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 メールマガジン「法円坂」No.134(2012/7/17)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 近畿地方は梅雨が明けたようですが、蒸し暑い日が続きます。
今月のメルマガをお届けします。
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   メールマガジン「法円坂」No.134(2012/7/17)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 です
 ・福島県警戒区域に近い病院に診療応援に行って
 ・診療科紹介 整形外科 2
 ・第34回「愛の夢コンサート」サマーコンサート開催する
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す 
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 7月5日に国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(黒川清委員長)
の最終報告書が公表されました。その中では、「規制の虜(Regulatory 
Capture)」が原発事故の根源的原因に関わっていると指摘しています。

 「規制の虜」とは、「政府の規制官庁が業界に取り込まれ、規制を作っても
骨抜きになったり業界の利益誘導の片棒を担いだりすること」(日経新聞)だ
そうです。規制される側が圧倒的に情報を持っており、規制する側を言いなり
にしてしまう状況をさすようです。

 原子力に限らず、いわゆる「規制当局」は「もの」や「こと」の安全を監視
し、関連する業界を監督する役割をもっています。しかし、多くの場合、業界
側は「もの」や「こと」の開発や改良に持続的に取り組みますから、多くの情
報を蓄積しています。一方、規制当局では担当者が短期間に入れ替わり、時に
は素人に近い人が担当することもあります。その結果、いろいろな事柄につい
て規制当局は業界から情報提供してもらわないとその業務を全うできないとい
う状況に陥ります。これが「規制の虜」状況です。その結果、「原子力安全の
監視・監督機能が崩壊していたと見ることができる」と報告書は指摘していま
す。

 しかし、規制当局にも、業界に頼らずに情報を収集し、判断を下す手段があ
ります。大学等の研究機関の研究者や、実際にその「もの」や「こと」を使っ
ているヘビーユーザーに集まってもらい、意見を出してもらうという方法です。
それが専門家や有識者による審議会や検討会です。

 薬や医療機器の有効性や安全性を確認し、市場への提供を承認しているのは
厚生労働省であり、まさに規制当局です。しかし、厚生労働省で薬や医療機器
の審査に直接携わっている人は50人程度です。この人数では細かい審査はとて
も無理ですので、実務的な部分は「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」に任さ
れています。それでも、薬等の対象とする疾患領域や特性などには大きなバリ
エーションがありますから、PMDA内部のスタッフだけではとてもカバーできか
ねます。そこで、PMDAは研究者や医療に携わっている専門家による会議を設け、
そこでの意見を審査の参考にしています。

 また、近年、規制のあり方を科学的に捉えようとする「レギュラトリー・サ
イエンス」と呼ばれる分野も注目され、規制に関する種々の検討がなされてい
ます。

 薬等に関しては、多くの情報を持った専門家が製薬業界以外にも多数存在し、
実用面においては製薬業界以上に情報を持つ人もいます。その結果、規制当局

は業界に頼らなくても良質な情報が得られ、「規制の虜」にならずにすんでい
ると言えます。

 原子力発電については、大学等に研究者はいても、実際に原子力発電に関わ
っているわけではなく、唯一の情報源が業界であったことが薬の開発などと大
きく異なるところと思います。

 報告書は、「当委員会は、本事故の根源的原因は歴代の規制当局と東電との
関係について、「規制する立場とされる立場が『逆転関係』となることによる
原子力安全についての監視・監督機能の崩壊」が起きた点に求められると認識
する。何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事
故は「自然災害」ではなくあきらかに「人災」である。」と結論づけています。

 報告書は原発事故に関するものですが、「規制」のどちら側といわず、「規
制」そのものと、それに関わる仕事に従事している人々全てに大きなメッセー
ジを投げかけていると思います。

 また、報告書の「はじめに」にある「被災された福島の皆さま、特に将来を
担う子どもたちの生活が一日でも早く落ち着かれることを心から祈りたい。」
という言葉は、我々みんなの言葉だと思います。あらためて、東日本大震災と
原発事故に被災された方々に心からお見舞い申しあげます。


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    福島県警戒区域に近い病院に診療応援に行って  
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                    救命救急センター 西村 哲郎

「他に通ってゆく道が無いんで県道の方を通りますね。」
福島医大から目的地の南相馬大町病院に向かう車の中で、出迎えの病院車の運
転手は申し訳なさそうに、問いかけてきた。何のことやら分からなかった自分
に彼は「飯館村を通りますから・・。先生も御存じでしょうけど・・。」と付
け足した。山あいの県道をくねるように進んでゆくにつれ、荒れ放題の田や畑、
扉の閉め切られた農家、ビニールがはがれて鉄骨がむき出しになっている促成
栽培のハウスなどを次々に通り過ぎてゆく。「飯館村近辺は、昔、山賊の根城
があったぐらいで、今見えている範囲の何倍も奥に広がって広いんです。」と、
運転しながらの説明が入る。なるほど、県道から枝分かれする林道・農道が次
々と現れては過ぎ去っていく。畜産が盛んだったので、いまは封鎖されている
それぞれの道の奥には昨年まではのどかな畜産農家の団欒があったはずである。
ゴーストタウンとはこの事だと思った。昼間であったにも関わらず、窓ガラス
の破れた家屋から何か出てくるような錯覚にとらわれそうになる。逃げるよう
な思いで病院にたどりつく。まるでそうするのが当たり前であるかのように
「先生にも一度、警戒区域のとこまでみておいてもらいましょうかねえ。」と
いわれる。言われるままに先ほどの運転手につれられ、旧警戒区域に行く。海
岸通りを縦走する国道6号線を南下する。両脇は造成地のようにむき出しの土
地が広がり遠くの海岸線まで見通せる。「以前はここ、海のみえる場所じゃな
かったんですけどねえ。」と。津波と引き波がそこにあった松林や住宅群をこ
とごとく流してしまったのである。かろうじて残っているのは鉄筋建ての建造
物で、それもコンクリートがむき出しの廃墟である。いたたまれない思いで病
院にもどり午後の外来診療をする。患者さんは、かかりつけの老人が圧倒的に
おおく、遠方の避難している所からくる人もいる。逆に若年層は少なく、特に
小児は全く見かけなかった。診療の合間に内線番号表をぱらぱらと見る。「ヨ
ッシーランド」と楽しそうな名前があるので尋ねると、付属の介護老人施設で
あったがやはり津波に襲われ、38人が亡くなったとのことであった。言葉を失
う。その夜、震災時に残って診療をしていた先生と宿直飯を食べながら話す。
その先生は、山あいの地域に住んでいて動けない老人のために、巡回診療をし
ていたそうである。しかし震災それに続く原発事故によって老人が一人きりの
状態になる事もあり、そういう場合は巡回診療が生命維持のたった一つの手段
になってしまったとのこと。看護師が圧倒的に不足しているとのことであった。
結局自分は、診療応援といえば名前は勇ましいが、いまだに何ができ何をする
べきか、試行錯誤の状態である。せめて、見聞きしたことをお伝えしようと、
ここに報告した。


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  診療科紹介 整形外科 2 人工股関節手術の現状について   
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                    整形外科(股関節グループ)
                    三木 秀宣

 人工股関節は変形性股関節症等の疾患で股関節が障害され、痛みや動きにく
さ(可動域制限)のため自分らしい生活ができなくなった患者さんに行われる
手術です。この手術は除痛や運動機能の回復の効果にすぐれ、他の外科手術と
比較しても安全性が高いことから20世紀でもっとも成功した手術のひとつとさ
れています。1960年代に最初の手術が行われて以来数々の研究改良がなされて
きました。当初人工関節は10〜15年で取り換えが必要とか、重いものを持った
り、使いすぎたりすると早く取り換えが必要となるとか、手術は60歳を超えて
からがいいとか言われた時代がありました。しかし、21世紀に入るころには、
このような既成概念を覆すような著しい進歩が起こりました。人工股関節の動
く部分(ベアリング部分)はボールとソケット(受け皿)から構成されていて、
従来はこのベアリング部分がすり減る(摩耗する)ことが人工関節のゆるみを
生じさせ、再置換手術の原因となっていました。しかし現在では摩耗の少ない
セラミック、メタル、クロスリンクポリエチレン等の新素材を使用することに
より、人工関節の耐久性が飛躍的に向上しました。推測ではありますが20年か
ら30年先に95%くらいの患者さんの人工関節はまだまだ使える状況にあるので
はないかともいわれています。したがって、たくさん使うと早くすり減るので
はないかと心配する必要もなくなり、活動性の高い若い世代の方への手術も可
能となり、手術後も仕事や趣味、スポーツ活動などに復帰できるような状況に
なってきています。
 しかしながら、このような優秀な新素材を使ってもごくまれではありますが、
人工関節のとくにソケット(受け皿)の入れ方が悪いと早く人工関節が緩んだ
り、再手術が必要になったりする一因になるということが最近わかってきまし
た。したがって、将来の再置換術のリスクを減らすためには人工関節を骨に正
確にとりつけることが最重要課題であるということです。そこで当科では全例
ナビゲーション手術で正確なとりつけを行い、これら新素材の長期耐用性の長
所を最大限引き出せるように対策を講じています。実際、ナビゲーション手術
を行ったほうが人工関節の再置換術の率が減少するということが報告されてき
ています。ナビゲーションは手術中に人工関節部品を骨に取り付ける際に、あ
らかじめ計画した角度や位置のとおりにできているかを1mm, 1°きざみに術者
に教えてくれる装置で、正確に手術が完了します。したがって、手術計画が適
切であることが大前提となってきます。ナビゲーション手術は2012年4月から
厚生労働省の先進医療から保険適応となり通常の保険診療としてこの手術がう
けることができるようになりました。非常に良い時代になったと思いますが、
まだまだ普及途上の技術ですので、適切な手術計画がどうあるべきか熟知した
専門医の選択が鍵になってくるように思います。当科は2007年秋からナビゲー
ション手術をはじめ、すでに600例を超える手術をおこなってきており、その
経験やノウハウを発信していくことで、できるだけ多くの患者さんにより良い
手術を受けていただけるようにと鋭意努力しております。


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   第34回「愛の夢コンサート」サマーコンサート開催する
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 6月26日火曜日、午後7時から当院講堂にて、「愛の夢コンサート」サマー
コンサートを開催しました。昨年は東日本大震災の影響により公演は中止され
ましたが、今年は予定通りの開催となりました。
 平成9年1月、当院にボランティア活動導入後から始められたこの「愛の夢コ
ンサート」も、回を重ね34回目を迎えました。
 当日の会場には、およそ120名の患者さんやご家族に参加していただくこと
ができました。そして出演してくださった音楽ボランティアの皆さんから、素
晴らしい音楽を届けていただくことができました。

 最初の演奏は、ピアノ演奏の佐竹史子さん。今回で34回目を迎えた「愛の夢
コンサート」ですが、第1回目からレギュラーで出演していただいています。
きょうは、映画音楽「♪バラ色の人生」「♪シェルブールの雨傘」の2曲と、
シャンソンの名曲「♪ラ・メール」「♪愛の讃歌」の2曲を聴かせていただき
ました。
フランスを代表するシャンソン歌手、シャルル・トレネや エディット・ピア
フ。日本では愛称コーちゃんで親しまれた、越路吹雪さんなどの面影を思い浮
かべながら、懐かしく聴いていただいたことと思います。
また、オードリー・ヘプバーン主演映画「麗しのサブリナ」(主題歌♪バラ色
の人生)、カトリーヌ・ドヌーブ主演、ミュージカル映画「シェルブールの雨
傘」をご覧になった方たちは、それぞれに情景を思い浮かべながら、懐かしく
聴いていただいたことと思います。
「♪シェルブールの雨傘」は、梅雨時のいまの季節にピッタリの曲でした。
そして最後はオリジナル曲「♪蓮の池」でした。この曲は池のほとりを散歩し
ている時、池いっぱいに綺麗に咲いていた蓮の花を見て、その情景を曲にされ
たそうです。きっと皆さまも、そういう情景を思い浮かべながら聴いておられ
たことと思います。
日頃はピアノを教えたり、各地のイベントでの演奏活動をしておられる佐竹史
子さん。その合間にたくさんの曲を作っておられます。毎回違ったオリジナル
曲を聴かせていただき、きょうはどんな曲を聴かせていただけるのか、このコ
ンサートでの楽しみの一つにしています。いつも素敵な曲をありがとうござい
ます。

 続いて2番目はギターとドラムの演奏です。このコンサートに初出演の「笑
顔のゲンキ!」は、男性2人のユニットです。日頃は本物のドラムを演奏して
おられますが、きょうはパーカッションでドラムを演奏してくださいました。
大阪市第18回8時間共生共走リレーマラソンでのステージや、東日本大震災の
被災地、陸前高田市などを訪問し、音楽による被災地支援のボランティア活動
などされています。
演奏曲はアニメ「♪となりのトトロ主題歌〜さんぽ〜」「♪歌うたいのバラッ
ド」「♪空も飛べるはず」の3曲でした。
歌を通じての出会いを大切にして、たくさんの人が元気になったり、笑顔にな
ってくれたら、ぼくは嬉しいとメッセージを残されました。また、会場の皆さ
まの心温かさに感謝しておられました。
初めてのコンサート出演による戸惑いや緊張で、歌声に聴きづらい点はありま
したが 一生懸命努めていただきました。その一生懸命さと元気あふれる若い
歌声に、私自身も「元気」をいただきました。

 そして最後は「デュオ・フレーズ」、池田知恵さん・篠宮佳代さん姉妹によ
るピアノデュオです。演奏曲は「♪浜辺の歌」「♪天使にラブ・ソングを2よ
りジョイフル、ジョイフル」「♪川の流れのように」「♪ラプソディー・イン・
ブルー」でした。
浜辺の歌は心が和む旋律でした。今は亡き美空ひばりさんの大ヒット曲「♪川
の流れのように」は、一緒に口ずさみながら聴いていただいたことと思います。

最後の曲「♪ラプソディー・イン・ブルー」。ピアノデュオ特有の、ソロで弾
いている時にはあまり味わえない音楽体感に、「音に酔った」ような気分にな
りました。一緒に演奏する相手が変われば、音楽表現もいくつにも変化してい
くように、姉妹ならではの息の合った、センスに満ちた優れたピアノデュオコ
ンサートでした。

 そしてお別れは、コンサート定番の「皆さんとご一緒に」のコーナーです。
曲は、「♪夏の思い出」「♪ふるさと(故郷)」。プログラムに書かれた歌詞
を見ながら、口ずさんでいただいたり、大きな声で歌ってくださいました。皆
さま良くご存知の曲ばかりだったと思います。元気な歌声が会場にあふれ、さ
らに会場との一体感が高まった感じさえしました。ご協力に感謝しております。

 多和副院長のご挨拶にもありましたが、今日ご出演くださった音楽ボランテ
ィアの皆さん、ボランティア「法円坂」の皆さん、そして職員の皆さん、あり
がとうございました。
「愛の夢コンサート」ボランティア皆さんからの「心の贈り物」として、心の
片すみに納めていただければと願っています。皆さまの一日でも早いご回復を、
心よりお祈りいたします。

 今回参加していただいた20代〜50代・60代以上の男女37名の方々から、「サ
マーコンサート感想アンケート」を届けていただきました。「全体的にいかが
でしたか?」について、97%の方から「よい・ふつう」の評価をいただきまし
た。また、全体を通じての貴重なご意見・ご感想もいただきました。ここでそ
の一部をご紹介します。

1.特に笑顔のゲンキのギターと歌は一生懸命で、その心がわかって、笑顔で
本当にゲンキをもらった。久しぶりに心から笑える事ができた。とっても楽し
い時間をありがとうございました。(40代女性)
2.ギター演奏の方が一生懸命でしたが・・・。音程が苦しかったです。デュ
オ・フレーズ、仲良さそうでいやされました。(50代女性)
3.ピアノ演奏はGood! 特に佐竹さんのオリジナル曲「蓮の池」は秀逸、ピ
アノ連弾もお上手。選曲も良かった。主催ボランティア「法円坂」共催医療セ
ンターのスタッフ、センターの職員・看護師さん、皆様に感謝「元気を有難う」
と申し上げます。(60代以上女性)
4.短い入院中に大変楽しい一夜を過ごせました。特に最後のみんなでの合唱
が楽しかった。大変よい企画だったと思います。ありがとうございました。
(60代以上男性)
5.ピアノ演奏は良かったが、笑顔のゲンキはアマチュア丸だしで心がこもっ
ていた。良かった。間に落語でも入ればいいなあと思った。もう少し長くても
良い。(60代以上男性)

 皆さまからいただきました貴重なご意見・ご感想は、今後コンサートの企画
の参考にさせていただきます。ご協力ありがとうございました。

 大阪医療センターでは病院ボランティアを募集しています。
病院で自ら進んで労力、時間、技術などを提供して、患者さんにやさしさとう
るおいを提供すると共に、活動を通じてボランティア自身の成長にもつながる
活動です。資格は特に要りません。自分自身が健康であり、やさしさと何事に
も積極的に取り組む気持ちがあれば活動できます。また、活動方法は、個々の
ライフスタイルに応じて決めていただいています。服装は活動しやすい服装で
構いませんが、エプロン・胸章など用意しています。
現在100余名のボランティアの方々が活動されています。一緒に活動してみま
せんか。
ボランティアを希望されます方、お待ちしています。

管理課ボランティア担当までご連絡ください。
・管理課ボランティア担当    TEL:06−6942−1331(代表)
・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/
・患者情報室ホームページ →http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html


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      看 護 の こ こ ろ 
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                       西5 三好 ゆきえ

 7月に入り暑さも厳しくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今年は節電もあり色々大変ですが、体調を崩さないように気をつけていきまし
ょう。

 私は、今年で看護師になって16年目になります。16年というとものすご
く長い時間に思えますが、看護師になったのがつい昨日のように感じます。当
たり前なのですが病院というところは、病気やケガをされたかたが来るところ
です。16年もその病院の中で働いていると、病気やケガになれてしまったり、
入院生活の大変さを忘れがちになります。今年のお正月に祖母が入院したこと
で改めてそのことを思いました。祖母は肺炎で入院したのですが、もう96歳
ということもあり入院当初からこの入院で命を落とすかもしれないという説明
を受けました。そして、危険な状態になった時に蘇生処置をするかどうか考え
てくださいとも伝えられました。母や叔母はその説明を聞き、突然そんなこと
を言われてもわからないとおろおろしていました。入院の際の医師の説明では、
考えられる最悪の場合も説明されます。そのことを日常的に見ている私は、祖
母の状態からみても大丈夫だろうと考えましたが、母や叔母の反応の違いから
はっとさせられました。入院してこられる患者様は健康な状態から急に病気に
なって入院となります。その不安な状態のなか、一番最悪な状態を踏まえて説
明がされます。病気に対する知識もあまりない方も多く、どの程度の病状なの
かもわからないことがほとんどであり、わからないことだらけの中不安は増大
します。私は、そのつらさをわかっているつもりでいましたが、そのような状
況に慣れて鈍くなっている自分に気づかされました。長く働いていく中で、知
識が増えそれなりに自信もつき、患者様や家族の気持ちもそれなりにわかった
つもりになっていたのです。病気や入院が患者様や家族にとって決して日常で
はないことを忘れず、そのことを理解することが大切なのだと思い知らされま
した。相手の立場に立つということは言葉では簡単ですが、なかなか難しいこ
とです。今回はっとした出来事を忘れずに、常に患者様の立場で考えられる看
護師をめざしこれからも頑張っていきたいと思います。


ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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今月はお休みです。

臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 恵谷秀紀、多和昭雄
     看護部長 渡津千代子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 節電の夏ですが、熱中症にならないよう注意しましょう。
では、来月まで。

http://m-maga.onh.go.jp
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp 

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