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メールマガジン「法円坂」No.102(2009/11/16)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



  今年の秋は、新型インフルエンザの流行に振り回されている感があります。
”Change”は世界共通の政治の流れですが、病原体の変異というchangeに、戸
惑いを感じています。中々ゆったりとした気分にはなれませんが、メルマガを
お楽しみください
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   メールマガジン「法円坂」No.102(2009/11/16)
   (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 で す     
  ・糖尿病について 第2回
 ・「患者情報室より」
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す 
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 今月も「臨床研究」についてで恐縮ですが、おつきあいください。

今、わが国における臨床研究の振興がきわめて重要になっています。医学研究
は、基礎研究と臨床研究の2つに大別されます。わが国の医学研究は、これま
で、基礎研究が重視され、また、国際的にも大きな成果を上げ、評価されてき
ました。一方、臨床研究は基礎研究ほどではありませんが、国際的に比較的高
い位置にありました。しかし、今、そこから転落しつつあります。

わが国における基礎研究、臨床研究が、国際的にどのような位置を占めている
かを示したデータがあります。すでにあちらこちらで話されているのでご存じ
の方も多いとは思いますが、以下にお示しします。

国際比較は、国際的に高く評価されている主要医学雑誌に掲載されている論文
数で行われています。まず、基礎医学ですが、これは、Nature Medicine、
Cell、Journal of Experimental Medicineの3誌に掲載された論文を、著者の
国籍で分類しています。1993年−1997年、1998年−2002年、2003年−2007年の
5年ごとの3つの期間において論文数の順位は以下のようになっています。

1993年−1997年  1)米国、2)イギリス、3)ドイツ、4)スイス、5)フランス、
6)日本、7)カナダ、8)イタリア
1998年−2002年  1)米国、2)ドイツ、3)日本、4)イギリス、5)フランス、6)
カナダ、7)スイス、8)イタリア
2003年−2007年  1)米国、2)ドイツ、3)日本、4)イギリス、5)フランス、6)
カナダ、7)スイス、8)イタリア

 このように、日本はこの10年間、基礎研究の分野では世界第3位の地位を保
っています。では、臨床研究はどうでしょうか。臨床研究では、New England 
of Medicine、Lancet、Journal of American Medical Association(JAMA)の3
誌で評価しています。

1993年−1997年  1)米国、2)イギリス、3)カナダ、4)オランダ、5)フランス、
6)ドイツ、7)イタリア、8)スイス
1998年−2002年  1)米国、2)イギリス、3)ドイツ、4)カナダ、5)フランス、
6)オランダ、7)イタリア、8)オーストラリア
2003年−2007年  1)米国、2)イギリス、3)カナダ、4)ドイツ、5)フランス、
6)オランダ、7)イタリア、8)オーストラリア

 残念ながら、日本はベスト8位には入っていません。1993年−1997年、およ
び、1998年−2002年では12位、2003年−2007年では18位でした。

 基礎研究が伸びているのに対し、臨床研究は、むしろ順位を下げています。
また、アジアの中での地位にも変化があります。ベスト25位までに含まれる日
本以外のアジア諸国をリストアップすると、

基礎研究では、
1993年−1997年  なし
1998年−2002年  韓国:20位、中国:25位
2003年−2007年  中国:13位、韓国:18位、台湾:23位、シンガポール:24
位

臨床研究では、
1993年−1997年  インド:23位
1998年−2002年  中国:21位
2003年−2007年  中国:15位、インド:25位

であり、臨床研究では、すでに中国に追い抜かれ、インドが迫りつつあるとい
う状況です。

 では、論文の質ではどうでしょうか。よい論文は他の研究者に引用されるこ
とが多いということから、引用された回数が論文の質の指標として使われてい
ます。臨床医学系の雑誌46誌における論文数と被引用数の比較では、日本は論
文数では6位で、中国(15位)、韓国(19位)の上にありますが、被引用数で
は、中国(12位)、日本(19位)、韓国(20位)と、ここでも中国に抜かされ
ています。

 臨床研究は基礎研究に比べ、時間、手間がかかります。また、基礎研究も最
近大型化し、費用もかかるようになってきましたが、それはごく一部であるの
に対し、臨床研究は一般に費用がかかります。さらに、臨床研究はヒトを対象
としていますので、研究内容を理解し研究に参加してくださるボランティア
(被験者)の協力なくては成立しません。

わが国はこれまで、不十分ながらも基礎研究には研究費をはじめ種々の援助を
投入してきました。それも大事ですが、これからは、人々の疾病治療・健康保
持に直結する臨床研究にもっと多くの援助を注ぐ必要があります。「新たな治
験活性化5ヶ年計画」など、臨床研究への支援策が打ち出されつつはあります
が、より大きな支援が必要と思います。しかし、臨床研究はすぐに結果が出る
ものではなく、研究期間が数年にわたるのが通常ですので、成果をじっくりと
待つ姿勢も大事です。

臨床研究にとってさらに重要なことは、研究へ参加してくださる方々です。被
験者なくして臨床研究は成立しません。当院でも多くの臨床研究を行っていま
す。主治医等から協力をお願いすることがあるかもしれません。臨床研究への
参加は、ご本人の自発的な意思に基づくものであり、説明をよく聞いてご判断
いただくことになります。もしそのような機会があれば、是非、ご検討くださ
い。お願い申し上げます。


参考文献
 高鳥登志郎、臨床医学研究の現状と強化への取り組み、JPMA News Letter 
No.128、 pp.28-29、2008年。


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              −糖尿病について 第2回−
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                                                    糖尿病内科 科長
                                                    東堂 龍平

 先月のメルマガより糖尿病のお話をさせて頂いております。11月号の第2回
目は糖尿病のコントロール目標について、お話しさせて頂きます。
<糖尿病のコントロール目標>
1 ヘモグロビン エーワンシー(以下HbA1c)
 HbA1c:優 5.8未満、良 5.8〜6.5未満、可 6.5〜8.0未満、不可 8.0以上
赤血球の中にヘモグロビン エー(HbA)という物質があります。これは全身に
酸素を運んでいるとても大事な物資で、これに血糖中のブドウ糖がくっついた
ものをHbAlcと呼びます。血糖値が高ければ高いほどたくさんブドウ糖がつき、
HbA1cがたくさん出来ます。血液中にあるHbAは直近の1〜2カ月間に生産された
ものが多いため、HbA1cは過去1〜2カ月間の血糖コントロール状態を反映する
指標となります。
 HbA1cの値は健康な人で5.8%以下です。糖尿病の人では6.5%以下が血糖コ
ントロールが良好な状態であって、合併症の発症予防・進行抑制が期待できま
す。HbA1c8.0%以上は血糖コントロールができていない状態であって、合併症
の発症・進行が懸念されます。

2 体重
 標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
身長に対してバランスのとれた体重が標準体重で、身長が150cm(1.5m)の人
は49.5kg、160cmの人は56.3kg、170cmの人は63.6kgです。
 今の体重が重いか軽いかを知るにはBMl(body mass index 体格指数)という
方法があります。これは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算します。身長が
160cm、体重が63kgであれば、BMlは63÷1.6÷1.6=24.6です。
BMl 25以上は肥満ですので、やせる努力が必要です。ただし、やせ型の体格の
方は、BMlが22を下回っていても必ずしも積極的に体重増加を図らなくてもか
まいません。

3 血圧
 収縮期血圧130mmHg未満
 拡張期血圧80mmHg未満
血圧は全身の血管を傷めますので出来るだけ下げましよう。最高血圧が
140mmHg以上あるいは最低血圧が90mmHg以上のどちらかが超えていると高血圧
です。糖尿病の人は腎臓が傷みやすいので少し低めを目指します。

4 血清脂質
 LDLコレステロール120mg/dl未満
 HDLコレステロール40mg/dl以上
 中性脂肪150mg/dl未満(早朝空腹時)
 LDLコレステロールは悪玉コレステロールで、血管の壁にコレステロールを
くっつけていきます.健康な場合は140mg/dl未満であればいいと言われていま
すが、糖尿病の人の場合には120mg/dl未満、心臓が悪い人は100mg/dlまで下げ
ないと危ないとされています。
 HDLコレステロールは善玉コレステロールで、血管にこびりついたコレステ
ロールを一生懸命掃除して肝臓に戻し、動脈硬化を治してくれます。これは数
値が高い方がいいので40mg/dl以上にしましょう。
 中性脂肪はお腹にまとわりつく脂肪の元で、150mg/dl未満にしましょう。こ
れは食事をとると血液中にすぐ増えますので、空腹時に検査しないと正確な値
は得られません。


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      「患者情報室より」
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                                         ボランティアコーディネーター
                                         藤本 和彰

  元患者情報室責任者の山本ゆかりさんが、亡くなられました。
平成15(2003)年10月23日に、NPO法人ささえあい医療人権センターCOM
L(コムル)が運営主体となって、当院緊急災害医療棟の1階の一角に、「患
者情報室」が開設されました。ここでは患者さん自身が、資料やインターネッ
トから病気に関する情報を自由に得ることができる。病院と特定非営利活動法
人(NPO法人)の協働という、全国初の取り組みで開設しています。患者さ
んの情報収集には病院ボランティアさんの手助けがあります。
この患者情報室の専従職員として、COML(コムル)より派遣されたのが山
本ゆかりさんでした。平成15(2003)年設立より平成19(2007)年2月まで、
およそ3年4カ月務められました。患者情報室での山本ゆかりさんの足跡は、平
成15年12月16日〜平成19年1月16日まで投稿された、当院メールマガジン「法
円坂」NO.30〜NO.68の「患者情報室より」で見ることができます。故人のお人
柄が、来室された患者さん、ボランティアの方々、そして病院職員の方々に対
してのこころの温もりが、要所に表現され心を打つものが多く残されています。
10月17日午後1時より、「山本ゆかりさんを偲ぶ会」が、平成20(2008)年12
月1日緊急災害医療棟より外来診療棟1階に移転、退職後は利用者の立場で度々
来室されていた患者情報室で行われました。この偲ぶ会は、井上由紀子夫人の
ご尽力とボランティアの方々や、関係者の皆さまのご協力で行われる運びとな
りました。感謝いたしております。
情報室の受付台を利用してステージ(祭壇)が作られ、中央に遺影の写真が飾
られました。写真の周りを囲むかのように白を主体にしたお花がステージ一杯
に飾られました。その写真に見る表情は優しさがあふれ、ゆかりさんのお人柄
がそのまま表れた写真だと思いました。そして、生前のゆかりさんに会えたよ
うな気持ちさえ感じることができたように思います。
偲ぶ会には、ゆかりさんのお姉さん・お友だち、患者情報室創設者の故井上平
三氏夫人 由紀子さん、現旧ボランティアさん、患者情報室開設当時からの関
係者、患者情報室の元研修者、そして利用者の方々など患者情報室にゆかりの
ある方々や、山本ゆかりさんとの思い出をお持ちの方々ばかり総勢27人が参加
されました。
山本ゆかりさんは、今年6月21日に急逝されましたが、ご家族のご意思もあり
この日に執り行われるようになりました。偲ぶ会の時間は、ほぼ2時間が予定
されました。参加された方々は、その限られた時間の中で故人との思い出を交
わしながら偲んでいただけたと思います。
山本ゆかりさんが投稿されたメールマガジンに、「井上平三さんが思い描かれ
ていた患者情報室に、少しでも近づいていくよう努めていくつもりです。もし、
生きていらしたら「ぼちぼち進んでいきましょう」と声を掛けてくださる気が
します。これからも、どうか患者情報室を見守っていてください、といつも写
真に心の中で語りかけています」と綴られています。
山本ゆかりさんが成されてきた「患者情報室への厚い想い」を継承しながら、
患者情報室のインフラや患者さんへの情報提供の更なる改善に尽くしたいと考
えています。
現在、患者情報室の一角に故山本ゆかりさんの写真が飾られています。どうか
いつまでも患者情報室を見守っていてください。
ご冥福をお祈りいたします。


・この度「山本ゆかりさんを偲ぶ会」に参加され、患者情報室への新たな思い
をメールマガジンへ投稿していただきました。西尾典子さんをご紹介します。

「山本ゆかりさんを偲ぶ会」
                患者情報室ボランティア  西尾 典子
さる10月17日(土)、午後1時より、患者情報室の前任者であった山本ゆかり
さんの「偲ぶ会」を致しました。
山本ゆかりさんは、6月にご逝去されていたのですが、あまりに突然のことで
「今はそっとしておいて欲しい」というご遺族のお気持ちを汲み、10月ならば、
情報室開設6周年でもあり、ご遺族のお気持ちも落ち着かれているのではない
かしらということで、10月に会を持つことに致しました。場所は、病院のご理
解とご協力を得て、ゆかりさんの活動場所であった患者情報室です。
当日は、ゆかりさんのお姉様、患者情報室創設者である故井上平三氏の奥様の
由紀子様ご来室のもと、現旧のボランティアさん、開設当時から情報室に関わ
って下さった方々、情報室で研修・ボランティアの後、他の病院の患者情報室
のスタッフになられた方、利用者さん、ゆかりさんのお友達など、総勢27名の
ご参加がありました。
これも、井上由紀子様のご尽力と関係者の皆様のご協力のお蔭、そして、ゆか
りさんのお人柄に依るところが大だと思います。皆様、異口同音に、ゆかりさ
んのあのゆったりとしたお話の仕方に象徴されているように、寛大さ、誠実さ
についてお話をされていました。新しい職場でも、ご家庭でもそうであったと、
今回お姉様からうかがいました。
山本ゆかりさんが去られた2007年冬以来、私たちボランティアは、荒海の小舟
のような不安を抱えながら、暗中模索を続けて参りました。情報室が病院本館
に移転するや、利用者さんの数が一挙に3倍程になり、悩む間も無く、とにか
く大過無く一日が過ぎることで精一杯でしたが、利用者さんの数も落ち着いて
来た昨今、利用者さんの分析が出来る余裕も出来てきました。やはり、利用者
さんの数の増加につれ、利用さんのご期待やご要望も多様で、多岐にわたり、
お応え出来ない時もままあります。そんな時、「ゆかりさんならどうなさるだ
ろうか?」と思い出す時が増えました。
ゆかりさんが在任当時願っていて、叶わなかった患者さん同士によるサロン。
サロンは残念ながら出来ませんでしたが、乳がん患者会が立ち上がりました。
もう一つ希望していらした「レファレンス」は、インターンシップで来られ、
その後も数か月ボランティアして下さった方が、立派なファイルとして実現し
て下さり、日々私達の手で更新しています。
10月23日(金)、患者情報室は6周年を迎えました。その日、故井上平三さん
のお写真と並べて、山本ゆかりさんのお写真も飾りました。新しいボランティ
ア仲間の方々や利用者さんにも、ゆかりさんの功績を知って頂けたら幸いです。
そして、井上さんご夫妻、山本ゆかりさんの情報室に対するお気持ちを大切に、
日々のボランティア活動に努めたいと思っています。


ボランティアホームページ→http://www.onh.go.jp/volunteer/
電話番号→06−6294−1331(代表) 
患者情報室ホームページ→http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html


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           看 護 の こ こ ろ
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                                                    西9階病棟
                           中村 真由子

 11月も半ばがすぎ、紅葉の美しい季節となりました。もうすぐ年末だと思う
と、本当に季節が過ぎるのが早いと感じます。私は看護師になって11年目、そ
のうち副師長という立場になって4年目となります。副師長2年目のときにあっ
た、心にのこるエピソードを、すこしお話ししたいと思います。
私の現在勤務している病棟は消化器外科病棟で、主に消化器のがん疾患に対し
て、手術や化学療法、または放射線療法を行う患者さんが入院されています。
そして、なかには積極的な治療から、痛みや様々な症状をできるだけ軽減する
ような緩和医療に移行された患者さんもいらっしゃいます。そのなかのお一人
に、最期はどうしても家に帰りたいと希望されている女性の患者さんがいまし
た。しかし彼女が家に帰るには、栄養チューブをつけたまま、在宅で栄養管理
をしなければなりません。彼女は一人暮らしだったので、訪問看護等のケアも
受けつつ、主に身の回りのお世話は、近所に住んでいる息子さんのお嫁さんが
することになっていました。私たち病棟のスタッフは、彼女の希望にこたえよ
うと、栄養チューブの管理方法を必死でお嫁さんに教えたのです。しかし、あ
るスタッフが私に相談してきました。その内容は、「お嫁さんに栄養チューブ
の管理方法を教えるにも、どうもやる気がないような、反応がないような感じ
でなかなか指導が進まない、どうしたらいいか」というものでした。私たちと
しては患者さんの希望にこたえることが第一優先で、お嫁さんにも率先して、
栄養チューブの管理をして欲しい、という思いがあったのです。私とスタッフ
は、少し時間をとって、お嫁さんの気持ちを聴いてみることにしました。する
とその30代のお嫁さんは、「自分が頑張らないといけない、という気持ちはあ
るんですが、家には子供もいて、家事もするなかでお母さんのこともやらなく
ては、と思うとすごく気持ちがしんどくなってきたんです。でもここへきたら
私の気持ちに関係なく、覚えることがたくさんあって・・。」と泣き出してし
まわれました。その話を聴いて、私たちは患者さんの希望にこたえようとする
あまり、在宅で介護されるお嫁さんの本当の気持ちに気づいていなかったこと
がわかりました。その後、私たちはお嫁さんの気持ちを汲みながら、ゆっくり
指導を進めていきました。お嫁さんも気持ちを伝えたことでほっとされたのか、
それからは積極的に練習され、無事に患者さんは自宅に帰ることができました。
しばらくのち、在宅で頑張って過ごしている患者さんとお嫁さんの写真つきの
お手紙をいただいた時は本当にうれしかったです。
私たちは、患者さんという一人の人間を、身体面だけでなく、心理面、社会面
からも理解すること、患者さんだけでなく、それを取り巻くご家族などの人々
も看護の対象となること、そのことを理解した上で対象に応じた看護を提供す
ることを看護学校で習います。しかしそれは習ったからできるというものでは
なく、日々の患者さんやご家族とのやり取りの中で、うまくいかなかったり、
悩んだりしながら、患者さんやご家族に教えてもらうことで少しずつ実践して
いけるものであります。何年たっても反省したり、新しいことに気づかされた
りの日々で、本当に毎日勉強させていただいています。これからも、教えても
らったたくさんのことを糧にして、対象を理解し、気持ちに寄り添い、「ここ
の看護師さんと話すとほっとするね」といわれるような看護を提供できるよう、
精進していきたいと思います。

                          
看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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					研修医2年目 本行 一博

 はじめまして。研修医2年目の本行 一博と申します。この病院の研修につ
いてですが、そのシステム・各科の特徴等については、既に他の先生方に大凡
語り尽くされていると思います。そのため、今回は少し異なる視点からお話し
させていただくことにしましょう。

そもそも、初期研修の意義とは何なのでしょうか?
専門を決めるため・様々な科の視点から疾患を捉えるため・医療技術の基礎を
身につけるため等、様々な答えがあるでしょう。いずれもその通りだと思いま
す。しかし、実際に研修医として働き終盤を迎える今、一言で表すなら初期研
修とは「人生のpriorityを決める過程」であると私は考えています。
働き始めると、多くの変化が訪れます。学生の頃にはなかった「仕事」が現れ
ます。その一方で、「プライベート」という概念が明確なものになってきます。
「責任」の重さを実感するようになります。また、科によって全く異なる
policy・各科を構成する個人の実に多様なphilosophyを目の当たりにすること
になります。賛否両論絶えぬ初期研修ですが、この点に関しては実に有意義で
あると私は思います。「こんな考え方もあるんだ!」という驚きの連続であり、
それは医学に対する考え方に限りません。人生の師となる先生方の多いことは、
この病院の大きな特長であると考えます。

仕事をしていると、時間の貴重さを思い知らされることが多々あります。あっ
という間に過ぎてゆく月日の中で、自分はどこへ向かうのか?達成したいこと・
求めるものは何なのか?それらを紐解くための期間でもあります。恐らく、全
てを手に入れることは困難でしょう。そのため、priorityを決めることが重要
となります。医師としてのキャリア上の話だけではありません。今後のlife 
planは?そのために今、何をしなければいけないのか?何を優先するのか?
そういったことを考えることで、徐々に自身のスタンスがはっきりしてくるこ
とでしょう。
無論、正解はありません。しかし、他者の意見を参考にしつつも自身を見失う
ことなく、確固たるidentityを築いていってほしいと思います。

抽象的なことばかり述べてきましたが、どれだけ「頭ではわかって」いても、
実際に経験しなければわからないことは実に多いものです。この日記を読まれ
ている皆さんの多くは、研修先の病院について悩まれていることでしょう。先
輩方の情報も参考にはなりますが、それよりも是非一度見学にいらしてくださ
い。見学と実際に勤務するのとでは大きな違いはありますが、「雰囲気」は重
要な判断材料であると思います。気になることは遠慮なくご相談いただき、熟
考の上で御自身に合った研修先を選んでください。
そして何より、何気ない日々を大切にして、豊かな人生を歩んでください。
Enjoy life, and good luck with your future!


					研修医2年目 松原 尚子

 こんにちは。今は研修医2年目の秋、初期研修もいよいよ終盤を迎えつつあ
ります。
振り返れば2年前の6回生のころ、研修医になることは楽しみであり、不安でも
ありました。先輩から伝え聞く、研修医生活の忙しさ、当直、休みのない日々。
念願であった医師になれる喜びと同時に、こんな私に務まるのだろうかと何回
も思ったものです。
 実際始まってみると、やはりこの2年間は盆も正月もなく、今までの人生で
一番忙しい時期だったように思います。しかし、休めるときには休み、体調を
崩さないよう自己管理をするようになり(一度インフルエンザにかかり周りに
迷惑かけたとこがありますが・・・)、充実した毎日を送っています。初めて
の当直の日、当直室のベッドでPHSを片手に眠れない夜を過ごし、翌日は日中
ずっとぼんやりしていた記憶がありますが、今では当直中、ちょっとでも空き
時間があると爆睡できるようになりました。
研修前と比べて言えることは、強くなった(身体も精神も)・どこでも眠れる
ようになった・よく食べるようになったことでしょうか。
まだ勤めだして2年ですが、いろいろ経験し、成長させてもらった大阪医療セ
ンターには大きな感謝と同時に愛着が湧き、ここで研修医時代を過ごすことが
できて本当に良かったなと思っています。
<理由>
1.優秀で教育的なドクターが多かった(志望科でないと知っていても熱心に
教育してくれ、科を問わず将来の理想像になる先生にたくさん出会えました。)
2.同期のレベルが高い(モチベーションの高い人が多く、自分も勉強せざる
を得ない環境がありました。)
3.大学名で差別されない(基本的に阪大系列の病院ですが、働いている先生
の出身校はわりとばらばらな気がします。)
4.手技はわりとやらせて貰える(CVや胸腔ドレーン、気管切開など。三次救
急のある病院ならではかもしれません。)
5.後期研修医の先生が多い(初期研修医にとって学年が近く、話しやすい先
生が多いと上の先生には出来ないようなくだらない質問も出来て、様々な場面
で非常に助けられました。)
6.雑務は大学病院より少ない(と言われている。実際はどうか比較できませ
んが。)  
一つ欠点を言うなれば、やはり規模大きい病院ですので疾患が専門的で偏りあ
るところでしょうか。
<初期研修後の進路>
初期研修医は一学年16人いますが、初期研修終了後、後期研修医として残る者
は私どもの学年では6人です。後期研修から来られる先生もたくさんいますが、
後期研修も当院で希望しているなら、初期研修から働いていた方が採用はスム
ーズだと思います。その他の者は、医局に入ったり、別の病院の後期研修に行
ったりと割と自由です。

 最後に・・・
「三つ子の魂百まで」と言うことわざがあるように、医師として初めに働いた
病院で身に付いたことは、良いことも悪いことも、医師人生の一生に影響する
と思います。だからこそ、良い環境で研修することは意味があると思うのです。
 みなさんと一緒に働けることを楽しみにお待ちしています!

臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


**********************************************************************
総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 恵谷秀紀、山崎麻美、徳永尚美 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
**********************************************************************
 寒暖の差が激しい今日この頃です。「うがいと手洗い励行」で、忙しい師走に
むけて、どうかご自愛ください。
 
http://m-maga.onh.go.jp
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp 

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