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メールマガジン「法円坂」No.51(2005/9/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)




残暑と初秋が交互に現れる複雑なお天気ですが、体調はいかがでしょうか。
それでは、今月のメルマガをお届けします。

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   メールマガジン「法円坂」No.51(2005/9/15)
             (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 廣島和夫 で す
 ・Co-medical 部門紹介
 ・ボランティアグループ
 ・患 者 情 報 室 か ら      
 ・看 護 の こ こ ろ (看護部から)
 ・研 修 医 日 記
 ・お 知 ら せ

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         院 長 廣島 和夫 で す
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○ 医療機関の情報公開について
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 毎年、全国市民オンブズマン連絡会議が47都道府県・13政令市を対象として情報公 開度の調査をおこなっています。   新聞の記事によれば、知事さんや市長さんが交替した場合、翌年の調査で、公開度 の評価点が急に良くなったり悪くなったりする様です。知事さんや市長さんの姿勢が 大きく影響している、と同連絡会議では述べています。

 今回は、例年の調査に加えて、「補助金交付に関する条例・規則、補助金一覧表の 有無」などについての調査を、47都道府県と808都市を対象としておこなわれました。   それによりますと、3県および6政令市では、補助交付金に関する条例・規則などが 全く整備されていなかった、との由です。

 少し脱線しましたが、私ども医療機関、とくに「公」的な医療機関における、情報 公開度はどうでしょうか。  国の時代に国立病院・療養所では情報開示体制が整備され(「行政機関の保有する 情報の公開に関する法律」、平成13年4月1日)、独法化以降も引き継がれています (「独立行政法人などの保有する情報の公開に関する法律」)。

 開示対象は、病院運営などに関わる事務文書と診療に関する記録などの資料とに大 きく分かれます。 
 ただ、誰に対しても何でも開示できるか、といいますと、そうではありません。 
 その開示対象・開示内容によって、また開示請求者によって、開示条件が異なります。

 これらは法で定められていますので、請求通りの開示ができない場合もあります。 
 病院には、非常に多数の個人情報があります。とくに医療に関わる情報開示におい ては、患者さん本人以外では、個人情報の保護の面からも、開示範囲・開示内容に制 限が加わります。 

 これまでの3年ばかりの期間に、29件の開示請求があり、24件(83%)が開示されて います;
     1.行政文書に関わるもの  18件
        2.医療安全に関わるもの   3件
        3.診療に関わるもの      1件
        4.その他(臨床研究部の内容など) 2件

 開示対象は開示請求者により大きく異なります。
 患者さんとその家族からは、患者さんの診断や治療経過に関する資料や医療事故に 関わる資料の開示請求が主になりますが、マスコミ関係では医療事故に関わる報告書 件数や医療安全体制に関わる文書などになります。   また医療に関わる市民団体からも医療提供体制や医療機関の運営体制に関わる文書 などの開示請求があります。
   
 患者さんやそのご家族が、病気の治療経過などについての詳細を知りたいがために 開示請求される場合、臨床録の開示のみならず希望があれば医療者側からの説明や臨 床録の複写なども、開示条件内であれば可能です。  最近では、電子カルテを利用して、患者さん本人にカルテを公開する病院が増えて きました。 
 病院ロビーや自宅のパソコンからアクセスできるシステムも実用化されています。

 私どもは、どのような領域のものであれ開示請求があれば、法の範囲内で請求に対 応できる体制を整備し、外部から不透明と指摘されないように努力しなければなりま せん。

 これまでに述べましたように、何らかの制度に則って請求があれば情報を開示する 以外に、医療機関側から積極的に外部に向かって情報を公開・発信することも重要です。

 大阪医療センターの Home Page には、複数科でいろいろな「がん」の治療成績を公 開していますが、多くの疾患の治療成績を公開するところまでには至っておりません。  各科で採用している治療方法に関する情報公開もおこなっていますが、患者さんが 読まれて正しく理解できているか些か不安な面もあります。   多くの医療機関では、病院年報を発行しております。最近では、その中に、大まか ではありますが、病院の財政状況をも掲載されるようになってきました。 
   
 医療機関においても、ゆっくりではありますが情報公開は進んでいます。 
 でも、まだまだ不透明な部分があるとの指摘を受けています。

 私どもは、「医療の質」を保障する重要なKey word として、「透明性」を掲げてい ます(メルマガH16年1月号)。   今後とも、誰にとっても中身がよく見える、透明性の高い病院を築いて行かねばな りません。

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      Co-medical 部門紹介 (5) 栄養管理部
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                                栄養管理部長 沢村 敏郎
                栄養管理室長 内海 繁敏

 暑い8月が過ぎましたが、体力の消耗を感じている方はありませんか?
9月を向かえ、これからは味覚の季節です。元気の源「栄養」を補給し健康に過ごした いものです。

 当院の栄養管理部は、16年4月に栄養管理室が診療部に組織編成され発足しました。 栄養管理室では、入院されている患者様にそれぞれ病状に適した食事の提供と、栄養 食事指導を行っております。また、外来患者様にも栄養食事指導を行っておりますの でお気軽にご来院下さい。
 では、栄養管理室の紹介をいたします。
*病院食は、患者様の病状により約60種類の食事を用意しております。限られた予算 の中で、手作り・行事食など喜ばれる食事作りに努力しております。

*NST(栄養サポートチーム)による栄養管理を行っています。低栄養状態の患者 様に、適切な栄養投与(静脈栄養法、経腸栄養補給法、経口摂取法)をアドバイスす るチーム医療を行っております。

*食事の量を少なくし、食べやすく栄養量の充足を追求した「ライト食」、治療によ る副作用や心の痛みも含めた食欲不振の患者様に個別対応した「PC食」を提供し、 医療の質を高めています。

*各種栄養食事指導を実施しています。16年度の栄養食事指導を受けられた患者様 は、個人指導2,181名、集団指導1,121名となっています。栄養食事指導は、管理栄養 士(内、NST専門指導士1名、糖尿病療養指導士2名)により質の高い栄養療法を目 指しています。

*各種教室の開催。糖尿病教室、減塩教室、術後(胃)教室、術後(腸)教室、母親 教室、肝臓病教室などを計画的に開催しています。

おわりに
 現代は、豊富な食材が食卓に並ぶ食生活となっていますが、栄養過多による生活習 慣病、逆に高齢者などに多い低栄養などが問題になっています。「食事と栄養」は生 きている限り欠くことの出来ない最も重要なテーマです。栄養管理室では、「真に」 「明るく」「患者様のために」を基本理念として、患者様に適した栄養療法を提供い たします。

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          ボランティアグループ 
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                            ボランティアコーディネーター
                       中村 昭代

『手話ボランティア』
 当院のボランティアに、2年前より手話指導をして下さるボランティアの方がおられ ます。10年前に術前の仕事もすべて清算しての闘病生活を当院でされ、奇跡的に生命 を再びいただかれた方です。退院後、社会福祉協議会の手話教室に奥様共々籍をおか れ、現在は多くの聾の方々と友好関係を結ばれ、師とあおがれておられるようです。  生命を助けてもらった国立病院機構大阪医療センターにせめてもの恩返しをと望ま れ、手話の指導が始まりました。「なにも覚えなくてもいいのですよ。目、手ぶり、 顔の表情で十分ことばはつうじますよ」「頭が痛いと笑いながらいいませんね。痛い 部位をおさえ、痛そうな表情、目つきでわかるのですよ」・・・・・  60分の手話の時間はあっという間に過ぎます。「目は口ほどにものを言う」という 諺がありますが、手話は手や指のみで話すのでなく、からだ全体で話す体話ともいわ れてます。患者様と話す時、笑顔で、私はあなたの事をしっかり聞いていますよと14 の心を持って聴く、その心がたいせつですよと教えられます。  今年6月からオアシス運動が院内で展開されています。患者様、医療関係者、ボラン ティア、その他病院内の皆様の間で、心から、からだ全身を使ってのあいさつが飛び かうとき、手話ボランティアの方の意が通じたと実感できることでしょう。

ボランティアホームページ→http://www.onh.go.jp/volunteer/

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         患 者 情 報 室 か ら
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              NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
                                患者情報室担当 山本ゆかり

 患者情報室の利用者から、医療現場で日常的に使われている用語について、患者に とっては馴染みがなく理解できないという話をうかがいます。

 がん術後の初老の男性が、「つぎは、かがく療法を始めるらしい。どんなことをす るのかと思って調べに来ました」と来室されました。化学療法のことが説明されてい る本をお示しすると、「かがくというのは、禾偏の科学かと思っていたら、化けるの 化学なのですね。えーっ!!抗がん剤を使うのですか。ドクターに、もっと詳しい説 明を聞いてみます」と驚かれていました。  骨転移があるかもしれないとドクターに言われている老婦人は、「今度、MRIという 検査を受けるそうです。どんな検査ですか」と尋ねられました。MRI検査がわかりやす く解説されている本を見ていただきました。「MRIというのは写真を撮る検査なのです ね。痛い検査だったらどうしようと心配だったのですが、じっと横になっているだけ で受けられる検査だということがわかりほっとしました」と話されました。  がんの再発を心配している男性は、「ドクターから、『しゅようマーカーでフォ ローしましょう』と言われています。何がわかる検査ですか」と調べに来られまし た。検査の解説書を探し、腫瘍マーカーが説明されているページを開いて渡しまし た。「しゅようというのは、がんのことなのですね。主要かと思っていました。私の がんの腫瘍マーカーについて書かれてある部分をしっかり勉強します」と言い、コ ピーをとって帰られました。

 このような勘違いは、日常茶飯事に起こっているのだと思います。患者情報室で は、お一人おひとりにあった、細やかな情報提供を心がけていこうと思います。

患者情報室ホームページ→http://www.onh.go.jp/jyohousitu.html

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       看 護 の こ こ ろ (看護部から)
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                       西6階病棟 副看護師長 山根美由紀

 近頃、朝晩が涼しくなってきて、「あぁ、もう秋なんだなぁ」と感じる今日このご ろです。  私は今年の4月より副看護師長に昇任となり、西6階病棟に配属されました。異動は 9年目にして初めてでしたし、それに副看護師長という新たな役割を担い「新しい環境 の中で私にできるのだろうか」と、はじめの1、2ヶ月は新人看護師に戻ったような気 持ちで不安と緊張の中、まず病棟に慣れていくこと、そして患者様の看護と並行して 副看護師長としての業務を日々必死に行っていきました。

 私が勤めている病棟は、小児科と整形外科の混合病棟です。今まで勤めていたとこ ろでは、成人期や老年期にある患者様の看護をさせていただいていましたので、小児 科の患児の看護は学生の実習以来のことでした。配属されてからというもの毎日の看 護が新しい経験であったり発見でもありました。  点滴をしている赤ちゃんの抱っこなんてどうすればいいの?からはじまり、採血介 助では、安全に採血ができるように泣いて暴れてしまう患児の体の上にまたがり、手 や体を動かないように抑制するという方法、「痛いのにごめんね、がんばろうね」と 声を掛けながらも、こころの中では「この子たちは、いつもつらい痛い思いをしてい るのだな、代われるものなら代わってあげたい」という思いさえ抱きます。両親の思 いもきっとそんな思いでいつもおられるだろうなと思います。小児看護においては、 家族看護も重要であると感じている毎日です。できるだけお父さんやお母さんたちと お話しして、両親の思いを聞き、信頼関係を築いていくことに努めています。処置が 終わったときには、「よくがんばったね」となでてあげます。そんな子供たちから も、ニコニコと笑顔を見せてくれたときには、元気いっぱいに勇気づけられますし、 疲れなんて吹っ飛ぶくらい癒されます。私はいつも思っています。「かみさまは、み んなのがんばりを見守っていてくれているからね。

どうか、かみさま、この子たちが1日もはやくおうちにかえることができますように」と。

 気がつけば、今の病棟に来てからもう半年が経とうとしていて、時の流れは早いも のです。はじめはスタッフから「副師長さん」と呼ばれることに対して、重圧を感じ ていました。半年が経とうとする今は、少しずつ中間管理者として、師長、副師長と 共に患者様へ良い看護が提供できるよう、職場環境を整えていったり、スタッフ教育 についても行っているところです。スタッフともさらにコミュニケーションをとっ て、一人ひとりの声を聞きながら、働きやすい職場環境を作っていきたいと思ってい ます。  まだまだ未熟な私ですが、師長はじめ副師長、そしてスタッフに支えられている自 分であることを忘れずに、「副師長さん」と呼ばれるにふさわしい人になれるよう、 努力してまいりたいと思います。

看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/

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          研 修 医 日 記
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 こんにちは。研修医2年目の高原充佳です。研修医として働き始めてまだ15ヶ月です が、その中で学んだもの、得たものは計り知れません。  ご存知の方も多いかとは思いますが、僕たちの学年からスーパーローテートとい う新しい研修医制度が始まりました。新制度となって良くなった点もあれば、逆に新 たに問題として出てきた点もあり、既に多くの議論の場が持たれています。  折角なので、今回は、研修医の立場からみた新研修医制度について書いてみたい と思います。

 1.僕がこの病院で研修することにした理由
 自分たちが新研修医制度の1期生であったことから、前例もなく、研修病院の選 び方はほとんど手探り状態でした。  僕は研修病院を選ぶにあたり、まず各病院の先生方からいろいろ話を伺ってみる ところからはじめてみました。  すると、市民病院の先生方からは「新研修医制度で重要なのは、プライマリケ ア。大学病院・旧国立病院クラスの大病院では、他院から紹介されてくる患者さんが 多いから、プライマリ・ケアにはなかなか関われないよ。それに、大病院では、先生 の数が多いから、経験を積む機会は少なくなるよ。」というような答えが返ってきま した。  一方の大病院の先生方からは「市民病院では、次から次へと患者さんが来て日常 診療に忙しく、ゆっくり勉強する暇もないよ。とにかく日々こなすのが精一杯。それ に、市民病院では先生の数が少ないから、指導医の先生もバタバタしているため、何 か分からないことがあっても、なかなか相談しにくいし。間違った考え方がそのまま 身についてしまうおそれがある。」というような話を伺いました。  要するに、双方の病院とも互いを牽制しあっているのですが。しかし、どちらの 意見もかなり鋭い点を突いていると思います。僕は、いろいろ考えた末、自分自身の 性格として、プライマリケアをどんどん経験して身につけていくというよりは、余裕 を持って指導してもらえる病院の方が合っていると考えて、後者に属するこの病院を 選びました。  なお、蛇足ですが、自宅に近く、住み慣れた場所であったこともこの病院を選ん だひとつの理由です。

 2.実際にスーパーローテートしてみて感じたこと
 やはり、僕にはこの病院での研修が性に合っていたようで、ここで研修できて良 かったと思っています。また僕たち研修医に対する患者さんのまなざしも本当に温か く、恵まれた環境で研修できていることに感謝の気持ちでいっぱいです。  1年目は内科・外科・救急を回りました。将来は内科系に進もうと考えていたこ ともあり、内科での研修にはそれほど強い不安は抱いていませんでした。その一方 で、外科と救急については、内科系志望の自分が果たして研修を乗り切れるのか、実 際に回るまでは気が重かったことは否めません。  しかし実際に研修が始まってみると、得るもの多く、思っていた以上に有意義だ ったと感じられるようになりました。得たものの中には、もちろん医学的な知識もあ ります。しかしそれ以上に勉強になったのは、各科での考え方の違いです。例えば、 各科での疾患に対する姿勢、各科の立場から見た他科の不得手な点、各科が他科に抱 いているイメージ等々。各科を回り視点が変わったからこそ学べたことがたくさんあ りました。1つの科でしか研修していなかったら抱いてしまいかねない偏見を、スー パーローテートすることで、少しでも払拭することができたのではないかと思います。  その他、新制度になって研修医同士のつながりも広がったのではないでしょう か。将来いろいろな科を目指す仲間とコミュニケーションをとれる機会が与えられた のは新制度の嬉しい副産物だったと思います。

 3.後輩の皆さんへ
 新しい研修医制度はまだ始まったばかりで、病院側も、そして研修医自身も、手 探りの状況が続いています。既にいろいろな問題も露呈してきており、今のシステム に改善の余地があることは明らかです。しかし、現行の制度の中でも学べることはた くさんあると思いますし、特に患者さんから教えられることは従来の制度と優ると劣 らぬ量があると思います。また、新しく始まったばかりの制度だからこそ、制度完成 に向けての途上期だからこそ、得られるものも多いはずです。  ただ悲観するのではなく、新制度に積極的に参加していくことで、多くのことを 学んでいってください。そして、自分たちのため、後輩たちのため、ひいては日本の 医療のため、一緒によりよい研修制度を創っていきましょう。

http://www.onh.go.jp/kensyu/nikki.html

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          お 知 ら せ
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 4月25日に発生しました尼崎でのJR列車脱線転覆事故の際に乗客の救出作業・救命救 急医療に関わった、民間企業(および個人商店)・教育施設・匿名者、周辺自治体組織 の消防隊および警察本部、医療機関(35 施設:民間病院・自治体病院・公的病院・大 学病院など)に対して、7月31日、国土交通省 北側一雄 大臣から直々に感謝状が授 与されました。

http://www.onh.go.jp/kansyajo.html

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総編集長:病院長 廣島和夫
編 集 長:副院長 楠岡英雄、内藤正子、看護部長 山田泰子 
編   集:横田尚子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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www-adm@onh.go.jp

朝夕めっきり過ごしやすくなりました。朝方、急に冷え込むこともありそうです。
風邪や寝冷えにお気をつけください。
では、来月までごきげんよう。

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