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メールマガジン「法円坂」No.137(2012/10/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



  2012年ノーベル医学・生理学賞受賞者に 山中伸弥先生が決定されました。
心からお祝い申し上げます。
  今月のメルマガお届けします。
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   メールマガジン「法円坂」No.137(2012/10/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 です
 ・第66回国立病院総合医学会 市民公開講座「たばこの煙のない社会を目指
  して」
 ・診療科紹介 整形外科(4)
 ・「栄養管理室」でのボランティア活動紹介とボランティア活動参加への
  お誘い
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す 
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  山中伸弥先生が2012年ノーベル医学生理学賞を受賞されることが報じられま
した。

 国立病院機構大阪医療センター職員一同を代表して、心からお祝い申しあげ
ます。

 山中伸弥先生は、ご承知の通り、1987年3月に神戸大学医学部を卒業されま
した。そして、同年7月より当院(当時の名称は国立大阪病院)整形外科にて
臨床研修に従事されました。2年間の研修終了後、大阪市立大学大学院医学研
究科博士課程に進まれ、研究者としての道をスタートされたと聞いております。

 当院での研修では、臨床手技が余りお上手ではなく、上司から「おまえは
『じゃまなか』だ」と言われたり、手術の助手につかれると「アシスタントで
はなく、レジスタントだ」とか言われたりしたそうです。これは、山中先生ご
本人が講演等でおっしゃっていることですし、今回の受賞に際し新聞等で報道
されたので、まちがいはないと思われます。

 また、重症のリウマチ患者さんを受け持たれ、治療が進まないことで悩まれ、
臨床医学の限界を感じられたとある講演でお聞きしました。

 当院研修中のこれら様々な体験が、山中先生が基礎研究を志すことにつなが
ったとお聞きしました。

 当院で医師としての経歴をスタートされ、研修を行われた方からノーベル賞
受賞者が生まれたことは、当院にとっても、また、当院職員にとってもたいへ
ん名誉であり、誇りに感じております。
 
 さらに、当院の臨床研究センターでは、ささやかではありますが、山中先生
や京都大学iPS細胞研究所と共同研究を行っており、iPS細胞を用いた再生医療
等の臨床応用に取り組んでおります。

 このように、山中先生やiPS細胞と当院には不思議なご縁があるようです。
これからもこのご縁を大事にしていきたいと思います。

 iPS細胞に関わる研究が益々発展し、早く臨床現場で利用できるようになる
ことを期待すると共に、山中先生の一層のご活躍を祈念しております。


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         第66回国立病院総合医学会
     市民公開講座「たばこの煙のない社会を目指して」     
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                   臨床研究センター長
                   是恒 之宏

 2012年11月17日(土)午後2時から神戸のポートアイランド神戸国際展示場で市
民公開講座を開催いたします。テーマは禁煙です。当院では、平成16年4月よ
り敷地内禁煙を実施、また平成18年1月より保険適応になる前から禁煙外来を
開始しました。たばこの煙が体に害を与えることを知らない人はほとんどいな
いでしょう。でも、喫煙をされている方は、自分の体のことだから、それを承
知で吸っているんだ、誰に迷惑をかけるわけでもないし、と思っているかもし
れません。また、やめたいとは思っているんだけど、どうしても辞められない
という方もおられるでしょう。たばこの煙に含まれるニコチンには依存性があ
ります。禁煙治療が保険で認められたのは、「喫煙習慣はニコチン依存症とい
う病気である」と認識されたからなんです。ですから、自分1人ではなかなか
止められないのは不思議ではありません。わかっちゃいるけど、やめられない
(年齢がばれますね)、なのです。昔のドラマや映画では、俳優さんがかっこ
よく煙草をふかす、というシーンがよくありました。最近は、とんとみかけま
せんね。もはや喫煙は、世間一般にもかっこ良くなく、かっこ悪いものと認識
されるようになったと言えるかもしれません。受動喫煙という言葉をご存じで
しょうか。たばこを吸う人の周りに煙の害が及ぶということです。ですから、
自分の体だけのことではないということをわかってください。今回の市民公開
講座では、禁煙治療のスペシャリスト、中村正和先生(大阪がん循環器病予防
センター)と禁煙治療に成功されたお2人のゲストを迎えてお送りします。2人
のゲストのうちお1人は中村先生の治療をうけた患者さん、もう1人は俳優の石
田純一さんです。まだ禁煙できないでいる人、家族の喫煙を止めさせたいと思
っている人、喫煙の害について詳しく知りたい人には是非参加していただきた
い公開講座です。参加には事前登録が必要です。

 http://www.e-kinen.jp/index.html 禁煙サポートサイト「いい禁煙」のホ
ームページのフォームよりお申し込みください。
締め切りは11月5日、先着順で1200名まで可能です。


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         診療科紹介 整形外科(4)
       脊椎外科手術は正確な高位診断から   
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                   整形外科(脊椎外科グループ)
                   青野 博之

 脊椎外科で扱う代表的な疾患は、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、頚
椎症性脊髄症などの脊椎変性疾患です。当院もこれらの3大疾患に対する手術
が大半を占めています。いずれも加齢性変化に伴い発症し、腰椎疾患であれば
下肢痛やしびれなどによる間欠跛行(一定の時間歩行すると休憩が必要になる
状態)が、頚椎疾患であれば手指のしびれや巧緻障害(細かい作業ができなく
なる)、痙性歩行(足取りがぎこちなく、ふらふらする)などの脊髄症状が、
それぞれ代表的な症状です。
 脊椎は椎骨というよく似た形の骨が繰り返しつながった構造をしているので、
どこが悪いのかを診断するには少々経験が要ります。実際の診察では、まず
「四肢の筋力は落ちてないか?腱反射は亢進?減弱?知覚はどうか?おしっこ
や便の出は?」など神経学的所見をはじめとする身体所見を詳細に取り、レン
トゲンで脊椎骨の配列や変形などを評価します。次にMRIで主に神経(脊髄、
神経根、馬尾)の圧迫の状態を評価します。身体所見のみからどこが悪いのか
を推測して、最終的にMRIなどの画像所見で答え合わせをし、神経学的高位診
断を確定します。これでも診断がはっきりしない場合には、脊髄造影検査、電
気生理学的診断・・などさらに追加で検査を行います。この高位診断を誤ると
誤った部位を手術することになってしまうため、脊椎外科医は診断に十分な時
間を費やすよう常に心掛けています。
脊椎外科の手術適応は、癌や心疾患のように直接生命にかかわる疾患ではあり
ませんのであいまいなところがありますが、著しくADL障害が低下している場
合になります。だいたい腰椎疾患であれば200mもしくは5分休まずに歩けない、
頚椎疾患であればJOAスコア12点未満が手術適応の目安になります。本邦の脊
椎外科手術は、原則神経の圧迫による症状に対してのみ手術が行われます。で
すから、腰痛や首の痛みで手術を希望して脊椎外科を受診する患者さんがしば
しばおられますが、これらの症状はたいてい神経の圧迫が原因ではありません
から、手術は行いません。手術では神経の圧迫を解除いたします(除圧術)が、
これにより体を支える大黒柱である脊柱の一部を大なり小なり失います。その
程度が大きくなってしまう場合には後に脊柱がくずれてくるのを防ぐために固
定術(不安定になった部分に骨を移植してチタンなどの金属で固定する)を併
用します。我々は、手術時間の短縮が出血量の減少や全身麻酔中の心肺負荷軽
減に貢献し結果的に小侵襲手術になると考えており、迅速な手術を心がけ実践
しています。当クリニックでは、上記の変性疾患以外でも外傷、脊椎腫瘍、感
染症、透析症例、関節リウマチ症例、思春期側弯症など幅広く対応しておりま
すので、脊椎疾患の症例でお困りの際にはお気軽にご相談ください。


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「栄養管理室」でのボランティア活動紹介とボランティア活動参加へのお誘い
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 大阪医療センターでは現在110余名のボランティアの方々に、様々な場所で
活動していただいています。その一つに「栄養管理室」があります。
当院では、平成15年(2003年)10月から全科型NST(栄養サポートチーム)
を展開しています。そして研修教育システムとして以下のように、ボランティ
ア栄養士・養成校実習生を受け入れています。

【ボランティア栄養士の受け入れ】 
*栄養管理室で活動していただけるボランティア栄養士を受け入れます。(若
干名)
*行事食カード作成、栄養食事指導資料の印刷、研究データ等の入力・整理な
ど。

 行事食のカード作り、心のこもったランチョンマット、指導媒体のコピーや
栄養指導の事前準備など、多忙がゆえに忘れられる細かい部分は管理栄養士の
代わりに、研修生が学生やボランティアのメンター(助言者、信頼ある指導者)
となりカバーします。

お申し込みは、
・栄養管理部ホームページ → http://www.onh.go.jp/nss/index.html
から、「栄養管理部→研修教育方針(研修・教育システム)→5.ボランティ
ア栄養士の受け入れ」で【検索】してください。

 管理栄養士の資格を有する人、或いはそれを目指している人たちに、ボラン
ティアとして活動していただいています。今回その栄養管理室で、今年9月か
ら活動されている、荒巻桃子さん(大学生)にスポットライトを当ててみまし
た。ボランティアとしての喜びや栄養管理室への思い、そして将来の思いなど
次のように綴られています。

 私は9月に7日間、栄養管理室でボランティアをしました。おもに、病院栄養
士の事務作業の手伝い、集団、個別栄養指導の見学、行事食のカード作りなど
を経験させていただきました。病院での栄養士としての仕事は聞いていたもの
と実際に見たものとでは大違いでした。
 事務作業ではサイクルメニューの見直しをしました。実際の病院食のメニュ
ーを見ることができただけでなく、一つの献立からどのように治療食などに展
開していくのか、同じメニューが重ならないようにする工夫や、ひと皿分の分
量について知ることができました。
 集団栄養指導では患者さんの栄養についての気になること、疑問に思ってい
ることなど、普段の私たちが考えてなかったことを知ることができました。特
にテレビ番組などで取り上げられた栄養についての情報、話題になっている健
康食品についても管理栄養士は患者さんに的確なアドバイスをする必要性を感
じました。
 個人の栄養指導の見学では患者さんと直接お話して、栄養状態や希望に合わ
せて一人ひとりの献立をたてたりするのは、やはり管理栄養士としてのやりが
いを感じられる仕事内容だと思いました。
行事食のカード作りについても、対象者に合わせてどんなデザイン、色、大き
さにすればいいのか、細かいところまで考えました。そのおかげで患者さんに
美味しく、楽しい食事を提供するという、管理栄養士にとってとても大切なこ
とに気づきました。
 この病院で働く管理栄養士さんの姿を見て、より管理栄養士になりたいとい
う想いが強くなりました。そして患者さん一人ひとりのことをしっかりと考え
て、栄養状態を改善、そして食べる喜びを知ってもらえるような管理栄養士に
なるために、これからの勉強をもっと頑張ろうと思いました。
このボランティアを経験して、本当に良かったです。
栄養管理室ボランティア  荒巻 桃子

 平成24年(2012年)10月31日、ホテルアウィーナ大阪にて「日本病院ボラン
ティア協会 2012年度総会・病院ボランティアの集い」が開催され、日本病院
ボランティア協会1000時間以上の活動者表彰が執り行われます。
大阪医療センターボランティアでは過去27名の方々が授与(栄養管理室では3
名)されました。ことしは2名(法円坂、患者情報室)が授与されます。本当
におめでとうございます。日々の活動に感謝いたします。
ボランティア活動をしつつ、将来の管理栄養士を志し勉強を続けられている荒
巻桃子さん、志に向かって一歩一歩近づく努力に感謝し、成し遂げられんこと
を願っています。

 大阪医療センターでは病院ボランティアを募集しています。
病院で自ら進んで労力、時間、技術などを提供して、患者さんにやさしさとう
るおいを提供すると共に、活動を通じてボランティア自身の成長にもつながる
活動です。資格は特に要りません。自分自身が健康であり、やさしさと何事に
も積極的に取り組む気持ちがあれば活動できます。また、活動方法は、個々の
ライフスタイルに応じて決めていただいています。服装は活動しやすい服装で
構いませんが、エプロン・胸章など用意しています。
現在110余名のボランティアの方々が活動されています。一緒に活動してみま
せんか。
ボランティアを希望されます方、お待ちしています。
管理課ボランティア担当までご連絡ください。

・管理課ボランティア担当   →TEL:06-6942-1331(代表)
・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/
・栄養管理部ホームページ  →http://www.onh.go.jp/nss/index.html


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      看 護 の こ こ ろ 
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                       外来 江並 亜希子

 今年の暑さはかなり長引き、半袖からなかなか卒業できずにいましたが、10
月にはいり、やっと長袖を着られる気候になってきました。季節の変わり目は
かぜなどひきやすいといわれていますが、最近は朝晩かなり冷える日もありま
す。みなさまも体調を崩されませんよう、ご自愛くださいませ。
私は看護師となり12年目となりますが、今までたくさんの患者さまとお会いす
ることができ、本当にたくさんの人生経験を教えていただく機会を得ることが
できました。それは、ちょっとした今日の出来事から、病気となり治療してい
くことを決定した気持ちの過程や、生きていくうえで大切にしていること、ま
た、家族の思いや家族への思いなど、本当にさまざまな経験や思いです。看護
師となり、人と深く接する職業をしているからこそ、自分にはない経験やそれ
に基づく思いを聴き、感じることができるのだろうなと思い、患者さまと過ご
す時間は本当に貴重な時間だと実感しています。
 私は今、がん化学療法看護認定看護師として外来化学療法室で勤務していま
すが、がん化学療法看護とは、抗がん剤治療を行う患者さまやご家族への看護
を行うことです。私が抗がん剤を受ける患者さまの看護を専門としたのには、
ある患者さまとの出会いがあったからです。今回、その患者さまとの出会いを
紹介したいと思います。
患者さまは胃がんの患者さまで、私がまだ3年目のときに出会いました。患者
さまは手術ができない状況のため、抗がん剤治療を開始することになったので
すが、効果を狙った強力な治療であったため副作用も強く出現し、治療開始後
重度の下痢で、辛い日々が続きました。私は受け持ち看護師でしたが、抗がん
剤の副作用に対し知識も限られており、症状が出現してからの事後対応しかで
きておらず、また、休日などの兼ね合いで自分が休んでいる間に患者さまの下
痢はより重症化してしまっており、自分と、また看護師全体の抗がん剤治療・
看護への知識不足、技術不足を痛感しました。この経験をきっかけとし、私は、
もっと看護師も抗がん剤に対する知識を増やし、患者さまが安心して治療をう
けられるようにしなければいけないと、強く思うようになりました。また、患
者さまに一番近く接する看護師だからこそ、患者さまの生活状況や訴えをきき、
副作用へのきめ細かな対策を医師と連携して行うことができるのではないだろ
うか、そのためには経験を積むとともに、自分にもっと知識と技術を備えねば
ならないと実感しました。
 7年目になって抗がん剤のことを専門に勉強をする機会を得ることができ、
半年間かなりハードではありましたが、みっちりと学習をすることができまし
た。そのおかげで、抗がん剤治療については深い知識を身につけることができ、
治療前からどのようなことに気を付けておけばよいのか、予防対策はなにがあ
るのかなど、患者さまの生活にあわせて知識や技術を提供することができるよ
うになりました。また、認定看護師・副看護師長という立場となり、看護師全
体が抗がん剤投与時の看護を行えるよう働きかけやすくなりました。今回書か
せていただいた患者さまや、他のたくさんの患者さまとの出会いで自分が成長
できたことに感謝し、今後ももっと成長し患者さまへ看護で還元できるよう、
日々精進したいと思います。


ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                    研修医2年目 田嶋 哲三

 研修医2年目 田嶋です。

 右も左も全くわからないうちに研修医として働き始め、早くも1年半が経ち
ました。一番初めに戸惑った事は「先生」と呼ばれる事でした。自分より何十
年と人生経験の積んだ患者さんにそう呼ばれることにすごく抵抗を覚えたこと
を記憶しています。

 大阪医療センターは市中病院と大学病院の中間的な病院と想像している方が
多いと思います。しかし、高度な専門医療を要する疾患がメインということを
考えたらどちらかというと大学病院よりと思います。

 この1年半でさまざまな科を研修させて頂きました。内容に関しては他の研
修日記に譲りますが、ただ言えることはどの科でもスタッフ、レジデント等の
指導医の方々が優秀で熱心、なおかつ優しいということです。

 あと当院の特徴として強調しておきたいのはやはり立地です。すぐ近くには
大阪城があり、僕はよく周辺をランニングしていますが緑が多く気持ちがいい
です。また、梅田、心斎橋がすぐ近くでいつでも飲みに遊びに行けることはあ
りがたいです。

 最後に、気がついたら残り約半年で初期研修が終了し、来年春からはそれぞ
れが決めた専門分野に進んでいきます。この時期になると同期も将来の専門を
決めており心外、循内、脳外、整形、救命、腎内、外科、腫内、産婦、麻酔、
糖尿、消内とさまざまな専門科に進んでいきます。僕は外科を専門とすること
に決めました。特にハードな科ですが、その分やりがいも大きいと思います。
ますます忙しくなると思いますが、この研修二年間で学んだことを礎にして頑
張っていこうと思います。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 恵谷秀紀、多和昭雄
     看護部長 渡津千代子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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朝夕が涼しくなりました。風邪などひかぬよう気をつけてください。
では、来月まで。

http://m-maga.onh.go.jp

メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp 

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