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メールマガジン「法円坂」No.114(2010/11/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 やっと秋らしい季節になりました。最近、秋は短いですが、夜長の読書の合
間にメルマガをお楽しみください。 
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   メールマガジン「法円坂」No.114(2010/11/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 で す     
 ・研究休職だより:イタリアへ行っています。 
 ・がんシリーズ2:化学療法室	
 ・「日本病院ボランティア協会 2010年度総会・集い」に出席して  
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す 
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 10月15日に朝日新聞が報じた、東京大学医科学研究所(以下、「医科研」。)
で実施していたがんワクチンの臨床試験に関する報道が、その後、大きな波紋
を及ぼしています。

 がん患者団体、日本がん学会をはじめとする関連学会、その他の団体などが、
朝日新聞の記事に対して抗議声明を出したりしています。その論点は、朝日新
聞の記事が「誤解を与えるような不適切な報道」、「事実を歪曲した報道」で
あったという点にあり、報道の発端となった「副作用情報の共有が
不十分であったのではないか」という疑問に対する提案が全くといっていいほ
どありません。

 医科研の対応は、「臨床試験実施のガイドライン(臨床研究に関する倫理指
針)に照らして落ち度はない」というものでしたし、その後は、「積極的に伝
えなくても情報は共有されていた」というものでした。

 私は、伝えられている事象が副作用かどうか、あるいは、情報共有はされて
いたと判断できるかどうかについて論じるつもりはありません。ただ、現在の
臨床試験のシステムでは、同様な事態が今後も起こりえることを指摘しておき
たいと思います。

 今回の事例は、「新規物質を用いる介入試験」を、現行のガイドライン「臨
床研究に関する倫理指針」(以下、「倫理指針」)の下で行う場合の問題点・
欠点を象徴するものと思います。もし、これが「医師が行う自主的な臨床試験」
ではなく、「治験」として行われたならば、違った展開が予想されます。

 治験は臨床試験に含まれるものですが、新薬の承認申請のためのデータを集
めるための臨床試験であり、GCPと呼ばれている「医薬品の臨床試験の基準
に関する省令」という法律の下で実施される点が一般的な臨床試験と異なると
ころです。

 今回、問題となっていた事例は「重篤な有害事象」と呼ばれる状況に相当す
るので、治験として実施している場合には、新規物質(がんワクチン)の提供
元(治験における依頼者)に必ず報告されます。多施設が共同で行っている臨
床試験であれば、治験ではなくても他の試験実施施設にこの情報は中心施設を
通じて提供されます。このことは倫理指針でも義務づけています。しかし、今
回のように、1医療機関のみで行われた場合は、せいぜい、提供元への報告で
終わりですし、これは義務ではありませんので、報告もなされないかもしれま
せん。

 一方、治験であれば、「重篤な有害事象」であり他の治験参加施設にも提供
すべきと判断されれば依頼者は他の施設にも提供することがGCPにより義務
づけられています。この点では、臨床試験と差はありません。

 治験で重要なことは、もし報告された事象が他の治験においても重篤な有害
事象として注意する必要があると判断した場合、これを「治験薬概要書」と呼
ばれる文書に記載する必要があることです。また、治験薬概要書の改訂はそれ
ぞれの治験実施施設の治験審査委員会に「治験を継続するか否か」の判断を求
めなければならない審査事項ですので、同じ物質を用いて別の治験を行ってい
る他の治験実施機関においても治験審査委員会にかかることになります。また、
新たに治験を始めようとする場合も、治験薬概要書を通じてこの情報が共有さ
れます。これらのことを行うことがGCPにより求められています。

 治験でない臨床試験の場合、「治験薬概要書」に相当する文書が倫理指針に
規定されていない点が問題です。もし治験薬概要書に相当する文書を作ること
が必須であったならば、今回のような問題は避けることができたかもしれませ
ん。しかし、治験薬概要書の作成やそのメンテナンスには多大な労力と費用が
必要になるので、これをあまりに厳しく求めることにはリスクが伴います。そ
のリスクとは、製薬メーカーのような大きな組織を持たない研究機関やベンチ
ャー企業にとっては大きな負担となり、その結果、新規物質を用いた臨床試験
ができなくなってしまう可能性があることです。

 「臨床研究に関する倫理指針」は、臨床試験のような介入試験のみならず、
日常臨床で得られるデータを用いるような観察究なども対象にしています。そ
の結果、いろいろなスタイルのある臨床研究を一つの指針でカバーしようとし
ており、かなり無理があることは否めません。新規物質を用いた介入試験につ
いては、治験と同様、GCP並の規制を導入する必要があるのかもしれません。
すなわち、治験か臨床試験かを問わず、介入試験の被験者を対象とした「被験
者保護法」の制定が必要なのかもしれません。


【追記】
 この原稿を完成(11月7日)後、11月10日の朝日新聞朝刊「オピニオン」欄
に、朝日新聞大牟田透東京本社科学医療エディターによる先端医療振興財団臨
床研究情報センター長・福島雅典先生へのインタビュー記事が掲載されました。
「治験」と医師が自主的に行う「臨床試験」とでその実施基準(規制)に差が
あること、それが今回の問題の基礎としてあること、治験・臨床試験のいずれ
においても被験者の保護が最も基本でありそのための仕組みがある必要である
ことなど、本原稿の意見と共通する部分がありますが、両者は独立のものであ
り、朝日新聞の主張を支持するものではないことを申し添えます。


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    研究休職だより:イタリアへいっています    
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						形成外科
						吉龍 澄子

 この7月から半年間、大阪医療センターおよび大阪大学形成外科から許可し
ていただいて、イタリアのミラノ市郊外にあるヨーロッパ癌センター(IEO)
にて研修させていただいています。頭頸外科に3カ月、形成外科に3カ月の予
定です。

 ヨーロッパ癌センターはベロネージ医師が1994年に設立した私設の癌センタ
ーで、国際的な水準の癌センターを目標に設立されました。このベロネージ医
師はミラノの国立癌センターで長年乳癌の治療を行ってきて、乳癌の温存手術
の提唱者として世界的に有名で、現在もここの病院長として診療に当たってい
ます。そうした経緯から、この施設は、乳癌手術が他の部門に比べて多く、年
間3000例以上行われています。今回はメールマガジンですので、専門的な
感想でなく、私なりに海外の病院を見学して感じた個人的な感想をいくつか述
べさせていただきます。

 第一は、いくつかの点から、医療の安全と充実にはお金が必要だという当た
り前のことを実感しました。第二は、これも他の国を見てもいつも思うのです
が、専門施設と一般の医院とでの連携(交通整理)がきちんと機能していると
いうことです。ここの患者さんは健康保険の患者さんと私費の患者さんとに分
けられます。受ける医療の内容は同じですが、私費の場合、個室になる、食事
リストから選べる、自分で医者を選べるなどの違いがあります。健康保険の場
合、2人部屋で(それでも十分広くて、トイレ、バス付きです)、食事、執刀
医などは選べませんが、治療費、入院費は全額ただになります。日本と違い、
シリコンの人工乳房による再建も全て健康保険でカバーされます。ちなみに入
院費は1日平均4〜5万円くらいで、日本の倍くらいです。物価の差を考えると
もっと多い印象です。費用が倍であるということは単純に考えると、それだけ
人件費がかけられるということで、患者人数当たりの病棟スタッフの人数を多
く確保でき、結果的に安全な医療が行えるのだろうと考えました。
 外来業務も見学しましたが、患者さんはすべて、かかりつけの医師からの紹
介であり、紹介なしで大病院を直接受診することができないのは、他の多くの
国と同じです。普段はかかりつけの近医でフォローして、半年ごとなどの定期
検診に外来を受診するという形です。イタリアでも一般医と専門施設の間で役
割分担が出来ていることで、限られた医療資源を有効に利用できているようで
す。イタリアでは日本は先進国ですごく金持ちの国だと思われていて、よく
「日本の方が恵まれているだろう。」と言われました。実際GNPは日本の方が
多いのですが、医療に関してはイタリアの方が恵まれているのはなぜだろうか
と考えさせられました。

 医療についてはイタリアは日本よりもはるかに効率がよく、医師は医療行為
以外の仕事の負担が少なく、その分働きやすいシステムですが、それ以外の一
般の事務処理については・・・やはりイタリアというか、効率の悪さは予想を
上回りました。たとえば、イタリアに長期滞在する場合、VISAとは別に、現地
の警察に滞在許可証(ペルメッソ)の交付を申請する必要があります。何回も
仕事を抜けては事務所や郵便局や警察署に出向き、毎回5時間も並んでやっと
申請手続きをしましたが、いまだに交付されていません。このペルメッソがな
いため、厳密に言えば私は不法滞在者(?)になるらしいのですが、このよう
なケースがあまりに多い(というより、ほとんど)ので、外国人はペルメッソ
の申請時の領収書をペルメッソのかわりに携帯するようになっています。昨年
ここに1年滞在した日本人の先生も、結局最後まで滞在許可証をもらえないま
ま帰国したそうです。
 ちなみに院内のIDカードも申請後4ヶ月以上待っていますが、まだもらえて
いません。イタリアに留学する場合は、滞在許可証などは滞在中には間に合わ
ないと覚悟した方がよいと思いました。


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    	  がんシリーズ2:外来化学療法室	
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					看護部 外来化学療法室
                    がん化学療法看護認定看護師
                    森岡 亜希子

 3人に1人が「がん」に罹患する現状です。抗がん剤治療では「治療が中心の
生活」になりがちですが、できるだけ「生活が中心の治療」つまり、がんにな
っても今まで通り仕事や家事を行えるように、専任の看護師5名が「外来化学
療法室」でサポートしています。5名は経験年数8年目以上の看護師で、がん化
学療法看護認定看護師が2名、出産・子育て中の看護師が2名、出産・子育てを
終えた看護師が1名です。それぞれの経験と知識を活かして、生活と治療を両
立できるような支援を行うよう日々努力しています。

がん化学療法を行うことになったとき、患者様は不安と緊張、悲しさなど様々
な想いをもって治療室に来られます。インターネットなどによる情報が氾濫し
ていて、がん化学療法は怖いものであるという不安を持っておられる方が多い
と感じています。抗がん剤はがんを殺すための薬なので、一般薬と比べて副作
用が強いものが多いのは確かです。しかし、抗がん剤が進歩しているのと同様
に、副作用を和らげる薬も進歩してきており、テレビに出てくるような「治療
中に嘔吐する」という場面を臨床の場でみることは少なくなってきています。
また、治療によって下痢や味覚障害などが出現して食欲不振が起こったときな
どは、栄養相談を受けられるよう、栄養士と連携も図っています。「副作用は
仕方がないので我慢する」のではなく、「副作用をなるべく少なくしながら治
療を継続」したいので、困ったことは何でも気軽に看護師に相談してくださ
い。ある患者様は3人の子育て中で、治療日は早起きして夕食を作り、子供の
身支度などをして送り出してから来院し、治療が終わればすぐ帰宅し子供のお
迎えをされています。また仕事の合間に治療に来院され、「思ったより副作用
が軽かった。仕事を続けていたので気が紛れた」などのように、うまく生活と
治療を両立されている方もいます。私たちは治療中に少しでもくつろいで過ご
せるように、また自宅に帰ってからも自分で副作用対策が行えるように、生活
に合わせた副作用対策を患者様とともに考え、安心して来室できるように支援
しています。これからも「生活中心の治療」を実現できるよう、チーム医療
を続けていきたいと思っています。


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   「日本病院ボランティア協会 2010年度総会・集い」に出席して  
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 10月29日、ホテルアウィーナ大阪にて「日本病院ボランティア協会 2010年
度総会・病院ボランティアの集い」が開催されました。
ことしの総会は例年の形式でなく、
<一部> 総会 11:00〜12:00 「生駒の間」
    ・出席グループ数 67グループ
<二部> 病院ボランティアの集い 13:00〜15:00  「金剛の間」
    ・参加者総数 276名(来賓56名、ボランティア 220名)
    ・1000時間感謝状贈呈 今年度達成者 272名 累計 3312名
    ・交流会
の二部形式で行われました。

 第一部の総会には、全国の賛助会員67グループが出席されました。日本病院
ボランティア協会 信田 禮子理事長は挨拶の中で、「今年は例年と違った形で、
総会を開かせていただくことになりました。皆さま方のいろんなご意見をいた
だき、総会が形式的でなく、皆さまの審議でやる、そういった場になればとの
思いで、代表の方を中心とした総会の形にさせていただきました。よろしくご
協力お願いいたします。」「2010年の総会は、世間の不景気に影響を受けてか、
団体賛助会員の会費収入や助成金収入が減るなど、苦しい財政でした。けれど
も、理事の皆さんの努力にもより、わずかですが黒字会計に納めることができ
ました。」と協会運営のご苦労も述べられました。
 また「最近、NPO法人の中でも、行政委託のNPOや、民間企業の委託を
受けたり、助成を受けて活動されているNPO法人の方で、かなりの崩壊が見
えてきました。ただ、日本病院ボランティア協会はボランティアグループの連
合体で、皆さまの会でございます。私たちの意志さえあれば、強く生き残って
いけると思っております。どうぞ、よろしくご協力ご理解くださいますように
お願いいたします。」と述べられました。

2010年度の総会議事、第1号議案:2010年度 事業報告、第2号議案:2010年度 
会計報告・監査報告、第3号議
案:2011年度 事業計画(案)、第4号議案:2011年度 収支予算書は、十分に
審議され、過半数以上の155(正
会員238のうち、出席88人と、委任状67枚)の表決権を持って採決されました。

 第二部の「病院ボランティアの集い」には、今年も北から南まで276名(来
賓56名、ボランティア220名)と多くの方々が参加されました。
 開催直後、午前中に総会が終了し、2011年の予算案、事業計画(案)が承認
されたことが報告されました。また、本年度は新しい試みで、午後にゆっくり
とボランティアの集いを開催することになりました。1000時間活動感謝状授与
者を共にお祝いし、年に一度のこの機会に多くの病院ボランティアの方との交
流が可能となることと思っております。と説明されました。信田 禮子理事長
は、この席の挨拶で、「今年は総会集いの形式も、30何年も同じような形式で
やってきましたが、変わりました。私たち理事も、チョット戸惑いとか心配が
あります。この会場は、1月から予約し準備を重ねてきました。一生懸命、準
備を進めてきましたが、ひょっとしたらチョット足りないところが有るかもし
れません。よろしくご理解いただきますようにお願いいたします。」病院機能
評価から、ボランティアの項目が無くなったことについて、「無くなったのは
昨年のことですが、私どもの方の加盟病院数も少し減っております。元々協会
として、「機能評価」という、何か病院の評価のためにボランティアを受入れ
ていただくというのは、チョット違和感があり、元に戻ったという気分がして
おります。それでも、その間で病院ボランティアの人数もたくさん増え、また
病院職員の方たちのご協力のお蔭で、ボランティアが病院の中で生き生きと活
動され、患者さんたちに「ボランティアがいらっしゃるから」みたいな、安心
感とか優しさを伝えてくださって、病院の中に本当に喜んで受け入れていただ
いている病院が多くなったことを嬉しく思っております。」と述べられていま
す。またある取材での、これからどうなさいますか?のQ&Aについて、「私
たちの活動の中から、病院ボランティアを見て、ボランティアを受け入れたい
病院とか、病院ボランティアをしたいっていう人たちが増えたら、それが私た
ちにとって一番嬉しいことだと思っております。これからも皆さんの活動の中
から、病院ボランティアを増やしていっていただきたいと思っております。私
たち病院ボランティアは「上品で控え目」ということになっておりますが、こ
れからは余り控え目では、なかなか皆さんに理解されません。これからの病院
ボランティアは、「上品で誇り高く、そして病院に地域に自分達の活動を見せ
て行っていただきたいと思っております。そして皆さんの活動が、ほんとに素
晴らしいものということをPRしながら、バーチ医療が、日本の社会の中に定
着していければ私たちは嬉しいことと思っております。」と締め括られました。

 また、「2010年度 1000時間 感謝状贈呈式」が行われ、理事長より感謝状と
記念バッジが贈られました。2010年度の達成者は、272名(累計3312名)で当
医療センターからは次の3名の方が授与されました。

   ボランティア法円坂:川畑 良雄さん   1090時間
      〃      中村 美知子さん  1237時間
   患者情報室    :河辺 佳代子さん  1056時間
            (2010年9月30日現在の活動時間で申請)

 当病院の累計達成者も23名となりました。1000時間を達成された皆さま、本
当におめでとうございます。日頃の活動に感謝いたします。
来賓挨拶の、吉田 啓子様(三田市民病院 看護部長)のお言葉にもありました
が、当医療センターもボランティア数が減少しています。活動の内容や、方法
を工夫しながら継続していただいております。「継続は宝なり」と言われるよ
うに、「1000時間活動表彰」されることが、すべてのボランティアの皆さんの
活動における自己目標であり、希望であるかは分かりません。しかし日々活動
された少しの時間が蓄積され大きな目標に一歩一歩近づく努力に感謝し、常に
ボランティアが生き生きと活動できるように、ボランティアのステップアップ
を常に心得て、支え合いながら末永く活動していただけるように努めたいと考
えています。参加者みんなで「♪一人の手」を合唱して閉会となりました。
「ありがとうございました」

 大阪医療センターでは病院ボランティアを募集しています。
病院で自ら進んで労力、時間、技術などを提供して、患者様にやさしさとうる
おいを提供すると共に活動を通じてボランティア自身の成長にも役立つことが
できる活動です。
 資格は特に要りません。自分自身が健康であり、優しさと何事にも積極的に
取り組む気持ちがあれば活動できます。また、活動回数は、個々のライフスタ
イルに応じて決めていただいています。服装は活動しやすい服装でいいですが、
ピンクのエプロン・胸章など用意しています。
現在110余名のボランティアの方々が活動されています。一緒に活動してみま
せんか。

 ボランティアを希望されます方、お待ちしています。
管理課ボランティア担当までご連絡ください。

・管理課ボランティア担当    TEL:06−6942−1331(代表)
・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/
・患者情報室ホームページ →http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html


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           看 護 の こ こ ろ
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                           西8階病棟 
                           金子 春恵

 11月に入り日増しに寒さが加わり、また早くも年賀状が売り出され師走を間
近に感じるようになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 私は看護師になって10年が経ちました。新人の頃を思い出すと、まさか自分
がこんなに長く同じ病院で働いているとは想像もしていませんでした。現在、
内科(感染症・糖尿病・呼吸器)、皮膚・形成外科の混合病棟に勤務していま
す。疾患や病期も様々で急性期から慢性期・終末期と多岐にわたっており、毎
日スタッフと一緒に奮闘しながら忙しく働いています。今の病棟に異動する前
は、高血圧や脳梗塞、腎疾患患者さんの看護をしていました。1年目の頃は右
も左もわからず、知識や技術を習得するのに毎日がむしゃらに働いていたよう
に思います。2・3年目になると病棟にも慣れ、自分で看護展開していくことの
楽しさを感じられるようになり、悩むこともたくさんありましたがやりがいを
感じながら働いていました。回復期や慢性期の患者さんの看護が中心で、退院
後も自己管理を必要とする疾患の方がほとんどであり、1年目から再梗塞をお
こしたり、自己管理が継続できず入退院を繰り返す患者さん多くみてきました。
退院後も患者さんがどうしたら自己管理を継続できるかを考え、患者さんと向
き合いたいと思い時間をかけて話をするようにしていました。患者さんの生活
から改善点を一緒に見出し、また家族の協力を求めるにはどうしたらよいかな
ど、その頃毎日必死に看護していました。今思うと、必死さのあまり少し押し
付けの看護になっていた部分もあるのではないか思うところもあります。しか
し、7・8年経った今でもその当時担当した数人の患者さんは、「近くにきたか
ら、元気な姿見せようと思って」や「ほら、ちゃんと今でもノートに書いてい
るのよ」と、病棟を異動しているのにもかかわらず現状を報告しに会いに来て
くれます。そんな時、先輩のようには立派な看護が出来ていなかったかも知れ
ないけど、少しでも患者さんに寄り添い、助けになれればと思いながら看護を
していた思いが伝わったのかなと、看護師を続けてきて良かったなと思います。

 今回、看護のこころを書きながら昔を思い出す機会をいただき、病棟全体を
みながらスタッフ指導が多くなった今、十分に患者さんと向き合えているだろ
うかと改めて考えることができました。初心を忘れず、これからもスタッフと
共に良い看護が提供できるように頑張っていきたいと思います。


看護部ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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						研修医2年目
                        大島 衣里子

 初めまして、研修医2年目の大島衣里子と申します。
 学生時代に私もこの研修医日記を読んでいたことを思い出し、いつの間にか
日記を書く側になっていることを思うと、この1年半もあっという間だったな
と感じます。特に研修1年目の外科研修や3次救急では学生時代に
想像していた以上にハードな日々でしたが、指導医の先生方、先輩研修医や同
期の仲間に助けられてここまでやってこられました。

 大阪医療センターの主な特徴をいくつか挙げると、まず1つ目は大規模な市
中病院のためメジャー科からマイナー科まで揃っており、志望科が決めている
方もそうでない方も、初期臨床研修として選ぶことができる病院ではないかと
思います。 また、レジデント医師が多く、身近に相談できる先輩医師が多い
のも魅力です。

 また、2つ目は救急外来の当直です。大阪医療センターでは1次2次救急外来
の初期対応を1年目、2年目研修医がペアとなって担当します。そのため、問診、
診察、検査、診断までを、まず初めに自分で考えて行うことができます。治療
に関して迷った時には、必ず各科の先生方が当直されていますので気軽に相談
することもできます。

 3つ目の特徴としては、結婚・出産後の女性医師も含めて、若手から科長ク
ラスまで幅広い年齢層の女性医師が各科で活躍されていることです。そのよう
な先輩医師の姿は目標になりますし、将来の自分の医師像を考える上でとても
参考になります。

 また、同期の研修医が16人と市中病院の中では多いのも魅力です。様々な大
学から研修医が集まってくるため、研修医ルームはにぎやかな雰囲気です。熱
心な研修医が多いことも刺激にもなりますし、お互いに助け合い励まし合える
仲間がいるのは大切だと思います。

 研修病院の選び方は難しいと思いますが、学生時代に実際見学に来て、病院
や研修医の雰囲気を体験できたことは非常に有意義だったと思います。研修ス
タイルは人それぞれ違いますので、雰囲気のあった病院で研修をすではないか
と思います。以上、これから初期研修を受けられる方の一助になれば幸いです。
興味のある方はぜひ一度見学にいらしてみて下さい。


                        研修医2年目
                        田村 猛

 こんにちは、大阪医療センター研修医2年目の田村です。初期研修もいよい
よ終わりに近づき、焦りと不安に駆り立てられている今日この頃です。来年度
からは当院の消化器内科で専修医としてさらに3年間研鑽を積む予定です。な
ので今回は当院の消化器内科について簡単に触れたいと思います。

 当院では消化管疾患、肝・胆・膵疾患のどちらにも偏らず、消化器疾患全般
を網羅しています。消化器疾患でいえば消化管出血、急性腹症などの緊急症例
から消化管癌などに対する放射線・化学療法なども積極的に取り組んでいます。
内視鏡検査・治療の件数も大阪府内の病院の中でもかなり多いほうだと思いま
す。専修医の先生方は朝から内視鏡室にこもりっきりで内視鏡検査や治療をこ
なし、そのほか病棟業務もしなければならないので多忙を極めています。肝胆
膵疾患についても症例は多岐にわたっていて、急性肝炎や急性胆嚢炎、自己免
疫性膵炎、悪性腫瘍などを経験しました。また学会発表の機会も与えていただ
き、貴重な経験になったと思います。

 当院での後期研修を希望したのは、やはりそのactivityの高さと質の高いカ
ンファレンス、あとは医局の雰囲気の良さに惹かれたからです。外科との垣根
が低く、蜜な連携があるのも魅力的です。当院の消化器内科で研修すれば間違
いないと確信しています。消化器内科志望の方は一度当院での研修を考えてみ
てください。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 恵谷秀紀、山崎麻美、徳永尚美 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 寒暖の差が激しい今日この頃です。「うがいと手洗い励行」で、忙しい師走
にむけて、どうかご自愛ください。


http://m-maga.onh.go.jp
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp 

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