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メールマガジン「法円坂」No.55(2006/1/16)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)





 戌年の幕開けとなりました。
 犬は臭覚と聴覚が発達しているため、狩猟用、番用、警察用等として活躍すると共 に、人によく懐くことからペッとして我々を慰めてくれています。 今年は犬に学び、臭覚・聴覚を一層磨き、社会の動きや医療情勢を察知し危機管理に 取り組むと共に、人との関係を織りなしながらさらなる成長に努力したいと考えます。
 それでは新年、気分も新たに、今年最初のメルマガをお届けします。

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   メールマガジン「法円坂」No.55(2006/1/16)
             (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 廣島和夫 で す
 ・診療科紹介(総合内科、脳神経外科、臨床検査診断部)
 ・ボランティアグループ
 ・患 者 情 報 室 か ら      
 ・看 護 の こ こ ろ (看護部から)
 ・研 修 医 日 記

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         院 長 廣島 和夫 で す
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明けまして おめでとう ございます

 太平洋側では、年末までの厳しい寒さに比べ、穏やかな年始を迎えました。
 しかし、日本海側では、東北地方から山陰地方まで、記録破りの豪雪が長期にわた って続き、大変な年末年始をお迎えになられたことと存じます。地球の温暖化と云わ れている最中、巨大寒波襲来により自然の荒々しさと脅威をまざまざと見せつけられ ました。 
 雪害で多くの方々が亡くなられましたが、心から哀悼の意を表します。

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○ 2006年 今年の抱負
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 独法化後、2回目の新年を迎えます。

 5年間の中期計画のうち、すでに2年が過ぎようとしています。当初の2年間は、中期 計画を達成するための経営基盤を固める、いわば土台作りの期間、との認識で邁進し てきました。  まだ3ヶ月残っていますが、今後の大阪医療センター躍進のための土台は、おおむね 築きあげられるのでは、と思います。 
  
【病院組織・運営】 独法化後の2年間、これまでの縦軸組織だけではなく、これらの 縦組織を横断する横軸組織(部)を構築し、縦組織は専門化した職能組織として機能 させ、横組織は病院全体に関わる役割(機能)を有するものとして立ち上げました。

まだ十分に機能していない部もありますが、これらの部が本格的に活動を開始します と、非常に機能的な職員参加型の病院運営が可能になると見込んでいます。   これからは、この2年間に築かれた経営基盤のもと、3年目以降に達成しなければな らない大阪医療センターのハード面・ソフト面でのさらなる充実化を図らねばなりま せん。

【診療部門】 当センターの特徴として、「総合病院機能と各科機能の先鋭化」を謳 ってきましたが、本年とくに強化するものとして、以下の3点を挙げています;  (1)がん診療のセンター化促進 : これまでの4年簡に段階的にレールを敷いてき ましたが*、さらに一歩進めて、がん診療部門の強化(医師を中心)、全病院がんカン ファレンスの起ち上げ、がん登録事業の電子一元化、などを通して、これまで以上の がん診断・治療の強化を図ります。  *外来化学療法室設置・委員会による化学療法メニュー管理・薬剤ミキシング中央一 元化・NST(栄養サポートチーム)活動・がん支援チーム(緩和ケアチーム)活 動・部門別がんカンファレンス・がんセミナー(研修医・レジデント・若手医師教育プ ログラム)など  (2)高度先進医療の推進〜特定機能病院に向けて : 大阪医療センターでは、高度 先進医療(メルマガ、H16年9月号 参照)の承認を得るべく、新しい診断・治療技術の 研究開発に向けて臨床研究をおこなっています。あと残された3年間の中期計画中に、 少なくとも2種類以上の高度先進医療の承認を得、特定機能病院という、診療レベル の高さに加えて臨床研究・臨床教育をおこなう、極めてレベルの高い総合病院に変身 する努力をします。  (3)再生医療の推進〜臨床研究部政策医療基盤技術開発研究室を中心として、神経 幹細胞培養センターを利用した複数の臨床研究の計画を進めています。内容につきま しては、今の時点では明らかに出来ませんが、上記(2)と関連させて取り組んでいま す。今年の大きな目玉の一つになれば、と期待しております。

【病院診療禄・医事電子化システム】遅ればせながら、当センターも4月から電子カル テ化されます。これまでオーダリングシステムは平成6年から、また電子カルテは一部 の科(総合内科・循環器科・産婦人科)において採用されていましたが、全病院的に はまだでありました。また、4月からDPC採用病院になるべく、昨年に挙手しておりま すが、まだ決定しておりません。是非とも採用されることを願っています。  この2つが作動し始めますと、臨床データ・医事データなどが正確かつ敏速に出るよ うになります。 経営上の問題もリアルタイムに把握でき、より素早く対応出来る体 制に近づきます。

【職員研修】 これまでの教育研修部の機能を拡充し、昨秋に職員研修部として再出 発し活動を続けています。 昨年の12月からは「中間管理職研修」を、診療部・看護 部・薬剤部・医療技術部・事務部別にスタートさせています。数週間にわたり継続的 に各テーマについて議論しながら研修するもので、このプログラムを大阪医療セン ターの人材育成における中核的プログラムと位置づけ、「組織は人なり」といえる成 果があがることを願っています。

 「この1年」だけではなく、来年、いや数年後に照準を合わせた「今年の計画」でな ければなりません。   1年ごとの計画が1年で終わってしまうのであれば意味が無く、将来に繋がる1年とす るべく努力いたします。

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         診療科紹介1:総合内科
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          入院診療部長/総合内科科長 東堂 龍平 

 総合内科は、脳卒中・高血圧、腎臓病、糖尿病、血液、呼吸器の5つの診療グループ からなり、政策医療の循環器(脳卒中)、腎疾患、内分泌・代謝疾患(糖尿病な ど)、がん(造血器悪性腫瘍、肺癌)を担当しています。また総合内科は、循環器 科、消化器科、免疫感染症科などとともに、総合診療科的な役目も担っています。
 以下に、各診療グループの活動を紹介します。

【脳卒中・高血圧グループ】 救命センターを24時間体制として脳卒中の急性期診療 を行っています。在宅あるいは療養型病院への転院まで一貫した連携システムで診療 を行っています。

【腎臓グループ】 慢性腎炎の診断と治療、進行性腎障害の管理、慢性腎不全の合併 症の予防と治療に取り組んでいます。腎疾患は学校や職場検診などで発見されること が多く、また診断後も長期的なフォローが必要です。

【糖尿病グループ】 国民的生活習慣病である糖尿病とその合併症について、診断・ 治療・患者教育に取り組んでいます。またメタボリックシンドローム(内臓脂肪肥満 +糖尿病+高脂血症+高血圧など)にも取り組んでいます。

【血液グループ】 血液疾患(造血器悪性腫瘍、貧血、出血性疾患)の治療を行って います。

【呼吸器グループ】 肺癌の診断・治療に重点をおいています。慢性閉塞性肺疾患、 呼吸器感染症、気管支喘息にも取り組んでいます。

 今回のトピックスは、平成17年6月に近畿中央胸部疾患センター(元の国立療養所近 畿中央病院)より肺癌の専門医、小河原医長を迎えたことで、肺癌の診断・治療がよ り充実しています。  また、5つの診療グループのいずれも、独立行政法人化(平成16年4月)の荒波に揉 まれながらも、特色ある診療を続けています。

総合内科ホームページ→http://www.onh.go.jp/intern/

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         診療科紹介2:脳神経外科
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        先進医療部長/脳神経外科科長 山崎 麻美
 
【脳神経外科2006年の抱負】
 メルマガをご愛読の皆様、新年明けましておめでとうございます。脳神経外科は本 年も、昨年にましてこの病院に来られた患者さんが『この病院に来て良かった』と、 この病院を紹介して下さった先生方が『この病院に紹介して良かった』と思える医療 をめざして、またここに働いたすべての先生がここで働いてよかったと思える医局作 りに努力していきます。それでは、2005年に達成できた成果や出来事を10大ニュース 風にお伝えしたいと思います。

1.脳腫瘍の治療;総合合力ランキング全国で9位ランキング  
 脳腫瘍に対しては、森内秀祐医長が中心に年間80件の手術件数で、手術、化学療 法、放射線治療、免疫療法、定位放射線治療などを駆使し、西11階の看護師ととも に、チーム医療で良好な成績を得て全国9位にランキングされました。

2.急性期脳卒中ケアユニット(SCU)発足  
 脳血管障害に関しては、24時間対応の救急体制をとり、脳神経外科医のみならず、 脳卒中内科、リハビリテーション科、看護師、MSWと共同で、緊急開頭クリッピング術 や脳梗塞に対する超急性期血栓溶解治療など急性期から慢性期まで一貫した治療に取 り組んでいます。昨年度より脳卒中学会教育施設の認定を受けました。

3.脳血管内手術50例達成  
 昨年度より開始した血管内手術も山中一功医員を中心に放射線科、救命センター、 薬剤科の協力でチームが形成されました。動脈瘤、脳動静脈奇形に対する塞栓術、経 皮的血管形成術、内頚動脈狭窄症に対するステント留置術など約50件を達成しています。

4.二分脊椎症外来発足 
 先天性水頭症を初めとする小児脳神経外科疾患には専門の医師2人があたり、特に力 を入れています。脊髄髄膜瘤のトータルケアができるように、神経因性膀胱では全国 的に有名な泌尿器科医百瀬均医師を招聘し、深井専門ナース、外来看護師の協力で今 年から二分脊椎症外来(完全予約制)を開始しました。

5.NHKスペシャルで当院の神経幹細胞バンクが紹介されました 
 再生医療の全国的な研究の拠点として活躍しています。臨床研究部政策基盤技術開 発研究室では、神経幹細胞バンクを設立し、金村米博先生中心に研究員、コーディ ネーター、アシスタントなど総勢15名のスタッフで研究体制を構築しています。

6.『胎児期水頭症診断と治療ガイドライン』【金芳堂】発行 
 山崎麻美が編集責任者を務め、出生前診断される疾患では始めてのガイドラインを 刊行しました。

7.金村米博先生財団法人長寿科学振興財団若手研究者表彰事業奨励賞受賞 
 画期的な研究課題に次々取り組んでいる若手に与えられる賞ですが、再生医療の研 究で受賞しました。

8.中島伸先生『医療コミニュケーションスキル』【メディカルレビュー社】刊行 
 医療のなかで非常に重要な、不安や苦痛を抱えた患者さんとのコミニュケーション について、分かりやすく解説しています。

9.行くひと来るひと 
 5月に山田淳二先生が大阪府立母子センター脳神経外科へ、11月に立石明広先生が大 阪大学脳神経外科へ、移動しました。二人とも当院での経験を生かしてそれぞれの場 所で活躍し期待されています。4月から林淑文先生、6月から埜中正博先生を、10月か ら山中巧先生を迎えています。9月〜11月には、臨床研修医のローテーターの大島千代 美先生をお迎えしました。

10.脳神経外科年間手術数330例突破 
 脳神経外科手術件数ここ数年259件(2002年)270件(2003年)298件(2004年)と増え続け ていますが、2005年度は330件と念願の300件を突破しました。

 本年もますます頑張りますのでよろしくお願い申しあげます。

脳神経外科ホームページ→http://www.onh.go.jp/ns/

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        診療科紹介3:臨床検査診断部
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              臨床検査診断部長 真能 正幸

 臨床検査科は専任医師(病理医)2名、レジデント1名、臨床検査技師35名及び助手 1名で構成されています。直接患者様と接する機会の少ない職場ですが外来の採血や検 尿、心電図・呼吸機能・超音波検査など患者様自身を対象として行う生理機能検査、 肝臓病教室や糖尿病教室などでお目にかかります。しかし、大部分の業務は間接的な 接し方で患者様からの血液や尿などの検体の分析や微生物(細菌やウイルス)の検出 などです。

【精度保証】臨床検査は精度保証されたデータを迅速に臨床(患者様)に報告するこ とが使命であるため輸血検査、細胞検査や超音波検査等は各学会が認定した技師が業 務を担当しています。また、日本医師会の臨床検査精度管理調査での過去3年間の評価 は99点以上で16年度は100点でした。

【緊急検査】夜間・休日は2交代勤務体制で必要な臨床検査を実施しており、その取扱 件数は約1600件/月で救急救命に寄与しています。さらに、診察前検査にも対応し、外 来診療の充実に尽力しています。

【輸血管理】輸血用血液製剤の発注、管理や輸血検査をすべて臨床検査科で行い、患 者様への安全な血液製剤の提供に取り組んでいます。

【院内感染防止】臨床に対し適正な感染情報を発信することによって院内感染対策の 主要な役割を果たしています。

【病理検査】通常の組織染色に加え診断の質を向上させるために可能な限り免疫染色 を併用しています。また、手術中の組織検査および細胞検査実施で手術成績向上に寄 与しています。


来月は、外科、免疫感染症科、リハビリテーション科の予定です。

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          ボランティアグループ
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                            ボランティアコーディネーター
                       中村 昭代

「愛の夢」第21回コンサート X'masコンサート報告
 当センターのボランティアグループ「法円坂」は設立以来、音楽ボランティアの出 演協力を得て、数えること20回のコンサート実施してきました。  21回目は平成17年12月15日、約150名の患者様に楽しんで頂きました。1時間の短い 間ではありますが、ハンドベル・ピアノ・ギター弾き語り・ゴスペルと盛りだくさん のプログラムでした。  終了後、ボランティアMさんが病室まで患者様を車椅子でお送りしている時、次の ようにその患者様が感想を話されました。  「とても楽しかったの。ピアノ、ギターや人の声を舞台の袖で聞き、生演奏で、ラ イブコンサートとこれを言うのネ。今までこんな機会も、聴くという事も体験してこ なかったの、懐かしい、とても楽しかった。」と目頭を押えられました。「ボランテ ィアの皆様に伝えて下さい。Thank you, very much,心のこもったプレゼントを…」ボ ランティアのMさんはその患者様と2人でメリークリスマスと言い合いました。心の共 存をしっかり体験したとのことです。  そして音楽ボランティアの皆様が演奏を終え、帰られる時、口々に“ありがとう ”、“お世話になりました”といわれえるその真摯な姿に接し、多いに教えられまし たと話していました。  ゴスペルの「Oh happy days!」を聞いている時は、自分自身がすごく幸せな気分に なり、心から楽しくなりましたという感想も頂きました。出演して下さる音楽ボラン ティアの皆様、コンサートを催す法円坂グループの方々、バックアップされる病院関 係者の皆様方のひとつになるボランティア精神が、療養されている患者様の心の奥深 くしみこんでいった時、きっと感動をよびおこすことができるのだろうと思います。

ささやかな活動ですが、末永く続けられることを願っています。

ボランティアホームページ→http://www.onh.go.jp/volunteer/

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         患 者 情 報 室 か ら
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              NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
                患者情報室担当 山本ゆかり

 明けましておめでとうございます。患者情報室は、3回目のお正月を迎えました。今 年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 患者情報室との出会いをきっかけに、国立大阪医療センターを受診するようになっ た患者さんも増えてきています。  Aさんはオープンして間もない頃に、患者情報室が紹介された新聞の切抜きを持っ て来室されました。「C型肝炎から肝臓がんになり、△△病院で手術を受けました。 手術が終わったときドクターに、『がんはきれいに取れました。ただ余命は5〜6年と 思います』と言われ、その後再発して治療中でした。自分なりに納得のいく治療を受 けたいと思って勉強しに来ました」と話されました。それから何度も足を運び、雑誌 やインターネットで、新しい情報を探されました。1年以上たった頃、「今のドクター の方針に納得がいかない」と疑問を持たれたようで、ちょうど予定されていた患者情 報室勉強会『肝臓病のお話』に参加し、質疑応答の時間には熱心に質問されていまし た。つぎの来訪時には、「勉強会の講師だった加藤ドクターに診てもらって、入院し てきちんと治療してもらうことにしてきました」と転院の報告をしてくださいまし た。そのつぎには、「治療3ヵ月後のCT検査で、がんが消えているのが確認されまし た。患者情報室にめぐり会ってほんとうによかったです」とおっしゃいました。  Bさんは、患者情報室勉強会によく参加されていました。『胸痛は、ある日突然現 れる』の勉強会に参加した数週間後に来室し、「この間お話を聞いた安村ドクターに 受診してきました。何年も前から、血圧が高く胸に違和感もありました。危険だと思 いながら、仕事にまぎれて病院へは行かずに過してきました。今回の勉強会に参加し て、このドクターに診てもらおうと強く思ったものの、またそのままずるずると放置 していました。でも、胸の重苦しさを感じはじめたのでやっと診察を受けにきまし た」と語られました。それから1ヶ月位した頃、「多くの検査を受け、薬の調整も進ん できました。出会いって大切だとつくづく思います。安心して治療を受けられる、信 頼できるドクターにめぐり会えてよかったと思っています」と笑顔で話されました。

患者情報室ホームページ→http://www.onh.go.jp/jyohousitu.html

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       看 護 の こ こ ろ (看護部から)
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                        西11階  副看護師長 米田 智子
 新しい年がスタートし皆様、心新たにお過ごしのことと存じます。テレビでは、秋 田中越地方の豪雪による被害を放送され、何とかこれ以上の被害なく住民の皆さん の、生活が脅かされないようにと、祈ることしかできない毎日です。

 私が、日頃看護師として思っていることは「患者様は、教師です。」ということです。
 以前、婦人科病棟で勤務をしていたとき、癌性疼痛のため痛みを訴えてナースコー ルを鳴らした患者さんに対して、私は「指示の痛み止めを使いましょうか?」と返答 したところ「私がしてほしいのは、そんなことじゃないのよ。」と患者さんの怒りを 買ってしまったことがあります。この場面を通して、患者さんが看護師に求めている のは、単に鎮痛剤を使用するという事務的な対応ではなく、その痛みを感じて理解し ようと向き合うこと、そしてその痛いところに手を添え心を添えることだということ にあらためて気づかされました。そしてある日、同じ患者さんの足浴をしていたと き、患者さんは「あ〜気持ち良い。ありがとう。私もね、亡くなった父にこうして足 を温めてあげたの。」と涙してその足浴を喜んでくださったことがあります。がんに よる痛みや苦痛にさいなまれ、予後へ不安、死への恐怖など、日々辛いこと続きの患 者さんに、少しでも苦痛を忘れる幸せな瞬間を提供できたこと。看護の喜びを教えて くださったのも、患者さんです。  つい最近のことでは、私が師長代行をしているとき、新人看護師に対する苦情をう けることがありました。その内容は、夜間にナースコールをして、トイレまで車椅子 移動をしてベッドに戻るまでの、その新人の介助を受けるなかで、移動に恐怖と苦痛 を伴ったこと。また、新人の言動により精神的にも不愉快な思いをしたことを、家族 から怒りと共に訴えられたのでした。  その患者さんは、左半身麻痺と小脳失調症状があり、身体のバランスを自分で保つ ことができないために、移動には、看護師の介助を要する方でした。新人看護師は、 自分の担当チーム以外で、介助が初めての患者さんであり、どういう方法で その患 者さんの移動を介助すれば良いかを、知らないまま対応なければなりませんでした。 日頃の指導、看護体制、勤務環境的に、看護管理上、改善するべき点があると思いま す。しかし新人看護師は、排泄ひとつ行うにも、看護師を呼んで介助を依頼しなけれ ばならない患者さんの気持ちや、移動ひとつにも介助をしてもらわないとできない患 者さんへの配慮はできていたのか。初めて体面する患者さんへの態度や声の掛け方 に、問題はなかったのかを、この出来事を通して振り返り、看護師として至らなかっ た点を自覚することができました。

 このように私たち看護師は、いつも患者様との関わりを通して成長の糧とさせてい ただいています。これからも「患者様は、教師である。」という気持ちを持ち、患者様 の声に耳を傾け、患者様から学ぶ姿勢を忘れずに、より良い看護を目指して、日々研 鑽し続けていかなければならないと、改めて思う次第です。

看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/

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          研 修 医 日 記
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 はじめまして、2年目研修医の松本真林です。

 2006年に入り、ようやくスーパーローテーション一期生としての研修生活もあと3ヶ 月となりました。この研修制度が決まりそうだという噂を耳にしながらも、どう対応 するべきかさっぱり見えてこず、とりあえず世間一般の就職活動を真似てみたりして じたばたしていた6年生の頃を思うと、なんだか随分感慨深いものがあります。

 2年間の研修生活は、内科志望の私にとってはストレート研修であれば経験できなか ったであろう貴重な体験に満ちていて本当に恵まれていました。外科や産婦人科でオ ペに入ったり、同じ手術に今度は麻酔科医として参加したり。精神科地域医療といっ た短い時間しか与えられていない科でも、大学の授業やポリクリでは得られなかった 見識に毎日眼から鱗がぽろぽろと落ちていました。ボバース記念病院ではリハビリの 重要性を改めて実感し、小児科では短い期間ながらも初診に必要な手技や、なによ り、小児の患者さんとの関わり方を学び、救命や2年目の2次当直では急性期に必要な 対応や処置をある程度身につけられた…と思います。  恵まれすぎていて、与えられた機会を全て生かしきれたか、というと疑問の余地も あり、自分の至らなさを反省することもしきりです。  何よりも各科のスタッフ、レジデントの先生の暖かく粘り強い指導に恵まれた2年間 でした。
 現在は循環器内科にて研修中です。

 残り3ヶ月間、いえ、この先医師として気を抜かずがんばっていきたいと思います。

http://www.onh.go.jp/kensyu/nikki.html

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総編集長:病院長 廣島和夫
編 集 長:副院長 楠岡英雄、内藤正子、看護部長 山田泰子 
編   集:横田尚子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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www-adm@onh.go.jp

 連日の大雪のニュースに「38豪雪」や「56豪雪」を思い出し、家族で屋根の雪下ろ しをしたことや、小さい頃、吹雪の中、母に「雪風が当たらないように、お母ちゃん の後ろを歩きなさい。」と言われ、母の足跡どおり、遅れないように白い息をハー ハー歩いたことを思い出しています。
テレビの向こう側の人々の大変さにこころを注ぎながら・・・・・

 それでは来月のメルマガでお目にかかりましょう。

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