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メールマガジン「法円坂」No.89(2008/10/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 世界同時株安の時期に、2日連続で日本人のノーベル賞受賞が決まりました。
久しぶりにいいニュースでした。
今月のメルマガお届けします。
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   メールマガジン「法円坂」No.89(2008/10/15)
             (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長     楠岡 英雄
  ・Japan partners against pain (JPAP)全国大会でがんサポートチームが優秀賞を
  受賞しました!   
 ・臨床研究センター EBM先進医療研究開発部
  ・「患者情報室」の移管と移設について
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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         院 長 楠岡 英雄 で す 
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 今年のノーベル賞受賞者の内、物理学賞三人、化学賞一人の合計4人が日本人という
ことで、たいへんおめでたいことと思います。基礎科学分野での日本の底力を世界に示
した快挙といえます。

 ところで、化学賞を受賞された下村脩先生の受賞理由ですが、「GFP(緑色蛍光た
んぱく質)の発見と開発」ということです。下村先生は、クラゲの発光物質の研究の中
でイクオリン(aequorin)とGFPの2つのたんぱく質を発見され[1]、イクオリンが
カルシウム・イオンと結合して発光し、この光を受けてGFPが発光するという発光の
機序を明らかにされました[2]。新聞に載っていたコメントによると、下村先生ご自身
は、発見当時、イクオリンの方を重大に考えられていたようです。

 実際、イクオリンは細胞内の自由カルシウム・イオンの濃度測定に用いられ、多くの
生理学的に重要な事柄を明らかにすることに貢献してきました。私は循環器内科医です
が、かつて、心筋細胞内のカルシウム濃度が心筋収縮機能に与える影響などを研究して
いたことがあって、イクオリンを直接使ったことはありませんが、イクオリンという名
前はよく聞いていました。

 心筋細胞に限らず、細胞内には大量のカルシウム・イオンが存在します。しかし、細
胞内のカルシウム・イオンはほとんどが細胞内のたんぱく質と結合しており、完全に自
由なカルシウム・イオンはごく少数です。細胞内に含まれるカルシウム・イオンの約
1000分の1が自由イオンで、その濃度は10μM(マイクロモル)という極めて低濃度で
す。一方、多くの細胞で、その細胞の重要な機能が自由カルシウム・イオン濃度により
制御されていることが明らかにされています。したがって、どのような状況で細胞がそ
の機能を発揮しているのか、あるいは、機能不全に陥っているときには細胞内で何が起
こっているのかというようなことを調べようとすると、細胞内の自由カルシウム・イオ
ン濃度の測定が絶対に必要になります。

 現在は、細胞内の自由カルシウム・イオン濃度を測定するための蛍光色素などが合成
されており、その測定は学生実験のレベルです。しかし、イクオリンが発見されるまで
は自由カルシウム・イオン濃度のような極低濃度のイオン濃度を細胞内で測定する方法
がなく、イクオリンの発見で初めて測定が可能になったといっても過言ではありません。
(イクオリンの発見は1962年で、細胞内カルシウム・イオン濃度の測定に応用されたの
は1967年でした。)イクオリンを細胞内に注入し、そこから発生する光の強さを測定す
ることで、自由カルシウム・イオンの濃度が測定できるようになりました。その結果、
循環器領域だけでなく、数多くの分野で細胞の機能とそれを制御する自由カルシウム・
イオンとの関係が明らかとなり、生理学的現象や病態生理の解明に大きく貢献しました。

 私もイクオリンを用いるのとは別の方法で細胞内の自由カルシウム・イオン濃度を測
定し、種々の実験を行いました。その際に、いつもイクオリンを用いた研究の結果を参
照していましたので、「イクオリン」という言葉は耳に焼きついていたわけです。 
 しかし、不覚ながら、イクオリンの発見者が下村先生という日本人であることは、今
回のノーベル賞受賞のニュースを聞くまで全く知りませんでした。お恥ずかしい話です。

 イクオリンの発見は細胞生理学の発展に大きな貢献を果たしたことは間違いありませ
ん。発見当時は、やはり、GFPよりもイクオリンの方が役に立つと思われたのは当然
のことと思います。

 ご承知のように、その後、遺伝子工学などの発達により、GFPは細胞や遺伝子機能
のマーカーとして用いられるようになり、生命科学の発展にイクオリンが果たした役割
を大きく越える貢献しました。これが今回のノーベル賞の受賞につながりました。

 因みに、今回、下村先生と同時に化学賞を受賞したRoger Y. Tsien先生は、カルシウ
ム・イオンの測定色素として有名なFura-2等の開発者です。細胞内カルシウム・イオン
濃度測定への貢献とGFPとのつながりは直接ないだけに、不思議な縁と思います。

 下村先生がイクオリンをどのようにして発見されたか、また、その分子構造を決定付
けるに必要な量のイクオリンを抽出するのにどのように苦労されたかを、ご自身でまと
めておられます(A short story of aequorin [3])。インターネットでダウンロード
できますので、興味のある方は御一読下さい。

 下村先生の業績を読んでいて、イクオリンのことがでてきたので、たいへん嬉しく、
また、なつかしく、このような文になりました。

1. Shimomura O, Johnson F, Saiga Y (1962). "Extraction, purification and 
properties of aequorin, a bioluminescent protein from the luminous 
hydromedusan, Aequorea". J Cell Comp Physiol 59: 223-39
2. Morise H, Shimomura O, Johnson F, Winant J (1974). "Intermolecular energy 
transfer in the bioluminescent system of Aequorea". Biochemistry 13 (12): 2656
-62. 
3. O. Shimomura (1995). A short story of aequorin. Biol Bull. 189(1):1-5.


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     Japan partners against pain (JPAP)
   全国大会でがんサポートチームが優秀賞を受賞しました!      
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                          がんサポートチーム専従医師
                          里見 絵理子(消化器科)

 去る2008年7月4日〜5日、静岡県で、緩和医療に携わる医師、看護師、薬剤師、心理
士、医療ソーシャルワーカーなど多職種が参加する第13回日本緩和医療学会総会が開催
されました。当センター緩和ケアチーム「がんサポートチーム」のメンバーも学会に参
加し研究発表を行い、熱気あふれる会場で最新の緩和医療の知見を得てきました。毎年、
本総会のなかで、Japan partners against pain (以下JPAP)全国大会が開催されます。
 JPAPとは、その名称の日本語訳である―共に痛みと戦う― の考えに賛同した専門医・
医療従事者が、それぞれの立場を超えて集まり、医療従事者だけでなく、疼痛を考える
すべての人に向けて、必要かつ正しい情報を提供し、医学の発展に寄与することを目的
として設立され、患者様が痛みから解放され、疼痛治療の恩恵を享受できる社会の確立
を目指す非営利団体です(http://www.jpap.jp/)。
 JPAP全国大会では、医師・看護師・薬剤師の3名以上のチームで緩和ケア活動の普及
と治療の発展に貢献した施設を表彰するオレンジサークルアワードの表彰がおこなわれ、
国立病院機構大阪医療センターがんサポートチームが優秀賞として表彰されました。大
阪医療センターのがんサポートチームは、2004年から活動を開始し、入院のがん患者さ
まとその御家族の、病期・進行度にかかわらず抱える様々な「苦痛(からだの痛み、心
の痛みなど」について、その「苦痛」の軽減を目標に、担当医師・病棟看護師の連携を
通して、とかく偏見をもたれがちな医療用麻薬を用いたがんの痛みの治療や、患者さま
やご家族の精神的なサポートなど、さまざまな視点から適切な緩和医療実践のための支
援を行っています。もともと緩和医療の基盤のないところからはじめた地道な活動と、
担当医や病棟看護師との連携の実際、院内外の医療者にむけた緩和医療の教育活動が評
価されていただいた優秀賞でした。
 今、日本国民の2人に1人ががんに罹り,3人に1人ががんで亡くなっています。「緩
和ケア」は特別な診療ではなく、がんに罹った方は、どこの病院でも誰でも緩和ケアが
受けることができる体制が望まれます。大阪医療センターのがんサポートチームは、オ
レンジサークルアワードに甘んじることなく、がんの患者さまとご家族への緩和医療の
提供支援と、医療従事者への緩和医療教育をこれからも継続していきたいと思います。


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        臨床研究センター EBM先進医療研究開発部
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                           EBM先進医療研究開発部長
                           是恒 之宏

 EBM先進医療研究開発部には、幹細胞医療研究室、再生医療研究室、分子医療研究室、
臨床疫学研究室、がん療法研究開発室、医療情報研究室、の6室があり、このうち再生
医療研究室を金村米博先生(専任)、幹細胞医療研究室を正札智子先生(専任)にお願
いしています。他の4研究室は院長、副院長、統括診療部長、私が併任しており、臨床
研究部時代よりの研究を継続しております。ここでは、最近特に注目されている再生医
療、幹細胞医療研究につき紹介します。
 幹細胞医療研究室と再生医療研究室は、分子医療研究室と共に旧臨床研究部では政策
医療基盤技術開発研究室として一体で活動を行っていましたが、今回の組織改編で発展
的に3室に分離しました。研究内容は従来から実施してきた研究をさらに発展させる方
向で各室の特色を生かした研究を展開しています。
 幹細胞医療研究室では、様々な「幹細胞」を応用した再生医療技術の開発を目標に、
医療現場で使用されることが想定される種々の幹細胞の特性解析を行なっています。例
えば神経難病の治療への応用が期待される神経幹細胞、骨、軟骨、脂肪細胞などに分化
する間葉系幹細胞、さらに最近、非常に注目されているiPS細胞、等を研究対象として、
それぞれの幹細胞の特性を分子レベルで解析する基礎的な研究を行なっています。
 一方、再生医療研究室では、再生医療など各種細胞を用いて実施される「細胞治療」
を新しい先進的な医療として確立させることを目標に、治療に使用する各種細胞の培養・
加工プロセスの開発、さらに治療用細胞の安全性の確保に関する技術開発などの臨床的
な研究を行なっています。例えば、治療に用いる細胞を培養・加工するための専用施設
(セル・プロセッシングセンター)の管理・運用法の開発、細菌・真菌検査などを組み
込んだ治療用細胞の品質検査法の開発などを行なっており、その研究成果を基礎にして
悪性脳腫瘍の患者様を対象として脳神経外科で実施されている活性化リンパ球療法のサ
ポートも行なっています。
 今後もこの2室は密接な連携を行ないながら活動を行い、一日でも早く再生医療と言
う新しい医療技術を患者様にご提供できるよう努力していきたいと考えています。今後
とも皆様のご理解とご支援のほど宜しくお願い致します。


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    「患者情報室」の移管と移設について
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                         ボランティアコーディネーター
                         藤本 和彰

 患者情報室が10月23日で5歳の誕生日を迎えます。
 この患者情報室は、独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター(以下、大阪医療
センター)が場所を提供し、NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コム
ル)が企画・運営責任を担う、日本初の試みによる協同作業で、2003年10月23
日に開設されました。
 そして、この日が5歳の誕生日と同時に企画・運営・管理が、COMLより大阪医療
センターに移管される記念の日となります。また、患者情報室の移設計画があり、現在
進められているところです。
 患者情報室は現在、大阪医療センターの敷地内にある緊急災害医療棟の1階にありま
す。そこから、外来診療棟1階 旧本屋さん(総合案内の隣に)のところへ移設される
予定です。外来診療棟への移設後は窓辺の木々の緑や、空の青さを眺めることができな
くなりますが、夏の暑い盛り、冷房の効かない患者情報室ではいつも大型扇風機2台が
熱気のこもりがちな室内でフル回転していました。快適な環境で利用していただくため
に、夏場の暑さ対策は大きな課題でしたが、これで解消されることと喜んでいます。
 患者情報室には現在、約1600冊の医療専門書や闘病記などの書籍、2台のパソコ
ンによる情報検索、約380種類におよぶ小冊子やパンフレット、ビデオライブラリー
などで、利用者に情報を提供しています。特に小冊子やパンフレットなどは、手軽に持
ち帰ることのできる、医療情報として喜ばれています。開設から5年、患者情報室の利
用者は延べ27200人、年間延べ5400人以上の方に利用していただいています。
1日平均では、23人の方に利用していただいたことになります。
 この患者情報室が「治療に対する自己決定をサポートする場」として、患者さんやご
家族など多くの方々に今後とも利用していただけるようにと心から願っています。
そして、開設当時、公募により活動されていたボランティアさんの人数はおよそ30人。
開設からいまも活動していただいているボランティアさんが9人おられます。そのなか
の4人の方(うち2人は10月30日開催の日本病院ボランティア協会 2008年度
総会で授与式があります)が日本病院ボランティア協会の1000時間活動表彰を受け
られています。このように支えてくださっている職員の人たちや、ボランティアさんに
深く心より感謝いたします。
 この度計画されている外来診療棟への移設は、入院患者さんや来院された方にはよく
目立つ場所となるため、今以上に利用者が増えることを期待しています。治療の合間に
気軽に立ち寄っていただければと思います。
メールマガジンの読者の皆さまも、ぜひ一度お立ち寄りください。お待ちいたしており
ます。

患者情報室をよく知っていただくためにも、あらためて患者情報室の開設に至る経過や
利用に関する情報をお伝えいたします。

【患者情報室とは?】
患者さま御自身や患者さまの御家族の方々がその病気について、同じ病気の患者さまか
らの体験談を聞き情報を共有したり、本を読んで知ったり、インターネットで調べたり
などして、自分たちで病気について学ぶ場が患者情報室です。

【情報室の誕生のおはなし】
2002年4月に大腸がんで亡くなられた、朝日新聞記者 故井上平三さんのご遺志を
引き継ぎ、由紀子夫人のご寄附で実現しました。平三さんは、朝日新聞家庭欄に「がん
を生きる」を連載。その内容をまとめた「私の患者術」(岩波ブックレットNo569)
も発行されています。著書や講演の中で、「患者が気軽に病気や検査・治療方法を学ぶ
ことができる情報室があれば」「同じ病気や治療を受けた先輩患者の体験談を知りたい」
と熱く語っていました。この患者情報室は、当院が場所を提供し、NPO法人 ささえ
あい医療人権センターCOML(コムル)が企画・運営責任を担う、日本初の試みによ
る協同作業で開設しています。訪ねてくださった方の支援をするのは、同じ市民の立場
のボランティア。ぜひ皆さんも、ご利用下さい。(COML作成の患者情報室紹介パン
フレットから引用しました)

【場所・開室時間】
独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター(旧 国立大阪病院)の敷地内にある緊
急災害医療棟の1階にあります。病院北側の地下鉄谷町線『谷町四丁目』駅11番出口
(ELVで地上に出ます)のすぐ側に病院の北門があります。北門を入って左手に緊急
災害医療棟がありますので、中に入ってください。右側が患者情報室のオープンスペー
スです。
開室時間 : 10:00 − 16:00 *土日・祝日は休み(8月中旬・年末年始も休みます)
電  話 : 06-6942-7321(直通)
 住  所 : 〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14 
 独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター内

【利用法・利用内容】
 ご利用される方はご遠慮なくお越し下さい。ボランティアの方々が、皆様方のご要望
に沿ってご案内します。お越しの皆様方が主体的に調べ勉強するという方針をご理解の
上ご利用下さい。
 利用できる内容として、病気に関する参考図書・インターネット・病気に関する体験
談ファイル・その他、研修会・勉強会・ミニ映画鑑賞会などのご案内です。いずれも自
由に閲覧ができ、また、ボランティアの方々が利用に際してお手伝いしてくださいます。
 なお、なにかご意見などがあれば、ご遠慮なく担当のものにお申し付け下さい。病院
側とのパイプ役は、副看護部長とボランティアコーディネーターが担当します。
*** 患者さまが勉強され正しい知識を持たれますと、治療に対する受け入れも良く
なり、結果的には治療成績の向上につながります。 
また、患者さまが一所懸命に勉強されますと、医療提供側もボヤボヤできません。こち
らもしっかりと勉強し正しい知識を正確に伝えるようになります。
 このように双方の努力によって、「医療の質」の向上に繋がるものであります。患者
さま・COML・病院の三者が一体となって、患者情報室を育てて行くことが非常に大
切です。(患者情報室ホームページから引用しました)

【患者情報室からのお願い】
患者情報室ではボランティアを募集しています。資格は問いません。来室された患者さ
んや家族の方と一緒に病気について本やインターネットを使って調べたり、患者さんの
お話しを聞いていただくだけでもかまいません。少し空いた時間でお手伝いをし
ていただけるなら大歓迎します。
お申し込みをお待ちしています。


ボランティアホームページ→http://www.onh.go.jp/volunteer/
患者情報室ホームページ→ http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html


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       看 護 の こ こ ろ (看護部から)
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                           外来 池田ひとみ

 去年の夏、父が2回目の脳卒中発作をおこし、3ヶ月の入院生活を送りました。父の入
院生活をとおして、娘として、看護師として感じ、そして今、悩んでいる事を書いてみ
ました『少しは、すっきりするかな。』
 入院した病院は、当院と同規模の公立病院『看護のレベルも同じかなぁ。』すでに、
7対1看護(日本の病院の中では、看護師さんの数が多いということ)が導入されてい
ました。昏睡状態が長く続きましたが、看護師さんのケアは丁寧で、褥瘡など合併症を
おこすことなく過ごしました。ただ、ひとりひとりとゆっくり関わる余裕はない様子
『ああ、7対1でも、看護師さんは病室にほとんど来ないなぁ。今までと変わらんなぁ。
やっぱり雑用が多いの?新採用らしき若い看護師さんが目立つなぁ。』
誤嚥の可能性(上手に飲み込むことができず、気管にはいって、それが原因で肺炎や窒
息の恐れがあるということ)が高いということで、食べるための訓練が始まりません。
看護師さんに相談しましたが、医師の許可がないからできないと言われました『ああ、
看護師さんが判断し、医師に伝えられへんの?医師の判断だけなの。安全なリハビリの
方法を知らんの?』忙しい主治医にはなかなか会えず、とうとう隠れて、食べる訓練を
始めました。なんとか主治医の許しを得た頃には、アイスクリームを食べていました。
退院までは、母と交替で毎日、昼・夕の食事介助に通いました。『障害の重い父の食事
介助は、技術の未熟な看護師さんには難しいな。1時間はかかる食事介助に忙しい看護
師さんが落ち着いて介助するのは無理やなぁ、ほったらかしになるかも。』私が看護師
として、そうだったので・・・。
父の入院生活で看護師さんに感謝しつつ、もっと看護の力をみせてほしいと思いました。
『ここは良い病院や。入院できて、ラッキーだと思う、ほんまに。でも、だからこそ、
もっともっとと期待すんねん。ひとりひとりに応じた看護をお願いしたい。家族の気持
ちも理解して。看護師としての専門性をみせてほしいねん。』
でも、我が身を振り返った時(副看護師長として)に、『あんた、えらそうに言うけど、
沢山の患者さんを看て、雑用こなして、新人看護師の教育して、そんなことできんの?
日々、あんたは勉強してんの?』理想と現実の違いに、イライラです。現実の厳しさに、
自分の力なさに、ときどき腐りそうになりながら、奮闘中です。私は、看護師の職業を
選んだのだから、この仕事が好きなのだから、理想に近づくべき頑張りたい。


看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                           深日 希美

 はじめまして。初期研修医2年目の深日希美と申します。
 私が初期研修に国立大阪医療センターを選んだ主な理由は、症例が豊富なこと、女医
を積極的に活用していること、研修医の仲間が18人と多いことそれから立地条件です。
2年間の研修を終えて特によかった点を以下にあげます。

#CPC症例を含め症例が非常に豊富
#週二回の寺子屋と呼ばれる勉強会や研修医レクチャーが充実
#3次救急を3ヶ月間ローテート
#二次救急外来を研修医(2年目と1年目)で当直

 また月1回開催されるcancer boardといわれる外科医、内科医、病理医、放射線科医
を始め各科の先生方が集まり、治療方針等の策定が難しい症例について活発に議論が行
われるカンファレンスも他の病院ではあまり見ることの出来ない非常に興味深いものだ
と思います。この病院の一つの特徴は、悪性腫瘍だけでなく、NSTを始め高い専門性
を有した方々がたくさんおられ、幅広く学べる機会が多いことだと思います。
一方後期研修のレジデントの先生方が多く、各科において後期研修医が主体となるため、
どうしても初期研修医は手技を習得する機会が少なくなることは否めないと思います。
 当院では非常に優秀なスタッフ、レジデントの先生方が多く、自分で学ぶ時間もあり、
自らの積極性で非常に充実した2年間を送ることができます。同期の研修医が多いこと
は仲間が増えることプラスお互いに切磋琢磨できるすばらしい環境だと思います。特に
2年目で担当することとなる2次救急外来は上級医のバックアップの下、primary care
を実践する絶好の機会です。
 私は2年間国立大阪医療センターで研修させていただくことが出来て本当によかった
と思っています。2年間ご指導いただき本当に有難うございました。お世話になった多
くの先生方、コメディカルの方々、事務の方々にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。

 初期研修で悩んでいる研修医日記を読んでいる先生方、国立大阪医療センターにぜひ
いらしてください!


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 恵谷秀紀、山崎麻美、徳永尚美 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 食欲の秋です。メタボにならないよう、ほどほどに。
では、来月まで。

このメールマガジンは、バックナンバーも見ていただけます。
(以下のURLからお入り下さい)
http://m-maga.onh.go.jp

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www-adm@onh.go.jp 

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