Back

メールマガジン「法円坂」No.96(2009/5/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



  新型インフルエンザの世界的な流行が大きく報道されており、大阪医
療センターからもゴールデンウィークのさなかから、関西国際空港の検
疫応援に多くの医師や看護師を派遣しました。明るく気持ちよく晴れた
お天気をしり目に見ながら、私は関西空港での一日をすごし、これはま
た新しい経験でした。
みなさまはいかがお過ごしだったでしょうか。それでは、今月のメルマ
ガをお楽しみください。 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   メールマガジン「法円坂」No.96(2009/5/15)
  (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今月号の目次
 ・院 長   楠岡 英雄   
  ・大阪府がん診療拠点病院
 ・「加齢と眼疾患」〜あなたの目は大丈夫?〜第3回
 ・「日本病院ボランティア協会1000時間活動」表彰者のご紹介 
  (第3回)
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
================================
         院 長 楠岡 英雄 で す 
================================

 今、新型インフルエンザが発生し、注目を集めています。新聞やテレ
ビの報道でお聞きになっていると思います。

 ここ数年、いつ、新型インフルエンザが発生しても不思議ではない状
況ということで、WHOや各国において発生時の対策が考えられてきま
した。今回、WHOがこれまでフェーズ3であったのを4月下旬にフェ
ーズ4、フェーズ5と段階的に引き上げてきたことや、また、我が国で
は空港等での検疫を強化したのは、すでに作成されていた対策に基づく
ものです。

しかし、実際に新型インフルエンザが発生してみると、当初の予想と異
なる点が多数出てきました。まず、想定していたのは鳥インフルエンザ
から変異する強毒型のインフルエンザで、発生源となる危険性の高い地
域として東南アジアと考えられていました。今回の新型インフルエンザ
は、ご承知のよう、豚インフルエンザを主としたもので、幸いなことに
想定より毒性が低く、毎年冬になると流行する季節性のインフルエンザ
より少し強い程度のようです。また、発生源も北米大陸のメキシコであ
ったと考えられています。

このことは我々にとってはたいへんにラッキーであったと思います。ま
ず、毒性が低いことにより、WHOも国際的な交流を敢えて止めるよう
な勧告はださず、経済活動等への影響は想定よりもわずかであった点で
す。また、メキシコ・アメリカ・カナダを防疫の対象に絞り込めたため、
その活動が比較的容易であった点です。これらのことより、今回の新型
インフルエンザでは、今までのところ、パニックになるようなことは全
く認められていません。

防疫活動が絞り込まれたとはいえ、対象となる地域から入国する人は多
く、特に、到着便の機内検疫を徹底するようになってからは、検疫所は
人手が足らず、たいへんな状況になっています。5月2日のテレビや新
聞で報道されたように、近畿地方の国立病院からも関西空港検疫所に応
援に行っています。ゴールデンウィーク中は国立病院が応援しましたが、
それでも不十分なため、その後、他の病院群にも応援をしてもらってい
るようです。

今回のような状況は、地震や大事故のような災害とは異なりますが、国
立病院が取り組むべき医療の一つと考え、災害医療に準じた体制をとっ
ています。近畿地方のみならず、中国・四国地方の国立病院からも関西
空港検疫所や、成田空港で発生したような数日間の隔離が必要な場合、
その方々が宿泊する施設に、医師・看護師を派遣しています。また、国
立病院には結核などの感染症の専門家も多いため、万一、新型インフル
エンザが蔓延し、感染症専門病棟が溢れたときには、新型インフルエン
ザの患者さんを収容することも想定しています。その他、発熱外来の設
置にも協力している状況です。

今回の新型インフルエンザの発生に関連して強く印象づけられたことは、
病状等に関する情報収集が世界的規模で迅速に行われたこと、ウィルス
の解析やそれに基づく対応のスピードがたいへん速かったことです。こ
の点、病気の違いはありますが、SARSの時に比べ、格段の違いがあ
ると思います。インフルエンザ・ウィルスの遺伝子に関する科学的情報
は、これまでに多くの蓄積があり、それに基づいて毒性の程度の推定や、
今後の変異の確率等が予想されています。また、新聞報道などを組織的
に収集し分析することで、新型インフルエンザが今年2月にメキシコで
発生したことが指摘されており、今後も、新しい疾患の流行の予兆を捕
まえる有力な手段と期待されています。バイオサイエンスとIT技術の最
近の進歩を象徴していると思います。

今回の新型インフルエンザに対する「水際作戦」が有効であったかどう
かは今後の検証に待たなければなりません。しかし、機内検疫のように
限られた時間ではあってもヒューマン・コミュニケーションによるチェ
ックと啓発は大事だと思います。科学技術の裏付けを持って戦略を立て
humaneに行動することの重要性が、今回の新型インフルエンザへの対応
を見ていても、改めて感じさせられました。


================================
        大阪府がん診療拠点病院
================================
                    外科科長 がん診療部長 
                    辻仲 利政

 当院は全国がんセンター協議会の構成施設であり、大阪地区における
がん診療を中心的に担ってきました。平成21年3月31日付で大阪府がん
診療拠点病院に指定されましたので、その経過について報告いたします。
 平成19年4月1日がん対策基本法が施行され、がん対策に関した基本理
念が定められました。その中で、国、地方公共団体、医療保険者、国民
および医師などの責務を明らかにし、がん対策の推進に関する計画を策
定し、がん対策の基本となる事項が決定されました。その基本理念は、
1)がんの克服をめざし、がんに関する専門的、学際的または総合的な
研究を推進するとともに、研究などの成果を普及し、活用、および発展
させること

2)がん患者がその居住する地域にかかわらず、等しく科学的知見にも
とづく適切ながん医療を受けることができるようにすること

3)がん患者の置かれている状況に応じ、本人の意向を十分尊重して治
療方法などが選択されるよう、がん医療を提供する体制を整備すること

です。上記の目的を実行するために、全国どこでも質の高いがん医療を
受けることができるよう、がん医療の均てん化を目標として、国が指定
する医療機関としてがん診療連携拠点病院が指定されました。地域がん
診療連携拠点病院にあっては、2次医療圏に1カ所程度、また、都道府県
がん診療連携拠点病院にあっては都道府県に概ね1カ所整備することと
する、とされました。さらに、平成20年3月1日付で新たにがん診療連携
拠点病院の整備に関する指針が定められました。
 平成21年4月時点で、全国で375施設、東京都では14施設、大阪府
では15施設ががん診療連携拠点病院の指定を受けています。しかしなが
ら、東京や大阪などの大都市では、指定されたがん診療連携拠点病院で
すべてのがん患者に対するがん医療を担当することは不可能であり、す
でにがん医療において実績と実力のある施設が多く存在しています。そ
のため、東京都では独自にがん診療拠点病院を追加指定して、がん医療
の均てん化を目指しました。それに引き続いて大阪府でも健康福祉部が
中心となって、大阪府がん診療拠点病院の指定が計画されました。平成
21年2月28日に申請が締め切られ、3月に最終決定されました。その結果、
当院は晴れて大阪府がん診療拠点病院として指定されることになりまし
た。来年4月には、がん診療連携拠点病院の見直しが行われる予定です。
がん診療連携拠点病院に指定されるためには、大阪府がん診療拠点病院
である必要があります。がん医療における当院の役割をより一層推進す
るために来年度のがん診療連携拠点病院の申請を行う予定しています。
 大阪府がん診療拠点病院を独自に指定することを決定された大阪府の
決断を評価していますが、その決断にいたる経過には、市立堺病院と当
院が中心となって立ち上げた「大阪がん診療ネットワーク」の活動が大
きく影響を与えたと考えます。以下、昨年4月の「大阪がん診療ネット
ワーク」設立の呼びかけ文を紹介します。
 
 わが国の死亡原因のトップは「がん」です。手術、化学療法、放射線
治療など、治療法の改良(臨床試験による有効・安全のデータの獲得)
により、その治療成績は大きく改善されてきました。しかし、それでも、
なお、がん死亡が最大の死因であります。とくに、大阪府はがん死亡が
多く、わが国でのワーストワンといわれております。がん医療に携わる
者としては、なんとかしなくてはなりません。
 昨年は、「連携がん診療拠点病院」の見直しの年にあたり、全国の都
道府県で、見直し、追加が行われました。大阪府では、従来の病院の
「更新」のみでした。しかし、今、医師不足や、医業経営の悪化から、
がん診療そのものが困難になってきた病院もあります。大阪府には、5
大学と多くのレベルの高い病院群があり、これらの施設・病院の努力に
よって、がん医療が成り立っています。
 大阪府のがん医療を発展・向上させるためには、「連携がん診療拠点
病院」を見直し・強化するとともに、それ以外のアクテイビテイの高い、
施設・病院の強化・協力を求めなければなりません。
 ここに、わたしたちは、「大阪がん診療ネットワーク」をつくり、大
阪における、がん医療を一層強化し、がん治療成績を向上させることを
目的として活動を開始いたします。

				平成20年4月吉日
			 大阪がん診療ネットワーク」発起人 
  
 設立以降、がん診療ネットワークとしてはすでに2回の定期会議を開
催し、がん診療拠点病院と協力しながら、大阪府におけるがん医療の均
てん化に貢献してきました。活動内容としては、地域および院内がん登
録の推進とがん地域連携クリティカルパスの作成を中心にして進めてき
ました。今後も、事務局施設として活動を継続して行く予定です。


================================
 「加齢と眼疾患」〜あなたの目は大丈夫?〜第3回
================================
                       眼科 科長
                       大鳥 安正

 計3回にわたる「加齢と眼疾患」と題しました眼科のお話ですが、こ
の5月号で終了となります。最終回の今回は、「網膜硝子体疾患につい
て」です。
当科では伝統的に網膜硝子体手術を多く扱ってきましたが、この春より
網膜硝子体疾患専門の医師が増員され、さらに多くの症例に対応するこ
とができるようになっております。
そこで、網膜硝子体疾患の特徴と治療法について簡単に述べていきます
ので、眼科受診の参考にして下さい。
  緑内障は失明しうる病気であると前回お話致しましたが、網膜疾患も
神経そのものが影響受けることが多く、失明原因の上位を占めています。
しかしながら、緑内障と同様に、早期発見早期治療・適切な治療を施す
ことによって失明を免れることができますので、必ずしも恐ろしい疾患
とは言えません。
まずは網膜について…	カメラで言うところのフィルムに当たる組織
です。眼球をお部屋と例えた場合、後の3分の2を占める壁紙にあたり
ます。前から来た光はお部屋(眼球)の前面である角膜(窓ガラス)を
抜け、その後の水晶体(このレンズが濁ると白内障と言いましたね)と
眼球内容の大半を占める硝子体を通過し、一番奥の壁紙である網膜に当
たります。壁紙の一番奥の層には光を感じるセンサーがあり、そこで光
の刺激を神経の刺激に変えて神経を伝って脳へ送られて認識されるので
す。また、この壁紙には細かい血管(網膜血管)がたくさん張り巡らさ
れていますが、当然邪魔になってしまいますので、視力に重要な網膜の
中心部分には血管構造自体は存在していません。(太陽の光などのまぶ
しい光を見たときに葉脈のような影が見えることがありますが、これは
この血管の影なのです)この構造を理解することは、網膜の病気を理解
する為には重要です。(文章では分かりにくいので、構造の詳細は当科
ホームページを是非参照してください →
http://www.onh.go.jp/ophthal/momaku.html)

1.糖尿病網膜症・・・生活習慣病である糖尿病の患者さんは我が国で
も非常に多くなっていますが、その中でも失明の危機に瀕している方は
全糖尿病患者の2割近くに達するとも言います。糖尿病では血液の粘性
が高くなることで、全身の細かい血管が詰まり全身合併症を起しますが、
その中の3大合併症の1つに網膜症があります。他の組織と同じように
網膜の血流が悪くなって一次的であれ二次的であれ網膜組織そのものの
障害が起こり最終的に失明に至るのです。基本的に治療の第一は内科的
なコントロールで、進行の程度は個々の患者さんによって違い、一般的
に糖尿病の管理状態に左右されます。きっちりとコントロールのできて
いる患者さんでは進行は遅く、末期の網膜症まで進行せずに中途で安定
する場合もあります。初期では比較的進行は遅く自覚症状もほとんどあ
りませんが、ひとたび、網膜症が進むと視力低下も来たすことが多く、
目の病態は独り歩きを始めます。この段階に来るとそのまま放置すれば
いずれは失明しますので、眼科的治療の開始が必要となります。治療に
は外来でのレーザー治療や重症の場合は入院手術加療がありますが、実
際には元に戻すことはできず病態の進行を止めることが精一杯となりま
すので、やはり内科的治療を初期の内からしっかりしておくことが重要
と言えます。

2.裂孔原性網膜剥離・・・これも放置すれば失明する病気です。眼も
当然ながら加齢による変化を起すのですが、眼球内容である透明なゼリ
ー(硝子体)が加齢と伴に液化してきます。この変性した硝子体が眼球
の壁紙(網膜)を内側から引っ張り、時に壁紙に破れ目(網膜裂孔)が
できることがあります。その結果、その破れ目から眼内の液化した硝子
体が入り込み、壁紙が剥がれてしまう(網膜剥離が起こる)のです。こ
の破れ目はほとんどの場合で網膜の周辺部に形成されます。その為、視
力低下などの自覚症状も出にくく、また痛くも痒くも無い為、全く気付
かずに経過することが多いです。実際に視力に重要な中心部に網膜剥離
が及んで初めて自覚され、そこでやっと眼科を受診する方もおられます。
この疾患に対する治療は、基本的に破れ目を閉じることです。裂孔を閉
鎖する為に、眼球の外側からベルトで眼球を圧迫する方法や直接眼球内
容である硝子体を可能な限り取り除き、その後に眼内にガスを入れて内
側から剥離した網膜を圧迫して治すという術式を選んだりします。術式
に関しての詳細は当科ホームページを参照して下さい。

3.加齢黄斑変性・・・最近、新聞等で目にする機会が増えてきている
疾患ですので、ご存知の方も多いと思います。元々は欧米に多く見られ
た病気ですが、近年では本邦でも中高年を中心に増加しており、高齢化
と伴に増加傾向にあります。その原因には食の欧米化が背景にあると言
われていますが、高血圧や動脈硬化、喫煙や過度の紫外線暴露などの関
与も示唆されています。網膜の中心部に本来無いはずの異常血管が新し
く生えてきて(新生血管)歪みや視力低下を来たしてしまう疾患です。
その病態・病型により治療方法が異なりますが、適応があれば本疾患に
対する専用のレーザー治療等を実施します。しかしながら、現時点で確
立された根本的治療法はありません。両眼に起こることも少なくないで
すので、物が歪むなどの症状が出現し持続するようであれば、早めに眼
科を受診するようにして下さい。規則正しい生活を送ることやバランス
の取れた食事をすることは、全身だけでなく目の健康を保つ為に大切で
あると考えますので、心掛けて下さい。

  最後に・・・
一般検診などで糖尿病を言われたり、眼科検診で網膜の異常を言われた
りした場合は自覚的に異常がなくても定期的に眼科で検査を受けて下さ
い。網膜剥離の場合は緊急性のある場合が多く、早期発見早期治療で失
明を防ぐことができますし、糖尿病網膜症も初期の時期から適切に内科
コントロールをすることで発症を抑制することが可能です。日常生活で
は、たばこやストレスなどはなるべく避け、バランスの取れた食事や適
度な運動も心がけましょう。緑内障と同じで網膜硝子体疾患も早期発見・
早期治療を行えば決して怖い病気ではありません。


  連続して3回に渡り眼科のお話をさせて頂きましたが、この回で終了
となります。また、機会がありましたら、目の話をさせて頂きます。あ
りがとうございました。

================================
「日本病院ボランティア協会1000時間活動」表彰者のご紹介(第3回) 
================================
                  ボランティアコーディネーター
                  藤本 和彰

  2008年10月30日、メルパルク京都にて「日本病院ボランティ
ア協会2008年度総会」が開催され、「1000時間以上の活動者表
彰」が行われました。当院から、ボランティア「法円坂」の和田康子さ
ん、大樫冬子さん、患者情報室のボランティア・岩田優子さん、須安さ
ゆりさんの4名が表彰を受けられ、感謝状と記念バッジが信田禮子理事
長から贈呈されました。
前回に続き、受賞されました方々の喜びの声やボランティア活動への厚
き想いを、お届けしたいと思います。今回は「患者情報室」ボランティ
アの、須安さゆりさんをご紹介します。

「ある日の患者情報室」
                            「患者情報室」ボランティア 
                              須安 さゆり

  「先生から”コレステロール値が高いから、気をつけるように”と
言われ調べに来ました。こちらで何か参考になるような本はありますか?
」と心配顔のかっぷくのいい中年の女性。さっそくお話を伺いながら、
何種類かの食事に関するパンフレットをさしあげていると、ちょうどそ
の場にやり取りを聞いておられた初老の男性が話しかけてこられた。
 ご自分の体験から、食事をいかにコントロールするか、面白おかしく
話されるので、すっかり楽しい雰囲気になりました。女性はいろいろな
体験話を聞かれて、「参考になりましたわ。やってみます。」と意を強
く持たれて、晴れやかな顔をされて帰られました。
 ここ患者情報室は偶然に知り合った患者さんたちが、お互いに気持を
共有し、新たな医療情報を得られる場所でもあります。私たちボランテ
ィアはそんな出会いに少しでもお手伝い出来ればいいな・・・と思って
います。

・現在、大阪医療センターの病院ボランティア会員数は125名(20
09年3月末現在)になります。「1000時間の活動表彰者」は、2
0名(累計達成者)となりました。達成された理由として、使命感であ
ったり、やりがいが支えとなって、それぞれがいろいろとご精進され1
000時間を達成されたのだと思います。本当に感謝申し上げます。
「1000時間表彰」がすべてのボランティアの活動における自己目標
であり、希望であるかは分かりません。しかし日々活動された少しの時
間が蓄積され大きな目標に一歩一歩近づく努力に感謝し、常にボランテ
ィアが生き生きと活動できるように、ボランティアのステップアップを
ずっと心得て、支え合いながら末永く活動していただけるように努めて
います。”ありがとうございました”

・大阪医療センターでは病院ボランティアを募集しています。病院で自
ら進んで労力、時間、技術などを提供して、患者さんに優しさとうるお
いを提供すると共に、活動を通じてボランティア自身の成長にも役立つ
ことができる活動です。資格は特に要りません。自分自身が健康であり、
優しさと何事にも積極的に取り組む気持ちがあれば活動できます。また、
活動回数は個々のライフスタイルに応じて決めていただいています。服
装は活動しやすい服装でいいですが、ピンクのエプロン・胸章など用意
しています。
一緒に活動してみませんか。ボランティアを希望されます方、お待ちし
ています。管理課ボランティア担当までご連絡ください。

電話番号→06−6294−1331(代表) 
ボランティアホームページ→http://www.onh.go.jp/volunteer/
患者情報室ホームページ→
http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html


================================
           看 護 の こ こ ろ
================================
                                         東5階病棟 副看護師長
                                         四方 文子

 大阪医療センターのメールマガジンを見ていただいている皆様、こん
にちは。私は、2008年6月から乳がん看護認定看護師として活動を始め
た四方です。現在は、東5階病棟で勤務しながら週1回乳腺外来の診療介
助や診察に来られた方のお話を聞かせてもらったり、日常生活の過ごし
方の相談に携わらせてもらっています。
 今回は、乳がん看護認定看護師ってどんなことをできるのか、なぜ私
が認定看護師を目指したのか、そしてこれからどのような活動を行なっ
ていきたいかを話したいと思います。
 私は、血液内科と消化器内科の混合病棟、外科病棟、婦人科病棟ほと
んどの病棟で「がん」看護に携わり、認定看護師養成研修施設において
半年間の研修後、認定審査を受けて現在に至ります。ちなみに乳がん看
護認定看護師は、現在日本全国に79名います。もうすぐ4期生が認定審
査を受け、合格すると全国に仲間が100名を超えることになります。
 では、乳がん認定看護師とは、どんなことができるのかをお伝えして
いきたいと思います。
1.「手術・化学療法・放射線療法・内分泌療法などに関する初期治療上
での意思決定への支援」
  色々な治療法を提示された後、話を整理しながら治療方法の補足説明
をしたり、今まで通りの生活を送りながら、治療を継続できる方法を一
緒に考えていきます。

2.「乳がんの様々な治療および治療に伴う副作用に対する知識の提供と
セルフケア確立への指導」
  ほとんどの乳がん治療は、外来通院の中で行われます。自宅での生活
に重点を置き、副作用をしっかりとコントロールできるように内服薬の
使用方法の説明を行うことができます。また、治療中、治療後の過ごし
方や気をつけてほしいことを伝えていきます。

3.「治療に伴うボディイメージの変容に対する情緒的支援」
 治療に伴う体の変化を受容できるように、これからの生活を前向きに
送れるようにサポートをしていきたいと思っています。

4.「手術によるボディイメージの変容に対する体型の補整などの相談と
適切なケアの提供」
 術後の下着の選択や補整の方法、ウィッグ、帽子の使用方法などを伝
えることができます。患者さまからの要望があれば、専門店の紹介やパ
ンフレットもあります。

5.「リンパ浮腫のケア」
 手術方法によりリンパ浮腫が発症しないように術後からスキンケアや
運動方法、皮膚の観察方法を伝えることができます。

6.「乳がん自己検診法の指導」
 乳がんは早期発見、早期治療がとても大事なので日ごろからの乳房チ
ェックの時期(月経後1週間くらいのはりがないときにチェック)、方
法、ポイントを伝えることができます。

7.「乳がん患者とその家族が活用できる社会資源に関する情報の提供」
治療に伴う費用の説明、年齢によって使用できる保険制度の説明、さら
に自宅で活用できる医療福祉制度の紹介ができます。当院では、医療相
談室(MSW)があるのでさらに具体的な紹介もできます。

 これらのことを病棟や外来で行っています。他にも現在、外来におい
てがん看護に携わる認定看護師たちと週二回(火・金曜日)に相談窓口
を開設しています。申込みは、患者相談窓口、各科外来窓口でできます。
当院で通院されていなくても相談を受け付けます。患者本人でなくても
がんに伴う症状や治療その副作用など、日頃の生活でお困りのことにつ
いてお話を伺うことができます。お気軽にご相談ください。
 次は、私が乳がん看護認定看護師になろうと思ったきっかけを話した
いと思います。年に何回か入院されるたびにお会いする患者さま、Aさ
んに入院時にお会いしました。Aさんは、再発と治療を繰り返しながら、
自宅と病院を行き来していました。私は、治療を継続しながら母として
妻としての役割を果たすAさんはいつも笑顔を見せているが、なかなか
表に出せない精神的な負担があるのだろうと思い、いつもAさんの話を
聞くことに努めました。しかし、私は時折見るAさんの元気のない様子
をみると「何か困っていることがあるのではないか。」「ひとりで悩ん
でいるのではないか。」と考え、Aさんに声をかけてみました。すると
「あなたのように話を聞いてくれて、声をかけてくれるだけでうれしか
った。そばにいてくれるだけでいいの。」と話されました。Aさんは、
乳がんになって10年以上たち再発による症状が出てそのたびに誰にも相
談できず、ひとりで頑張っていました。乳がんは、罹患後の治療経過が
本当に長く、新しい薬がどんどんでてくることで副作用も新たなものが
出てきます。その都度患者さまは、新しい情報を求めているのにそのこ
とに対応できる人が少なく、私はただそばにいるだけでなく、さらに新
しく正しい情報を患者さまに伝えることができ、がんで苦しむ日々を送
るのではなく、がんと一緒に生きながらその人らしく過ごすことができ
るサポートをしたいと思い、本当の意味で患者さまに寄り添える看護師
になりたいと思い、乳がん看護認定看護師になりました。
乳がんは、いまでは20人に1人が罹患すると言われています。欧米では
日本よりも罹患率が高いが、乳がんでの死亡率は少ないです。これは、
欧米での検診率の高さが理由です。検診で早期発見、早期治療を行うこ
とでがんが完治している結果と言えます。日本でも胃がんや大腸がん、
子宮がんは、検診率の向上により死亡率が横ばいもしくは減少してきて
います。乳がんでも同じように病気で苦しむ人が減少するように日々の
啓蒙活動を進めていきたいと思っています。私の認定看護師としての活
動はまだまだこれからですが、がんになっても笑顔でいられるようなサ
ポートをしていきたいと思っています。

看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


================================
          研 修 医 日 記
================================
                                                研修医2年目
                                                朴澤 憲和

  初めまして、研修医2年目の朴澤憲和と申します。循環器科→外科→
総合内科とローテートし、現在救命センターで研修中です。数年前、初
期研修病院を探していた自分が読んでいた研修医日記を、こうして自分
が書くことになろうとは…時の流れの早さを感じています。
 この研修医日記では、当院の初期研修の良いところ、そうでないとこ
ろを紹介していますが、歴代の先輩方が書いて下さったことに私も同感
です。幾つか読み返していただければ、理解していただけると思います。
こんな素晴らしい当院に、ぜひ見学にいらして下さいね…と、これで終
わってしまうのも寂しいので、個人的な意見も少し書いてみようと思い
ます。
 私が当院で研修して1番よかったのは、role modelとなり得る先生方
と数多く出会えたことでしょうか。
「医者は検査データを良くするのが仕事じゃなくて、患者さんの状態を
改善することが大切なんじゃないかな」− 検査データに振り回されて
いた自分を優しく諭して下さった循環器科の先生。
「最近忙しいけど、頑張ろうな」− 忙しい時も精力的に働き、私がし
んどそうにしているとよくコーヒーをご馳走してくれた外科時代の指導
医。
「脳卒中の治療を通じて少しでも社会貢献ができたらいいと思っている。
」− 高い理想とプロフェッショナルとしての誇りを持った内科の先生。
「モニターじゃなくてちゃんと患者を見なさい」− 慣れない救急患者
の対応で焦っていた自分に、一番大切なことを気づかせてくれた救急部
の先生。
他にもしんどい時にフォローしてくれた同期など、当院での1年間は本
当にいい出会いが多かったと感じています。
 この日記を読んでいるのは、おそらく初期研修病院を探している医学
部高学年の方が大半だと思います。立地、給料、症例数の多さなど、病
院を選ぶポイントは千差万別だと思います。ただし、情熱的かつ優しく、
教育熱心な先生の多い当院での研修に少しでも興味が湧いた方は、一度
見学にいらして下さい。私の拙い文章では伝わりきれない素晴らしい出
会いがきっと貴方を待っています。

臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


****************************************************************
総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 恵谷秀紀、山崎麻美、徳永尚美 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
****************************************************************
  今年は5月17日日曜日「アドベンチャ―Hospital in国立大阪医療
センター」と題して、未来の医療を担う人材である中学生・高校生を対
象に、病院で働く人をよく知ってもらおうという企画をはじめて行いま
す。この模様はまた後日お届けできると思いますので、お楽しみにして
ください。

このメールマガジンは、バックナンバーも見ていただけます。
(以下のURLからお入り下さい)
http://m-maga.onh.go.jp

メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp 

Back