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メールマガジン「法円坂」No.44(2005/2/15)(国立 大阪医療センター)




立春を過ぎても寒さがつのります。お元気にお過ごしでしょうか。
今月のメルマガをお届けします。

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   メールマガジン「法円坂」No.44(2005/2/15)
             (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 廣島和夫 で す
 ・災害訓練を終えて
 ・患 者 情 報 室 か ら     
 ・病棟紹介(7)
 ・看 護 の こ こ ろ (看護部から)
 ・研 修 医 日 記

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         院 長 廣島 和夫 で す
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『広域災害医療と大阪医療センター』

昨年は「災」の1年で、台風災害・地震災害などによって日本列島が大きく揺れ動き ました。   ○ 国や地方自治体は、災害に対して何も起こらないときから十分な準備をしておか ねばならいことを認識し、諸対策に取り組んでいます。

 当院は西日本の広域災害拠点病院としての使命を担っていますが、現実には、どの ような形で災害医療に対応してきたのか、また常日頃からどのような準備をしている のかについても少し触れてみます。

 中越地震の起こる以前の昨年の夏に、東京都や厚労省は広域災害に対する派遣医療 隊(DMAT)の結成(東京都)や構想(厚労省)をもって動いていたことは、余り知ら れてはいないのではないでしょうか。

 ○ 東京都は、平成16年8月に「東京DMAT」を発足させたばかりでしたが、中越地震 では、直ちに現地に医療チームを派遣し随分と活躍されましたことは、マスコミを通 してご存じかと思います。   厚労省も8月末に、H17年度に災害派遣医療チーム(DMAT)体制を66施設に整備すべ く、推進研修事業の概算要求をすると報道されました。 

 厚労省や東京都の事業は、災害の急性期(48時間以内)に可及的早期に救出・救助 部門と合同して活動できるトレーニングを受けた機動性を持った災害派遣医療チーム (Disaster Medical Assistance Team、DMAT)の体制を構築しようとするものです。

 ○ この2ヶ月後に中越地震が発生しました。厚労省は当日(10月23日)に事務次官 を本部長とする災害対策本部を設置し、25日までに2つの国立医療センター・3つの国 立病院機構の病院からの医療班を現地に派遣しました。また独立行政法人 国立病院機 構も25日に、理事長を本部長とする災害対策本部を設置し、機構の各病院から交代で 医療班を派遣することとしました。 

 24日の午後に大阪医療センターに、医療チームを現地に派遣する要請があるかも知 れない、との情報が入って来ました。翌25日には、国立病院機構本部から正式の派遣 要請があり、緊急に会議を開き近畿ブロックと合同で救援活動をすることとして準備 のうえ、26日早朝に第一陣を現地に送り出しました。また、11月1日には第2陣を現地 に派遣し、小千谷市総合体育館で医療活動を行っております。  厚労省管轄の病院および国立病院機構の多くの施設の協力により、10月24日から11 月23日までの1ヶ月間にわたる医療救援活動を行ったことになり、災害医療に大きく貢 献しました。
このときの大阪医療センターの活動記録→ http://www.onh.go.jp/niigata.html

 ○ 平成17年1月15日には、大阪医療センターで第4回目の恒例の災害訓練が開催され ました。  平成13年5月に緊急災害医療棟の完成を機に、毎年テーマを決めて継続して災害訓練を 行うこととし、平成14年1月に第1回を開催しました。訓練内容はトリアージ訓練と情 報管理・職員の臨機応変な対応などに関するものです。第1回目のときはマスコミ取材 もあり、テレビで生々しいトリアージの現場が放映されました。

 今回、中越地震での救援活動の経験を受けて、国立病院機構 近畿ブロック・大阪医 療センター・近畿ブロック内の各施設から、総計554名が参加し、南海・東南海地震勃 発を想定した訓練をおこないました。被害施設からの被害状況の報告と医療隊の支援 要請、これを受けて各施設への応援要請などのブロックとしての対応、ブロック災害 対策本部・大阪医療センター対策本部としての機能に問題はないか、などの紙上での シミュレーションによる訓練と同時に、当院の地震災害への対応実地訓練(模擬患者 によるトリアージ・患者情報の管理訓練・各部署での各自の行動チェックなど)を平 行して行いました。今回もNHKが取材しTVで放映されました。

 ○ 国の災害派遣医療チーム体制整備事業が、平成17年2月1日付けでスタートしまし た。   これまで当院は西日本災害拠点病院として位置づけされていましたが、どのような 機能を持ちどのように活動すべきか、と云う点においては抽象的にしか把握できてい ませんでした。今回の中越地震への医療隊派遣を契機として当院もDMATとしての機能 と必要な医療機器を整備することを要請され、その使命がより具体的・現実的なもの になりました。 

 とにかく、訓練の反復によって、身を以て如何に対応するかを体験し、ノウハウを 身につけることが必要です。職員全員が、同じ認識で行動するように訓練されている ことが、咄嗟の災害時には生きてきます。   私どもは、常日頃から広域災害時の対応をも想定し、また、何時何処から医療の救 援要請があっても対応できる準備をしています。

 ○ 大阪府下には12カ所の病院が DMAT を整備する医療機関としてあげられていま す。そのうちの8カ所は大阪府として設置されているものであり、残りは国や大阪市が 整備する施設です。  現実には、それぞれの整備主体の縦系列の指示によって動きますが、同時に横系列 での相互協力によって医療活動・救助活動は行われます。 

 行政が積極的に動くのは勿論ですが、さらに一般の市民の皆さん方の協力も広域災 害時の救援活動には不可欠です。  今後は、市民の皆さん方とも、常日頃から市民公開講座や市民の皆さん方を取り込 んだ災害訓練などを通じて、対応策を考えて行くことも必要と考えています。

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          災害訓練を終えて
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              救命救急センター 坂本 道治

 阪神淡路大震災から10年、昨年10月には新潟中越地震があり、当院からも災害医療 班の派遣を行いました。医療班が活動を行った小千谷市総合体育館には約3,000人の方 が避難されており、繰り返す余震におびえながら毛布1枚にくるまって夜をすごしてお られました。この中に設置された救護所の受診者は1日400人を超え、日赤医療班と協 力し24時間体制で診療を行いました。また、12月のインド洋スマトラ島沖地震では地 震・津波による死者・行方不明者は22万人を超えたと報じられています。これらは決 して対岸の火事ではなく、東南海地震・南海地震がいざ起こった際には当院も相当の 被害を生じることが予想され、これに備えたハード面・ソフト面の整備は急務と言え ます。

 このような状況の中で、1月15日(土)に災害訓練を行いました。今回は例年と違 い、国立病院機構近畿ブロックの合同訓練として他施設から多数のご参加を頂きまし た。また、近畿ブロック事務所を中心とした情報連絡訓練、災害医療班派遣訓練も同 時に行われました。

 今回の訓練は、平日の午前10時に紀州沖を震源としてマグニチュード8相当の大規模 地震が発生し、法円坂周辺は震度5強の揺れがあり、多数の傷病者が出たという想定で 行いました。地震があったという全館放送の後、災害対策マニュアルに則って緊急災 害医療棟2階に災害対策本部が設置されました。この災害対策本部のハード面の整備 は、昨年訓練を行った際に比べ、見違えるほどとなっています。情報収集・連絡用の パソコンが設置され、災害時連絡用優先回線の携帯電話、全国で使用可能な衛星電話 などが準備されており、より現実の稼動を見据えた物となっています。この災害対策 本部の指示により、院内被災状況の確認、ライフライン・エレベーターなどの損傷状 況の確認を行い、当院内の被害は軽微であると確かめられたとの仮定のもと、傷病者 の受け入れを行う方針が決定され、現地本部が設置されることになります。その後順 次トリアージセンター・各ゾーンの設営が行われ、傷病者受け入れの準備が整えられ ました。今回も模擬患者役は主に当看護学校の3年生にお願いしましたが、みな迫真の 演技で、医療担当者側が対応に慌てる場面も多く見られました。今回は医療担当者側 の人数が多かったこともあり、各ゾーンは比較的スムースに患者対応ができたようで した。それでも最終的な患者数確認では混乱を生じ、1名の行方不明者が出たり、トリ アージタッグのはがし忘れなど、改善されるべき点が浮き彫りとなりました。実際の 災害時には、ごく限られた人数での対応を迫られ、訓練時とは比べ物にならないほど の多数の傷病者が殺到することも起こり得ます。そして何より実際の現場では、何の 下準備もなく各職員は突然に与えられた担当をこなさなければなりません。これに備 えるには、平時より災害対応マニュアルを整備し、院内すべての職員が災害時の対応 を意識する事が重要になります。  このトリアージ訓練と平行して、近畿ブロック事務所ではブロック内の他病院・警 察・消防・自衛隊などの関連各機関との情報連絡の訓練を行い、実際の災害時と同様 な情報収集、伝達方法の確認を行いました。災害時には電話回線の混乱などにより病 院外施設との連絡がとれなくなる事が考えられ、電話などの日常用いている連絡方法 以外の情報伝達手段を準備しておく必要があります。

 訓練に参加していただいた方々には、災害時の患者受け入れの流れ、通常診療との 違いなどについて御理解いただけたかと思います。災害発生時には緊急度・重傷度に 応じた患者の振り分けを行い、院内の残存医療機能・資源を有効に活用することが重 要になります。このトリアージの基本を理解することで、実際の災害時にとる行動の メルクマールができると思います。

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         患 者 情 報 室 か ら
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              NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
                患者情報室担当 山本ゆかり

 外来診察の待ち時間を利用して、患者情報室を訪ねてくださる患者さんがいらっし ゃいます。以前は、診察の順番をやり過ごしてしまわないかと気にしながら利用して いる方が多かったのですが、近頃は、ポケットベルサービスのおかげで、ゆったりと過 ごされる方が増えてきました。ポケットベルは外来受付で貸し出され、診察の順番が 近づくとベルがなる仕組みになっています。  何度かポケットベルを持って患者情報室に来られている女性は、「診察の前に、も う一度自分の病気のことを調べると、ドクターに聞きたいと思っていた内容が整理で きて、診察のときに要領よく質問できます」と話してくださいました。  別の女性は、「以前は、診察室前の待合のいすに座って、まだ順番が来ないのかと 少しいらいらしながら待つことが多くありました。ポケットベルを利用するようにな ってからは、患者情報室へも来ることができるようになり、闘病記やドクターの書い たエッセイを読んだり、自分の病気に役立つパンフレットを探しながらゆったりとし た時間が過ごせるようになりました。これからも、受診のたびに利用したいと思って います」と語ってくださいました。  どうか院内のスタッフの皆さまも、外来患者さんにポケットベルの活用と患者情報 室の利用をお勧めください。

患者情報室ホームページ→http://www.onh.go.jp/jyohousitu.html

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         病 棟 紹 介 (7) 
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                  病棟師長 樋口 久子

 東9階病棟はベッド数47床、手術対象の患者さまと化学療法・放射線療法を受けられ る患者さま、そして終末期の患者さまに入院していただいている病棟です。  病室は、4人・2人・個室とあります。個室のなかには、院内で3室設置してある特別 室が当病棟内に1室あります。このお部屋は、全ての科の患者さまを受け入れていま す。時には、いままでに対応したことのない疾患をもった患者さまを受け入れます が、病棟スタッフみんなで関わり、満足していただけるように頑張っています。  基本的な対象疾患は、食道・胃・腸・胆・肝・膵臓等消化器疾患、乳房疾患、肺疾 患が主になります。  看護師は、24名で、21歳から50歳代まで幅広い年齢層で勤務をしていますが、患者 さまに良くなって退院していただきたいという思いは全員一致。チームワークのとれ た集団であると自負しています。

 当病棟に入院されますと、まず看護師が入院されるまでの経過や生活習慣をお聞き します。これは、退院されるときに生活に支障のないように調整をするために、お伺 いしています。  次に、病棟の案内や手術の説明、退院までの検査・食事・日常生活についての説 明、クリニカルパスの説明などを行います。  入院から手術までは2〜7日。手術前の検査はほとんど外来で行います。入院時には 手術日が確定している患者さまがほとんどです。手術までの間に、薬剤師によるお薬 の指導、麻酔科医の手術前往診、手術室・ICU看護師の訪問があります。私たち医師・ 看護師は、それぞれの専門分野のスタッフの協力を得ながら、情報を共有し、患者さ まのニーズに応え早期に社会復帰していただけるようにしていきます。  また、化学療法・放射線療法・終末期においては、それぞれの専門のスタッフが、 病棟スタッフと連携しながら治療・看護に日夜励んでいますので、満足のいく療養生 活を送っていただけるものと確信しています。

 みなさんの健康維持のために、1年に1回の健康診断は必ず受けてください。そし て精密検査を必要とされましたら、恐れずに受けましょう。万が一病気が発見された ら、当院外科を受診し治療しましょう。
力強いスタッフがお待ちしています。

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       看 護 の こ こ ろ (看護部から)
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                 東8階病棟  南 理恵

 暦の上では「立春」ですが、まだまだ寒い日が続いています。
しかし、病棟では熱い看護のこころを持った看護師が、一年中半袖の白衣を着て毎日 患者様とともに病気とたたかっています。

 私の働く病棟では、たくさんの患者様との出会いがあります。その一つ一つの出会 いには、患者様の色々な人生があり、看護師はその人生の貴重な場面に少しだけ出演 させていただきます。その場面の最初の第一歩は、患者様が入院されて、看護師とお 話をすることから始まります。看護師は、それぞれの患者様の思いや考え方を聞く中 で何を一番お手伝いさせていただくことが、患者様にとってベストの看護であるかを 頭をフル回転させて考えます。時には、その看護が特別なイベントになる時もありま す。例えば、ある御夫婦は、病室で金婚式を迎えられたり、ある女性は、両親にウエ ディング姿を見せたいと病室で結婚式をあげられたり…。毎日、看護師は、何が起こ るかわからない生命と隣り合わせの病棟の中でいつも神経を張り詰めていますが、こ んなイベントに立会うことができると温かい気持ちが込み上げてきます。そして、本 当に看護師をしていてよかったと思える瞬間を感じられます。看護師は、病気と闘い 治療に立ち向かう勇敢な患者様の姿を目の前にした時、不可能を可能にする不思議な 力をいただくことができるようです。

 私は看護師として働き始めてから、10年が過ぎようとしていますが、年々、看護師 の力は微々たるもので、患者様ご自身の力と御家族の力に勝るものはないと強く思い ます。看護は、患者様と御家族の力と、看護師が患者様の肌に触れて、表情を見て、 声を聞いて感じたこと、専門のエビデンスを組み合わせてはじめてひとつの作品にな ります。看護師の仕事は、ゆっくり、時間をかけて丁寧に作り上げていくのです。今 まで、いくもの素敵な場面に、私が看護師として出演させていただくことができたの も、たくさんの患者様やその御家族に支えられ、助けられ、時には勇気をもらうこと ができたからです。そんな多くの患者様に少しでも恩返しができるように、患者様の 笑顔を目標に、患者様の気持ちを大切に考える看護のこころを忘れず、頑張ろうと思 います。

看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/

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          研 修 医 日 記
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今月は、都合によりお休みです。

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総編集長:病院長 廣島和夫
編 集 長:副院長 楠岡英雄、内藤正子、看護部長 山田泰子 
編   集:横田尚子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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インフルエンザが徐々に流行しだしています。ノロウィルスは相変わらずです。
お水取りまであと一月弱ですが、体調にお気を付けください。
では、来月まで、ごきげんよう。

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