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メールマガジン「法円坂」No.47(2005/4/13)(国立 大阪医療センター)




 目に緑がまぶしい季節となりました。新卒の研修医の研修が5月1日からスタートし ました。医師にとっては人事異動の季節です。
 今月のメルマガをお届けします。

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   メールマガジン「法円坂」No.47(2005/5/13)
             (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 廣島和夫 で す
 ・Co-medical 部門紹介  
 ・ボランティア『法円坂』
 ・患 者 情 報 室 か ら   
 ・看 護 の こ こ ろ (看護部から)
 ・研 修 医 日 記

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         院 長 廣島 和夫 で す
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 去る4月25日午前9時18分、JR宝塚線で発生しました未曾有の列車脱線転覆事故でお 亡くなりになられました107名の犠牲者の方々に、心から哀悼の意を表しますとともに ご冥福をお祈り致します。また、ご家族の皆様方に心からお悔やみ申し上げます。
 さらに、負傷され未だ入院されている多くの方々の1日も早いご快癒を願っております。


『子ども人口の減少が止まらない』

  子どもの日に、15歳未満の人口が発表されました(表1)。 

 1765万人という数字は、50年前の60%値という驚くほどの減少です。全人口に対す る比率は、昭和25年では、35.4% でしたが、30%を切るのは昭和41年(丙午の年)。こ の年の急激な減少はその後の第二次ベビーブーム(昭和46-49年)で少し回復します が、十分に戻ることなくそのまま下降線を一気に辿ります。   それでも平成2年では、まだ 21.5%と言う数字でした。この15年でさらに9ポイント ばかり落ち込んだことになります。 

 少子化が進んで行くと歯止めがかからなくなる、という現象が如実に示されています。

 総務省統計局の今後の推計をみますと、そろそろ落ち止まりの兆しがあり、今後の 10年間では、これまでと異なり1 ポイントの落ち込みしかないようです。 
  
 都道府県別に15歳未満者の全人口に対する比率をみますと(表2)、都会・寒冷 地・過疎地で小児人口が少ないとは一概には云えないようです。多くの要因が複雑に 絡み合っていると考えられます。  国際的には(表3)、沖縄県はヨーロッパ諸国よりも15歳未満の人口比率が大きい ですが、隣国の韓国・中国(国民の1/5が小児)には及びません。 
 米国も国民の1/5が子どもです。 
 一方、イタリア・ドイツやロシアは、上記に比して小児人口率は低く、状況を異に しています。
 それぞれのお国事情があるでしょうが、少なくとも、
        『子どもを育てる環境がない』
        『もっとエンジョイしてから子どもを作りたい』
        『あまり子どもが好きでない』
 などという、日本でときとして聞かれる話は非常に歪んだ考えに思われます。 

 少子化が日本の国力の低下に繋がらないことを願っています。 
  
 厚生労働省も本年4月に「次世代育成支援対策推進法」を作り、少しでも子育て支援 をおこなって行こうとしています。男性社員の育児休暇を企業が積極的に取り込むな ど、政府は企業の行動計画の策定を求めています。  5月10日には、総理官邸で「子育て支援官民懇談会」が開催されました。少子化対策 として子育て支援が有効と考えてのことです。  これまでにも児童手当の拡充など、少子化対策として手を打ってきましたが、なか なか効果が見られません。政府も財界もこの期に及んで、少子化対策について、もう 一歩踏み込んで方向転換をし始めたようです。

 ヨーロッパ諸国も少子化がゆっくりと進んでいますが、彼らは数少ない子ども達を 大切に育て上げようとしています。  一方、日本では、以前にも書きましたが、世の中、だんだんと子嫌いの風潮が増え てきているように思われます。   住む環境が多少良くなくとも、子育てには経済的に苦しくとも、家族の絆となる子 ども・家族の宝であるこどもを持とう・育てよう、との気持ちが少なくなったのでは ないでしょうか。 
  
(表1)15歳未満の人口

        1765万人(13.8 %)
                00-02歳 338万人
                03-05   350万人
                06-08   356万人
                09-11   358万人
                12-14   362万人
        男 904万人/女 860万人(男女比 1.05/1)

(表2)都道府県別 15歳未満者人口比

  沖縄県 19.0 % > 滋賀県 15.7 % > 佐賀県 15.5 % > 愛知県 15.2 % >
  福島県 15.1 % >----- > 大阪府 14.1  % > ----- > 山口県 13.1 % >
  北海道 13.0 % > 高知県 12.9 % >秋田県 12.3 % > 東京都 12.0 %

(表3)15歳未満者人口比:諸外国との比較

  日本(13.8 %)< イタリア(14.2 %)< ドイツ(14.7 %)< ロシア(16.4 %)<
  カナダ(17.9 %)< 英国 (18.6 %) < フランス(18.8 %)< 沖縄県(19.0 %)<   
  韓国(20.3 %)< 米国 (21.0 %) < 中国(21.5 %)


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      Co-medical 部門紹介 (1)薬剤部
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                                   薬剤科長  前川 孝史

 平成17年4月1日付けで当院薬剤科長として着任しました。よろしくお願いします。 独立行政法人に移行し、国立病院機構としてスタートして1年が経ちましたが、当院を 含め近畿ブロック内施設に勤務する薬剤師個々の意識はかなり変化してきていると感 じています。  当院薬剤科では、「健全な経営なくして良質な医療なし」の考えの基、経営改善へ の積極的な取り組みと、近畿ブロック内で中心的役割を担う施設として「正確且つ迅 速な調剤」、「安定且つ安全な医薬品の供給」、「医薬品の適正使用のための薬剤管 理指導業務」、これらを通じて、当院の専門性を生かした安心・安全な質の高い医療 を患者様に提供できるよう日々努力しているところです。

【薬剤科の主な業務内容】
1.病棟業務(薬剤管理指導業務・病棟薬品管理業務)
患者様個々の薬物療法に参画し、医薬品情報の提供と薬学的管理に基づいた情報の 収集・評価・蓄積により医薬品の適正使用を支援する薬剤管理指導業務(服薬指導) については全病棟に拡大するまでに至っています。  また、1フロアーに少なくとも1名の薬剤師を常駐配置し、医薬品のリスクマネージ メント、適正な医薬品管理を実施できるよう「薬あるところに薬剤師あり」の体制作 りに取り組んでいるところです。

2.抗悪性腫瘍剤・IVH(中心静脈栄養)製剤の無菌調整
 注射薬の混合調整については、環境が整備された所でクリーンベンチや安全キャビ ネットを使用し、薬剤師が無菌的に調整することが「安心・安全な医薬品の供給」と いう面からも最適です。平成16年度においては、抗悪性腫瘍剤は外来化学療法を中心 に月間約740本、IVH製剤は月間約460本の無菌調製を行いました。

3.治験業務
 適正な治験を行うためには、国際的な評価に値する臨床データの作成が求められて おり、厚生労働省としても新GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)に基づく治験がで きるよう力を入れています。薬剤科にあっても、治験が円滑に実施できるためのCRC (治験コーディネーター)業務を新たな病院薬剤師業務と位置づけ、治験主任薬剤 師、その他2名の専任薬剤師が当院治験管理センターでその任を負っています。

4.くすり相談室での服薬指導・相談
 当院は政策医療の一つとして、エイズ診療の近畿ブロック拠点病院として位置付け られています。薬剤科でも、2名の薬剤師が当院先端医療開発センターのHIV薬剤専門 職、HIV薬剤コーディネーターとして、患者様のプライバシーを考慮し、くすり相談室 で服薬指導・相談に応じています。

薬剤科ホームページ→http://www.onh.go.jp/dis/
 
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           ボランティア『法円坂』
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                            ボランティアコーディネーター
                       中村 昭代

 前号で平成9年1月国立病院大阪医療センターにボランティア組織が立ち上がり、活 動が開始されたことはお知らせしました。このグループは「法円坂」と命名され、今 日まで活動が継続しています。

 平成15年7月、ボランティア受け入れ規程、表彰に関する細則、活動のしおり等が現 院長によって改定され、「法円坂」以外で、当院で活動するボランティアも集結する ことができました。30余年も活動中の小児科習字教室(当初は学習指導が中心)、玄 関に生花を飾られる方、年2回のコンサートを支えてくださる音楽グループ等々。又平 成15年10月にはNPO法人ささえあい医療人権センターCOMLによる患者情報室も当院 のボランティアとして活動が開始されました。16年度には、園芸、小児科での英会 話、手話・気功の研修講師、栄養科での事務補助、そして今月から小児病棟でえほん 読み、指人形、紙芝居などをする綿の花えほんの会も活動を開始しています。  100名を超える多くの方々が、自主的に、ボランティア精神を発揮して、当院の患者 様の健康回復の為に御尽力をいただいていることは周知のことです。送り手であるボ ランティアの気持ちを受け手である病院職員の皆様がしっかりと受け止めていただ き、医療のすき間をうめ、患者様の健康回復への一助となるよう、車の両輪のごとく 双方の力と心が結集できることを願っています。

ボランティアホームページ→http://www.onh.go.jp/volunteer/

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         患 者 情 報 室 か ら
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              NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
                患者情報室担当 山本ゆかり

 患者情報室の窓ガラスの向こうでは、つつじが満開です。春本番と思っているうち に、すぐ初夏がやってきそうな陽気になってきました。

 4月9日(土)に、第8回患者情報室勉強会を開催しました。消化器科加藤道夫部長を講 師にお招きし、「肝臓病のお話 ー慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんー」をテーマにお話 いただきました。肝臓病への関心の高さのためか、患者情報室には入りきらないほど の参加申し込みがあり、研修室をお借りしての開催となりました。  まず、肝臓についての説明に始まり、慢性肝炎、特にC型肝炎について詳しいお話 がありました。引き続き、肝硬変、肝臓がんについて語ってくださいました。かなり 専門的な話も含まれた、盛り沢山の内容でしたが、参加者の皆さんは一生懸命に耳を 傾けていらっしゃいました。  患者さんやご家族からは、検査値に対する考え方や、これからの治療方法の選択な ど、具体的な質問が多く出されました。加藤さんは、その一つひとつに、わかりやす く丁寧に回答してくださいました。加藤さんの熱心な語り口の中に、肝臓病治療に対 する熱い思いが感じられ、充実した勉強会になりました。  次回は、6月11日(土)午後1時から「股関節の病気 とくに変形性股関節症につい て」をテーマに、大園健二整形外科部長にお話いただきます。

患者情報室ホームページ→http://www.onh.go.jp/jyohousitu.html

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       看 護 の こ こ ろ (看護部から)
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             西6病棟看護師長  福島 佳織

 新緑の美しい5月と言いたいところですが、いきなり真夏日のように暑くなったり、 肌寒くなったりと気温の変化の激しい今日この頃。この連休中に慌ててやっと衣替え を行いました。季節の巡りが年々早くなっていく気がします。特に今年は新米師長と して着任し、はや1ヶ月が過ぎたというのに、まだまだ病棟のことも病院のことも十分 に把握できておらず、日々奔走する割に失敗も多く、気持ちはあせる一方です。  しかし時間の経過が早くなっているのは季節ばかりではありません。先日、尼崎で 大惨事となった列車事故が起こりました。日が経つに連れ、その原因が解明されつつ あるようです。基本的にはスピードの出しすぎ、しかしその裏にあるJR西日本の企業 としてのあり方を問われることになりました。患者様の命といつも隣り合わせにいる 私達も人ごとではありません。患者様が病院に看護師に、本当に求めていることは何 だろうかと、私自身が自分の足元を改めて見つめ直す機会になりました。  私が今まで主に勤務していたところは、周産期といって産科とNICUが一体とな った病棟でした。ハイリスク妊娠が多く、自分の命を懸けても子供が欲しいと思われ るお母さんや、23週の500gにも満たない小さな小さな赤ちゃんを一生懸命看護してき ました。Fetus as patient「胎児もまた患者である」という信念のもと胎児治療も 積極的に行われ、本当に人間の生命力の神秘さやすばらしさを肌で感じることができ たと思います。また、たとえわずかな期間の命でも、御両親は赤ちゃんの顔をみた途 端に親としての顔つきになり、人間として成長される姿を見ると、生命の尊さを感じ ずにはいられませんでした。  しかし、出生前診断や最先端の治療と、生命倫理との狭間で、本当にこれでいいの だろうかと迷うことも多々ありました。どんな子供でも実際に育てていくのはご両親 であり、医療者ではありません。疾患や障害を持たせてしまったことについて、ご両 親は深い罪悪感を抱えてしまう方も多いし、夢描いていた一生が大きく変わることも あります。一方、少子化の時代となり、虐待などのニュースを聞く度に胸が痛みま す。子育ての大変さや孤独感などの気持ちも多少はわかるつもりですが、どんな言い 訳をしても親となったその瞬間から子供に対する逃れようのない責任があると思うの です。  小児科では親も含めた家族看護は特に大切です。よく子供は親を選べないといいま すが、以前「私があなたを選びました」という本を読んだことがあります。あなたを 選んであなたの元に生まれてきたのだから、自信を持って愛情をもって育てて欲しい といった子供からのメッセージです。とても素直に子供を受け入れることができるよ うになる、素敵な本でした。この子供からのメッセージを伝えながら、自分で訴える ことができない子供の気持ちや権利を尊重した、そして家族の絆を大切に、家族の心 も癒せるような小児科病棟を目指して模索していきたいと思います。

看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/

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          研 修 医 日 記
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初めまして。現在レジデント1年目の中本ちさこです。

私はこの4月で2年間の初期研修を修了しました。今とは少しカリキュラムが違います が、消化器内科6ヶ月、循環器内科6ヶ月、総合内科6ヶ月、麻酔科3ヶ月、小児科2ヶ月 の研修でした。2年間は長いようであっという間、採血はおろか右も左もわからない初 日から少し指示がだせるようになった2年目、現在も日々学習です。

〔消化器内科〕
最初に回ったこともあり、PCも使えない、採血もできない、ほんとにひよっこでし た。不慣れながらも徐々に患者さんも増え、自分の仕事も終わってないうちに緊急内 視鏡で呼ばれたり、忙しい日々でした。大学病院とはちがって患者数の3分の1をしめ るので、担当患者数もおおいです。重症患者も多いので、忙しさと引き換えに、治療 をする立場からの命の重みを知ることができたように思います。

〔循環器内科〕
ほんとに忙しいです!重症患者さんも多く6ヶ月間お休みはなかったです。特に緊急カ テーテル検査を必要とする心筋梗塞は時間との戦いです。お風呂にはいってて髪はぐ ちゃぐちゃ、そのまま走って行ったりしたことも。2年目になると救急外来の初期治療 を担当しますが、ここでは時間との戦いだけでなく、上の先生を呼ぶべきか、急ぐか 急がないか判断しなければなりません。心疾患をみていて日ごろからのリスクファク ターの管理の大切さを感じました。

〔総合内科〕
総合というだけあってほんとに様々な患者さんを担当することになります。スタッフ の先生方のサポートのもと、望めばいろいろな手技もさせてもらえます。総合内科を 回りつつ私は2年目の秋にようやく進路を決めました。検査し診断し、治療していくと いう一般的な内科での研修はとても楽しかったです。そして大学病院とは違いごく一 般的な肺炎、腎炎などの患者さんも診ることができます。
内科全般、さらに麻酔科、小児科を研修できることができてとても満足しています。

http://www.onh.go.jp/kensyu/nikki.html

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総編集長:病院長 廣島和夫
編 集 長:副院長 楠岡英雄、内藤正子、看護部長 山田泰子 
編   集:横田尚子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 ゴールデンウィークも終わり、次の連休まではあと2月あります。遊び疲れにご注意 ください。
 では、来月までごきげんよう。

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