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メールマガジン「法円坂」No.52(2005/10/18)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)




 国立病院機構となり、第一回目の国立病院総合医学会が、テーマ「新たなる旅立ち 〜チームで取り組む医療の質の向上〜」のもとに、広島県で10月14、15日の2日間開催 されました。  当院からは診療・看護・コメディカル・事務部門それぞれから発表し、各施設から 注目をうけました。
 それでは、今月のメルマガをお届けします。

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   メールマガジン「法円坂」No.52(2005/10/18)
             (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 廣島和夫 で す
 ・「職員研修部」発足にあたって
 ・Co-medical 部門紹介
 ・ボランティアグループ
 ・患 者 情 報 室 か ら      
 ・看 護 の こ こ ろ (看護部から)
 ・研 修 医 日 記

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         院 長 廣島 和夫 で す
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○ 救急車で搬送されてくる患者さん
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 9月9日の「救急の日」に因んで、総務省消防庁は、2004年度の救急救助の実態報告 を発表しています。  救急出動の総回数は日本全国で503万1464件であり、国民の27人に1人を運んだ事に なるそうです。

 救急車による搬送の理由が書かれていますが、当然の事ながら急病(58%)が一番 多く、交通事故(15%)・一般負傷(13%)の順になっています。  また、重症度別には、「重症」(10.1%)・「死亡」(1.3%)であり、大半は「軽 症」(51.6%)という数字が示されています。

 同様の結果を東京消防庁でも発表しています。年間67万8000件の搬送のうち、およ そ6割は軽症患者であり、そのうちの約1/3は救急車で運ぶほどではない「不適切な搬 送」であったとしています。

 「病院に行きたいがタクシーがつかまらない」「診察の予約時間に間に合わないの で早く病院に連れて行って欲しい」といった、理由にならないほどの安易な理由で救 急車の出動を要請する患者さんも少なくはない、と書かれています。  救急車を利用しても無料なのは、文明国では日本だけだそうです。至れり尽くせり では、甘えてばかりで自己責任など忘れ去られてしまうのでしょう。

 では、私どもの病院に来られる救急患者さんはどうでしょうか。
 大阪医療センターでは、3次救急医療(*)を中心とする救命救急センターを運営し ております。   同時に、時間外一般救急診療もおこなっていますが、救急車で搬送される患者さん と、他の手段で来院し時間外救急診療を求める患者さんとでは、緊急度・重症度が異 なっているのでしょうか ?  (*)3次救急医療=複数の診療科領域にわたる重篤な救急患者を取り扱う(高度な 医療を総合的に取り扱う)医療。 (H15年9月号 メルマガ 参照)

 本年6月から9月末までに救急車で搬送された患者さん768名中の543名(71%)が入院 されています。  一方、救急車以外の手段で来院された時間外救急患者さんについては、1649人中の 622人(38%)のみが入院しています。

 救急車で搬送される患者さんの多くが重症の急病人であることは上の数字で示され ていますが、この救急車で搬送される患者さんの約40%が救命救急センターに入院して います。大阪医療センターに課せられている「3次救命救急医療」を求めて搬送された 結果であると考えられます。
 
 また、時間外救急外来に救急車を利用せずに受診される患者さんの約60%は帰宅され ていますので、軽症から中等症までの患者さんといえます。 

 時間外救急診療を取り扱っている医療機関を訪れる患者さんの多くは、軽医療の提 供で帰宅可能な患者さんです。しかし、夜間であるが故に、「この先、状態が悪化す ればどうしよう」、「明日まで素人判断で自宅にいるのは非常に不安だ」、と思われ る方々が大半であろうと思われます。

 病状説明と比較的簡単な医療で、これらの患者さん方は安心して自宅に戻り眠るこ とができます。  救急車を利用するかしないかの議論はともかく、軽医療であっても、個々の患者さ んが不安に怯えることなく自宅でゆっくりと安眠できるためには、時間外救急診療に も、それなりの大切な役割があると云えます。
  
 大阪の患者さんは、結構わきまえて救急車を利用しているのではないでしょうか。
 決して大阪の人々は、世間で云われるほど行儀が悪くはありません。

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        「職員研修部」発足にあたって
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                 職員研修部長 岡 聖次 

 平成17年10月1日から大阪医療センターの職員全体の研修教育を担うものとして、 「職員研修部」が新設されることになりました。  発足にあたり、職員研修部長の重責を担わされたものとして、「職員研修部」の理 念、方向付けについての私見を述べさせていただきます。

1. 活動理念
1)これまで横のつながりがなかった医務部、看護部、薬剤部、臨床検査部、放射線技 師、リハビリ・臨床工学技師、栄養部、NSW、事務部、臨床研究部、看護学校などの部 門を統合した職種横断的な研修教育活動を行う。 2) 今回発足する「職員研修部」は、全国の独立行政法人機構として初めての試みが 当院でなされたものとのことです。このことを意識し、病院内における「職員研修 部」の重要性が広く認識され、他院での採用時のモデルケースとなるべきものを構築 する。

2. 活動指針
1)各部門を医務部、看護部、薬剤部、医療技術部、臨床研究部、看護学校および事務 部に統括し、それぞれの代表者を通じて、職種横断的な活動方針を決める。
2)全病院的な職員教育のテーマは以下の如くに考えています
(1) 接遇
(2) 医療事故防止
(3) 医療訴訟
(4) 院内感染対策
(5) 保健診療
(6) メンタルヘルス
(7) 人権問題
(8) 防火安全管理
(9) その他(災害訓練など)
3)上記の教育を1回の講演で終わるのではなく、キャンペーン化するなどして、繰り 返し教育を行う。場合によっては、個人教育も行う。
4)他施設参加型の研修、講演などを企画することにより、他院との連携を強化する。
5)活動内容をホーム・ページ上で広報する。

 和田 晃副部長、専任スタッフ、全病院職員の協力を得て、理想的な病院運営の構 築に貢献できるような「職員研修部」にしたいと考えていますので、当院をご利用の 皆様のご理解とご協力の程を、宜しくお願い致します。

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      Co-medical 部門紹介 (6)臨床工学技師
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				 臨床工学技士 三枝弘繁

 病院には生命を維持するための機械や、治療を行うための機械など様々な医療機器 (ME機器)があります。その医療機器もだんだんと進化して構造が複雑になり、操 作方法も難しくなってきています。しかし、医師や看護師も機械が得意だという人た ちばかりではありません。そこで誕生したのが私たち臨床工学技士という資格を持っ た技術者です。全国的にもまだまだ無名で知っている人も多くはないですが、確実に 医学の進歩とともに医療機器を使った治療も増加しており、それにともない臨床工学 技士のニーズも増えつつあります。

 簡単に当センターにて私たち臨床工学技士3名で行っている主な仕事を紹介しますと、
1、心臓手術時に心臓と肺の代わりに体外で血液に酸素を与え、その血液を全身に循 環させる人工心肺と呼ばれる装置の操作(人工心肺業務) 2、慢性腎不全などの身体の老廃物を体外に排出できない患者様に対する人工透析 や、毒素の多くなった血液成分をきれいなものに交換する血漿交換など(血液浄化業務) 3、集中治療室などで全身の呼吸状態が悪くなった患者様の呼吸を助ける人工呼吸器 の操作や点検(人工呼吸業務)
4、数多くある医療機器の保守点検やトラブル対応や管理(ME機器管理業務)

など

※この9月より今まで各病棟に散在していた院内に一番数多くある医療機器であるシリ ンジポンプ(正確な時間で正確な量の注射をする機械)と輸液ポンプ(正確な時間で 正確な量の点滴をする機械)を全て一カ所に集めて中央管理業務を始めました。

 このように患者様の生命維持や治療をする機械を扱っている以上、責任感も重く大 変な仕事だとは思いますがチーム医療を行うスタッフの一員として、私たち3名誇りを 持って働いています。

 最後に、皆様には普段あまり見かけない業種ではありますが、これからも私たち臨 床工学技士は当センターで治療される患者様のために医師、看護師やその他のスタッ フとともに日々頑張っていきます。

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          ボランティアグループ 
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                            ボランティアコーディネーター
                       中村 昭代

「気功ボランティア」

 先月号では、手話ボランティアの方をご紹介しました。今月は、同じようにボラン ティアの皆様に対して気功をしてくださる方をご紹介します。

 当院で入院・治療を受けておられた時、昼夜の別なく献身的に働かれる医療職の皆 様に対して、気功を身につけて少しでも健康を維持していただければと願われ、ボラ ンティア登録をして下さいました。  「舌先を軽く上あごにつけて、にこにこの口もと、そう子どものような笑顔で」 「口角が少し上にあがると免疫力がアップするといわれてます。でも、エビデンスに もとづいてはいないのですが・・・・・・」「地の気、天の気、大地のエネルギー、 宇宙のエネルギー一杯でからだを満たして下さい」60〜90分の気功中ずっとおしゃべ りされながらリードされます。  気功は時間泥棒にあっている現代人に次のことをおしえてくれます。ゆっくりの動 作をすると自然にからだが休まり、不思議に心も休まり、手足の先から暖かくなり、 ゆるんだ体にはあくびの連発現象が起こるとともに、緊張がとれ、生まれた時の素直 な汚れをしらない身心になっていくような効用があることを。  毎月一回、先生のリードでボランティアの皆様が、号令をかけながら、自分のから だの“ゆっくりの動きを通して全身がリラックスできる快感を味わって”おられます。  日々激務に追われておられる病院の皆様も、ぜひこの気功をとうして全身のリラッ クス状態を味わってみてください。笑顔の口もとで、ゆるんだ感覚が得られた時、身 心共にストレスから解き放たれることでしょう。そしてその気持ちが明日の活力につ ながることをきっと気功ボランティアの方も望んでおられることでしょう。

ボランティアホームページ→http://www.onh.go.jp/volunteer/

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         患 者 情 報 室 か ら
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              NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
                患者情報室担当 山本ゆかり

 10月は、乳がん月間です。だからという訳ではないと思いますが、10月に入り一日 に10人近くの乳がん患者さんが来室したことがありました。  外来受診のときに、乳がんの治療方法について調べていた女性が再度来室し、「今 日入院で、明後日手術です。本を貸していただけますか」と、乳がんの闘病記を借り ていかれました。  以前、術後の化学療法を受けるかどうか迷っていた女性は、「今日は3回目の化学療 法です。始めたのがほんとうによかったのか、まだ悩むときもありますが、前向きに 治療を受けようと思います。治療中の副作用について、自分でも気をつけられること を調べに来ました」と話されました。  放射線治療中の女性は、「受診している病院で主治医に『乳がんの患者会をドク ター中心から患者主体にしていきたいのだけれど、力を貸してくれないか』と言われ ています。患者会の現状を知りたくて」と話し、いくつかの患者会の情報を得て帰ら れました。  手術から1年になるという女性は、「検査の値にあまり関心を持っていなかったので すが、自分のことなのだからしっかり勉強しようと思いました」と検査データを持っ てこられました。検査の解説書のページを繰りながら、一つずつ調べてはメモを取ら れていました。  術後5年の女性は、「ホルモン剤も、もうすぐ終わります。これからは、何に気をつ けて過ごしていけばいいのか考えようと思って」と話し、患者情報室勉強会の講演録 や闘病記などをじっくり読まれていました。  同じ病気でも、時期や病状、そして患者さんの思いや考え方によって必要としてい る情報はほんとうにさまざまだと、改めて感じた一日でした。

患者情報室ホームページ→http://www.onh.go.jp/jyohousitu.html

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       看 護 の こ こ ろ (看護部から)
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           西5階病棟 看護師長 花房 英美子

 ようやく紅葉の便りが届くようになり、秋の訪れを感じる今日このごろとなりまし た。はじめまして。私は、4月から大阪医療センター西5階病棟(産婦人科・小児科病 棟)で勤務しています。あっという間に半年が経ちました。  この間に“看護の日”の催しものとして看護協会から依頼のあった「ふれあい看護 体験」や「高校生1日看護体験」などを企画し、体験者のお世話をしてきました。看護 の日の催しものは5月10日前後に各地で開催されるようになり、『看護のこころをみん なのこころに』をキャッチフレーズとしています。このような経緯から、街中でめぐ り会う方々との関わり中で“人に対する思いやりのこころ”ってなんだろう?と考え ることがあります。誰にでもある思いやりのこころを引き出していくように、日々の 生活の中で、働きかけていかなればならないと思うことがありました。

 さて、突然ですが、『優先座席』についてどう思われますか?体の不自由な方が同 じ車両に乗車され、席がないことに困っておられる様子をみかけた時、どうされてい ますか?日本で戦後、乗車率が300%を越えていたころ、女性や子どもを守ろうと「婦 人・子ども専用車両」が一時的に導入されたのち、優先座席が『シルバーシート』と言 う名称で導入されたのは、昭和48年9月15日、当時の『敬老の日』だったそうです。優 先座席については存在そのものにも賛否両論があり、いろいろな議論がなされている

ようです。現在も交通機関では優先座席が設けられ、活用(?)されていますね。困 っておられる方に席を譲ることはマナーと言ってしまえば終わりですが、他の人を思 いやる優しい気持ちが必要ではないかと思います。その時の体調などによっていつも 同じ対応ができるかは疑問ですし・・・。  ある休日の昼間、地下鉄に子どもたち十数名が、数名の先生らしい大人の方と乗車 してきました。立っている人もなく、優先座席もその他の席にも空席はありました。 空席に子どもたちは走り寄り座りました。しかし、優先座席に座った子供たちに、先 生らしき方が、「そこには座ってはいけない。」と言われたのです。『なぜ、いけな いのか』は、言われませんでした。疲れた様子の子供たちでしたが、素直に席を離れ ていました。ドアに寄りかかったり、ドア付近に座り込んだりして到着駅を待ってい ましたが、あまり関心できる態度ではないなと思いました。同乗された他の大人の方 も疲れた表情で黙って立ったままでした。  子どもが席に着くことについては皆様の意見も様々でしょう。私は、『みんな疲れ ているよね。優先座席だけど他にも席は空いているし、座っていいよ。もし、席が必 要な方が乗ってこられたら、気持ちよく席を譲ってあげようね。優先座席に座ったと きだけでなく他の席でも同じことだよ。』と心の中で言っていました。  子どものころから、思いやりの気持ちを持った行動がとれるようになって、街中が 心温まる光景でいっぱいになると嬉しいですね。人の中には、他人を思いやる優しい 気持ちがどこかにあるはずです。ひとりでも多くの方にそんな心が芽生え、育ってほ しいものです。

看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/

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          研 修 医 日 記
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 都合により、今月はお休みです。

http://www.onh.go.jp/kensyu/nikki.html

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総編集長:病院長 廣島和夫
編 集 長:副院長 楠岡英雄、内藤正子、看護部長 山田泰子 
編   集:横田尚子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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www-adm@onh.go.jp

 大阪の名物の一つで、96年間続いた「ひらかた大菊人形」は今年が最後のようで す。秋の休日、菊の香りを堪能してみては如何でしょうか?一つの文化の終焉から新 たなスタートにむけて・・・。
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