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メールマガジン「法円坂」No.4



お元気ですか? 国立大阪メルマガ編集部です。

日、一日と秋は深まっていくようです。
第4号を、メルマガ編集部からお送りします。

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    メールマガジン「法円坂」No.4 (2001/10)(国立大阪病院)
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         院 長 井 上 通 敏 で す
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「 社会のIT革命と医療のIT化 」

(2)医療の担い手の情報化

 前回ご紹介したように医療を受ける側の情報化が急速に進んで、提供する側の
情報化のポリシーもシフトする必要が出てきました。効率や収益のことばかりを
考えずに、患者・国民の側に立った病院の情報化を重視することです。一言で言
えば「医療の透明性」ですが、お見せするには「安全で根拠に基づいた医療」を
行っていないと恥ずかしい。そこで登場しようとしているのが「電子カルテ」で
す。ペーパーレスが電子カルテの目的ではなくて、医療の安全性や質の向上に役
立つものでなくては意味がありません。

 「標準的な正しい用語を使わせる」「診断の根拠を確認する」「間違った処方
を受付けない」「適正な検査や治療の選択を誘導する」「指示・確認など情報伝
達を正確に行う」といったことを電子カルテで実現することは可能ですから、安
全性にも役立つし、診療レベルの底上げも可能です。精度の高いデータがデータ
ベース化されれば、さまざまな検索や統計処理が迅速に行えるし、診療評価や臨
床研究の効率も著しく向上するでしょう。情報公開に備えた病院の情報管理も進
みます。

 残念ながら、こんな電子カルテはまだ実現できていません。用語やコードの標
準化の遅れ、EBMの未成熟、入力の面倒さ、セキュリティやプライバシー保護、
開発経費など課題が沢山あったからですが、現政府がIT化推進を医療改革のトッ
プに掲げましたから、これらの問題が急速に解決されて、いよいよ電子カルテの
時代に突入すると思われます。

 国立大阪病院では、いくつかの診療科の専門医がワーキンググループを作り、
先行して電子カルテの開発に取り組んでいます。



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          ト ピ ッ ク ス
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「薬が消えるEBM」
−セリバスタチン製造販売中止の経緯は謎?−
薬剤科医薬品情報室 田伏成行


 本年8月、HMG-CoA還元酵素阻害剤のひとつセリバスタチン(国内ではバイコー
ル、セルタの販売名)が横紋筋融解症という重篤な副作用の発現により自主的に
市場撤退となった。

 当院では採用されてなかったので問題はなかったが、セリバスタチンに限られ
た今回の措置はどういう経緯だったのかを確認するため情報検索を行った。

 まず、FDAは、6月26日付"Med Watch"で、5月21日に製造元のバイエル薬品から
発信されたドクターレターを紹介した。その概要は「使用量を守ること」と
「 "gemfibrozil" との併用禁忌」であった。更に8月8日、up dateされたドク
ターレター「バイコールの製造・販売を中止する」という内容を掲載した。間髪
を入れずFDAは"Talk paper"で、米国内でのさらなる副作用事例を追加して、バ
イエル社の措置(BAYER VOLUNTARILY WITHDRAWS BAYCOL)に賛同し支持すると発表
した。この内容をみると米国内での副作用発生率が記載されており、このような
措置も致し方無しと考える。しかし、それでは他の同系薬剤はどうだったのだろ
うか。FDAの発表にはこれに関する数値の記載はなく、引用文献も提示されてい
ないので不明である。そこで、論文検索を試みたところ、いくつかの信頼できる
文献が出てきた。副作用を横紋筋融解症発生率に限れば、文献1)では、セリバス
タチンが2.1%で他が0.2-0.5%(International Drug Information Systemデータに
基づくとなっている)であるが、もう一つの文献2)では、セリバスタチンが
2.3%で他が0.6-5.6%の間となっており差がない。

 FDAから発表される場合、独自の調査によるものも含めて具体的な症例や研究
について詳細な内容が示されない場合があるのだそうだが、今回もこれに相当す
るのであろうか。

 情報検索してみて、本当に撤退の科学的根拠があったのだろうかと思ったり、
また、相互作用や過量投与にだけ問題があるのなら、処方オーダーや調剤段階で
のチェックで副作用を防止できるケースではないかという思いも起こる。ちなみ
に、国内ではフィブラート系の薬剤との併用は原則禁忌となっている。こうして、
優秀と思われる薬剤がまた一つ消えた。


References
1) Memduh Ucar et al., HMG-CoA Reductase Inhibitors and
Myotoxicity,Drug Safety 2000 Jun; 22(6)

2) Allen Shek et al., Statin-Fifrate Combination Therapy, The Annals
of Pharmacotherapy 2001 July/August vol.35

Med Watch,posted:June 26, 2001 : Baycol (cerivastatin sodium tablets)Letter
http://www.fda.gov/medwatch/safety/2001/baycol.htm
Med Watch, August 08, 2001 up dated Letter
http://www.fda.gov/medwatch/safety/2001/Baycol2.htm
Talk Paper, August 08, 2001
http://www.fda.gov/bbs/topics/ANSWERS/2001/ANS01095.html



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     医 長 会 の 話 題 (01.09.26)
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硝子体非切除硝子体切除術(Non-vitrectomizing vitreous surgery)
眼科  斉藤喜博

目的:通常の3ポートシステム(灌流系、光源、カッター)を用いる硝子体手術
後の長期合併症として、核白内障進行(核硬化)とそれにともなう、視力低下や
近視化による不同視が重要である。この合併症は50歳以上に有意に多いがその原
因は不明である。この対策として従来より、
  1.進行すれば、後日に白内障手術をする
  2.白内障・硝子体同時手術(多重手術)をおこなう、
という対応がなされてきた。私どもは1997年より、特発性黄斑上膜に対しては、
灌流液を使用せずカッターによる硝子体切除をしない、硝子体非切除硝子体手術
を開発し、推進してきた。

http://www.onh.go.jp/icho/



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     看 護 の こ こ ろ (看護部から)
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 水色の空にフワーと水芙蓉の花が咲き、草原にはきっとコスモスが風に揺られ
て、流れる雲にふっともの想いに耽って見たくなるそんな季節です。
 今月のご紹介は、内科病棟の井上婦長からのメッセージです。


 西7階は、脳梗塞の患者様が入院されています。
 高齢の方も多く、日常生活に支障のある言語・運動麻痺をきたした方々の日常
生活援助を中心としたケアーをさせていただいています。
 しかし、多くの方が言語的コミュニケーションが不自由なため、患者様の思い
に近づいたケアーができているのか、いつも考える毎日です。

 そんな中、患者様が涙を流しながら
「夜間の緊急入院、動くこともできず身体が痛くて苦しかったとき、若い看護婦
さんの手がスーッと背中に入ってきてさすってくれました。その時の温もりが有
りがたくて。妻を亡くしたばかりで、本当につらかったが、あの手が心から癒し
てくれました。」
との言葉をいただきました。

 西7階の病棟は、こんなすばらしいスタッフがおり、輝ける病棟です。

http://www.onh.go.jp/kango/kokoro.htm



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       コ メ デ ィ カ ル か ら
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「リハビリテーション科の独立」

 リハビリテーション科理学療法士長の農端芳之です。

 本年6月から井上裕美子医師(リハビリテーション臨床認定医)がリハビリテー
ション科専任として着任しました。以後、リハビリテーション科として独立した
診療体制を整えるため、スタッフ一同努力してきました。いよいよ10月15日から
リハビリテーション科として独立した診療体制を実施します。

 外来患者さんを理学療法実施前に必ず診察し、症状に対応した処方の変更を随
時行っています。さらに、入院患者さんも、初診時に加えて定期的に診察を行っ
ています。専任医師が常在することで、リハビリテーション室での容態の変化に
対する理学療法実施の可否を現場で直ちに判断できること、患者さんの障害や状
態の変化に対応して治療プログラムを即時に修正・変更することが可能です。ニー
ドに即座に対応し、きめ細かくもっとも適切な治療手段を臨機応変に実施できる
ことになりました。

 本院は、整形外科疾患、脳卒中、心臓病などを中心に急性期リハビリの充実に
取り組んでおります。地域の医療機関や介護関係施設と連携しながら、患者さん
のQOL改善にお役に立てればとリハビリ科スタッフ一同張りきっております。

 患者さんの紹介やお問い合わせをお待ちしております。



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          研 修 医 日 記
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小児科研修医の大岩綾子です。

 今までの研修医日記から、研修医の生活がいかに悲惨かはもう周知の事実となっ
た事と思います。朝から晩までひたすら休日もなく働いて安月給。そのうえ、関
西医大のあの過労死事件まで、研修医は労働者じゃなかった??なんて信じられ
ない事です。

 でも、そんな中でも小児科で研修しているといろんなほのぼの場面に出会い、
心癒される事も多いのが特徴かなと思います。時には「なんだー?なまいきなー!」
と思わない事もない事もないですが。まあ、それはそれ。大人の私はぐっと堪え
て笑顔を。(と思っているのは私だけで、きっと顔は恐い!はず)

 小児病棟では、さすがに行事が多くクリスマスパーティーに豆まき、花火と年
中何かをやってます。クリスマス には恥を脱ぎ捨て御芝居をしなくてはなりま
せん。患者さんの前でやるとなるとなかなか照れくさいものです。

 というわけでなんだか、小児科は遊んでばっかりのように思われそうですが、
日々の生活はというと採血&点滴との戦いなのだ!!

http://www.onh.go.jp/kensyu/nikki.html



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       講 演 会 の ご 案 内
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―― 国立大阪病院に緩和ケア病棟は必要か ――

 緩和ケアは、専門的にトレーニングされたチームにより独立した施設環境で行
われることが望ましいにもかかわらず、現在、大阪において独立病棟での緩和ケ
アを実践している施設は非常に限られています。それならば、国の医療機関にお
いて質の高い緩和ケを提供することができれば、広く患者様のご要望にお答え出
来るのではと考えております。

 今回、各界を代表される方々をお招きして、「緩和ケアの現状と未来」につい
てご講談頂き、また、患者様からの生のご意見を拝聴させていただく機会を設け
ました。
 パネルディスカッションを通して、国立大阪病院に緩和ケア病棟が必要とされ
ているのか、またその役割は何かについて討論したいと思います。

日 時 :平成13年11月24日(土) 13:00-16:00
場 所 :国立大阪病院 緊急災害医療棟3階講堂
主 催 :国立大阪病院 がんプロジェクト
参加対象:医療関係者・一般市民(患者様およびその御家族様)

※お問合せは、TEL:06-6942-1331(代) 庶務課長補佐 廣畑(ヒロハタ)まで。


【プログラム】

< 基調講演 >
「緩和ケアの現状と未来」13:00-14:30
      司会: 国立大阪病院外科部長 辻仲利政

 講師:○大阪大学大学院 人間科学研究科 助教授 恒藤 暁
       (元淀川キリスト教病院 ホスピス長)
    ○医療法人東札幌病院 副院長 看護部長  石垣靖子
    ○朝日新聞社 学芸部記者         井上平三


< パネルディスカッション >
「国立大阪病院に緩和ケア病棟は必要か」14:45〜16:00
      司会: 国立大阪病院外科部長 辻仲利政
          副看護部長      水嶌由紀

パネリスト:○医師の立場から 国立大阪病院 永野忠義
      ○看護の立場から 国立大阪病院 安達慈由子
      ○患者家族の立場から 大阪大学工学研究科 井上義雄 他




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狂牛病、炭そ菌テロなどでマスコミが騒いでいます。
少しでも、解決の方向に向かったらいいなぁと思わずにおれません。


それでは、また来月〜!。

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