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メールマガジン「法円坂」No.38(2004/8/13)(国立 大阪医療センター)




暑い日が続きます。熱中症の記録が更新されるほどの猛暑です。が、暑さにめげず、 今月のメルマ
ガをお届けします。

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   メールマガジン「法円坂」No.38(2004/8/13)
             (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 廣島和夫 で す
 ・緩和ケアチーム「がんサポートチーム」〜活動を開始しました
 ・臨床検査科 医長 竹田 雅司 です
 ・患 者 情 報 室 だより   
 ・看護部紹介(1)   
 ・看 護 の こ こ ろ (看護部から)
 ・研 修 医 日 記

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         院 長 廣島 和夫 で す
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『都会でも医師不足 ! 』

 北海道・東北地方における医師不足の問題は、新聞などでも広く報道されています ので、ご存じの方も多いかと思います。都会に住む我々には想像もつかないほどです。
 
 とくに、新研修医体制では、研修医は大学各医局に属さずに研修しますので、2年 間、大学ではその分だけ人手不足になります。その穴埋めに、大学から関連病院に派 遣していた若手医師を大学に引き上げさせてその場を凌いでいます。 

 上述の北海道・東北地区では、以前から医師不足が解決されていませんので、新研 修医体制の影響は医師不足に拍車をかけることになります。聞くところによれば、必 要な医師標準配置数の40%くらいしか満たされていない病院もあるとのことです。死 活問題を越えています。

 大都会でも、もともと志望する医師数の少ない領域(科)では、新研修医体制の余 波を受け、深刻な医師不足を来しています。とくに麻酔科医不足は新聞でも賑わして います。   国立 大阪医療センターでも頭を悩ませています。辛うじて待機手術(予定手術)に 対応できる要員だけは確保できていますが、これに加えて院内で発生した緊急手術や 院外から搬送される救急患者の手術に対応しなければなりません。麻酔科の先生方は 本当に激務で体力の限界に達しています。非常勤職員としてせめて日中だけでも手伝 って下さる麻酔科医をと血眼でさがしています。 

 先日の毎日新聞に「ママさん麻酔科医」の記事が掲載され、当院のことが少し紹介 されていましたが、この記事には2つの問題を含んでいます。ひとつは、結婚・出産の ために余儀なく職場を離れ家庭に入っている医師を如何にリクルートするか(看護師 の問題と同じです)、もう一つは、結婚しても継続して働くことができる職場環境を 如何に整備するか、です。   後者につきましては保育所の問題が非常に重要です。独立行政法人化するに当た り、院内保育所の運営は企業に委ねられましたが、当院の保育所では、もともと医師 の利用も少なくはなく、女性医師にも少しは働きやすい職場であるかと思います。 

 理想的には、病院に整備されている保育所が24時間オープンであれば、ママさん医 師やママさん看護師、ママさん薬剤師、ママさん放射線技師、ママさん検査技師も気 兼ねなく2交代制勤務や当直業務にも就くことができるので、病院の本来の機能(24時 間対応)を考えれば、全国的に主要病院ではこのような体制を整備することが必要です。  これは少子化対策の一環でもあるので、子どもを作っても仕事ができる環境をあら ゆる面で整備することに対して、国から強い後押しがあれば、と思います。

 それにしても、この3−4年間の危機を如何に乗り切るか、頭の痛い問題です。


ちょっと感じたこと:今回はお休みです。
バックナンバーはこちらから・・・↓
http://www.onh.go.jp/incho/shiryo/inchositsu/index.html

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 緩和ケアチーム「がんサポートチーム」〜活動を開始しました
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                がんサポートチームリーダー 里見絵理子
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 平成16年7月より緩和ケアチームとして「がんサポートチーム」が活動を開始しまし た。チームは身体症状のコントロールをする医師(里見)と精神症状をコントロール する精神科医師(小川)、がん看護専門看護師(田中)・疼痛管理専門看護師(山 中)を中心に、薬剤師、MSWなどから構成され、痛みや呼吸困難などの身体症状や、不 眠・不安などの精神神経症状をお持ちの入院がん患者様の症状マネージメント、ご本 人・ご家族のサポート、在宅診療への連携、また医療スタッフのサポートをコンサル テーション活動を通して行います。がんの病期は問わず早期から終末期の方まで対象 に診療支援を行っています。活動開始後1ヶ月ですが、各科の垣根をはずしたがん患者 様に関わる活動を通して、オピオイドを中心とした疼痛管理と未だに存在するモルヒ ネの迷信や誤解を解くための教育・指導や、不眠や不安の精神面の薬物療法・サポー トの重要性を再認識しております。WHOの緩和ケアの意義として掲げられる「患者とそ の家族のQuality of lifeを最善の状態に導くこと」「がんの診断時から早期の導入を するべきである」(WHO Genova 「Cancer pain relief and palliative care」  1991より)という理念と裏腹に、緩和ケア=がん終末期のイメージが強いという現状 ですが、がんサポートチームがあらゆる病期の症例の診療支援をすることで、大阪医 療センターにおいては病期に関わらず緩和医療の概念が浸透しつつあります。

 今後、当センターにおける患者様とご家族のがん治療のサポートとともに、チーム 医療全体の質の向上につながることを目標において、がんとともに生きる患者さん方 から「チームに関わってもらってよかった」といわれるようなチームにしていきたい と思います。

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      臨床検査科 医長 竹田 雅司 です
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 本年7月1日、臨床検査科に着任いたしました。三重県の出身で、昭和61年に愛媛大 学医学部を卒業、出身地である三重大学で内科に入局していました。しかし学生時代 からの「外科病理診断をしたい」という希望を果たすため昭和63年に大阪大学医学部 大学院に入学しました。大学院終了後、外科病理をスタートしたのが当院で、平成4年 から5年間勤務しておりました。そのときには多数症例を経験し現在の私の基礎になっ ています。その後、市立豊中病院、八尾市立病院病理に勤務し今回縁あって7年ぶりに 戻ってまいりました。その間、乳腺腫瘍に関する研究会や、上部消化管の研究会に積 極的にかかわることができたのは当時の国立大阪病院での経験によるものと考えてい ます。多数症例を経験させてもらった婦人科腫瘍に関しては、その後の病院では数が 少なく残念ながら経験が深まっていません。

 今回赴任してみると、私の専門領域である乳腺腫瘍(乳癌)の診断治療にあたる各科 医師、看護師、技師が集まり、症例検討と治療方針決定に関するカンファレンが毎週 行われていました。私も早速参加し、病理所見についての解説と症例検討に加わって います。臨床情報も得られ、病理診断の向上のためにも有益な会と喜んでいます。ま た、婦人科症例は以前よりさらに症例が増えており、もう一度この分野の診断能力を 高めていくことを課題としていきたいと思います。

 症例数が多いため、日常業務に追われる毎日ですが真能部長とともに微力ながら臨 床検査科、特に病理診断部門の充実に向けて頑張りたいと思いますのでよろしくお願 い申し上げます。



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 新 任 紹 介
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7月1日付で、救命救急センター医長に西野正人が就任致しました。

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         患 者 情 報 室 だより
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             NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
                                       患者情報室担当 山本ゆかり

 最近、大阪医療センターのドクターをはじめ職員の方々が、患者さんに積極的に患 者情報室のことを紹介して下さっています。多くの職員の皆さんに認知されて、応援 して頂いていると感じることが出来、とても心強いです。そのように紹介されて利用 されている患者さんのお一人を、今回紹介させて頂きます。


 Tさんは、悪性黒色腫の初老の男性患者さんです。6月の終わりに「鼻にほくろのよ うなものが出来てきていると気づきながら、随分長い間放置していました。テニス仲 間に、一度病院に行った方がいいと勧められ、軽い気持ちで受診したのに、『がん』 といわれて明日手術です。心配でイライラしていたら、ナースに患者情報室のことを 教えられ、一度訪ねてみたらいいと勧められました」と部屋に入って来るなり一気に お話しされました。病気のことを書いた本を何冊かお示しすると、ゆっくり読まれて 「自分なりに理解できた気がして、少し落ち着きました」とおっしゃって、病室へ帰 っていかれました。

 7月下旬、「手術は終わりました。次は化学療法になるとドクターに言われました。 化学療法って何なのだろうと思い、二人で調べにきました」と、お孫さんのような看 護学生を連れてこられました。「化学療法って、抗がん剤を使うのですね。部屋でゆ っくり読みます」と、国立がんセンターのホームページの一部分を印刷されました。  その翌日、ミニ映画鑑賞会の準備を朝からしているところに「急に血圧が高くなっ たんです。薬の影響かなと思って調べにきました」と来られ、一緒に高血圧のことや 薬の影響を調べました。「薬っていうより、ストレスというか、気分的なものなのか な」と、少し笑顔が戻られました。「土曜日は普段、閉室しているのですが、昼から ミニ映画鑑賞会を行うので午前中から開けていたんですよ」とお伝えすると、「気晴 らしに来てみようかな」とおっしゃり、鑑賞後のアンケート用紙には「久しく映画を 観ていなかったが、笑いあり涙ありで非常に楽しい時間を過ごさせて頂きました」と 感想が書いてありました。

 7月末、入院患者さんと外来化学療法室の患者さんを対象に、闘病記などの“読み物 ”の貸し出しを開始しました。最初に貸し出したのはTさんでした。「せっかく入院 しているのだから、病院で楽しく過ごしたいと思っています」とおっしゃりながら、 『病院はおもしろい(芹沢茂登子著)』を借りて帰られました。2日後「本当に楽しく読 めました。この本は、ぜひナースの皆さんに読んで欲しいな」と、にこにこしながら 返却に来て下さいました。

 その後も何度も、患者情報室に足を運んで下さっています。「化学療法が始まった ら、入退院の繰返しになるそうです。でも病院の中に素敵な居場所を見つけたので頑 張れそうです」と、明るく語って下さいました。


 Tさんのようにその時々の必要に応じて利用して頂き、喜んでもらえることは、私 達スタッフの大きな励みになります。皆さんに、様々な場面で役立つ患者情報室にな っていきたいです。

患者情報室ホームページ→http://www.onh.go.jp/jyohousitu.html

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         看護部 紹介 (1)手術室
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                        手術室看護師長 濱田智子

 看護部門の紹介第1号は手術室です。

 手術室では、現在9室(10台)で昨年度5620件(うち全身麻酔2775件)の手術を行ってい ます。手術部位は頭から足の先まで、年齢は0歳から98歳までと老若男女問わず当院の ほとんどの科のあらゆる手術を行っています。そのため、多種多様な手術に対応でき るように(?)医師も看護師も多種多様。それでも、手術となると“あ・うん”、“ツー といえばカー”でいつも手術ができ、患者様が安心して安全に手術を受けられるよう に日々がんばっています。手術を受けられる患者様には、周手術期看護をより充実さ せ、少しでも患者さまの不安を緩和できるように、術前・術後訪問を実施していま す。そして手術当日には、術前にお会いした当院きっての若いハツラツとした看護師 が(マスク越しで顔を見ていただけないのは残念ですが)暖かい目と声でおでむかえ し、ずっとそばに付き添い看護しています。また、意識のある患者様の手術では、器 械の音や周りの声が気にならないように、クラシックから演歌まで、お好きな音楽を 聴いて頂くこともできます。手術という緊迫した中でも、患者様が安心して少しでも 穏やかな気持ちで手術を受けられるような環境作りに心がけています。

 専門的な知識と技術そして、患者様への細かい心配りとともに、人並みはずれた体 力を持ち合わせたスタッフが、「正しく、品よく、心をこめて」のモットーでがんば っています。来年は、12室に増室となり、新しい感染防止対策も取り入れ、日々変化 する医療に対応できる手術室看護をめざしています。受けなくてすむものならしたく はない手術ですが、もしすることになれば、ぜひ当院の手術室へどうぞ!

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       看 護 の こ こ ろ (看護部から)
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                                             東7階病棟 池田ひとみ

 毎日、暑い日が続きます。暑くて、食事がとれない方も多いのではないでしょう か。冷たいビールばかりで、偏った食生活になっていませんか。

 先日、通院や入院されている患者さまやそのご家族を対象にした『狭心症・心筋梗 塞教室』に講師として参加しました。病状を悪化させないための日常生活の注意点・ タバコ・お酒・運動と体重・ストレスなどの注意点についてお話しました。皆さん、 大変熱心に聞いておられ、質問も活発でした。生活習慣病である狭心症・心筋梗塞 は、生活習慣を見直すことで、病気を予防し、悪化を防ぐことが可能です。禁煙・食 生活の改善・運動療法・ストレスの軽減が重要となります。皆さんにお話しながら、 かくいう私はどうだろうかと、考えてしまいました。禁煙こそ、循環器病棟の看護師 として守っていますが、他のことは、まったく反対です。不規則な仕事のせいもあり ますが、食事時間は不規則で、短時間で食べることができるようインスタント類が多 いのです(あの毒々しい味つけに慣れて、中毒かもしれません)。寝るのが一番と、 仕事以外に歩くことも少なく、運動する習慣もありません。ストレスがたまると、た まにはアルコールで発散させることもあります。

 「悪いとわかっているけど、なかなか直せない。」そういう患者さまの気持ち が・・・よくわかります。社会生活上、悪習慣は断ち難く、仕事を続けていればスト レスがかかります。だからといって、あきらめていては、病気を繰り返すばかりで す。では、どうすればいいのか。健康でありたいと願う患者さまにその方法を提供で きるようにするには?できる具体策を共に考える、実践できるように環境を変える、 継続できるように支援する、周囲に支援体制を築く、ということが必要でしょう。病 院内で看護師ができることには限界があります。広く社会に働きかけ、変えていかな ければならないことがあります。健康に暮らすためには、社会はどうあるべきか? 人々への啓蒙活動は?そういった視点ももち、看護活動を続けていきたいと思ってい ます。

看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/

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          研 修 医 日 記
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 はじめまして、内科研修医2年目の吉間陽子です。

 月日が経つのは早いもので、もうこんな原稿を書く時期になってしまいました。つ いでに原稿の締め切りにも遅れています。すみません・・・。

 これまで総合内科で6ヶ月、小児科・救急で各3ヶ月お世話になってきました。今は 循環器内科で研修を続けています。 働き始めた頃は、分からないこと、できないことが多すぎて、その頃に比べれば少し は成長したかなぁと思う反面、まだまだと感じることも多々ある日々。そのつど悔し かったり、情けなく思ったりの私ですが、笑顔で退院してほしい患者さんと、一緒に 働くスタッフの頑張りを見ていると、なんだか励まされて前を向けます。

 良い環境は必ず良い方向へ人間を成長させてくれると思います。この病院はとても いい環境なので、私はなんとか頑張っていけてるのだろうと思います。患者さん、ス タッフの方々に感謝。

 では、まだ仕事が残っているので病棟に行ってきます・・・。

http://www.onh.go.jp/kensyu/nikki.html

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総編集長:病院長 廣島和夫
編 集 長:副院長 楠岡英雄、内藤正子、 看護部長 山田泰子 
編   集:横田尚子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 台風も迷走する暑さですが、次のメルマガの頃には涼しくなって欲しいものです。
では、来月まで、ごきげんよう。

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