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メールマガジン「法円坂」No.169(2015/6/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



いよいよ6月21日日曜日にアドベンチャーホスピタルを開催いたします。
中高生を主な対象に病院の仕事を知ってもらおうと毎年行って参りました。
今年も看護体験、栄養指導、リハビリ、臨床検査、模擬手術、薬の調剤、
災害訓練など様々な企画を用意しています。クイズラリーも有りますので
是非お出でください。(場所:当院、開催時間:10時から15時、詳細は
http://www.onh.go.jp/event/img/adve_2015.pdfをご覧ください) 
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   メールマガジン「法円坂」No.169(2015/6/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 です
 ・就任後挨拶
 ・診療科紹介 総合診療部 
 ・『第40回“愛の夢コンサート”サマーコンサート』開催する
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す
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 メディカル・トリビューンという医療者向け情報誌の6月5日号(1)に、「5年
以内の死亡リスクを予測できるツールが開発」という記事が出ていましたので、
早速、Lancetに掲載された原著(2)を読んでみました。

 5年以内に死亡するリスクの予測値を約10項目の項目から計算する式を求めた
もので、英国人約50万人の大規模コホート研究UK Biobankに2006〜2010年に登
録されたデータを基に、スウェーデンの疫学者が発表しました。この結果は、40
歳から70歳の英国人でのリスクなので、日本人に当てはまるかは定かではありま
せん。

 ユニークなのは、分析の結果、リスク評価に有効な項目は、脈拍数や血圧値な
どの検査データではなく、自己評価による歩く速さや喫煙習慣などの生活習慣や
環境であったことです。

 男性でのリスク評価項目は、年齢、車の所有台数、同居人数、同居人の関係
(配偶者、子供、等)
、喫煙、過去の喫煙歴、健康状態の自己評価、歩行速度(速い、遅い)、病気の既
往の有無、がんの既往、心発作や脳卒中の既往、自身や配偶者・近親者の死亡や
重病の有無、身体障害者手当等の受給の13項目です。女性では、年齢、子供の人
数、喫煙、過去の喫煙歴、健康状態の自己評価、持病や身体障害の有無、歩行速
度(速い、遅い)、不安や鬱でかかりつけ医にかかったことの有無、がんの既往、
過去2年以内の自身や近親者の死亡や重病、身体障害者手当等の受給の11項目で
す。

 男女で微妙に差がある点が興味深く、生活環境におけるストレスの状況などが
評価されているように思えます。

 この計算ツールは専用サイト“Ubble UK Longevity Explorer”(3)で公開されて
います。このサイトに入り、質問に答えていくと、最後に“Ubble age”と5年以
内に死亡するリスクが表示されます。“Ubble age”とは、自分の死亡リスクと同
等の平均リスクを示す年齢です。

 私も早速試みてみました。5年以内の死亡率は3.4%であり、“Ubble age”は
55歳(54−56歳と同等)でした。私は、今、64歳ですので、“Ubble age”では9
歳若い結果となり、少し喜んでいます。

 一方、「このツールが、自身の健康に対する意識向上につながるか、あるいは、
心配性を増やすだけに終わるか、議論の余地がある。」とする意見もあります。
また、リスクが低いと自信過剰に陥る危険もあります。

 このツールの限界をわきまえた上で、興味のある方はお試しください。

1.http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1506/1506020.html
2.Andrea Ganna, Erik Ingelsson. 5 year mortality predictors in 498103
   UK Biobank participants: a prospective population-based study.
    Lancet (Published online June 4, 2015
    http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(15)60175-1)
3.http://www.ubble.co.uk/


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           就任のご挨拶     
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                   耳鼻咽喉科 科長
                   西村 洋

 本年4月1日付で耳鼻咽喉科科長として着任いたしました西村洋です。私は平
成5年に大阪大学医学部を卒業しました。久保武教授の主宰する大阪大学耳鼻咽
喉科学教室に入局しましたが、久保教授は日本の人工内耳医療の先駆者の一人で
あり、大阪大学医学部附属病院での一年間の研修の後に、大学院に進学しトレー
サ情報解析学教室で人工内耳装用者の聴覚中枢の機能を研究し、その成果が英文
の著名な雑誌に掲載されました。大学院終了後は大阪第二警察病院や大阪労災病
院で臨床研修を行い、平成15年に大阪大学耳鼻咽喉科学教室に助教として帰学
することになりました。その間、人工内耳を世界で初めて臨床応用したアメリカ
のハウス・イヤー・インスティテュートにも留学してきました。帰国後、同じ大
阪城のそばにある大手前病院に赴任し大手前病院での人工内耳手術を開始しまし
た。その後、大阪府立母子保健総合医療センターへ異動となり、母子センターで
の人工内耳治療を立ち上げました。
 前任の堀井科長が新潟大学の教授として赴任し、代わりに小生が着任しました。
私の専門分野は難聴・中内耳手術、小児耳鼻咽喉科です。今後、当院でも難聴専
門外来を開始し、人工内耳手術を始めていく予定にしております。また私と同時
に来てくれた北村医師は鼻・副鼻腔を専門としておりその専門外来を始めていく
予定です。
 堀井科長の専門分野はメマイ平衡でしたが、頭頸部癌を除く耳鼻咽喉科全領域
の治療を行っておりました。私も、原則的に堀井科長の診療内容をすべて引き継
ぐ形で診療させていただておりますので、今までと変わらず診察に来ていただけ
ればと思います。今後ともご支援・ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。


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           就任のご挨拶 
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                   腎臓内科 科長
                   岩谷 博次

 本年4月1日より当院へ赴任し、5月1日付で腎臓内科科長に就任しました
岩谷博次です。平成9年に大阪大学医学部を卒業し、大阪大学医学部附属病院、
大阪労災病院にて研修を終え、大阪大学大学院に進みました。その後大阪大学医
学部附属病院、大阪厚生年金病院で勤務の後、大阪大学にて臨床、教育、研究に
従事して参りました。臨床では、腎臓内科病棟の責任者として勤務し、EBMに基
づいた診療を心掛け、また数多くの医学生、研修医の教育も担当してまいりまし
た。以下、具体的な腎疾患に対して、これまでの私の取り組みの一部を紹介させ
て頂きます。

 IgA腎症の研究面では、初発症状として必発の血尿の原因に関する研究、また
病巣感染の根幹をなす微生物学的な要因に関する研究、また糖鎖異常という病気
の根本に関する基礎的、臨床的な研究を行い、論文に報告して参りました。臨床
面では、扁桃摘出・ステロイドパルス療法を10年以上前から取り入れ、良好な
成績をおさめて参りました。扁摘パルス療法で再発した患者さんに対しても治療
経験も有しており、IgA腎症の診療経験は大変豊富であると自負しております。
IgA腎症でお困りの際は、当院で立ち上げました“IgA腎症外来”へご紹介いた
だければと思います。
 また糖尿病・肥満と腎臓との関連について、基礎的な研究も行い論文に報告し
てまいりました。本邦で透析導入原疾患の一位を占める糖尿病性腎症についても、
減塩を中心とした積極的な集学的治療を行いたいと考えております。
 最近、多発性嚢胞腎に対して、一定の条件を満たせば嚢胞の増大を抑制する新
規治療薬が使用可能となりました。尿量が著名に増加するため、使用経験が大い
に求められる薬剤ですが、前職の大阪大学医学部附属病院病棟医長時代に比較的
数多くの症例を経験し、安全に導入をおこなって参りました。
多発性嚢胞腎でお困りの際は、当院で立ち上げました“多発性嚢胞腎外来”へご
紹介いただければと思います。当科の診療内容の詳細につきましては当院当科の
HPhttp://www.onh.go.jp/intern/jin_g/kidney_disease.html)をご覧ください。
このように、検尿異常、IgA腎症、糖尿病性腎症の精査、加療、また、腎機能低
下、慢性腎臓病(CKD)の管理から、Na、K、Caなどの電解質異常、二次性高血圧
の精査、多発性嚢胞腎に対する新規治療薬導入いたるまで、ぜひ当院腎臓内科に
ご紹介いただければ幸甚です。
今後もご指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


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     診療科紹介 総合診療部           
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                   総合診療部 部長
                   三田 英治

 4月から総合診療部長をしております三田です。近年、総合診療部の果たす役割
が増していますが、これには、病院の専門診療の高度化と患者の病態の多病化、
多様化に伴い、入院患者においては病院総合医としての診療医が求められることと、
外来においてはいろいろなニーズに的確に対応できる初診診療が重要であることが
背景としてあります。また、患者を全人的に診る研修を行うことが求められている
研修医など、医師の教育にも適切であることから、当院では2010年に小笠原充幸
医師の着任とともに和田晃医師(当時の総合診療部長、現・統括診療部長)と二人
三脚で本格的に診療科としての稼働を始めました。私はまた総合診療部の一員とし
ては新米ですので、以下は、その小笠原医師の奮闘記とも言える総合診療部の紹介
です。

■□■□■□
 最近は総合診療という言葉もだいぶ普及してきたように感じています。当院総合
診療科が本格的に診療を開始した約5年前では、家族の者でさえ「総合診療部って
なにをするところなん?」というような状況でしたが、今は「なんでも診るっての
も大変だね」くらいは言ってくれるようになりました。「なんでも診る」が正確か
どうかは別として、一つには、NHKの「総合診療医ドクターG」のようなテレビ番組
も知名度上昇に影響しているのかもしれません。
 上記番組には、当院の初期研修医もときどき出演しており、カメラの前で必死に
頭をしぼっています。なかなかがんばっているな、と思って見ていますが、やはり
ああいったものは一筋縄ではいきません。みんながいきなり正解!というのではテ
レビ番組として面白くないので(なのかどうかは知りませんが)、ひねった出題ば
かりです。
疾患の名前自体は研修医も知っている物でも、少し普通と違う症状で発症してきて
いたり、大事な情報を後半のほうまであえて出さなかったりなど・・・。わざと意
地悪をしているようにさえ見えますが、実は現実でもこのようなことはよくありま
す。いかにも他の病気のような出方で始まったり、特徴的といわれる症状がほとん
どないまま進んでいったり。その都度患者さんの状態を再評価し、一番いいアプロ
ーチを考えるには、やはり丁寧な診察や全身の包括的な病気の評価が欠かせません。
僕たちもまだまだ力不足ですし、難しい病態に常に答えを出せる訳ではないですが、
日々考えながら診療を行っています。
 また近年、社会の高齢化に伴って、入院してくる患者さんもご高齢の方が多くな
ってきていますが、その場合にも総合的な診療が必要となってきます。というのは、
そういった方々は元々いくつかの病気をお持ちの方が多く、いわゆる「common
disease」(よくある病気)にかかった場合でも、病態が非常に複雑になることがあ
るからです。心臓が悪い人、糖尿を持っている人、特殊な薬を普段から使っている
人など、それぞれの背景を考慮し、病気の関連性を考えていくと、誰にとってもベ
ストになる治療というのは存在しません。体全体の状態を把握し、そのときの条件
でもっともよい方法を考えていく必要があるのです。当院の性格上、特に急性期の
病態を中心に、救急車対応なども含めて診療にあたっています。
 まだ当院では歴史の浅い診療科ですが、病気で困っている患者さんに、少しでも
お力添えできればと思っております。
■□■□■□

 いかがですか?少しでも総合診療部のイメージをつかんでいただけたかと思いま
す。まだまだ発展途上ですので、宜しくお願いします。


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   『第40回“愛の夢コンサート”サマーコンサート』開催する     
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 平成27年6月11日、当院講堂にて“愛の夢コンサート”サマーコンサート
を開催しました。
平成9年1月、ボランティア導入時より始められたこの「愛の夢コンサート」、回
を重ね40回を迎えました。

午後7時、“皆さま今晩は〜・・・”いつも進行のお手伝いをして下さる、八田叔
子さんのご挨拶でコンサートは始まりました。そして出演して下さった音楽ボラ
ンティアの皆さまから、会場いっぱいの患者さん・ご家族の皆さまに、素晴らし
い歌声と、素晴らしい演奏を届けて頂くことができました。

 最初の奏者は、今回“愛の夢コンサート”に初めて参加して下さった、小川幸
子さん(ピアノ)と松本 今日子さん(クラリネット)。Duoでのご出演です。

オープニング曲はクラッシック『♪カノン』。ドイツの作曲家ヨハン・パッヘルベ
ルがバロック時代中頃(1680年、日本では江戸時代)に作曲、今も卒業式や
結婚披露宴のBGMで広く親しまれている作品です。
続いて『♪めぐり逢い』『♪SUMMER』『♪チャールダーシュ』の3曲を聴か
せて下さいました。
アンドレ・ギャニオンの「♪めぐり逢い」。今までに大切な人とのめぐり逢いを思
い出として、回想するようなそんなイメージで聴かせて頂きました。皆さまもい
ろんな大切な人々との出会いを、懐かしく思い浮かべながら、聴いておられたの
ではないででしょうか。
そして最後は小川 幸子さん、オリジナルの曲。バレエをイメージされた「♪ワル
ツ」と、アルゼンチン・ブエノスアイレスをイメージし作られたという「♪タン
ゴ」。とても素敵な曲を聴かせて下さいました。素敵なプレゼント、ありがとうご
ざいました。
今回のプログラムは、新旧をまじえたクラッシック音楽を中心に作って下さいま
した。クラリネットの認知度は会場の皆さまにも高かったように感じています。
皆さま、「クラリネット」という楽器の名を知り、その楽器が奏でる音色に魅力を
感じて頂けたでしょうか。
“愛の夢コンサート”に今回初めて参加して下さった松本 今日子さん、「きょう
は皆さまと短い時間ではありますが、一緒に音楽を楽しめることを本当に嬉しく
思います。ありがとうございます。」と述べられました。

プログラム2番目は『みんなで歌いましょう!』のコーナーです。曲は「♪かた
つむり」と「♪みかんの花咲く丘」。ピアノ・小川 幸子さん、クラリネット・松
本 今日子さんの伴奏に合わせ、“チョット疲れたかなー・・・”って思える方も、
ボランティアの皆さまも、そして職員の皆さまも、会場いっぱいの皆さまに歌っ
ていただきました。
外はまさに梅雨の空。「初夏を感じる・・・」選曲をして頂きました。会場の皆
さまの元気で、美しい歌声に耳を傾けながら・・・。イメージ通りの夏を感じて
頂けましたか。きっと、感じて頂けたことと思っています。

プログラム最後の奏者は、ヴァイオリニスト・松永 眞澄さん(4回目のご出演)
と、ピアノ演奏・小笹山 紀子さん。曲は『♪エストレリータ』『♪ハンガリー舞
曲5番』。馴染み多い曲を2曲、聴かせて下さいました。
ヴァイオリンを奏でる松永 眞澄さんの暗譜力と、巧みなテクニックに思わず引
き込まれてしまいます。聴き入っていたのは私だけだったのでしょうか。さぞや
お楽しみ頂けたことを感じています。
そしてソプラノ歌手・笠谷 万友美さん。『♪この道』では日本の心を、そしてエ
ンディング曲、大正浪漫を代表する画家で詩人の竹久夢二による詩歌を原詩とす
る抒情歌『♪宵待草』を熱唱して頂きました。その歌声は、力強く元気を与えて
くれました。そして清澄感に富んだ歌声に、心が洗われたような気持ちにもさせ
てくれました。会場には、口ずさんで下さった方もいらっしゃいました。

楽しい時間はアッと言う間に終わってしまいました。「きょうも良い夢を見て下
さいね!」と八田叔子さん。梅雨の季節の真っただ中、夏をチョッピリ先取りし
た感じですが、聴こえ来るそれぞれのリズムやメロディーに季節を感じ、様ざま
に情景を思い浮かべながら聴いて頂けたことと思っています。
ボランティア、そして職員皆さんからの心の贈り物“愛の夢コンサート”、会場
一杯のお客さまに聴いて頂くことが出来ました。患者さん・ご家族の心が、少し
でも和んで頂ければ私たちは嬉しく思います。いろんな方々に支えて頂きながら、
楽しさと共に心に幸せを感じたひと時でした。皆さまに感謝いたします。
次回の“愛の夢コンサート”をどうぞお楽しみに!

 「大阪医療センターメールマガジン」ご愛読の皆さまへ・・・
音楽ボランティア募集のお知らせ:当院では「音楽ボランティア」のご協力で、
年2回“愛の夢コンサート”(初夏6月:サマーコンサート、冬12月:クリス
マスコンサート)を開催しています。
患者さんと楽しい時間をご一緒しませんか。“愛の夢コンサート”で演奏ご希望
の方、また、MC(master of Ceremonies)で出演ご希望の方は、管理課ボラン
ティア担当までご連絡下さい。
・管理課ボランティア担当   → TEL:06-6942-1331(代表)
・ボランティアホームページ → http://www.onh.go.jp/volunteer/


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      看 護 の こ こ ろ        
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                    西10階病棟 副看護師長 
                    吉田 直子

 皆さんこんにちは。新緑の5月が過ぎ、季節は梅雨の衣替えの季節ですね。
もうすぐそこに夏が待っているのかと思うと、1年はとても早いものだと感じます。
私は今年で看護師10年目となり、その間を一般病棟・救命救急センターと異動し、
大半の期間を救急看護に携わってきました。急性期から回復期・慢性期にかけて経
験し、救急看護の知識・経験を深めながら成長する日々はとても刺激的で、学び多
い時間であり、今でも私の看護の原点となっています。その中でも特に印象に残り、
今でも私が励まされ続けている患者さんとのエピソードを少しお話ししたいと思い
ます。
 その患者さん(以後A氏とします)は20代の男性で、交通事故による脊髄損傷で
下半身不随の状況となり入院されました。私は受け持ち看護師として関わることと
なり、その時点でA氏には一生車椅子生活になるであろうという後遺障害の告知は
されていたのですが、本人の病気に対する受け入れについてはわからない状況でし
た。同世代ということもあり、他愛のない会話は非常に弾むのですが、笑顔の中に
もどこか「心ここにあらず」の表情で、下肢が動かないことへの発言を控えるA氏
を見るたびに、今どのような思いを抱えているのか、どう関われば障害と向き合う
手助けになるのかを考えました。またご両親も、本人を励ましたい一心で車いすス
ポーツのDVDなどを準備されていましたが、A氏が見ることを拒否されていました。
そのような中、車椅子乗車に挑戦することとなり、介助しながら車椅子へ移動し、
1ヶ月ぶりに座ることができ「忘れていた景色です。すごい。僕今座っていますね。
できることってあるんだ。ずっとベッドの上だと思っていました。」と感動し喜ばれ
ました。その後、飛躍的にリハビリは進み、運転免許を取得し見事に社会復帰を果
たされました。
リハビリ病院に転院した後も一喜一憂しながらも前を向いて生活していること、初
めて車椅子に座ったあの日に、自分の中で新たな可能性が開き自信になったことを
時々病院を訪ねてきて語って下さいました。たった一度の車椅子への移動の介助が、
A氏の障害を受け入れるきっかけとなったのです。A氏は感謝をしてくださいました
が、半身不随という障害を受け入れ努力し続け、これからも頑張ろうとしている
A氏の姿に私自身が励まされました。看護という仕事は対人間であり、様々な相互作
用があると思います。看護ケアを提供する中で、患者さんから私たちが頂くものも非
常に多く、その1つ1つが私にとって今後の成長や可能性につながる財産なのだと思
います。
 このような貴重な経験を通して、患者さんから学び・励まされながら、今は副看護
師長として新たな分野の看護に携わっています。新しい環境で疾患や看護についてわ
からないことも多いですが、新たな発見もあり楽しく仕事に取り組んでいます。これ
からも日々成長し、患者さんへよりよい看護を提供できるよう頑張りたいと思いま
す。
 
ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 池知 景子

初期研修医2年目の池知景子です。
 私は循環器内科、救命、小児科、消化器内科、内科、外科とローテートさせて頂
き、
来月から総合診療科を回らせて頂きます。どの科でも、多くの先生方にとても丁寧に
教えて頂き、楽しい研修生活を送らせて頂きました。あまりに楽しいため志望の科が
増えてしまい、来年からの選択に困っております。
 国立大阪の研修の最も良い点は、自由度が高い事だと思います。臨床に興味がある
人、研究に興味がある人、自分の時間を大切にしたい人、価値観は様々ですが、自分
のペースで計画を立てることが可能です。研究や発表にチャレンジしたい人には一流
の先生方が指導して下さいますし、ベットサイドで多くの患者さんを診たい人はいく
らでも機会を増やす事ができます。先生方、コメディカルの皆さんは皆大変優しく、
熱心に指導して下さいますので、やりたい事があれば大概叶えてもらえる恵まれた環
境です。日々の生活は慌ただしく、気づいたら1年が過ぎていましたが、振り返ると
あまりに恵まれた環境であったことに驚くばかりです。
 同期は16人、歯科の先生も含めて17人ですので、皆でわいわい楽しく過ごせる事
も特徴です。研修生活が残り1年もないと思うと早くもセンチメンタルな気持ちにな
りますが、あと1年大切に過ごしていきたいと思います。

臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 多和昭雄、中森正二、関本貢嗣
     副院長・看護部長 渡津千代子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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そろそろ梅雨入りですね。松尾芭蕉の「五月雨を集めて早し最上川」は旧暦6月
に作られ、五月雨は梅雨のことで夏の季語だそうです。ご存知でしたか。たまた
ま目を通した新聞に書いてありました。
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。

www-adm@onh.go.jp

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