Back

 メールマガジン「法円坂」No.70(2007/3/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)




暖冬のため、大阪での桜の開花が例年になく異常に早いとの予想です。
今月のメルマガをお届けします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   メールマガジン「法円坂」No.70(2007/3/15)
             (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今月号の目次
 ・院 長 廣島和夫 で す
 ・台湾への患者搬送を経験して 
 ・ボランティアグループ     
 ・看 護 の こ こ ろ (看護部から)
 ・研 修 医 日 記

=============================
         院 長 廣島 和夫 で す
=============================
****************
○ 「冬眠打破」
****************

 今冬は、史上2番目の暖冬であった、とのことです。

 各地から、異常に早い桜の開花が伝えられ、桜の開花時期の予想も報道されています。
 通常、桜前線(開花時期)は、九州から始まり、本土を北上します。
しかし、今年は、静岡が最も早く開花し、関東周辺に拡大するとともに北上および 南下し、西日本では、鹿児島が最も遅く開花することが予想されています。

 冬の気温から少しずつ暖かくなって行くことで、桜の「蕾」が形成されます。 
しかし、一気に蕾が膨らみ開花するには、一旦、5°位まで気温が下がり、再び暖か くなる、ことが必要です。これを 「冬眠打破」 と呼ぶそうです。

関東地方では、異常な暖冬が続く中、3月始めに急に冷え込んだので、開花時期が早 まったが、鹿児島では、常に暖かく、急激な気温の低下がなかった(目覚まし時計が 鳴らなかった)ので、却って開花時期が遅れた(寝坊した)との由です。

 人の世界にも 「冬眠打破」 がありそうです。
常日頃から地道に努力し自己研鑽していても、それだけでは、なかなか能力を伸ば すことが難しい場合が多いように思います。 そのようななか、仕事や研究に行き詰まり、落ち込むも七転び八起き・本人の必死 の努力のすえ、障壁を突破し飛躍する人を屡々見受けます。 
 大きく変化するには、切っ掛けとなる強力なアクセントが必要なのかも知れません。


***************************
○ 4 年間の勤めを終えます
***************************

平成15年4月から4年間、メルマガの巻頭記事を書いて参りましたが、平成19年3月 31日をもって大阪医療センターを退職しますので、今回をもって、私の担当は終わり となります。 最初の2年間と後半の2年間とでは、随分と内容が変わって来たことを自分でも感じ ております。初期の2年間は新米院長の新鮮な感想を込めた記事であり、今、読み直し てみても新鮮味があります。 
 常に新鮮さを維持することの困難さに気付かされましたが、時すでに遅しです。

 4年間、ご愛読ありがとうございました。

=============================
           台湾への患者搬送を経験して 
=============================
             救命救急センター  廣瀬 智也

 2007年2月14日に患者さんを台湾の慈済病院へ航空搬送をしました。多発外傷の患者 さんでした。来院時は骨盤骨折による出血性ショック、両側踵骨開放骨折の状態で予 測生存率を計算すると生死は五分五分という重症でした。大量輸液・輸血に加えて緊 急での骨盤創外固定、血管造影および塞栓術を行うことで初療での死亡は回避できま したが、経過中MRSA肺炎から重症呼吸不全となり、何度も生命の危機に陥りました。 約2ヶ月の加療後、人工呼吸や点滴から自由となり、とうとう転院できる日が来たのを 主治医として感慨深く迎えました。当日は生憎の強風でした。病院を朝、ドクター カーで出発し、昼頃関西国際空港に到着しました。ドクターカーのまま出国チェック を受け、空港の飛行機の真横に行き、貨物用リフトを用いて飛行機内に患者さんを収 容しました。患者さんは座ることができない状態であったため、飛行機の座席を7席倒 しベッドを作り、寝た状態のまま移動することとなりました。  患者さんを無事飛行機内に収容できたものの、暴風雨のため、空港が閉鎖となり、 機内で約1時間待機するといったアクシデントにもみまわれました。飛行中、患者さん の呼吸状態が若干悪化する事態にも遭遇しましたが、背中に少し汗をかきつつも、3時 間弱のフライトを経て、台湾桃園国際空港に無事到着することができました。  空港に到着すると、救急車がすぐに飛行機の横にスタンバイし、空港ドクターと ナースが機内で患者さんの状態をチェックしました。患者さんは飛行機から貨物用リ フトを用いて降り、救急車内に収容され、そこで台湾側の医療スタッフに申し送りを して任務完了となりました。  その晩は少し台北の街に足を運び、翌日15日早朝の飛行機で日本に帰ってきまし た。行きは患者さんといっしょにいたためか、出入国は何の問題もなく終了しました が、帰りは一人なので、医療器具の一部が危険物とみなされ、出国に時間がかかりま した(おかげで免税店を見ることはできませんでした)。

 救命救急センターにも最近は外国人の患者さんが多く搬送され、日本語ができない という方もまれではありません。今後もこのように海外への航空機での患者搬送の機 会が増えると予想されます。私独りが搬送に付き添いましたが、転院可能と判断して から転院までわずか5日の間(土日を含む)で私のパスポート申請、書類・飛行機の 打ち合わせなどすべてを無事に進めることができましたのも、救命センターの皆さ ん、事務の皆さん、台湾領事館員、通訳ボランティアの皆さんなど、さまざまな人の 理解と協力の結果です。この場を借りてお礼申し上げます。本例の経験が今後の前例 になれば幸いです。なお、患者さんは早速、台湾で足の骨折の手術治療が行われたと のことでした。

写真を掲載しています→http://m-maga.onh.go.jp/data/0703.html

=============================
          ボランティアグループ
=============================
                            ボランティアコーディネーター
                       中村 昭代

『変わりゆく病院とボランティア』

 日本病院ボランティア協会主催で「在宅ケアの実際ー訪問看護師の立場からー」の テーマで先日研修会が行われました。  「医療現場は激しく変化している。多くの病院は地域とのつながりを今以上に求め ているし、入院在院日数が減少し12日ぐらいで退院して、在宅ケアに医療が流れてい る現状である。病院ボランティア活動もどんどん変わらねばならない時期に来ている と思われる。」「訪問看護が開始されて久しいが、今日では、全国5,000〜6,000箇所 も事業所があり、在宅ケアの患者様へ看護を提供している。退院指導で家で生活する ことはどんなことなのか、食べる、出す、寝る、清潔ということを維持するにはどれ ほどたいへんであるかということを、Dr.・ナースともに理解して自宅での生活指導を してほしい。」と前置きされて、事例をあげて、現状報告をされました。

 病院内でのボランティア活動もしかりですが、在宅患者様に対するボランティア活 動も今後必要になるであろうということ示唆されました。一方院内の活動にも検討し なければならないことがおこっています。  介護保険や、障害者自立支援法の制度を利用して、介助を必要とする患者様が単独 で受診されるケースや、ヘルパーがしばらく本人から離れるので・・・といわれる ケース、福祉タクシーでこられ、あとはボランティアによろしくといわれるケース、 視覚障害の方が単独でこられると再来機がつかえない・・・・などなど、現状の活動 ではお一人の患者様に長時間つくことは困難ですが、院内に入られたら、患者様の責 任は病院にあるといわれてます。介護ヘルパーがついておられても患者様の急変時の 責任は病院にあるようです。病院単位で責任範囲を明確にするとともに、臨機応変の 対処も必要ですが、どのように対応するのかの検討をしなければならないでしょう。

 医療者、ボランティア、福祉介護者、家族それぞれの善意の気持ちが集まって、患 者様により良い医療をこの病院で提供できるように体制をととのえていかねばならな いでしょう。  設立から10年を経過したボランティア「法円坂」の活動内容も変わりゆく病院を実 感しながら、今後内容の変更を検討していく必要があることでしょう。

ボランティアホームページ→http://www.onh.go.jp/volunteer/

=============================
       看 護 の こ こ ろ (看護部から)
=============================
                                西10階病棟 鈴木 佐知子

 今年は暖冬でしたが、それでも朝晩の冷え込みはあり徐々に寒さがゆるみなじめ、 春が近づいて来たと感じるこの頃です。

 私は看護師になって8年になります。これまで多くの終末期の患者様を看てきまし た。患者様の臨終の場に立ち会うのはとても悲しく、残される家族の方もつらいこと だと思いますが、終末期の患者様から多くのことを学び、心に残る言葉をもらいまし た。私は、残り少ない時間だからこそ、患者様にその人らしく過ごしてもらい、家族 の方にもできるだけ悔いが残らないようにと思い看護してきました。今後も、終末期 の患者様の看護に携わっていきたいと思っています。今回、今まで受け持たせていた だいた患者様を振り返った時、いつも思い浮かぶ患者様についてお話したいと思います。

 その患者様は、肝硬変で入退院を何度も繰り返している方でした。次第に病状が重 くなっていましたが、一時退院や外泊ができると思っていました。しかし患者様は、 「家族に迷惑をかけるもの申し訳ないし、帰るのは怖い、病院にいたい、その方が安 心する」と言われました。その時の私は、自宅に帰りたいと言って帰れずにいるたく さんの終末期の患者様を見てきたので、一時退院や外泊が患者様と家族の方の思い出 になるはずだと考えていました。しかしその患者様に帰りたくないと言われて、私は その人らしくと言いながら、自分の考えを押しつけ、自分が何かしてあげたと思いた かっただけだと気付きました。自宅に帰れないなら、自分はこの人に何ができるのか と考え、何もできていないと感じました。そこで、病棟でカンファレンスをしてもら い、自宅に帰る援助だけが看護ではないし、一日のほとんどをベッドで過ごされてい るなら、少しでも苦痛や不自由のないように身の回りのケアをしていこうと話し合い ました。とにかく病院の中でもどう過ごしたいか患者様に聞き、患者様が季節を感じ ることができるように車椅子で病棟外に出た時に、桜の花やつつじを見に行ったりし ました。患者様は喜んでくれましたが、それでも押し付けではないか、もっとなにか できるのではと思っていました。患者様が亡くなられた時に、散歩に行って楽しかっ たことやこの病院で過ごせて良かったと言っていたこと、家族も感謝している、と家 族の方から聞きました。

 看護していて、毎回自分はちゃんと患者様をみれているのだろうか、もっとできた ことがあったんじゃないかと自問自答しています。終末期の方なら特に、やり直しが きかないので悩みます。でも、苦しい思いをしている患者様や家族の方からあたたか い言葉をもらい、また、スタッフで話し合いを繰り返し、これまでなんとかやってこ れた気がします。その人らしく過ごしてもらうために出来ることは日常的な小さなこ とからたくさんありますが、今後も、これで十分と思わず、患者様や家族の希望を聞 き、看護していきたいと思います。

看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html

=============================
          研 修 医 日 記
=============================
 はじめまして、こんにちは。研修医2年目の金子恵子です。早いもので初期臨床研 修もあと少しで終わろうとしています。私は、内科、消化器科、外科、救急、小児 科、地域医療、麻酔科、産婦人科、精神科などとローテートし、現在、整形外科にて 研修中です。2年間のローテートの中で、様々な患者様に出会うと同時に、多くの先 生方の御指導の元で、研修生活を送ることができました。特に、この病院での研修 は、症例数も多くいろいろな経験ができてよかったですが、それ以上にこの病院を選 んでよかったと思うことがあります。それは、この研修の中で、本当に素晴らしい先 生方、仲間に出会えたことです。まだ、1年目の最初のころ、仕事がこなせず、この 先きちんとやっていけるのかどうか不安だらけのとき、ある先生に出会いました。技 術ももちろん素晴らしかったですが、その先生は、患者さんの立場を一番に考え行動 される方でした。その当時、毎日、仕事が多くつらいなあと思う時もあったのです が、一番しんどくてつらい人は、病気と向き合っている患者さん自身だと心から学 び、考えることができ、これから先の医師人生を送っていく上で、貴重な経験ができ たと思います。  また、多くの素晴らしい仲間がいました。今、振り返ると、よく夜遅くまで仕事が 終わらなかったときや、つらいときなどにはお互い励ましあっていたなあと思います。  こうして様々な人に支えられてきたからこそ、充実した研修生活を送れたと思うと 本当に感謝の気持ちで一杯であり、この病院を選んでよかったと思うところです。

 現在、私は、整形外科にて最後の初期研修生活を日々送っています。手術の際の足 持ちなど、(私の要領の悪さのために?!)大変な面もありますが、先生方は皆、個 性的で優しい方ばかりなので、何とかこんな私でも、やっていけているようです。

 最後になりましたが、これから、初期臨床研修を受けられる皆さんへ。決して、無 理をしないでくださいね。しかし、様々なことを積極的に経験していけば、それはこ れからの医師人生のなかで、きっと大きな戦力になるだろうと思います。ぜひ、後か ら振り返って、後悔がないような研修医生活を送って下さい。
 
臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html

****************************************************************************
総編集長:病院長 廣島和夫
編 集 長:副院長 楠岡英雄、恵谷秀紀、看護部長 山田泰子 
編   集:横田尚子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
****************************************************************************

このメールマガジンは、バックナンバーも見ていただけます。
(以下のURLからお入り下さい)
http://m-maga.onh.go.jp

メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp


 暖かくなりましたが、インフルエンザはおさまっていません。インフルエンザ予防 に、手洗いとうがいの励行を!!
 来月までお元気でお過ごし下さい。
 

Back