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メールマガジン「法円坂」No.147(2013/8/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 夏の甲子園真っ盛りです。身内に静岡県人会のお世話をさせていただいてい
る方がいて、毎年恒例ですが、今年も14日の常葉菊川の応援に行かれたとお聞
きしました。お盆のこともあり満員だったようですが、応援の甲斐あって、常
葉菊川が5対3で勝利し喜んでおられました。皆様の地元の高校の成績はいかが
でしょうか。今月のメルマガをお届けします。
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   メールマガジン「法円坂」No.147(2013/8/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 です
 ・ドクターG出演体験記
 ・診療科紹介 口腔外科(2)
 ・『第36回“愛の夢”サマーコンサート』開催する
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す 
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 もう5年以上前になりますが、メルマガに、公的臨床研究データセンターを
設立することが必要性だと書きました。覚えておられるでしょうか。(2008年
5月)

 その理由を、当時のメルマガから引用します。

 臨床研究で収集されたデータは、研究が終了すれば役割を終えるかというと、
決してそうではない。数年の年月をかけて数千人規模の患者の経過や薬剤等の
効果を集めたデータは、二度と集めることのできない貴重なデータであり、ま
た、再度集めるとなると同じ年月を必要とする。当初の研究目的が終了しても、
個人が特定できない形でデータを保存することにより、将来行われる研究にお
いて比較のためのデータとして使うこともでき、また、他の研究者に公開する
ことで、当初の目的とは異なった分析が加えられ、思いもよらない成果が生ま
れる可能性もある。一旦集められた臨床研究データは科学的に貴重な財産であ
り、広く利用されることで社会に貢献できる資産とも言えるものである。
わが国のこれまでの臨床研究では、データを保存するシステムがないため、研
究終了と共にデータが廃棄されたり、研究者の引退と共に散逸してしまったり
していた。しかし、今後は、収集されたデータをバンクに保存し、社会的に活
用できるような状態に置くことが必要である。そのためには、研究完了時に研
究者からデータの寄贈を受け、これを最善の状態に保っておくデータセンター
が必要であり、その社会的使命から考えて、臨床研究データセンターは長期に
亘る公的支援により維持されるべきである。
公的臨床研究データセンターの運用は、単にデータという社会的資産を保持す
るだけでなく、社会に役立てたいと願い、臨床研究に参加した患者の意思を尊
重すると共に、研究協力者の労をねぎらうことになる。臨床研究データが研究
者と共に葬られてしまうのは残念であり、その損失は大きい。

 ここで、「公的臨床研究データセンター」と言っているのは、臨床研究にお
いてデータを収集・整理し、その統計解析を行うデータセンターではなく、役
目の終わったデータを保管し、データベース化する「アーカイブ・センター」
です。

 さて、実は、最近知ったのですが、わが国にも、このようなデータをアーカ
イブする公的臨床研究データセンターが設立されていました。2011年4月に、
文部科学省の関係機関である科学技術振興機構(JST)に内に、バイオサイエ
ンスデータベースセンター(National Bioscience Database Center;NBDC)
が設立されました。NBDCは、ゲノム情報のデータベースを構築する組織として
設立されたバイオインフォマティクス推進センター(BIRD)が元になっている
ようです。

 20世紀の終わりにゲノム科学が急速に進展し、多数のゲノム情報が得られる
ようになると、新たに採取されたゲノムが既知のものか未知のものか、また、
既知のものに類似のものがあるかを検索することが重要な課題となり、ゲノム
情報のデータベー-ス化が大きな課題となりました。アメリカや欧州各国でデ
ータベースが作られるようになったので、わが国でもその必要性が2000年11月
に科学技術会議ライフサイエンス部会ゲノム科学委員会から提言されました。
これを受けて、2001年4月にJST内にBIRDが設立されたようです。

 その後、2005年5月に、ゲノム情報だけではなく、ライフサイエンス分野全
体をカバーするデータベース構築の必要性が科学技術・学術審議会 研究計画・
評価分科会から提言され、2006年4月から文部科学省の「総合データベースプ
ロジェクト」が開始されたようです。また、同じ頃、経済産業省、農林水産省
でも同様のプロジェクトが始まったようです。

 2009年5月に、ライフサイエンス総合データベースセンター(DBCLS)と
BIRDとを一体的に運用すべきとの提言が総合科学技術会議から出され、2011年
4月にNBDCが設置され、ライフサイエンスデータベース統合推進事業が開始さ
れたとのことです。

 BIRDの担う機能と似た機能を持つ機関として、厚生労働省には医薬基盤研究
所、経済産業省には産業技術総合研究所バイオメディシナル情報研究センター、
農林水産省には農業生物資源研究所があり、それぞれの持つ生命科学系データ
ベースを一元的に検索できるシステムとして、合同ポータルサイトが2011年12
月に設けられたようです。(http://integbio.jp)

 NBDCでは、研究者からデータの寄託を受けると、それをデータベース化し、
寄託者の許可があれば他の研究者も利用できるように提供するそうです。寄託
を受けるデータには、5年前に述べた、臨床研究で得られたデータも含まれて
いるとのことです。

 5年前の文章は、その時にも書きましたように、2005年秋に書いたもので、
どこにも掲載されることなく眠っていたので、メルマガに載せました。

 データを保存し、いつでも利用できる環境におくことの重要性は、ゲノム情
報や臨床研究データだけでなく、全ての情報に関して言えることで、遅ればせ
ながらもそのような環境整備がなされたことは極めて意義あるものと思います。

 これからは、研究者それぞれが研究データをきちんと残していくように努め
る必要があります。また、蓄積された過去のデータを併用し、有効に利用する
ことで、臨床研究の精度を高め、また、効率化を進めることができると思いま
す。


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        ドクターG出演体験記
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                    研修医2年目 山田 修平

 5月にNHKの番組『ドクターG』に出演させていただきました。総合診療医ド
クターGが実際にあった症例をもとに再構成したVTRで出題、3人の研修医がカ
ンファレンスを行いながら鑑別診断を行う、病名推理エンターテイメント番組
です(NHKの番組紹介から改編)。

 有難いことに沢山の方が放送を見て、声をかけてくださいました。よく聞か
れたのは、なぜ1学年16人もいる研修医の中から山田が選ばれたのかというこ
とです。なぜでしょうか?僕にもよくわかりません。当院総合診療部の松本謙
太郎Dr.にお話をいただきました。ありがとうございます。
 
 放送は5月上旬でしたが、収録は2月半ばの日曜日、お話自体は昨年末にいた
だいていました。収録は東京、皇居付近の科学技術館2Fのスタジオで朝から行
われました。
集合後、研修医控室に案内していただき、軽くその日の流れについて説明を受
け、早速スタジオでカメラリハです。
スタジオに行くと、想像以上のスタッフさんがいらっしゃいました。カメラも
数台スタンバイ済みで、ADの方以外にも立って見ている方も沢山いらっしゃい
ました。初めてのスタジオで研修医3人は緊張しっぱなし。解答席に座らされ
てカメラ、照明、音声等のチェックです。スタジオは天井が高いので声がなか
なか届かず、発声練習までさせられました。
その後のお弁当タイムも研修医3人、緊張のあまりほとんど食べることができ
ず、残してしまっていました。

 そしていよいよ緊張の収録本番。もちろん最初に研修医がスタジオ入りして、
司会の浅草キッドさん、ゲストの国生さゆりさん、笹野高史さん、ドクターG
の谷口洋貴先生をお迎えします。
 浅草キッドさんには、「研修医の君たちが解答を出さないと収録終われない
から、頑張ってよ」なんてプレッシャーをかけられたり。
 そうなのです。台本、事前の打ち合わせ等がなく、ぶっつけ本番。患者さん
の主訴すら冒頭のVTRを見るまではなにも知らされず、収録がスタートするの
です。収録中はもう必死に頭をフル回転し、鑑別診断を考えていました。約3
時間の収録だったでしょうか、途中でトイレ休憩を挟みながら、収録が進んで
いきました。その際も、スマートフォン等で病名を調べないように、スタッフ
の方がトイレまでついてくるといったことからも如何に「ガチ」な収録であっ
たことがわかるかと。ここ非常に強調して(言い訳して)おきたいところです。

 フリップ1回目はまぁ当たるも八卦、当たらぬも八卦なのですが、一応鑑別
診断として挙げた根拠を言わないといけない(しかも確実に放映される)ので、
最初からかなり焦っていました。
「肝腎症候群」と咄嗟に挙げたのは、収録当時のローテートが消化器内科から
だったと思われます。指導医先生、ごめんなさい。



 フリップ2回目は本気で当てにいきました。当たっていると思っていたので
すが・・・フリップをどーんって自信満々に出して、「Vit.B1欠乏症です」と
言ったのが恥ずかしいです。
ドクターGの谷口先生とディスカッションしていて、どうやら違うようだと思
った瞬間、やってしまったと思いました。答えは「Vit.B12欠乏症」で当たら
ずとも遠からず(言い訳)だったのですが、外科の先生方には胃癌全摘後なら常
識だと怒られました。すみません。
幸いにも隣の研修医が鑑別に挙げてくれていて、かつドクターGの巧みな誘導
により、最終的には研修医3人で声をそろえて答えを出すことができました。
めでたし。

 こんなわけで3時間以上にわたる収録を無事に終え、研修医(特に山田)の名
言(迷言)の大半はカットされ、最終的には50分弱のTV番組が出来上がりました。

 国生さゆりさんには収録後にチョコレートのプレゼント(ちょうどバレンタ
インの時期でした、バレンタインデーキッス!!)をいただいたり、笹野高史さ
んには収録後わざわざ時間を取っていただいて着ていた白衣にサインをいただ
いたりと、とても楽しかったです。
 番組出演の機会をいただいて、貴重な経験をさせていただいた、松本先生を
始め、総合診療部の先生方には、この場を借りてお礼を申し上げたいと思いま
す。

 以上、ドクターG出演体験記でした。


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    診療科紹介 口腔外科(2)
   いわゆる「口腔ケア」について 
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                   口腔外科 科長
                   有家 巧

 平成12年3月31日付けで「健康日本21」が厚生事務次官より通知され、さら
に平成14年8月には「健康増進法」が公布されて個人のQOLがより重要視さ
れるようになりました。
 そして、高齢化社会を迎えて要介護者あるいは要看護者が増加の一歩を辿る
なか、口腔関連の有害事象は増加しておりました。口腔清掃の必要性は感覚的
に理解されていましたが重要性は認識されておらず、施設や病院におけるマン
パワー不足や不採算性が問題となり十分に対応できておりませんでした。

 それに遡ること数年、1999年に米山らがLancet 誌に、口腔ケアによって要
介護高齢者の誤嚥性肺炎の発症率が減少すると報告しました。
その後徐々に口腔ケアが全身状態に深く関わっていることが注目されるように
なり、その後人工呼吸器関連肺炎(VAP)の予防への有効性や頭頸部がんや食
道がんの患者に対する入院前の口腔ケアが、術後の合併症発症率を減少させる
という報告が続きました。
歯周病菌と全身疾患との研究では、糖尿病は歯周病を悪化させ、歯周病は心臓
血管疾患や糖尿病を悪化させるという双方向の影響を指摘しています。
また歯周病を患った妊婦は、低体重児早産のリスクファクターが高くなるとい
う事実も明らかになってきています。
その他、喫煙などが歯周病を増悪したり、骨粗鬆症は歯の喪失や歯周病と関連
があるとも考えられています。
さらに、明らかな症状がなくてもストレスや過労から歯肉の炎症を悪化させる
ことも報告されています。

 口腔ケアを必要としている人は、身体的機能低下に加え、多くの場合摂食や
嚥下障害など何らかの口腔機能の低下がみられ、器質面だけでなく機能面から
のケアが欠かせません。
口腔ケアは、口腔内の歯や粘膜、舌などの汚れを取り除く器質的口腔ケアと口
腔機能の維持および回復を目的とした機能的口腔ケアから成り立っています。
当院ではいち早くNST活動を行うと共に、その一環として口腔ケア班を立ち上
げ対応しておりました。また当科では手術、放射線治療および抗がん剤治療等
を受ける患者さんの口腔管理を行い、口腔関連の有害事象発生を抑制しており
ます。

 なお、「口腔ケア」は4568672番で一歯科医師によって商標登録されており
ます。因って当院では「口腔ケア」は「口腔管理」と称するよう努めておりま
す。

         
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  『第36回“愛の夢”サマーコンサート』開催する 
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 7月2日、当院講堂にて“愛の夢”サマーコンサートを開催しました。平成9
年1月、ボランティア導入後より始められたこの“愛の夢コンサート”、回を
重ね36回を迎えました。
“皆さま今晩は〜・・・”いつも進行のお手伝いをして下さる、八田 叔子さ
んの挨拶でコンサートは始まりました。そして出演して下さった音楽ボランテ
ィアの皆さんから、当日参加された130名の患者さん、ご家族に素晴らしい音
楽を届けて頂くことができました。

最初の奏者はレギュラーメンバー、ピアノ演奏の佐竹 史子さん。“愛の夢“
コンサートのオープニングは『♪タラのテーマ』。1939年公開の超大作アメリ
カ映画「風と共に去りぬ」のテーマ曲です。続いて『♪虹の彼方に』『♪太陽
がいっぱい』映画音楽2曲を聴かせて下さいました。皆さまには、映画やテレ
ビで映し出された情景の、ひとコマひとコマを思い浮かべながら、懐かしく聴
いて頂いたことと思います。
そして最後はオリジナル曲『♪川のせせらぎ』。この曲は穏やかに流れる川に、
美しく光り輝くホタルの様を、その情景を曲にされたそうです。きっと皆さま
も、その情景を思い浮かべながら聴いておられたことと思います。今日はどん
な曲を聴かせて下さるのか、この“愛の夢”での一つの楽しみにしています。
いつも素敵な曲をありがとうございます。

2番目はピアーチェの皆さん。今回が4回目の出演になりますが、クリスマスコ
ンサートに3回、サマーコンサートは今回初めて参加して頂きました。

プログラムは、
♪『ブルータンゴ』
♪『動物の謝肉祭』より「ライオン」「象」「水族館」「化石」「フィナーレ」
♪『ラプソディ・イン・ブルー』
★みんなで歌いましょう!・・・
♪『青い山脈』
♪『みんなのうみ』

ピアーチェはイタリア語で、「楽しい」「愉快な」という意味です。これまで、
声楽(ソプラノ)・ピアノ・バイオリン・フルートの4人でのアンサンブルで
したが、今回メンバーにコントラバス奏者が加わり、5人での参加です。ソプ
ラノの美しい歌声と素晴らしい演奏、そして会場の皆さんと歌った『♪青い山
脈』『♪海』など、文字通りの楽しい・愉快な思い出に残るステージを贈って
下さいました。


そして「元気」も頂きました。

今回、夏のコンサートにふさわしく「青」をテーマにプログラムを作って頂き
ました。「皆さま!青色をイメージしながら、夏の感じを味わって頂けました
か」、味わって頂けたことを感じています。

 最後は、村尾 梓さん。“愛の夢”コンサートに今回初めて参加して下さい
ました。華奢な体型の村尾さん、大きなファゴットを抱えて(?)の演奏です。
 曲は『♪美女と野獣』『♪星に願いを』『♪見上げてごらん夜の星を』『♪
川の流れのように』の4曲でした。
木管楽器のファゴット(別名バスーン)の奏でる、肉声に近いような深みとあ
たたかみのある音色は、聴いている私を安らぎの空間に導いてくれました。フ
ァゴットの一番の魅力は、やはり音色にあると感じます。ベートーヴェンは、
「天からそそがれる神の声」と称したそうです。
 会場にご存知の方が少なかったように、残念ながらファゴットの知名度は高
くないようです。皆さま、楽器ファゴットを知り、その音色に魅力を感じて頂
けたでしょうか。

 ボランティア皆さんからの心の贈り物「“愛の夢”サマーコンサート」、会
場一杯のお客さまに聴いて頂きました。少しでも心が和んで頂けましたか。色
々な方々に支えて頂きながら、とても幸せに感じたひと時でした。皆さまに感
謝いたします。
今回参加下さった20代〜50代・60代以上の男女62名の方々より、「コンサート
感想アンケート」を届けて頂きました。「全体的にいかがでしたか?」の設問
では、回答者全員の方より「a.良い」:56名(90%)、「b.ふつう」:6名
(10%)の評価を頂いています。

また、全体を通じての貴重なご意見・ご感想も頂きました。その一部をご紹介
します。
1.長い入院生活だったので、このような機会を与えて頂き、とても心癒され
ました。妊娠中なのですが演奏中、お腹の赤ちゃんがすごくよく動きました。
胎教にも良かったです。ありがとうございました。(30代女性)
2.早くから会場に入って待っていた方もいたので、できるだけ時間通りに開
演して、1時間で終われるとより良かったと思います。誰もが知っている曲が
沢山ある方が嬉しいです。楽しいコンサートを、どうもありがとうございまし
た。(40代女性)
3.大変母との懐かしい曲がありました。思い出の曲で、亡き母も天国から聞
いていると思います。嬉しく涙が出てきました。心が癒されました。本当にあ
りがとうございました。(60代以上男性)

皆さまから頂きました貴重なご意見・ご感想は、今後の企画の参考にさせて頂
きます。ご協力ありがとうございました。
次回の“愛の夢”コンサートをどうぞお楽しみに!

「大阪医療センターメールマガジン」ご愛読の皆さまへ・・・
音楽ボランティア募集のお知らせ:当院では「音楽ボランティア」のご協力で、
年3回(初夏・秋・冬の季節)コンサートを行っています。
初夏に“愛の夢”サマーコンサートを、冬12月に“愛の夢”クリスマスコンサ
ートを行います。素敵なハーモニーやメロディを聴いたり、大きな声で歌った
りしながら楽しい時間を過ごさせて頂いています。
また、秋のコンサートは「大阪府医師会フィルハーモニー」の皆さまに、フル
オーケストラの魅力を届けて頂いています。“愛の夢コンサート”に出演を希
望される方は、管理課ボランティア担当までご連絡下さい。

・管理課ボランティア担当   →TEL:06-6942-1331(代表)
・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/


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      看 護 の こ こ ろ 
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                  ICU副看護師長 山本信子

 蝉の鳴き声が猛暑をさらに暑く感じさせる季節となりました。クーラーなし
では眠れず、日中との温度差に体力は奪われる一方ですが、体調管理には十分
気をつけたいですね。
この度「看護のこころ」で看護観を語る機会をいただきました。15年前の看護
を振り返りましたので最後までお付き合いください。

 看護師5年目の私は整形外科病棟に勤務しておりました。がん拠点病院とな
り、整形外科に悪性疾患患者様が次々に入院してこられたことを思い出します。
学生ほどの知識しかなかった私はがん看護プロジェクトにも参加し、抗がん剤
治療や放射線治療、緩和ケアなどの勉強に励んでいました。
そんな中、骨肉腫で術前後の化学療法、手術のために入院してこられたFさん
30代男性と出会いました。Fさんは少々やんちゃな学生時代を経て親に迷惑を
かけたくないと社会にでられ、自立とともに両親と疎遠になっていました。
治療の甲斐なく徐々に状態の悪くなっていくFさんにきっと心配しているだろ
う両親に連絡してもよいか尋ねると「心配をかけたくないから絶対に電話しな
いで」といわれました。Fさんの気持ちを尊重することを第一に看護していた
私は、電話を入れるべきか否か悩みました。
 チームカンファレンスで相談し、できるだけ早急に連絡を入れる必要がある
という結果を得たにもかかわらず、私は入院のはじめから連絡をとっていない
両親に電話を入れることができないでいました。
両親に電話できたのは、死期が近づき病状説明が必要となった、亡くなる3日
前となってからでした。
何とか両親と再会し、コミュニケーションがとれ最期の別れを迎えることがで
きました。その当時の私は、疎遠になっていたFさんと両親の気持ち、息子に
先立たれる母親の気持ちまでを汲み取ることができず、電話連絡が遅くなって
しまったことをとても後悔しました。

 そのことがきっかけで、それ以降の私は家族看護の大切さを考え、患者と家
族の真意はどこにあるのかを常に考え、看護するようになりました。年齢を重
ね、結婚や育児を通してようやく親の気持ちや子供の気持ちが少しは分かるよ
うになってきたと感じながら家族への声掛けを行ってきました。

 そして、この春 異動になったICUではこの時その時間を大切に今できるこ
とを精一杯する看護がクリティカルケアと共に並行して毎日繰り広げられてい
ます。異動後まもなく、入室の初めからのかかわりを持てなかったNさんの看
取りを経験し、15年前のことを思い出しました。クリティカルケアや人工呼吸
器の看護は十分にはできないけれど、最前線で看護しているスタッフたちと共
に患者と家族の思いを大切にしていくことはできるのではないかと気づきまし
た。
ともすると、生命維持最優先の現場で、家族への配慮が遅れてしまわないよう、
自分が率先して入室のあいさつを行い家族に声をかけ、手術や急変に対する不
安の訴えを傾聴すること、そして患者がどんな状態でも症状の改善、救命を目
指し最前を尽くしていく、あきらめない看護を提供していくことが、患者、家
族の支えになるのだと気づきました。

 ICUに入室された患者と家族との出会い、師長とスタッフとの出会いを大切
にこれからも患者、家族に寄り添える看護を目指し、精進して参りたいと思い
ます。

ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                 研修医2年目 片山 大輔

 はじめまして。二年目研修医の片山大輔と申します。現在、外科・救命・各内
科でのローテート後に、六・七月と放射線科での研修を終了したところです。
今回の研修医日記では当院の放射線科について書かせていただきたいと思いま
す。

 当院の研修プログラムでは四ヶ月の選択期間があり、二科を二ヶ月ずつ選択
するのですが、毎年多くの研修医が放射線科を選択しています。
放射線科研修中は、CT,MRI,RI,エコーの検査当番に入りつつ、読影を行ってい
きます。特に義務として課題が与えられるわけでなく、自分で好きな分だけ好
きな症例を自分のペースで読影を行っていきます。研修医が書いたレポートは
上級医により、訂正・承認され電子カルテ上に反映されていきます。

 読影の基本は胸部レントゲンです。一般の内科医外科医も胸部レントゲンを
読影することが必要とされますが、意外にきちんとした胸写の読み方を教わる
機会はないものです。当科では科長による丁寧な胸写レクチャーにより、基礎
から読影方法を学ぶことが出来ます。


さらに興味があれば胸腹部のCTや、頭部のCT,MRIなどの読影を自由に行ってい
きます。特にどの科でも必要とされるのは急性腹症などでの腹部CTの読影であ
るので、私は2ヶ月目に腹部CTを集中して読んでいました。当院では癌症例は
もちろんのこと、内因性救急症例も幅広く、またHIV拠点病院であることから
稀な感染症症例や、三次救命の外傷症例に至るまで、バリエーションに富んだ
症例が集まり、偏りなく様々な画像症例で勉強することが出来ます。スタッフ
も豊富で、疑問をぶつければいつでも教えてもらうことが出来ます。

 放射線科での研修では読影に加えて、週一回程度血管内治療に入ります。多
くは肝癌に対するTACE(肝動脈化学塞栓療法)・TAI(肝動脈動注化学療法)で
すが、緊急でカテーテルでの止血処置や膿瘍ドレナージなどのIVR(インター
ベンショナルラジオロジー)が入ることもあります。血管造影では動脈の穿刺
から、カテーテルとガイドワイヤーを用いて、目的の血管にカテーテルを挿入
する操作を実際に自分で行うことが出来ます。一朝一夕に出来るようなもので
はないですが、カテーテル操作の難しさ・面白さを体感できる非常にいい機会
であると思います。

 以上簡単にですが当院の放射線科について紹介させていただきました。読影
の基礎を身につけたい方は、初期研修での選択科で放射線科を選ぶことをぜひ
お勧めします。後期研修で放射線科を考えている現在学生の方も初期研修で当
院を選んでみてはいかがでしょうか?


どうぞ一度見学に来て、当院の雰囲気を味わってみてください。


                 研修医2年目 金山 大成

 初期研修医2年目の金山大成と申します。当院にお世話になり早くも1年半
が過ぎようとしています。当院でのカリキュラムについては他の方々がまとめ
ていただいているようなので、何か違った目線で研修生活をお伝えできればと
思います。

<当院のstrong point>
・メジャー科が揃っており、高度な診療を行なっていること
・3次救急があり、外傷、熱傷、心肺停止症例を経験できること
・2次当直では自らが主体となって診療を行えること

 何を今更という話ですが、僕が考える当院の特長は上記の通りです。字面で
書くとたかが3行なのですが、当初(現在もですが)、未熟な自身にとっては
非常に重たく大変なものでした。
今までなんとかやってこられたのは偏(ひとえ)に上級医の先生方、先輩方の
熱心なご指導があったからだと思っています。
ややこしいマッチング試験があるせいか(笑)優秀で勉強熱心な同期にも恵ま
れました。
思うに、初期研修はある程度の環境さえ整ってしまえば、本人の意志とやる気
次第ではないかと思います。ただそこに大きく影響するのが、自分の周りの
「人」であるのかと思います。
僕自身も先生方、先輩方に励まされ、窘(たしな)められ、同期に刺激され、
引っ張られ、後輩につき上げられ?、成長できた部分も多いと感じます。
まだまだ一人で仕事もできず恐縮なのですが、一研修医の意見として参考にし
ていただければ幸いです。
よろしければ病院見学にいらっしゃって下さい。
                    
 
臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html

**********************************************************************
総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 恵谷秀紀、多和昭雄
     副院長・看護部長 渡津千代子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
**********************************************************************
 そういえば、世界陸上もモスクワでやっていて、テレビでも中継されていま
す。
女子棒高跳びのイシンバエワすごいですね。金メダルです。
今年のテレビ放送、司会の織田裕二さんもアナウンサーの方も去年までと比べ
るとかなり静かなのですが、何かあったのでしょうか。
暑いとは言わずにおこうと思っていたのですが、猛暑が続きます。くれぐれも
お体ご自愛くださいますように。

http://m-maga.onh.go.jp
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp 

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