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メールマガジン「法円坂」No.111(2010/8/17)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



  毎年毎年、暑さが増しているように思いますが、皆様いかがお過ごしでしょ
うか。仕事柄、小児虐待事件にかかわることが多いのですが、本当につらくて
悲しい事件がありました。どうやったらこんな悲惨な事件をなくすことができ
るか、いろんなことが言われていますが、まず他人に、お隣に、関心を持つこ
と、お節介をやくことだと思っています。どこかに忘れてきた、つながりを取
り戻したいものです。 
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   メールマガジン「法円坂」No.111(2010/8/17)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 で す     
 ・こどもの闘病 〜付き添い家族〜
 ・第30回“愛の夢コンサート”サマーコンサート開催する
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す 
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 最近、「医療ツーリズム」という言葉をよく耳にします。

 経緯を見てみますと、まず、昨年末(12月30日)に「新成長戦略」の基本方
針が閣議決定されました。その中で、「医療・介護・健康関連産業を日本の成
長牽引産業として明確に位置づけるとともに、利用者本位の多用なサービスを
提供できる体制を構築する。」、「医療・介護・健康関連産業は、今後、高齢
社会を迎えるアジア諸国等においても高い成長が見込まれる。アジアの富裕層
等を対象とした健診、治療等の医療及び関連サービス産業を観光とも連携して
促進していく。」と述べられ、医療ツーリズムが成長戦略の一つとして取り上
げられました。

 これを受け、平成22年1月14日には、観光立国推進本部第1回観光連携コンソ
ーシアムが開催され、この中で厚生労働省からは「厚生労働分野におけるニュ
ーツーリズムについて」という資料が出されています。また、経済産業省は今
年6月に「産業構造ビジョン2010」を発表していますが、このなかで、今後の
戦略分野の一つとして医療が取り上げられており、医療サービスの国際化に向
けた戦略的取り組みを展開させる必要が指摘されています。ここで言う「国際
化」は外国人受診者の受け入れであり、医療ツーリズムのことです。

 わが国が医療ツーリズムを展開するときの強みとしては、「産業構造ビジョ
ン2010」に示されているように、日本の医療水準・設備が世界的に高く評価さ
れている点にあります。平均寿命は、女性は世界一、男性もベスト5に入って
いますし、高度な医療が幅広く提供されている一方、それに使われている費用
はOECD諸国の中でも平均以下であり、WHOからもきわめて効率のよい医療体制
であることが認められています。「産業構造ビジョン2010」では、以下のよう
に述べています。[1]
【以下引用】例えば、心臓病による死亡者率はOECD諸国の中でもっとも低く、
循環器系の疾病に対する日本の治療技術が極めて優れているほか、結腸直腸が
んの5年以内生存率の高さや前立腺がん死亡率の低さはOECD諸国の中では最高
水準にあり、がんの治療技術も世界的に高い。医療機器の分野についても、例
えばがん治療のための重粒子線治療機器では、稼働中の機器は世界で6機ある
うち3機が日本で稼働しており、重粒子線治療の症例の多くが日本において蓄
積されているなど、日本には世界的に大きく先行する医療分野があり、日本の
医療サーピスは国際的に飛躍できる潜在的な力を有していると言える。また、
MRI (磁気共鳴画像装置)やCT (コンピューター断層撮影装置)といった高度な
医療機器については、人口100万人あたりの保有台数は、MRI42.7台、CT96.1
台であり、その充実度合においてはいずれも世界最高水準である。このように、
日本の医療サービスは、高度な医療技術を有しており、グローバルマーケット
において一定の競争力を有する可能性を秘めていると言える。

 新産業として医療ツーリズムが注目されるのは、タイ、シンガポール、最近
では韓国が医療ツーリズムを推進することで外国からの多数の患者を招き寄せ、
大きな経済効果が認められるからと思われます。

 しかし、医師不足、看護師不足といわれ、医療崩壊が起こっている地域もあ
るわが国に、医療ツーリズムはなじむのでしょうか。日本医師会は、今年6月
9日に「国民皆保険の崩壊につながりかねない最近の諸問題について一混合診
療の全面解禁と医療ツーリズム−」と題する定例記者会見を行っています。そ
の中で、「外国人患者の受け入れについて」は、以下のように述べています。
【以下引用】日本医師会も、これまで経済波及効果や雇用誘発数を推計して医
療が産業として重要な位置づけにあると認識してきたところであり、医療への
投資は、将来の経済成長をもたらすものと考える。
しかし、現在は、地域医療崩壊の危機にある。医療を成長産業として捉えるの
は良いが、まずは、地域医療再生の道筋を示すべきである。「産業構造ビジョ
ン2010」は、日本国内の医療再生への道筋とは関係なしに、官民一体となった
外国人患者の受け入れを支援する組織の立ち上げ、国による外国人受け入れ医
療機関の認定が必要であるとしているが、それは順序が違うといわざるを得な
い。
 その上で、日本医師会は、日本人であれ、外国人であれ、患者を診察、治療
することは医師の当然の責務であり、人道的見地からも不合理な規制は緩和す
べきであると考える。
 現在も外国人患者を診察、治療している医師は少なくない。良心的に診療報
酬なみの治療費で診察し、医療機関が持ち出しをして対応しているところもあ
る。医療機関には、日本人、外国人問わず十分な診察、治療を行なうことがで
きるような経営体力が必要であり、そのためには、診療報酬を全体的に引き上
げて、医業経営を支える必要がある。
 ただし、日本人の保険診療患者が締め出されていたり、日本人の自由診療患
者も含めて膨大な治療費が請求されていたりすれば問題である。日本医師会と
しても実態把握に努めるが、日本の医療を混乱させないためのガイドラインが
不可欠である。

 この日本医師会の見解に、多くの医療関係者が賛成すると思います。経済的
なインセンティブも重要ですが、それで本来の業務、使命がなおざりにされる
ことはあってはならないと思います。

 すでに、医療機関向けに外国人の受入をサポートするサービス企業が存在し
ています。医療ツーリズムは、これから、徐々に浸透はしていくものと思われ
ます。しかし、医療ツーリズムは当院の理念とは相容れないところがあります。
当院の提供する医療を必要とする患者さんがあれば海外からでも受け入れる所
存ですが、医療ツーリズムとは一線を画していきたいと考えています。


1.http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004660/index.html
2.社団法人日本医師会(2010年6月9日 定例記者会見


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    こどもの闘病 〜付き添い家族〜
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                         小児科
                         楠木 重範

 子どもの病死の第一位は小児がんです。しかし医学の進歩に伴い小児がんの
7−8割は治癒する時代になりました。このように治癒率が向上してきた一番
の理由は、化学療法(抗がん剤の治療)の進歩です。また小児は比較的強い化
学療法を施行できることが、治癒率の向上にもつながっていると考えられます。
なぜなら大人に比べて小児は心臓、肝臓、腎臓などの臓器が若くて元気ですか
ら、強い化学療法にも耐えることが出来るのです。
強い化学療法に耐えることはできますが、決して楽ではありません。化学療法
の副作用で免疫力が低下するため、ちょっとした風邪が生命にかかわることも
あります。
通常小児がんの治療は4〜6回の化学療法を入院治療で行いますので、半年以上、
長ければ1年以上の入院生活が必要となります。このように小児がん治療の特
徴として、免疫力の低下と長期入院があげられます。
また小児がんのこどもの入院には、親が付き添いをしていることがほとんどで
す。子どもの心のよりどころとなるのは、間違いなく家族です。しかし病院は
病人のための施設なので、付き添い家族のための寝るところ、食事などは用意
されていません。付き添い家族、主にお母さんは入院ベッドの横の狭いスペー
スで、付き添い用の狭いベッドをレンタル、または購入して使用しています。
このように長期入院が必要な小児がんの子どもと家族にとって、病院は闘病の
場でもあると同時に、生活の場でもあります。
生活の場としての病院は、満足できるものでしょうか?
子どもはベッドの上で、寝て起きて、遊んで、勉強して、尿器におしっこをし
て、ご飯を食べて、抗がん剤を投与されます。嫌なことも、楽しいことも、全
部ベッドの上です。付き添いをされているお母さんも、心身ともに疲れてきま
す。
またお母さんが妊娠していることもあります。つまり、妊婦がこの環境で数か
月間過ごすこともあるのです。おなかの大きいお母さんが、泣いている子ども
をずっと抱っこしなければならないこともあります。出血したため、安静にし
ていなければならない妊婦の母が、この環境で過ごされていたこともあります。
なぜこのようなことが今まで改善されてこなかったのか。「病気なんだから仕
方が無い」という日本式の古い考え方のためだと思います。病気になったから
こそ、病気のこと以外にはできるだけ気を使わなくてもよい環境を整えるべき
ではないでしょうか。
小児がんについて興味をもたれた方はこちらもご覧下さい

http://blog.canpan.info/kemohouse/ (チャイルド・ケモ・ハウスのブログ)


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   第30回“愛の夢コンサート”サマーコンサート開催する
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 6月22日火曜日、午後7時から当大阪医療センター講堂にて、「愛の夢コンサ
ート」サマーコンサートが行なわれました。
平成9年1月、当医療センターにボランティア活動が発足して始められたこの
「愛の夢コンサート」も、30回を数えることになりました。
当日の会場には、126名の患者さんやご家族、お友達の方々にお越しいただく
ことができました。そして出演してくださった音楽ボランティアの皆さんから、
今回も素晴らしい音楽を届けていただくことができました。

プログラムの紹介をしましょう。
1.ピアノ演奏・・・佐竹 史子
♪シバの女王
♪シェルブールの雨傘
♪ある愛の詩
♪夜間飛行(オリジナル曲)

2.ギター演奏・・・パンチョ・堤
♪時計
♪ラ・バンバ
♪その名はフジヤマ
♪ラ・マラゲーニャ
♪ベサメムーチョ

3.沖縄民謡・・・三線・宮里政則ほか
♪安里屋ゆんた(あさとやゆんた)
♪新デンサー節
♪島の花
♪十九の春
♪涙そうそう

・みなさんとご一緒に
♪花
《総合司会:八田 叔子》

プログラム1番目は、ピアノ演奏・佐竹史子氏。今回で30回目を迎えた「愛の
夢コンサート」ですが、第1回目からレギュラーとして参加していただいてい
ます。
最初の曲は、ポールモーリア曲集から、「♪シバの女王」でした。2曲目「♪
シェルブールの雨傘」、3曲目「♪ある愛の詩」を聴かせていただきました。
この3曲の名曲は、50代の私には、ただただ懐かしく、ピアノが奏でるメロデ
ィにのって、映画「シェルブールの雨傘」での、ドヌーブの美しさや、再会シ
ーンの名場面の記憶だとか、映画の様々な情景が浮かんできます。生演奏、い
つ聴いてもいいものです。
4曲目はオリジナル曲「♪夜間飛行」、毎回“愛の夢コンサート”で、新作の
オリジナル曲を聴かせていただき、私にとっては、コンサートでの楽しみの一
つになっています。
今回、聴かせていただいたオリジナル曲「♪夜間飛行」は、神戸の方で書かれ
た曲で、「神戸の高台から夜景を見て、自分自身が夜間飛行しているつもりで
情景を確認してみました」と聞いています。きっと皆さんも、そういう情景を
思い浮かべながら聴いておられたことと思います。いつも素敵な曲をありがと
うございます。

プログラム2番目は、ギター演奏のパンチョ・堤氏。今回で3回目の出演となり
ます。
「♪ラ・バンバ」「♪その名はフジヤマ」「♪ラ・マラゲーニャ」等、懐かし
いラテン音楽とすばらしい美声を聴かせていただきました。
患者さんの傍に歩み寄り、弾き語りをしてくださり、感激された患者さんが、
期せずしてアンコールと叫ばれました。当院のコンサートでは久しいことでし
た。
そして、アンコール曲「♪おまえなしでは」。
「この曲は特別な時でないと歌ったりしないんですが、今日は特別な日」と語
られ、「だれだって、一番大切な人っていうのはお持ちだと思うんです・・・。
その大切な人のために、皆さんのために」と歌ってくださいました。皆さんも
すばらしい歌声に、大切な人の顔を重ねながら、聴いていただけたと感じてい
ます。
そして元気を身体一杯にいただけたのではないでしょうか。ありがとうござい
ました。

 最後のプログラムは、沖縄民謡です。大阪市大正区の登川流・宮里政則民謡
研究所、三線教室の先生と生徒22名の皆さんが、昨年に続いて出演してくださ
いました。
「♪安里屋ゆんた(あさとやゆんた)」「♪新デンサー節」「♪島の花」の3
曲を、三線教室の生徒22名の皆さんが聴かせてくださいました。皆さん、お揃
いの衣装で素敵でした。会場はすっかり沖縄ムード一色に染まりました。
そして、師範・宮里政則先生とお弟子さんによる、「♪十九の春」「涙そうそ
う」を聴かせていただきました。素敵な歌声に、沖縄情緒を満喫することがで
きました。
お別れの曲は、「皆さんとご一緒に」のコーナーで歌った「♪花」でした。舞
台と会場が一体となり、持てるちからを全部発揮して、元気な声で、大きな声
で歌っていただきました。ご協力ありがとうございました。
最後は、当院恵谷副院長のご挨拶で締めくくられました。今日出演していただ
いた「音楽ボランティア」の皆さん、お手伝いをしていただいたボランティア
「法円坂」の皆さん、職員の皆さん、ありがとうございました。いろんな方た
ちのご協力により無事に終えることができましたこと感謝しています。
ボランティア皆さんからの贈り物「サマーコンサート」、皆さまのお心が少し
でも和んでくださいましたら、私たちボランティア、職員の皆さんも喜んでく
ださると思います。皆さまの一日も早いご回復を祈念しております。
またアンケートにご協力いただき、ありがとうございました。39名の方からご
意見ご感想が届きました。皆さんからいただきました貴重なご意見は、今後の
コンサートに活かせるように検討させていただきます。本当に「ありがとうご
ざいました」

・メルマガご愛読の皆さま、大阪医療センターでは病院ボランティアを募集し
ています。
病院で自ら進んで労力、時間、技術などを提供して、患者さんにやさしさとう
るおいを提供すると共に活動を通じてボランティア自身の成長にも役立つこと
ができる活動です。資格は特に要りません。自分自身が健康であり、優しさと
何事にも積極的に取り組む気持ちがあれば活動できます。また、活動回数は、
個々のライフスタイルに応じて決めていただいています。服装は活動しやすい
服装でいいですが、ピンクのエプロン・胸章など用意しています。
現在120名のボランティアの方々が活動されています。一緒に活動してみませ
んか。ボランティアを希望されます方、お待ちしています。管理課ボランティ
ア担当までご連絡ください。


・ボランティアホームページ→http://www.onh.go.jp/volunteer/
・電話番号→06−6294−1331(代表) 
・患者情報室ホームページ →http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html


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           看 護 の こ こ ろ
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                            東7階病棟
                            松尾 好子

 例年になく猛暑が続いています。私は看護師になって9年目になります。脳
外科、眼科病棟を経て2年前に循環器、心臓外科病棟に異動となり現在に至り
ます。循環器、心臓外科病棟は心不全や心筋梗塞を始め心臓弁膜症や動脈瘤な
ど手術目的で入院される方も多く専門的な治療と看護が求められます。また、
当病棟に入院される患者様は、急に発症する方も多く、患者様や家族は精神的
に大きな不安を抱えます。先日、出会った患者様Aさんとその家族のエピソー
ドについて話しをしたいと思います。
 Aさんは、肺塞栓症で入院して来られました。点滴と安静での治療を行って
いましたが肺炎を併発し、徐々に呼吸状態が悪化し、意識レベルも呼びかけに
対して反応できない状態が続きました。そんなAさんの傍には毎日、面会時間
になると奥様が来られていました。既往に肺癌、脳転移という疾患を抱えてお
られたAさんの病状は厳しい状況でした。しかし、そんな厳しい状況であって
も奥様は家のある名古屋に連れて帰りたいという希望を持っておられました。
私達は当初、奥様の希望を叶えてあげたいという気持ちと現在の病状では難し
いのではないかという両方の考えを持っていました。何度も主治医と、Aさん、
奥様の意向に沿えるように話し合いを持ちました。奥様は外国の方で日本語は
堪能でしたが、専門的な治療や医療についての理解は困難で、看護師は面会に
来られるたびに奥様の精神的な支えになれるように関わりました。
 一時は生命の危機に陥るような状況に至ったAさんでしたが、徐々に意識レ
ベルも改善し、車椅子に乗れるまでに回復したのです。点滴と鼻から栄養摂取
をしていましたが口からの栄養摂取に移行となり食事の訓練も始まりました。
主治医、看護師、リハビリの先生、PT、ST、NST(栄養サポートチーム)
MSW(医療相談員)がんサポートチームと協力してAさんと家族に関わって
行きました。そして、入院してから約3ヶ月後の先週、無事にAさんは車椅子
で新幹線に乗り奥様と娘さんと共に名古屋に転院して行かれました。奥様は最
後に「馴れない土地で不安だったけど、いつも看護師さんが話しを聞いてくれ
てどれだけ救われたか。この病院に入院して良かった」と話してくれました。
 振り返ってみると、奥様、娘さんのAさんへの励まし、愛情という力がAさ
んの回復に力を与えた事はもちろんですが、主治医、それぞれの専門的な他職
種がAさんを中心に最善の方法を考え、同じ目標に向かい、介入できた事がA
さんの回復につながったと思います。看護師は24時間、患者様の傍に居られ
る唯一の存在で、家族の思いも一番近くで聞く事ができます。看護師は、患者
様、家族の代弁者、それぞれの職種の調整役になり、患者様、家族の目標に向
けて介入する事がとても重要であるという事が今回の事例で改めて感じる事が
できました。これからも「この病院に入院して良かった」と言ってもらえるよ
うな看護を提供していけるように日々、努力して行きたいと思います。

看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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							研修医2年目
                            宍戸 裕二
                            
 今回の研修医日記を担当させていただきます、研修医2年目の宍戸といいま
す。
 既に様々な先輩方がこの研修医日記で当院の初期研修を紹介しておられ、初
期研修一般のことについてこれ以上私が述べることなど特にないように思いま
す。そこで私が当院の特徴と考える、救命救急センターと外科に限定して研修
医の視点で少し話をさせていただきたいと思います。救命医、外科医志望の方
以外にはあまり興味のない話になるかもしれませんので、読み飛ばしていただ
いて結構です。

 当院の救命救急センターは三次救急のみ(時に二次の依頼を受けることもあ
り)を扱っております。症例としては多発外傷の割合が多く、内因性疾患はや
や少ないように感じます。ただ頭部外傷や一部の循環器疾患などを除けばほと
んどすべての疾患を初期対応から診断、治療といった入院後の管理まですべて
救命センターのDrが行っており、高度なICU管理を日常的に学べる場でもあり
ます。そのような特徴もありますので、救命医志望の先生のみならず、他科志
望の先生でも期間限定で当院の救命センターで働かれている方が多数おられま
す。またスタッフ、後期研修医(レジデント)、初期研修医(3ヶ月のローテ
ート)を合わせると常時20人程度の医師が所属しており、当直帯はスタッフク
ラス、レジデントクラス、初期研修医の3人1組を基本とし日々交代で診療を行
っていくという体制がしっかり整っていますので、いわゆる救命医の過剰労働
が問題となるような病院ではありません。症例がほぼすべて三次救急というこ
ともあり、初期研修医の段階では診療内容にあまり深く関わることはありませ
んが、興味のある方はレジデント以降のことも考え一度当院の救命センターを
見学されてはいかがでしょうか。

 次に当院の外科についてご紹介したいと思います。当院はがん拠点病院でも
ありますので、外科においても扱う疾患はほぼがんに集約されています。週に
20〜30件程度の消化器・呼吸器・乳腺領域のがん(一部良性疾患もあり)を手
術しており、極稀に急性腹症などの緊急手術をしています。当院は比較的大規
模な病院ですので当然経験できる手術症例も多く、その他術前・術後化学療法
や終末期の患者さんも外科病棟で診ておりますので、がん治療に関して幅広い
知識を身につけることができます。また単純に手技的なことだけでなく、クリ
ニカルパス・SSI対策・栄養管理など外科において必須とも思われる分野にお
いては、外科医師・外科病棟の看護師・その他コメディカルがそれぞれ十数人
規模のチームに分かれて活動しており、定期的に検討会や発表会などを行い日
々根拠に基づいた最先端の医療を患者さんに提供できるように励んでおられま
す。さらに当院外科は学会活動も非常に盛んに行っており、レジデントのよう
な若い先生でも3年間で複数の論文を書き上げておられます。もちろん外科医
であるためどの先生も手術に対するこだわりは強いのですが、決してそれだけ
に固執することなく、非常にアカデミックに医療を行っていることが当院の外
科の特徴であると思います。そのようなアカデミックな外科に興味がある方は、
是非当院の外科を訪れてみてください。

 つらつらと書いてみましたが、結局文章で読むより一度実際見学に来ること
が一番だと思います。「百聞は一見にしかず」、みなさんのご来訪をお待ちし
ております。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 恵谷秀紀、山崎麻美、徳永尚美 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 人と人の付き合いは、相手のいいところを認めるところから始まると、誰か
が言っていました。確かに、相手の悪いところを見つけるのは簡単です。最近
は、みんないつもプンプン何かに怒っているような気がします。そんな私もい
つもイライラしてしまっています。ちょっと言葉を飲み込んで、深呼吸をして、
間をとること、そんなことで関係がよくなることがあるように思います。季節
も気持ちも早くさわやかに変わることを祈りながら。
 
http://m-maga.onh.go.jp
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp 

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