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メールマガジン「法円坂」No.168(2015/5/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 GWも明けたばかりのまだ5月というのに台風がやってきて、あっという間に駆け
抜けていきました。幸い病院や周辺への影響は無かったようです。4月からの新任の
方や新しく異動された方も慣らし運転が終わり、本格的な始動です。早足で駆けるの
でなく、着実に一歩一歩進んでいくことお勧めします。今年度のメルマガ第2号をお
届けします。 
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   メールマガジン「法円坂」No.168(2015/5/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 です
 ・就任後挨拶
 ・診療科紹介 血液内科
 ・平成27年度を迎えあらためて
  「ボランティアコーディネーターの意味と役割」を考える
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す
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 一般社団法人日本病院会という団体があります。日本病院会は昭和26年6月に日
本病院協会として創立され、以後、「病院の向上発展と使命の遂行を図り、社会福祉
増進に寄与する」ことを目的として活動しています。国立病院機構の病院の約半数
をはじめ、日赤や済生会などの公的病院、国公私立の大学病院、社会医療法人など
の民間病院など、約2500の病院が加盟する団体で、その病床数の合計は約65万床
になります。
現在、わが国には、約8500の病院に133万床の病床があると言われていますので、
病院の3割、病床数の5割を代表する病院団体と言えます。

 当院も日本病院会に加盟しています。日本病院会の発行する雑誌「日本病院会雑
誌」に、巻頭言の執筆依頼を受け、3月号に掲載されました。タイトルは「日本再
興戦略」で、以下に本文をお示しします。

日本再興戦略
 昨年6月に改訂された「日本再興戦略」では、3つのプランのうち、第2の「戦
略市場創造プラン」の真っ先に「国民の「健康寿命」の延伸」があがっている。ま
た、プランごとに成果指標(KPI:Key Performance Indicator)を設定しているが、
「国民の「健康寿命」の延伸」では、「2020年までに国民の健康寿命を1歳以上延
伸」、「2020年までにメタボ人口を2008年度比25%減」、「2020年までに健診受診率
(40〜74歳)を80%」の3つがKPIである。
 一方、このプランを進めるための施策としては、「一般用医薬品のインターネット
販売を実現」、「先進医療の評価の迅速化等を推進」などが、また、新たに講ずる具
体的施策としては、「効率的で質の高いサービス提供体制の確立」、「公的保険外の
サービス産業の活性化」、「保険給付対象範囲の整理・検討」、「医療介護のICT
化」等があげられている。
日本再興戦略は、このように、「健康長寿産業を戦略的分野の一つとして位置付け、
健康寿命延伸産業や医薬品・医療機器産業等を発展させ、医療・介護分野を成長市
場に変え、質の高いサービスの提供や、制度の持続可能性の確保を目指す」とのこ
とである。しかし、我々病院の経営に携わる者からすると多少なりとも違和感を覚
える。医療市場において最終消費者は患者やその家族であり、その購買力が高まら
ない限り、市場としての成長は見込めない。国内購買力に限界がある場合、海外に
市場を求めるのが産業界の常であるが、医薬品や医療機器の輸出はともかく、医療
は内需が中心であり、例えば病院経営のノウハウを輸出しようにも相手国の医療制
度に依存するところが大きく、容易ではない。
 さらに、社会保障費、とりわけ医療費の増加が危惧される中で、示された施策と
目標とするKPIの達成とがどのように結びつくのか、判りにくい。施策には健康促
進に関わるものも含まれているが、それはマイナーであり、主要部分は医療の市場
化に関するものである。日本再興戦略のこのプランに対応するものとして、「健康
・医療戦略」が昨年7月に発表された。
そこで強調されているのは、「世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究
開発」、「健康・医療に関する新産業創出及び国際展開の促進」、「健康・医療に関
する先端的研究開発及び新産業創出に関する教育の振興・人材の確保」、「世界最
先端の医療の実現のための医療・介護・健康に関するデジタル化・ICT 化」であ
る。ここでも研究開発等に主眼があり、医療機関の役割などは明記されていない。
私自身は、これまで、臨床研究等の促進に関わってきたので、これらの施策は大
歓迎である。しかし、成果の最終的な享受者であるべき患者と、その仲介役であ
る医療機関がこれら施策の中でどのような立ち位置を求められているのか、考え
る必要があると思う。
 医療機関によっては国際化を目指し、海外から患者を迎え入れて高度で先進的な
医療を提供している所もあります。しかし、ほとんどの医療機関では、地域に根ざ
し、「より多くの患者さんに、よい医療を、できるだけ安く提供する」(これは当院
のモットーでもあります。)ことを目指していると思います。一方、来年4月に予
定されている診療報酬に関し、財務省は切り下げる方針との話が聞こえてきます。
昨年度は、消費税増税の影響も含めて、多くの病院が赤字化したとも言われていま
す。
 このような厳しい経営環境の中で、日本再興戦略が病院に何を求めているのか、
よくわからないので、巻頭言に書いた次第です。


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           就任のご挨拶      
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                   循環器内科 科長
                   上田 恭敬

 本年4月1日付けで循環器内科科長に就任致しました上田恭敬です。私は平成2年
に大阪大学医学部を卒業して大阪大学医学部第一内科(現在は、循環器内科)に入局
し、1年間大阪大学医学部附属病院で研修をした後、本年3月まで大阪警察病院循環
器内科において循環器救急・虚血性心疾患を中心とする循環器診療に従事してきまし
た。研修医から部長までの24年間を同じ病院で勤務できたことは、自身の変化のみな
らず病院の変遷も体験することができ、非常に有意義だったと思います。

 当院においては、前任の循環器内科科長と専門領域が若干異なるため、その良いと
ころは継承しつつも、循環器救急・虚血性心疾患領域にさらに力を入れていきたいと
考えています。急性心筋梗塞、急性心不全、急性大動脈解離など循環器救急疾患は、
より早期に診断して治療を開始することが救命のために重要であり、そのためには一
見軽症に見える時期において確実に診断することが不可欠です。たとえば、20分以上
持続する胸痛があれば、急性心筋梗塞の疑いが強いと考えられます。急性心筋梗塞は
致死率約40%の怖い病気ですが、病院で治療を受けることができれば命を落とす確立
は5%程度にまで低くなります。ですから、一刻も早く救急車で受診するべきで、20
分も我慢しているべきではありません。さらに、心筋梗塞を発症する数日〜数週間前
から、数分程度で消失する胸痛や胸部圧迫感・不快感、胸焼けのような症状を繰り返
している場合が多いので、その時点で受診して治療を開始することができれば、さら
に安全に治療することができます。ただ、この時期はまだ心筋梗塞にはなっておらず
不安定狭心症と診断されますが、心筋梗塞に比してその診断は難しく、心電図や血液
検査では異常がないことも多々ありますので、それだけで大丈夫と決めつけないで、
さらに詳しい検査が必要です。また、患者さんには、「この程度の症状で病院に行っ
たら怒られる」と思わないで、今までにない上記のような症状が出てきた場合には、
24時間いつでも気軽に当院の循環器内科(夜間は当直がいます!)を受診して欲しい
と思います。


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           就任のご挨拶 
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                   泌尿器科 科長
                   西村 健作

 2015年4月1日付で泌尿器科科長として赴任いたしました西村健作です。
現在まで大阪警察病院・大阪労災病院・市立池田病院などの関連施設で腹腔鏡手術を
はじめとした臨床に従事してまいりました。
 高齢化が進む中、泌尿器科医が果たす役割もますます大きくなりつつあります。
また泌尿器科領域における治療も日々進歩しており、前立腺癌においてはロボット手
術時代に突入したと言えます。これからはより安全で侵襲の少ない治療を確実に提供
できる泌尿器科チームを目指すことが重要であると考えております。
 また当院での診断・治療が特色豊かであることを目指したいと思っております。
治療においては前立腺全摘除術の導入、腎部分切除術や膀胱全摘除術の適応拡大など
腹腔鏡手術をより積極的に取り入れることや尿路結石症に対する軟性鏡とレーザーを
用いた経尿道的尿管砕石術や前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺核出術などがその
代表的なものです。
 一方で手術適応とならない進行癌に対する集学的治療も重要な位置を占めます。
化学療法・放射線療法・緩和ケア・栄養管理など連携をより密接にとりながら、チー
ム医療が実現できればと考えています。
 このような取り組みにより他施設からも信頼ある医療機関としてより認識されるよ
う努力していく所存です。今後ともよろしくお願い申し上げます。


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     診療科紹介 血液内科          
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                   血液内科 科長
                   池田 弘和

 当院血液内科では、現在血液専門医の常勤スタッフ3人で、貧血、白血病やリンパ
腫など血液疾患全般について診療を行っています。当院は日本血液学会の認定施設で
す。
 血液疾患の診断は、診察所見、検査所見をもとに行いますが、当科特有の検査とし
て骨髄検査があります。血液の中にはおおまかに赤血球、白血球、血小板の3種類の
細胞が含まれていますが、いずれも元々は骨髄で作られており、骨髄は血液細胞の工
場と言えます。血液中の赤血球が著明に減少したり、白血球が異常に増加する場合に
は、この工場の状態を詳しく調べる必要があります。
骨髄穿刺検査では、骨に中空の細い針を刺して骨髄まで進め、この針に注射器をつな
いで骨髄液を吸引採取します。巷では「すごく痛い検査」という噂が流れている?か
もしれませんが、きちんと局所麻酔をしますので、検査を受けた多くの方が「歯を抜
くよりはラクで、心配していたほどではなかった」と言われます。採取した骨髄液は
顕微鏡で観察し、また染色体の検査なども行います。
 これらのデータをもとに診断し、治療は学会ガイドライン等を参照しながら、それ
ぞれの患者さんに最も適切と考えられる方法を選択します。たとえば、まだ一部の疾
患に限られますが、がん細胞に特有の分子を狙い撃ちにする治療法があります。血液
内科では、この分子標的療法の導入が早くから行われてきました。2001年から慢性骨
髄性白血病ではチロシンキナーゼ阻害剤のイマチニブ(グリベック)、非ホジキンリン
パ腫では抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブ(リツキサン)が使われるようになり
、治療成績は著明に向上しました。その後も次々と新規薬剤が開発されており、最新
の知見をもとに治療を行っています。また当科では治療抵抗性の造血器腫瘍に対して
は、自家末梢血幹細胞移植を用いた治療も積極的に行っています。これは予め患者さ
ん本人の末梢血中の造血幹細胞を採取・保存し、後で移植することにより、超大量の
抗がん剤投与を可能にする強力な治療法です。血液疾患は悪性でも寛解〜完治させら
れる可能性があるため、多くのケースで積極的な治療をお勧めしていますが、年齢、
合併症や治療抵抗性により根本的な治療が困難な場合は、QOL (生活の質)を重視した
治療法や緩和医療も行っています。


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    平成27年度を迎え
あらためて「ボランティアコーディネーターの意味と役割」を考える     
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 「ボランティアコーディネーター」という言葉。日本ではまだ十分浸透していると
はいえませんが、阪神・淡路大震災時にボランティアが大勢駆けつけた際、活動希望
者と現地のニーズ調整がうまくいかなかった体験をしたことで、“コーディネーター
が必要だ”という論調と認識がずいぶん広がりました。
 社会福祉協議会のボランティアセンターや民間のボランティア協会では、職名とし
て「ボランティアコーディネーター」を名乗るスタッフは珍しくありませんが、福祉
施設や病院、大学ボランティアセンターなどでも少しずつ増加しています。
ボランティア活動が、多様なスタイルの市民活動として展開されるなか、多様な分野
においてボランティアを支えるスタッフは確実に増えています。日本ボランティアコ
ーディネーター協会(JVCA)では、これらの人たちの総称として「ボランティア
コーディネーター」という呼称を使用しています。

ボランティアコーディネーターには、基本的に、次の8つの役割が求められます。
これは、ボランティアコーディネーターが所属する組織のタイプや活動分野にかか
わりなく、共通する項目です。
1.受け止める・・・市民・団体からの多様な相談の受け止め
2.求める・・・活動の場やボランティアの募集・開拓
3.集める・・・情報の収集と整理
4.つなぐ・・・調整や紹介
5.高める・・・気づきや学びの機会の提供
6.創り出す・・・新たなネットワークづくりやプログラム開発
7.まとめる・・・記録・統計
8.発信する・・・情報発信、提言、アドボカシー(擁護・代弁)

実際には、この8つの役割は、互いに関連しあっています。とくに「つなぐ」は残
りの7つの役割の中心に位置づけられるものです。
(日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)ホームページより抜粋)
詳しくはホームページをご覧ください。→ http://www.jvca2001.org/

 大阪医療センター ボランティアグループ「法円坂」は、平成9年(1997年)
1月に導入され、今年19年目を迎えています。途中諸事情により、ボランティアの
メンバーは大きく変化しながらも、少数(8人)ではありますが、導入時よりずっと
活動して下さっている方もおられます。
その間、幾度となく受け入れ側(病院)も変化しています。そのような変化の中に、
ボランティアコーディネーターの役割があります。
一口に受け入れ側といっても、医師・コメディカル関係や、看護部・事務部関係など
組織体制により、ボランティアへの理解や認識がまったく異なることがあります。
またボランティアの受け入れや対応についても異なることがあるのです。そして、外
来や入院病棟といった活動場所でも異なるのです。
 また、病院長(副院長)や看護部長(副看護部長)、看護師長といった役職者が異
動すると理解や対応が変化する場合もあります。したがって病院側の様々な関係者に
病院ボランティアへの理解を浸透させ、良好な受け入れ態勢を整え、活動が持続して
展開できるようにすることが、ボランティアコーディネーターの役割といえます。
 ボランティアグループ側にも課題はあります。病院ボランティア活動を発展させる
ためには、ボランティア個人が個々に資質を向上しながら、ボランティア同士が相互
に支援し合う仕組みが必要になります。ボランティア一人ひとりの意見を吸収しなが
ら、ボランティアグループとしてのしっかりとした意見やビジョンを持って、受け入
れ側と共同しながら作れるようになることが重要です。
 ボランティア活動がほとんどの場合、週に一度の活動(基本)となるため、曜日が
違ったり、活動場所が異なれば、ボランティア同士の交流や連携も日常的に難しくな
ります。このようなボランティア同士の交流と連携を図ることも、ボランティアコー
ディネーターの役割の一つです。また個々に活動するボランティアが何らかの問題や
課題に接したときに、相談したり、アドバイスしたり、様々な資質の向上を担うのも
コーディネーターの役割なのです。
 このような「病院側とボランティアをつなぐ」重要なボランティアコーディネート
のためにも、受け入れ側(病院)の事情と、ボランティア側の事情の双方を良く理解
したうえで、活動がスムーズに行えるように、両者をつなぎ、活動の調整を行うこと
が、コーディネーターの最も重要な役割だと考えます。
患者さんへのよりよい医療の提供、地域の人々等が利用しやすい病院にできれば素晴
らしいことだと思っています。ボランティア・患者さん・病院職員との三者共同、
ボランティアと病院職員とをつなぐ懸け橋となり意思疎通をますます密にし、利用し
やすい病院つくりのお手伝いをしたいと考えています。

◆メルマガご愛読の皆さま、大阪医療センターでは病院ボランティアを募集していま
す。病院で自ら進んで労力、時間、技術などを提供して、患者さんにやさしさとうる
おいを提供すると共に活動を通じてボランティア自身の成長にも役立つことができる
活動です。資格は特に要りません。自分自身が健康であり、優しさと何事にも積極的
に取り組む気持ちがあれば活動できます。また、活動回数は、個々のライフスタイル
に応じて決めていただいています。服装は活動しやすい服装でいいですが、ピンクや
ブルーのエプロン・胸章など用意しています。
一緒に活動しませんか。ボランティアを希望されます方、お待ちしています。
管理課ボランティア担当までご連絡ください。

電話番号 → 06-6294-1331(代表)
ボランティアホームページ → http://www.onh.go.jp/volunteer/


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      看 護 の こ こ ろ        
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                    副看護師長 塩田千佳

 暖かい日も多くなり、待ちに待ったゴールデンウィークの時期になりました。休暇
をもらえた方もそうでない方もおられると思いますが、この時期ならではの楽しみを
満喫できたらいいなと思う今日この頃です。
 私は救命センターで副看護師長となり2年が経ちました。以前は、脳神経外科病棟
や循環器・心臓血管外科病棟で勤務していました。救命センターに異動になり、一般
病棟との違いで一番戸惑ったことは、搬送されてくる患者さんの多くが突然の発症で
あり、本人も家族も全く受け入れができていないということです。そのことで、病気
と闘う準備を整えて入院される患者さんやご家族と、そうでない方とでは看護師の関
わり方が違うことでした。
 ある患者さんががんに対する辛い治療に疲れ、自ら命を絶つことを選び、当院へ搬
送されてきました。突然のことでご家族はとても動揺し、患者さんが行った行為さえ
受け入れることができていませんでした。患者さんの状態は重篤で、生死をさまよう
厳しい状況が続きました。それでも、辛うじて意思疎通が図れると「死なせて欲し
い」と訴えられました。私たちは患者さんを救いたい気持ちと、患者さんはそれを望
んでいないかも知れないという気持ちで戸惑いを抱えたまま看護していました。ご家
族も毎日面会に来ては一生懸命励まし、手を擦っていました。一時期は本当に辛く苦
しい表情をされている時期もありましたが、痛みをコントロールすることができた時
期には笑顔をみせて「ありがとう」とご家族や私たちに伝えてくださいました。それ
から一ヶ月が過ぎ、痛みは軽減できましたが全身状態の改善はみられず、患者さんは
永眠されました。
 「死なせて欲しい」と訴えられていた頃は、本人の思いに背いているようで、どこ
まで苦しい治療をするのかととても悩みましたが、患者さんの苦痛を少しでも軽減す
る関わりと同時に、ご家族の思いに寄り添い、ご家族が現状を受け入れて患者さんを
支えることができるよう関わりました。お見送りの時にご家族は深々と頭を下げら
れ、「自分たちが生きて欲しいと願うことは、ただ本人を苦しめているだけなのでは
ないかと思う時期もありましたが、あのまま亡くなっていたら後悔したと思います。
この時間があったからきちんとお別れすることができました」と話されました。
 私は、この患者さんやご家族と出会ったことで、救命センターに運ばれてきた患者
さんやご家族がこれからの人生が悔いのないものになるように、寄り添い、支えるこ
とは一般病棟と同じで、とても大切な看護だということを改めて感じることができま
した。救命センターに搬送されてくる患者さんは、病気や事故だけではなく自ら命を
絶とうとした患者さんもおられます。そのような患者さんに対する看護を私と同じよ
うに戸惑いを感じている後輩にも私の思いを伝え、これからも一緒に患者さんの大切
な人生について考え、看護していきたいと思います。


ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 朝比奈悠太

 はじめまして、研修医2年目になりました朝比奈悠太と申します。早くもこの日記
を書く当番が回ってきて、時のたつ早さに驚きを隠せません。1年前何も出来なかっ
た自分を振り返ると少しは成長したかなと思える点もある一方、まだまだ未熟で日々
勉強だなと感じる点も勿論多い今日この頃です。偉大な先輩方と内容はかなり被って
しまいますが、当院で研修し良かったと思える点を何点か挙げていきます。当院で初
期研修を考えている方にとって参考になれば幸いです。

・内科系をほぼ満遍なく回ることが出来る
→循環器2ヶ月、消化器内科2ヶ月、総合内科3ヶ月(腎・脳・血・糖・呼の5科同
時)、総合診療科1ヶ月ローテート出来ます。その代わり選択科が4ヶ月となってお
り、他院と比較するとかなり少ない印象です。人によってはデメリットと感じる方も
おられるでしょうが、初期研修医のうちは出来るだけ幅広く症例を経験した方が良い
と個人的には感じます。勿論weak point(例えば膠原病や内分泌疾患メインの症例は
当院では殆ど経験できません)はありますが、どの病院にもweak pointはあると思
います。また私のように1年目では志望科が決まってない方にもうってつけのカリキ
ュラムと思われます。

・2次救急のfirst touchは初期研修医に委ねられている
→一通り問診・所見をとって方針を立てて、帰宅か入院かの方針を初期研修医だけで
決めることが出来ます。勿論、困った時は内科・外科・心臓・脳・救急の当直の先生
方がbackに控えていただいており、いつでも相談出来るようになっています。また、
救急車の搬送連絡も初期研修医が行うのも当院の特徴でしょうか。当院かかりつけの
方が受診されることが多いので、重症な症例に遭遇する可能性は高いです。逆に言え
ば、初診の患者は少ない、特にwalk-inの初診患者は殆どいない、1次救急の症例は
少ない、などがデメリットになるかと思います。1晩で経験できる症例数は他院と比
較して決して多い方とは言えませんが、自己研鑽で幾らでもカバーは出来ると思いま
す。

・自由度が高い
→当院の研修は忙し過ぎず、暇し過ぎることもなく、と言った所でしょうか。空いた
時間を勉強に勤しんだり、指導医に教えを請いに行ったり、自分のやりたいスタイル
で研修出来ると思います。時間に忙殺されることは殆どありません。ただ、最低限の
ノルマだけこなすような感じですと物足りないですし勿体無い印象があります。各科
の指導医の方々は、皆さん教育熱心でどんな質問にも真面目に優しく教えていただけ
ます。非常にありがたいことです。

・1学年の人数が多い、研修医ルームがある
→人数が多い分、飲み会など盛大に出来ますし、何より相談出来る仲間が多いのが良
いですね。研修医ルームはふと疲れた時に帰れる場所。愚痴を言い合ったり、しょう
もないことをしゃべったり、忘年会の練習をしたり(笑)癒しのスペースですね。勿
論、症例についてああだこうだと議論している様子もよく見かけます。

・立地が最強
→梅田、難波まで約10分。谷四・谷六周辺にも良いお店がたくさんあり、グルメし
たい人には困りません(笑)

他にも挙げ出したら色々ある気もしますがこの辺で。百聞は一見に如かずといいま
す。
興味を持たれた方は是非一度見学にいらしてください。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 多和昭雄、中森正二、関本貢嗣
     副院長・看護部長 渡津千代子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 五月の食べ物といえば、「かつお」ですが、今年はまだ、初物にお目にかかれない
日が続いています。病院の隣のスーパーが本日開業です。初売りの目玉になるのを
期待しています。スーパーができ、現在その隣に職員宿舎も建築中です。病院周辺
も新しいマンションが建築中で、どんどん周囲は変わっています。新病院建築もこの
流れ乗って進んでいって欲しいものです。それでは、次号をお楽しみに。

メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。

www-adm@onh.go.jp

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