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メールマガジン「法円坂」No.145(2013/6/17)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 梅雨入りしたのに雨が降らず農作物への影響が心配されます。紫陽花をあち
こちで目にしますが雨に濡れた紫陽花を見たいなあと思います。気温も上昇し
てきていますので 熱中症に注意しましょう。
  それでは今月号のメールマガジンをお届けいたします。
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   メールマガジン「法円坂」No.145(2013/6/17)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 です
 ・診療科紹介 皮膚科 (2)
 ・ボランティア「絵本サークル・ぶくぶく」のご紹介とボランティア活動へ
  のお誘い
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す 
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 アメリカで「The Sunshine Act」という法律がこの8月から実行されます。
Sunshineは日光という意味ですので日照権等に関する法律のように思えますが、
実は、薬や医療機器の製造販売企業等から医師等へ支払われたお金等を「照ら
す」法律、すなわち透明性確保の法律です。

 今年8月1日から、製薬企業等は、医師や教育病院(大学病院だけでなく、
研修病院等も含みます。)に講演料等の経済的対価や寄付について記録するこ
とが義務づけられ、来年3月末に今年の年末までの記録をCenter for 
Medicare and Medical Services(CMS)に報告しなければなりません。CMSは
4月から9月にかけてデータを整理し、来年9月10日にはそのデータが公表さ
れる予定です。また、上記のような形で、来年以降も毎年1年分のデータが公
表されることになっています。
 
 報告義務のある経済的対価は、1回10ドル(ほぼ千円)以上の支払いで、1
回が10ドル以下でも年間100ドル(ほぼ1万円)を超えると報告義務が生じま
す。また、その対象は、講演料、顧問料、特許料のみでなく、食事代や旅費も
対象になっていますし、株式やストックオプションも対象です。教育病院にお
ける教育や研究に対する寄付も報告対象です。

 アメリカでは公費医療は高齢者等を対象としたごく一部のみであり、ほとん
どが私的保険によるものです。この公費医療の支払者がCMSであり、税金によ
り支えられています。

 このような法律の作られた背景には幾つかのものがあるようです。

 第1は、医師や教育病院への支払いは最終的に医療費の増大を招くという考
え方です。企業は支出に見合って収入を確保しなければなりませんから、上記
のような支払いが過度にかさめば医薬品の価格上昇を招き、結果的に医療費の
増加に?がるということです。そこで、このようなお金の流れを公開すること
により牽制しようとするものです。また、CMSに報告させ、CMSが公表するとい
うのも、公費医療の保険者がCMSであることと密接に関係していると思われま
す。

 第2は、患者さんへの情報公開ということのようです。特定の製薬企業から
多くの支払いを受けていることを患者さんが知っていた場合、その医師が処方
する薬に偏りがないか、医学的判断以外の影響を受けていないかなど、患者さ
んが判断できるようになると考えられているようです。

 また、このような情報が公表されることで、医師と製薬企業とが「節度を保
った」関係を保つように努めることも期待されているようです。

 一方、このような情報が公開されることで、業務上必要な医師と製薬会社の
連携の妨げとなるのではないか、患者さんが医師への不信感を募らせるのでは
ないか、さらには、医師がマスコミの餌食になるのではないかといったことが
懸念されますが、これらのことも十分検討した上で、この法律が作られたよう
です。その基礎には、このような情報が公開されても、それにより行動様式を
変化させる医師、あるいは患者さんは、多くはないと予測されているからのよ
うです。

 この法律は一般の医師にとってもたいへん厳しい規則です。新しい薬品の説
明会や製薬会社主催の著名な医師の講演会に出席した時、お茶とお菓子、ある
いはお弁当が出て、それが10ドルを超すと、そのことが公開されるという状況
です。

 ところで、新薬の開発などは産学連携が重要になっています。大学等の研究
機関の研究者と製薬企業が共同研究で新薬開発を進めることも稀ではありませ
ん。しかし、どの研究者と共同研究を行っているかということがお金の流れを
通じて情報公開されてしまうと、企業の開発戦略が明るみに出てしまう危険性
もあります。この法律はその点も考慮して、そのような開発研究に関する分は、
4年後、あるいは規制当局(FDA)の承認が得られるまでのどちらか早いほう
までは公開されないという制限を設けています。

 日本でも同様のことが製薬会社の団体である日本製薬工業会の自主的な取組
(「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」)が行われており、
2012年度分をその決算終了後、2013年度中に公表することになっています。た
だ、当初はホームページ等による完全公開の予定でしたが、現在は、請求があ
れば開示するという方針になっているようです。

 6月下旬は株主総会の季節です。各社の決算報告がなされれば、透明性ガイ
ドラインに基づく企業と医師・医療機関との金銭的関係が入手できるようにな
ると思われます。その時、この情報をマスコミがどのように取り扱うか、社会
全般がどのように受け止めるか、たいへん気になるところです。アメリカでは
来年9月ですが、両国での扱いが同じようなものか、相当に異なるかも興味の
あるところです。

1. Rosental MB, Mello MM. Sunlight as disinfectant ? New rules on 
disclosure of industry payments to physicians. New Engl J Med 2013; 
368:2052-2054.

2. Agrawal S, Brennan N, Budetti P. The sunshine act ? Effects on 
physicians. New Engl J Med 2013; 368:2054-2057.


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    診療科紹介 皮膚科(2)
   『下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療について』
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                   皮膚科  戸田直歩

 当院におきましては、以前より近隣の医療施設より数多くのご紹介を頂きま
して、下肢静脈瘤の治療を施行してまいりました。

平成24年6月より、新しい治療として血管内レーザー治療を導入し、従来の治
療と合わせてよりきめ細やかな対応が可能となっています。今回は血管内レー
ザー治療について簡単に紹介させていただきます。
 下肢静脈瘤は下腿の血管が膨隆している状態をいいますが、進行すると静脈
炎を起こしたり、色素沈着から潰瘍に至ることもある病気です。原因は長期の
立ち仕事や、妊娠等による腹圧を契機に、静脈内にある逆流防止弁が破綻する
ことで、重力に抗して静脈血を心臓に返すことができなくなり、下腿に血液が
うっ滞することにあります。治療としては、下腿の膨隆した静脈およびそれに
つながり逆流を起こしている足の付け根から膝の内側を通り足首まで走行する
大伏在静脈を外科的に取り除き、足全体のうっ滞した血流を良好にし、足のだ
るさやむくみ、あるいは潰瘍等の諸症状を改善させることができます。
 これまでは足の付け根と膝の内側に2cm程度の切開を入れて間の大伏在静脈
を引き抜く手術(ストリッピング手術)を主として施行していました。レーザー
治療が導入されてからは、引き抜く代わりに大伏在静脈内部をレーザーで焼灼
することでストリッピング手術と同様の結果を得ることができるようになりま
した。局所麻酔をした上で、超音波で血管を観察しながら膝下より大伏在静脈
に点滴をするように針を刺入し、先端にレーザー端子がついたファイバーを血
管内に挿入していきます。ファイバーの先端が足の付け根まで到達したら、レ
ーザーを照射し大伏在静脈内を膝下まで焼灼し終了とします。手術時間は45分
〜1時間30分程度です。
 血管内レーザー治療の利点は、表面に傷が残らないため感染等のリスクが低
く、また身体の負担が少ないので、短期間の入院で施術が可能であり、治療後
短い時間で日常生活に復帰できます。逆流の程度が強く血管径が大きい場合、
血管内レーザー治療では閉塞が不十分になることや、術後の痛みやつっぱり感
等の合併症が通常より長く残る可能性があり、そのような場合は従来どおりス
トリッピング手術を選択したほうが良いこともあります。
 このように下肢静脈瘤治療における選択肢が増え、患者さんの状態に合わせ
て適切な方法を施行することで、より丁寧かつ柔軟な治療を提供することが可
能となりました。下肢静脈瘤に関してお悩みや疑問をお持ちの方は静脈瘤外来
受診を一度ご検討くださいますようお願いいたします。


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   ボランティア「絵本サークル・ぶくぶく」のご紹介と
   ボランティア活動へのお誘い
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 大阪医療センターボランティアは平成9年(1997年)1月に導入され、今年で
17年目を迎えました。導入後「法円坂」「患者情報室」「園芸」を初めとする
多くのボランティアグループに参加していただきました。いまも8グループ、
多種多様の活動が100人を超えるボランティアの皆さまのご支援ご協力により、
継承されています。
グループのひとつに、「絵本サークル・ぶくぶく」があります。今回はその、
「絵本サークル・ぶくぶく」をご紹介します。
「絵本サークル・ぶくぶく」は、平野青少年会館での読み聞かせ講座修了生に
より立ち上げられた、奥田 良子(おくだ ながこ)さんを代表とするグループ
です。絵本の読み聞かせ・紙芝居・パネルシアター・ペープサート・手遊び等、
絵本の素晴らしさ、楽しさをたくさんの子ども達に伝えるため、当病院の他に
も、養護施設・平野区内の図書館・子育て支援センター・幼稚園、小学校等々
いろいろの場所で幅広く活動されています。グループの活動は、今年で11年目
になります。
「子ども達の元気に繋がれば」との願いをこめて、ひと時でも楽しい時間を過
ごして欲しいという思いで絵本を読んでいます。また、病院での読み聞かせが
きっかけとなり、少しでも絵本を好きになってくれればと願っておられます。
大阪医療センターでのボランティア活動は、平成18年(2006年)7月に開始さ
れ、今年8年目を迎えます。代表・奥田 良子さんは、8年目の想いを次のよう
に綴られました。

『大阪医療センターボランティア活動 8年目に想う』

 小児病棟で不自由な生活を余儀なくされている子ども達が、絵本の読み聞か
せを通して少しでも“ホッと安らぐ時”を持てることが出来たらいいのにと言
う思いで、ボランティアをさせていただいています。
付き添いの方が、子どもさんと一緒に絵本の読み聞かせを聞いていて、「久し
ぶりに笑ったわ・・・」と笑顔になられた姿を見て、辛い思いをしているのは
子どもだけじゃないのだと言うことを知りました。
退院間近い子どもは元気ですが、入院して間もない子どもは不安を一杯かかえ
ています。術後間もない子どもは、身体も心も、とても弱っています。長期入
院の子どもは、たくさん絵本を読んでいるので選択が難しいです・・・。それ
ぞれ聞き手の状態が異なっているので絵本選びに時間をかけます。
ボランティア活動に出向いても、その日の子どもたちの都合で、絵本を読むこ
とが出来ない時もありますが、子ども達が笑顔を見せてくれたら、ホッとして、
「読み聞かせボランティアをしていて良かった!」と嬉しくなってしまいます。
地道な活動を続けてきましたが、お陰様でメンバーの方々に支えられながら、
気がつけば8年目に入りました。これからも無理をせずに、前向きにボランテ
ィア活動を続けていきたいと思います。
                          「絵本サークル・ぶくぶく」代表 奥田 良子

「絵本サークル・ぶくぶく」の活動は、
(1)活動日 :第1・第3・第5木曜日
(2)活動時間:10時00分〜12時00分
(3)活動内容:10時30分〜11時00分(プレイルームでの読み聞かせ)
11時00分〜11時30分(ベッドサイドでの読み聞かせ)
11時30分〜12時00分(貸し出し絵本の作業)
です。平成25年(2013年)4月、スタートラインでのボランティアメンバーは
11名です。
「絵本の世界で、子ども達と楽しいひと時が過ごせて・・・そして、読み聞か
せがきっかけで、本の好きな子どもになってくれることを願って、ボランティ
ア活動をしています。」
「一生懸命絵本を見てくれる眼差しを感じた時、病院と言う場所で、読み聞か
せが出来ることに感謝しています。これからも、子ども達と絵本を通して楽し
いひと時を過ごせるよう工夫していきたいと思います。」と述べられています。
「絵本の読み聞かせ」ボランティアに興味のある方は、是非参加してください。
一緒に活動してみませんか。

管理課ボランティア担当までご連絡ください。
お待ちしています。

お問合せは、独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター 
・管理課ボランティア担当    TEL:06−6942−1331(代表)
・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/
・患者情報室ホームページ →http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html


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      看 護 の こ こ ろ 
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                  東11階病棟 嶋津 享子

 今年の梅雨入りは早く、天気予報に耳を傾けて傘を持って出かける季節とな
りました。昼間は薄着で過ごせるぐらい温かい日が続いていますが、夜間はも
う一枚羽織りたくなります。皆様、日々の気温の変化に体調を崩さぬようにど
うぞお気をつけてお過ごし下さい。
 私は、看護師として10年目、副看護師長としては2年目になります。昨年、
救命救急センターから脳神経科病棟に異動しました。異動は初めてでしたが、
師長を初め、先輩副看護師長、スタッフに支えられ頑張っています。救命救急
センターでは、人工呼吸器管理や手術後など急性期治療を受けられている患者
さんが多くおられました。その後、病状が回復してくると一般病棟へ変わりま
す。元気になることはうれしいのですが、その後の過程に関わることが出来な
いと思うと少し寂しさを覚えることもありました。しかし、現在働く脳神経科
病棟では、救命救急センターからの患者さんの受け入れを行っており、今まで
の看護を活かしながら、リハビリや在宅支援への介入を学ぶことができ、充実
した日々を過ごすことが出来ています。
5月には、初々しい高校生が8名、看護体験に来られました。患者さんの体位
変換やリハビリを兼ねた散歩やコミュニケーションを行いました。印象的だっ
たのは、病棟に来た時は緊張した高校生達が、患者さんとコミュニケーション
をとる中で次第に笑顔になっていたことでした。看護体験を通じて、高校生達
もきっと患者さんと接することの楽しさを感じることが出来たのではないかと
思いました。その時、救命救急センターで働いていた頃のことを思い出したの
でお話したいと思います。患者さんは呼吸器管理しており、呼吸状態は決して
よいとは言えず頻呼吸で疲労感が強い方でした。その中で患者さんは思いを話
され、私も何を話しているのか口の動きと筆談でコニュニケーションをとりま
した。しかし、なかなかコミュニケーションがうまくとれず、1つの思いを聞
くのに10分以上かかることもありました。本当にこの患者さんの思いをきち
んと聞いて看護することが出来ているのだろうかと不安を持ちながら関わって
いました。それから数ヶ月が経ち、患者さんが車椅子で病棟に来られました。
その時に「あの時は話を聞いてくれてありがとうございました。」と声をかけ
てくださいました。私はその言葉に驚くとともに自分のことを覚えてくれてい
たことがすごくうれしかったです。その時、患者さんの声を聴くことが出来て
いたのだと思いました。
現在働く脳神経科病棟でも、顔の表情や手の動きで、自分の意志を表現しコミ
ュニケーションをとっておられる患者さんや意志はあるがコミュニケーション
のやりとりまでいかない患者さんがおられます。そのような患者さんの思いを
あらゆる方法で掴んでいくことの大切さ、患者さんと接することの楽しさをス
タッフに伝えていきたいと思います。今回関わらせていただいた高校生達と将
来一緒に働くことを楽しみにしながら、日々頑張っていこうと思います。


ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                    研修医2年目 大原 寛明

 初めまして、研修医2年目の大原寛明と申します。大阪医療センターで研修
を始めて、早いもので1年がたちました。後輩もできて、気が引き締まります。
それでは、当院での研修の特徴をいくつか述べたいと思います。
まず、当院のローテートは選択期間が短いですが、その分さまざまな科を回る
ため、多数の症例を経験することができます。どの科の先生もやさしく、丁寧
に教えて下さります。
次に、時間外外来についてですが、研修医1年目と2年目が中心になって行いま
す。多くは当院かかりつけの患者様ですので、ある程度は背景がわかります。
内科・外科・脳・心・産科当直の先生方が居て下さるので、何かあればすぐに
相談にのってもらうことが出来るので、心配はありません。
最後に、寺子屋という勉強会が週2回行われています。当直で経験した症例な
どを検討します。ときどき外部講師を招いて拡大寺子屋が行われます。最近も
外国の先生に来て頂きました。
以上、簡単ですが当院の研修の特徴を延べさせて頂きました。実際に見学に来
て頂いた方がよりよくわかると思いますので、また見学に来て下さい。お待ち
しています。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html

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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 恵谷秀紀、多和昭雄
     副院長・看護部長 渡津千代子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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  中学生・高校生の将来の職業選択支援を目的とした第4回アドベンチャー
Hospital in 大阪医療センターが6月23日(日)に開催されます。

今年は附属看護学校のオープンキャンパスも同時開催でより活性化しています。
皆様のご参加をお待ちしています。  
http://m-maga.onh.go.jp

メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp 

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