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 メールマガジン「法円坂」No.35(2004/5/14)(国立 大阪医療センター)




ゴールデン・ウィークはいかが過ごされましたか。では、5月のメルマガをお届けします。

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   メールマガジン「法円坂」No.35(2004/5/14)
             (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 廣島和夫 で す
 ・神経幹細胞バンクを開設いたしました
 ・診療科紹介(循環器科・泌尿器科・歯科・口腔外科)
 ・患 者 情 報 室 だより        
 ・看 護 の こ こ ろ (看護部から)
 ・研 修 医 日 記

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         院 長 廣島 和夫 で す
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こども人口の減少と児童虐待
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5月5日のこどもの日の前日に、総務省からこどもの人口(推計)が発表されました。

 23年間連続で、こども人口の減少が続いている状態です。15歳未満のこども人口 は、昨年に比し20 万人減の1781万人とのことです。これは全人口の 13.9 %に相当し ますが、なんと 65歳以上の方々(19.3%)よりも少ない、という驚くべき少なさです。

*** 人工中絶が法的に認められてから表に出ている数字で、中絶延べ件数が 7,100万 件になるとのことです。裏(闇)の数字がどれほどあるのかわかりませんが、厳密に 医学的な理由から人工中絶が必要であった件数以外の延べ数は、驚くべき数字になる のではないでしょうか。この事実を、平然と受け入れている現代社会に怖さを感じま す。この無神経さが種々の面で間接的に小児人口減に影響をおよぼしているのでしょ うか。

 小児の人口減については有識者の間では、昭和40年代から由々しき問題として取り 上げられていますが、大きく歯止めがかかるような良策はこれまでみられていません。
 
 こども人口減少の背景は、複雑であり小生ごときものがとてもじゃないですが解説 できるものではありません。
 しかし、すでに著減世代が社会で働く時代に入っています。 
 他方、高齢者数が減少するのは、まだまだずっと先です。しかも、子どもが増えな い限り、いつになっても高齢者が多い時代が続きます。

 今後は、労働力のさらなる減少を来し、いずれは国民総生産高の減少も現実となる るかも知れません。その時には、国際的な経済的競争力の衰退、国民生活の一定の水 準維持が困難、社会保障の破綻(今でも破綻に近い状態)などが予測されます。何年後 のことでしょうか?
 
 結婚しない・子供を作らない背景には、生物学的な理由(雄の雌化〜環境ホルモン説 など)もあるかも分かりません。しかし、こども人口は米国で21%、英国では18.6%占め ており、このことが日本にだけ深く関わっているとは思われません。

 育児に適さない家庭環境・社会環境などがあるので結婚しても子供を作ることがで きない、もう少し楽しんでから子作りをしたい、育児の苦労は厭・自分のためにお金 を使いたい、などと云った身勝手な声も聞かれます。
 
 いつの間にか子ども嫌い・子ども無視の社会になってしまったのでしょうか。  

 小児虐待が加速度的に増加しています。とくに最近では、死に至る酷い虐待が多く なったようです。以前から身体的虐待で病院を受診する例はありましたが、高度の重 度例は多くはありませんでした。
 
 少子化と小児虐待とは、どこか心の深い奥底で連動しているのでしょうか。
 さらに、人工中絶に対して無神経になってしまった社会も関係しているのでしょうか。

 「子どもの潜在的な能力の素晴らしさ・子どもを持つことの幸せさ・親を超えて育 って行く子どもの立派さ」を、広く世に訴え同時に子ども人口を増やすべく、今、医 師に限らず良識ある大人たちが立ち上がり、この問題を正面から取り組むことが必要 です。


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ちょっと感じたこと : 敷地内禁煙
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 当院では、本年4月1日から、「敷地内禁煙」に踏み切りました。

 H15年3月に館内分煙化を始めてから、1年後です。  
少し時期早尚かとは思いましたが、皆さん方の健康を守る病院が、禁煙に対して消極 的・無頓着であるのは、病院の姿勢として良いはずはありません。

 館内分煙化は、ある意味では中途半端であり、受動喫煙を完全に回避できません。  患者さんからの投書でもこのことを指摘されたことがあります。
 ということで、敷地内禁煙に踏み切ったのですが、気がかりなことが2つありました。
 1つは、患者さん及び家族などの来院の方々はどのように受け止められたのか、もう 1つは、喫煙する職員はどのように感じ、個々にどのように対処し、仕事にどのように 影響したのか、です。 

 当院には、3ヶ所の出入り口があります(正門・北門・西門)。喫煙する方々は出入り 口周辺の敷地外で喫煙されるだろうから、さぞかし吸い殻のポイ捨てが増えるであろ うと、当初、予測しておりました。  そこで事務職員にお願いして、3ヶ所の出入り口周辺の掃除を頻回に行うようにしま した。 すると、3-4週間でポイ捨てされた吸い殻の数も減ってきましたし、敷地外で 喫煙していた方々の手には携帯用の灰皿を見ることも増えてきました。

 ゴミだらけの汚い環境では、あまり気にすることも無くポイ捨てを許してしまうこ ともありましょうが、やはり、掃除されてゴミの落ちていない綺麗なところに吸い殻 を捨てることは、誰しもかなり抵抗があるようです。   今後も掃除を続けることは必要でしょうが、皆さん方のマナーの良さに一安心で す。本当に、ご協力ありがとうございます。

*** 喫煙する職員への影響につきましては、後日、報告いたします。


 と書きましたが、気になることがあります。
 夜間に建物から外へ出た所(敷地内)で喫煙する者がいるらしく、出入り口周辺にポ イ捨ての吸い殻が数多く見られます。また、一部の出入り口周辺では、日中から集団 で喫煙している入院患者さんがいるとの報告を受けています。集団であれば怖くな い、という心理でしょうか。非常に残念です。
 時間をかけて運動を続けることが必要です。

 さらにひとこと、付け加えます;
 健康増進法が制定されて1年が経ちます(健康増進法:メルマガ H15年9月号参照)。
 しかし、駅構内や人の多数集まる場所での分煙化は、まだまだ不十分です。 
 喫煙者の便宜性を優先させた喫煙場所の設定がほとんどであり、受動喫煙を回避す るという最優先すべき目標から大きくはずれています。

 受動喫煙の深刻な問題(受動喫煙の発がん率が喫煙者のそれよりも高い・副流煙によ る非喫煙者の心臓への影響など)をもっと世間に知ってもらう必要があります。


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       神経幹細胞バンクを開設いたしました
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               脳神経外科部長 山崎 麻美 

1.設立の背景と経緯
 前号(メールマガジン「法円坂」No.34)で概要をおしらせしましたように、これま で整備を進めてきました「神経幹細胞バンク」設備が予定通り当院臨床研究部の2階に 完成しました。現在最終的な点検、試運転をほぼ終わり実稼動に向け準備を進めてい ます。  本バンクは平成15年度から10年計画の文部科学省大型プロジェクト「再生医療の実 現化プロジェクト」の一環として当院に設置されたものです。事業は中核機関である 慶應義塾大学医学部(岡野栄之教授)から再委託され、独立行政法人産業技術総合研 究所と共同で実施しているものです。

2.研究事業の目的と内容
 本事業は難治性神経疾患の治療への応用が期待されるヒト神経幹細胞の臨床応用を 実現するためその有用性、安全性を検証します。その上で生体外で大量に増殖させ、 臨床応用が可能な品質のヒト神経幹細胞の調製、保存、供給体制を確立するための技 術的、倫理的体制の整備を行います。具体的には以下の業務を実施する予定です。
 1)一次プロセッシング業務
        ・プロセッシングシステムの構築
        ・ヒト神経組織からの神経幹細胞の分離
        ・ヒト神経幹細胞のGMP(優良医薬品製造規範)基準での初代培養
        ・初代ヒト神経幹細胞の安全性評価
        ・臨床用(移植用)ヒト神経幹細胞のGMP基準での大量培養
 2)メイン神経幹細胞バンク業務
        ・メイン神経幹細胞バンクシステムの構築
        ・臨床用(移植用)ヒト神経幹細胞の保存法の開発
        ・初代ヒト神経幹細胞の長期保存
        ・研究用及び医療用ヒト神経幹細胞の供給事業(医療機関、研究機関)
        ・細胞情報(連結可能匿名化)の管理

3.研究事業の倫理性の確保
 ヒト由来試料を取り扱う場合、倫理性を確保することが必須条件となります。すで に各種法令に加えて多くの倫理指針等が国によって公にされています。法令を遵守す ることは勿論、該当する指針等に従い、さらに倫理性を高めるため第3者の有識者の参 加を得て独立した倫理審査委員会を組織し、透明で社会に受け入れられる体制で事業 を適切に運営します。

4.当バンクの特長
 当バンクは上述のように神経幹細胞バンクの業務を行うために設立されたものです がバンクの機能を果たす以外に種々の応用が可能です。本設備は医薬品の製造も可能 なGMP基準を満たす設計になっており、LAC療法やその他の細胞移植療法を安全に実施 できる設備になっています。特に設備の一つアイソレーターは世界初の完全閉鎖型ヒ ト組織培養システムで細胞移植医療などに高い有用性を発揮することが期待されます。
 

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         診療科紹介13:循環器科
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                循環器科部長 安村 良男

 近年、狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療(特にステント留置)、不整脈に 対するカテーテル治療、慢性心不全に対するβ遮断薬療法の有用性は確立し、日常臨 床には不可欠のものとなっています。特にカテーテル治療に熟練したスキルが必要な ことはいうまでもありませんが、カテーテル治療法が進歩した今日、循環器疾患を包 括的に把握した上でこのスキルを活かすことがより重要となってきました。これらの 循環器疾患はある日突然ふってわいたような心臓疾患であることは稀です。高血圧、 糖尿病、高脂血症などの成人病が音もなく忍び寄ってきたその結果、心臓に異常を来 たすことが極めて多いのです。近年、これら成人病に対する理解、治療法はめざまし く進歩しています。個々の疾患に対する治療は単に医者の経験で行うものでなく、エ ビデンスに基づいてなされるべくそのエビデンスが増えてきています。しかし、その エビデンスを活用するためには、疾患に対する幅広い知識と経験が重要であることは いうまでもありません。当循環器科はこの知識と経験の蓄積に努力してまいりまし た。従来より、急性心筋梗塞患者さんに迅速に対応してまいりましたが、本年より CCUを独立させ、心臓救急疾患により力をいれて対応していく所存です。また、心不全 外来、心房細動外来は従来にもまして患者さんにお役に立てるものと自負しておりま す。本年度より、重症心不全に対する両心室ペーシングが保険適応となりました。こ の治療はペースメーカ植え込み技術以上に重症心不全を正しく診断・治療する技術が 問われます。近畿地方循環器センターとしての役割を担うべく、独立行政法人とし て、新たな一歩をふみだしたところです。

循環器科ホームページ→http://www.onh.go.jp/cvm/

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         診療科紹介14:泌尿器科
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                 泌尿器科部長 岡 聖次 

『ミニマム創(内視鏡)手術を開始』
 癌に対する手術方法としては、従来は開腹手術が主流であったが、1980年代後半か ら開始された腹腔鏡下手術が、1990年代に入って泌尿器の癌にも次々応用されるよう になり、現在では腎癌に対する根治的腎摘除術や、腎盂・尿管癌に対する腎尿管全摘 除術、前立腺癌に対する前立腺全摘除術、更には膀胱癌に対する膀胱全摘除+尿路変更 術までもが腹腔鏡下で行われるようになってきた。  我々も腹腔鏡下手術を取り入れてきたが、根治的腎摘除術や腎尿管全摘除術など は、技術習得段階で腹腔鏡下操作単独で行うことは危険が伴うと判断し、片手を挿入 しながら腹腔鏡下手術を行うhand-assist法を中心に行ってきた。  しかし、腹腔鏡下手術では、高価な操作器具が必要、炭酸ガスなどによる気腹操作 が必要、hand-assist法以外では、臓器を直接手指で触れられない、術野が狭く手術操 作が制限されるため重大な合併症への対応が遅れる、1-2cmの創が4〜5カ所必要、さら には摘除物の体外取出し時には創拡大が必要など、われわれは問題点が多いと考えて いました。  その折、東京医科歯科大学の木原先生が中心となって、ミニマム創内視鏡手術法が 開発されました。この方法は、ミニマム創用内視鏡を用いることにより、必要最小限 の一つの皮膚切開創で手術を行おうというもので、腹腔鏡下手術の問題点を払拭する 理にかなった方法であると考え、われわれはこの方法を積極的に取り入れ、現在では 根治的腎摘除術や腎尿管全摘除術はミニマム創手術を中心に行っている。  従来の開腹手術では、腎癌患者に対しては25〜30cmの腰部斜切開創が、腎盂・尿管 癌患者に対しては腎摘創に加え、尿管摘除のために10〜15cmの下腹部切開創が必要で あるが、ミニマム創手術は、腎癌は通常4-7cmの皮膚切開創で、腎・尿管癌は腎摘創に 4-5cmの下腹部切開創を加えて行う手術法である。  我々は昨年6月に第1例目を行って以来、多くは4-7cmの皮膚切開創で、これまでに 19例にミニマム創手術を行っている。  本術式は、手術操作に支障をきたせば、必要なだけ創を延長すればよいため、安全 性が極めて確保された手術法である。我々は、ミニマム創手術時にも癌の進展を助長 する操作は極力避けることを第一義的に考えているため、やや時間を要しているが、 毎回反省を加えることにより、安定した手術操作の確立を目指しているところであ る。今後は前立腺全摘除術(現在でも10cm前後の小切開創ではあるが)や膀胱全摘除 +尿路変更術においても、安全性を確保しながら適応を拡げていく予定である。


泌尿器科ホームページ→http://http://www.onh.go.jp/uro/

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         診療科紹介15:歯科・口腔外科
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                  歯科部長 岡田 壽一

 歯科・歯科口腔外科では、口腔疾患:歯牙歯周組織疾患(歯牙硬組織疾患、歯槽膿 漏症)、口腔粘膜疾患(口内炎、腫瘍等)、顎骨疾患(外傷、腫瘍、嚢胞)、顎関節 疾患(咬合、顎関節症)、口腔附属臓器疾患(唾液腺等)、口腔機能再生(義歯、人 工歯根(インプラント)、歯牙再植、移植)等と、幅広い疾患を対象に診療と、口腔 内ケアーを行っています。  現在、スタッフは、常勤2名、招聘歯科医師1名、診療協力医師2名、研究医員5名 (卒後歯科研修2名及び有病者歯科研修3名)、レジデント1名(6月より予定)です。  外来患者さんの多くは有病者であり(当科は地域歯科医療(東区歯科医師会訪問歯 科医療)、大阪市在宅寝たきり高齢者訪問歯科医療の協力病院)、院内関連科の協力 による積極的歯科治療、HIV/AIDS先端医療開発センター歯科、歯科口腔外科として HIV患者の口腔疾患治療、口腔ケアーへの取り組み、口腔腫瘍専門外来(口腔外科専門 医、木曜日)、外来小手術(埋伏智歯抜歯、歯牙再植、移植、人工歯根、嚢胞疾患、 良性腫瘍、等(木曜日))、顎関節疾患特に顎関節症の専門医による積極的治療、入 院による歯科、歯科口腔外科治療(口腔癌:歯肉癌、口腔底癌、舌癌、頬粘膜癌。良 性腫瘍、顎骨骨折、有病者歯科治療、等)にと現在診療を行っています。  近年入院患者における口腔ケアーの重要性が認識されております。口腔ケアーによ る誤嚥性肺炎の発生頻度の減少、上部消化管疾患の術後経過、予後への影響と、入院 期間短縮の報告も有り、癌患者の化学療法、頭頚部放射線治療による口内炎、歯牙欠 損、歯牙歯周組織疾患による咀嚼摂食障害、口腔乾燥症、味覚障害などは入院患者さ ん全体のQOLに直結する問題でもあり、等科においては、入院患者のQOLを考慮した、 口腔ケアーを含む入院患者歯科治療を、全身管理を要する有病者歯科治療(関連科連 携による)を、手術を要する口腔外科疾患の治療を責務と考え、主力を注いでいます。  教育では、歯科衛生士学校病院実習実施病院として5校の受け入れを、臨床研修希望 歯科医師の受け入れを行っており、その教育、指導に当たっています。また将来計画 として、院内口腔ケアーセンターの構築を視野に入れて、全員が毎日病院での歯科、 歯科口腔外科の忙しい業務をこなしています。


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         患 者 情 報 室 だより
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           NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
                患者情報室担当 山本ゆかり

 4月17日に、第3回患者情報室勉強会を開催しました。免疫感染症科部長の白阪琢磨さ んを講師にお招きし、「感染症/エイズって?」をテーマにお話頂きました。20名を超え る参加者に対し、感染症の基礎知識、昨年世界を震かんとさせたSARSの基礎知識と発 生からのWHOを中心とした取り組み、そしてわかりやすいエイズの話でした。  エイズに関しては、特に時間をかけて歴史や「HIV感染症」と「エイズ」のことばの意 味、HIV/エイズの疫学と治療方法、近畿や国立大阪医療センターでのHIV感染者の診療 状況に加え、HIVの感染予防まで熱心にお話頂きました。日本におけるHIV感染者数のか なり厳しい将来展望に愕然としました。性行為年齢に達しない子どもを対象に、性行為 感染症やHIV感染症の予防に関する教育に力を入れ、「自分の体は自分で守る」という 考え方を広めていくことが大切だと強く感じました。HIV感染者とそうでない者が共生 できる社会であることの重要性を語られ、エイズの緩和ケアの現状と今後のことも話 されました。  質疑応答も、穏やかながら活発に展開しました。患者さんご自身の帯状疱疹再発の 心配、ご家族の術中MRSA感染への疑問など幅広く感染症に関連する質問が出ました。血 液製剤使用後のエイズ発症までの期間の定説に対する疑問、ウィルス量と感染性の関 係についてなどかなり専門的な質問もありました。抗HIV薬を飲んでいる患者さんから 副作用の対処法について質問が出たり、HIV感染予防の実際的な方法の質問など、具体 的な内容の問いも多かったです。白阪さんからは、一つひとつの質問に丁寧に回答を 頂き、充実した時間を過ごすことができました。  テーマの設定から、堅苦しい勉強会になってしまうのではないかと心配していたの ですが、白阪さんの包み込むような優しい雰囲気のおかげで、暖かく患者情報室らし いアットホームな勉強会になりました。

 次回は、6月27日(日)13:00から「乳がん診療の最新情報」をテーマに、外科医の 増田慎三さんにお話頂きます。


患者情報室ホームページ→http://www.onh.go.jp/jyohousitu.html

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       看 護 の こ こ ろ (看護部から)
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                  西8階病棟 北野千代美 

 新緑が目に眩しく、さわやかな季節になりました。これから一雨毎に夏の気配が強 くなっていく毎日ですね。  病棟では、4月に新人を向かえバタバタと慌しい毎日から、少し落ち着きを取り戻し ていく頃でしょうか?それにしても、まだ慌しい毎日が続いていますが・・・・ 私が前回、看護のこころを書かせていただいたのは、ちょうど2年程前になります。そ の時は、新人を迎え、あの頃の新鮮な気持ちをいつまでも持ち続けたいということを 書かせていただきました。あれから2年、私は今年の4月に西8階病棟に配置換えにな りました。今回はまさに自分自身が病棟において新人になっており、毎日いろんな刺 激を受けています。  先日、生体肝臓移植について話す事がありました。肝機能の悪化に伴い、患者・家 族に治療方法として肝移植の説明がされました。家族はそれ以外方法がないのであっ たら移植を選択したいという考えでしたが、患者さんは何も返事をされませんでし た。そんな中、患者さん自身から、受持ちNsに「本当いうと私は、子供のことを考え ると移植までしたくはないの。私は移植をしないとどうなるの?」という言葉が聞か れました。その時私たち医療者や家族は、治療方法があるのならそれに賭けるのが懸 命だ、という前提で話をしていたことに気づかされました。移植に対しては患者さん の思い、家族の思い、医療者としての考えと様々な意見があります。一方の考え方だ けでは、どちらかが後悔することになるでしょう。どの意見が正解ということはな く、患者自身がどうありたいかをお互いがよく理解していかなければならないと思い ました。移植治療は今後どんどん進んでいくでしょう。このような機会も増えていく とは思いますが、お互いの考えを十分理解して選択していけるような看護を目指して いきたいと思っています。


http://www.onh.go.jp/kango/kokoro.htm

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          研 修 医 日 記
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こんにちは。整形外科2年目の岡田 潔と申します。

 この独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(途中2度名称が変わりましたが) で研修させていただいて、早や2年が経とうとしています。すでに3年目は他の病院へ 転勤することが決まっており、今思い返すと、様々な事が思い浮かび、少し寂しさを 感じています。

 当院の整形外科では、関節疾患、脊椎疾患を中心として、他の病院ではあまり多く 見られない骨軟部腫瘍、小児先天性疾患や整形外科的な難治性疾患の患者さんを多く 診ることが出来ることが大きな長所だと思います。手術件数も多く、教科書に載るよ うな模範的な手技から、非常に高度な技術のいる特殊な手術まで多くの手術を実際に 自分の目と手で学んで行けるため、充実した研修を受けることが出来ます。目が回る くらい忙しく、あまりのストレスですくすく育ったり(主に横に、特におなか周 囲)、逆に激ヤセしたりもするかもしれませんが(私はどちらも体験いたしまし た)、それだけ努力するに見合ったものが、やる気次第で得られると思います。

 ただ、私にとって、この病院で学んだ一番大切なことは、知識や技術ばかりではな く、患者さんを本気で治そうと思う気持ち、心構えだと考えます。この病院に来たば かりの頃、やる気だけは十分にあるものの、仕事をスムーズにこなすことに気を取ら れ患者さんにとって本当に重要なことが何かを見逃していることが多々ありました。 上の先生方にも厳しく色々な点で注意されましたが、「患者を本気で治そうと思って みろ」という点を一貫して教えられたと思います。本気で治そうとする姿勢が、真剣 に診て、考え、また一つ一つの事に妥協せず、確実にこなそうとする几帳面さを身に 付ける基盤となるのだと上の先生方の言葉と行動を通じて学べたように思えます。 時 には冗談やブラックユーモアなども飛ばされますが、患者さんに向き合う姿勢や、手 術に臨む態度の節々から感じさせられる、上の先生方の真剣さを見るたびに、自分 は 知識や技術以前に、気持ちとしても医者としてまだまだだと思い知らされる日々です。

 堅苦しい話ばかり書いてしまいましたが、同年代の先生が多く、頻繁に一緒に飲み に行ったり、食べに行ったり、時には夜の街に繰り出してみたり(?)出来るのもこ の病院の非常にいいところでした。そうした中、お互い励ましあい、慰めあうこと で、ハードな研修医生活をなんとかパンクする事も無く、やって来れたように思いま す。難波や心斎橋も近く、立地条件も非常にいいです(笑)。

 私自身はもうすぐ旅立ちを迎えてしまいますが、後もう少し、しっかり勉強させて 頂こうと思います。この病院での研修を考えておられる先生方もきっと後悔のない研 修を受けることが出来ると思います。


http://www.onh.go.jp/kensyu/nikki.html

☆お知らせ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
                                  
 平成16年5月29日(土)午後1時より、おおさか健康セミナーを開催致します。
 第2回のテーマは『よくわかる脳卒中の治療』です。           
                                  
 詳しくは・・・http://www.onh.go.jp/simin-3.html          
                                   
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総編集長:病院長 廣島和夫
編 集 長:副院長 楠岡英雄、内藤正子、看護部長 近藤りつこ 
編   集:横田尚子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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(以下のURLからお入り下さい)
http://m-maga.onh.go.jp


青葉が目にしみる今日この頃です。
4月からの新人は5月をくぐって育ちつつありますが、6月からは新卒の研修医を迎える ことになります。
教える方も教えられる方も期待と不安でいっぱいです。

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