が院内に浸透しました。

○ 医師、ナース、薬剤師、技師、カウンセラー、事務官が一体となったチーム
医療のモデルを示すことができました。

○ エイズは高度の専門医療であると同時に、全身疾患ですから、全診療科の協
力が必要です。全科をあげて取り組むことで総合病院の利点を改めて自覚できま
した。

 情報化された今の社会は消費者の時代だと言われています。医療においても医
師のパターナリズムは通じなくなりました。患者の立場にたち、患者の意見を十
分汲み取りながら医療を行う時代になったと感じます。その場合、患者にも自覚
と責任が必要です。エイズ医療が成功したのは、原告団のみなさんがインターネッ
トなどを通じて、最新のエイズ医学の情報を専門医をたじろかせるほど熱心に勉
強されていたことです。

 いま、医療改革論議が盛んですが、制度や構造の改革だけでなく、医療者や患
者の意識改革が合わせて必要だと感じています。



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          ト ピ ッ ク ス
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# 心筋症とペーシング #

循環器科部長 是恒之宏です。

 拡張型心筋症に対する両心室ペーシングが注目を集めており、当院では、近々
この治療法が日本でも可能となることを想定し、該当する患者さんを対象に両心
室ペーシングの有用性につき個々に検討を始めている。

 適応は、洞調律完全左脚ブロックの場合に限られるが、本治療法は人為的に左
心室の協調的収縮を取り戻すことにより、左心室の負荷増加なしに心拍出量増加
が期待できる。個々の心筋細胞が弱っているときこそ、力をあわせて仕事をする
ことが大事というわけである。日本では、まだ一般的に使用できる段階ではない
が、海外の報告では長期成績も良好であり、循環器学会シンポジウムやペーシン
グ学会でもトピックスとなっている。

 一方、閉塞性肥大型心筋症では、右心室心尖部刺激により人為的に左心室の協
調的収縮を乱すことにより圧較差を減少する方法が試みられてきた。少数例報告
ではあるが圧較差が約半分に軽減するという。自覚症状も改善したという報告は
あるが、客観的に運動耐容能が改善したというデータは示されていない。むしろ
閉塞性肥大型心筋症では、電気的方法より中隔へ選択的にアルコールを注入する
方法(経皮的心室中隔アルコール注入術:PTSMA)が盛んに行われるようになって
きた。

 当院でも、左室内圧較差が50mmHg以上の症例においては積極的にPTSMAを施行
している。

http://www.onh.go.jp/seisaku/circulation/bi-v.html



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     医 長 会 の 話 題 (01.07.25)
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 「CABG後静脈グラフトの閉塞機転」  心臓血管外科 佐々木康之

 冠動脈バイパス術(CABG)に使用される大伏在静脈グラフトは、術後10年以内に
その40-50%が閉塞もしくは高度の狭窄をきたす。

 どうして狭窄が起こるのであろうか?静脈グラフトの閉塞機転を解析するため
には、静脈グラフトに起こる形態学的変化を明らかにすることが重要である。わ
れわれは免疫細胞化学的手法を用いて、静脈グラフトに生ずる新生内膜肥厚
(neointimal formation)および動脈硬化性病変(atherosclerotic change)の
構成細胞成分や平滑筋細胞のphenotypeについて解析してきた。

http://www.onh.go.jp/icho/



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      看 護 の こ こ ろ (看護部から)
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☆8月 雨の少ない猛暑です。
全国、高温多湿の今年は「熱中症」が猛威を奮っています。
水分と休養、こころと体の木陰が大切です。

今月のご紹介は、消化器病棟婦長 安達慈由子さんです。 ☆


患者参加の看護について紹介いたします。

当院は、平成10年に病院機能評価の認定を受け、それを機会に看護部の目標のメ
インテーマを”患者参加の実践”としてきました。

今年度は、「患者参加の看護の追求」としています。患者参加とは、”患者さま
が医療を選択し自己決定できる”ことを目指しています。

看護の質の向上が求められている今日ですが、患者さまの最も身近な存在として、
患者さまからのご意見・ご要望を言っていただける関係であること、またナース
は忙しそうで・・・、こんなことまで・・・、という声もありますが、時には厳
しい言葉にこころと耳を傾けていく姿勢を大切にしたいと思います。

『患者参加』は看護の原点であり、基本的なこととして、更にこれからも求め続
ける課題だと思います。

 新人ナースに伝えたい!!
「すべてに未熟なあなたを信頼して、患者さまからかけていただいた言葉を大切に」

http://www.onh.go.jp/kango/kokoro.htm



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          研 修 医 日 記
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 研修医日記も今回で2回目です。今回も前回に引き続き、研修2年目の内科系の
研修医が筆をとってくれました。最初のうちは当院の研修医が実際にどんなこと
をやっているのかということを、彼ら・彼女らの文章から見ていただければと思
います。

 私たち指導医としましても、研修医諸君が研修に対して何を期待し、何を学び、
また何を悩んでいるかということを知りたいと思うわけですが、本コーナーでも
これから少しずつそういった本音が出てくるのではないかと期待します。(研修
教育部より)

私は、国立大阪病院での研修2年目を迎え、消化器内科で研修をしている杉山幸
生です。

私が研修をしているこの病院は、大阪市の中央に位置し・・・といってもイメー
ジがわかない方のために説明させてもらいますと、大阪城と通天閣を直線で結ん
だ真ん中に位置し、本当に大阪の中央にあります。

病院の8階や10階のフロアから見る景色は、まさに「豊臣秀吉の気分」とでも申
しておきましょう。

と言うと、もちろん病棟は戦場ということでしょう。
私は「国立大阪病院」という城の武士ってこと?

さて、当病院での研修をはじめて、はや1年が経過。
すっかりこの病院色に染まってきた頃かと、我ながら思う日々です。

たとえば、就職前には
「こんなに少ない収入で、この都会のど真ん中で生活がしていけるのだろう か?」
と不安に胸が苦しかったのです。

就職して半年が経過るする頃、
「使う暇が無いから大丈夫!」
ということが分かり、就職前に持っていた不安も知らず知らずの間に消えてしま
いました。

しかし、そんな私は結婚をきっかけに、ド貧乏生活 へまっしぐら。
人並みの生活はいつになったらできるのだろう〜?

当病院は大都会にあるにもかかわらず、昔からこの場所にあるので、四季折々の
季節感を味わえる草木が多くあるのです。

春にはもちろんのように桜が咲き、5月には駐車場いっぱいのツツジ、そして夏
には枇巴の木が鈴なりに実をみのらせるなど、毎日の「苦痛な出勤」を爽快とま
ではいかないまでも、緩和してくれます。

うれしいですね。

http://www.onh.go.jp/kensyu/nikki.html



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皆様の御声援に励まされて、何とか第2号となりました。
ぼちぼちですが、体制も整いつつあります。

大阪でも、ちょっと中心を離れると、トンボが見られます。
また、騒がしかったセミも少しおとなしくなり、夜にはコオロギの声が聞かれる
ようになりました。これから、秋ですね。

第3号をおたのしみに!

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