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メールマガジン「法円坂」No.170(2015/7/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



  あちこちで夏祭りのお囃子を耳にする機会が増え、山車の試験引きには立ち止まっ
て見入ってしまいます。今年も暑い夏がすぐそこにやってきています。新聞やテレビ
で熱帯夜や真夏日という言葉が連日のように報道されています。適度な水分補給と室
温管理を充分におこない疲れを残さない工夫をしていきましょう。今月号のメルマガ
をどうぞ。
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   メールマガジン「法円坂」No.170(2015/7/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 です
 ・就任ご挨拶
  ・アドベンチャーホスピタルin 大阪医療センター
 ・小児科病棟の子ども達に素敵な絵本を届けませんか!
  ボランティアグループ「絵本サークル どんぐり」のご紹介 
 ・診療科紹介 感染症内科
 ・看 護 の こ こ ろ
  ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す
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 当院のホームページの表紙が変わったことにお気づきでしょうか。7月1日から新
しい表紙になっています。中味も同時に刷新したかったのですが、あまりに内容量が
多いので、順次、更新しています。しばらくお待ちください。

 ホームページの更改は永年の懸案でありながら、なかなか手が付けられずにいまし
た。昨年から関本副院長が中心となって刷新を進めてもらい、第一段にたどり着いた
次第です。

 さて、この刷新作業にからみ、昔の記事の整理を行いましたが、その中で、2002年
7月に公表した記事が出てきました。昔のホームページの臨床研究部の所に掲載され
ていたものです。「ジョンンズ・ホプキンス大学医学部の臨床試験」というタイトル
ですが、それから10年以上経った今、もう一度読み直してみると、いろいろ、考えさ
せられることがありましたので、今月はそのことを書きます。

まず、2002年7月の文章をお示しします。

  ジョンンズ・ホプキンス大学医学部の臨床試験
  本年7月28日からの1週間に、アメリカ合衆国コネチカット州コネチカット大学で
開催されたゴードン会議「心臓制御機構」に出席し、次いで、メリーランド州ボルチ
モア市のジョンズ・ホプキンス大学を訪問し、臨床試験の実態について
Institutional Review Board(IRB:倫理委員会)の担当者や臨床試験の実施担当者
と意見交換を行った。ゴードン会議は最新の研究成果が公表されることで極めて評価
の高いクローズドの会議であるが、内容は基礎並びに臨床心臓病学の専門的な話題で
あるので、本稿では、ジョンズ・ホプキンス大学医学部での臨床試験に関わる事柄を
報告する。
 現在、私は国立大阪病院の治験管理センター長を兼任しており、治験のみならず、
臨床試験全般における日米間のシステムの差に興味があったので、今回、特に、臨床
試験に関わるスタッフと面談すべく、多くの方と予定を調整した。しかし、夏期休暇
中の人が多く、実際に会えたのは、内科部長ワイスフェルト教授、循環器科長マーバ
ン教授、IRB委員長リットマン教授、臨床試験ユニット長ドブス教授の4名であっ
た。
  ワイスフェルト教授、マーバン教授からは、現在の米国における治験・臨床試験の
一般的枠組みと現状、循環器領域における臨床試験の中心テーマ、これらの情報の収
集法等について示唆を受けた。アメリカの臨床試験では、従来は試験実施医療機関に
は国内の施設のみを加えていたが、最近はヨーロッパやアジアの病院を加え、データ
の国際比較を行おうとする試験計画が増えているそうである。今後、治験のみなら
ず、臨床試験でも国際共同研究が増加すると思われた。
 米国では、治験のみならず、公費で行われる臨床試験にGCPが適用され、FDAが治験
に関する実地調査を行うように、Office for Human Research Protection(OHRP)が
臨床試験に関する監督を行っている。ジョンズ・ホプキンス大学では、昨年夏、喘息
の臨床試験において被験者となったボランティアを死亡させるという事故を起こし
た。これに対し、OHRPは全ての臨床試験を直ちに停止させ、当時実施されていた
2,700件の臨床試験を再点検するよう命じた。その結果、約3割のプロトコールに問
題点が指摘され、これらの試験は中止された。また、OHRPはこのようなプロトコール
上の問題の見逃しが生じたシステムを改善するよう、指導を行った。
 リットマン教授は、この臨床試験体制の改善を指揮し、OHRPとの対応にあたった方
で、OHRPから受けた指導、それに対する大学側の改善事項等につきお話いただいた。
例えば、事件前にはIRBは1つであったが、過重な負荷の結果、今回の事件の発生を
未然に防げなかったとの反省から、現在、IRBを4つ設けていることや、複数のIRBの
運営法等、今後、参考になると思われる事柄が多数あった。
ドブス教授は内分泌学の専門家であり、臨床試験ユニットを組んで、多くの治験・臨
床試験を行っている。ジョンズ・ホプキンス大学における臨床試験ユニットの運用上
の問題点について情報の提供を受け、当院の治験管理センターの運用との対比を議論
し、今後の相互の交流について話し合った。
今回の訪問では、臨床試験における倫理性を保証するシステムの構築の重要性を改め
て認識させられ、そのための具体的方法ついて知り得た。一方、試験ユニットの運営
では、両国間の雇用形態の相違が原因とはいえ、当方のシステムの優れている点が認
識された。
 国内でも、一部の臨床研究では、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指
針」や「疫学研究に関する倫理指針」により、倫理委員会の審査が求められている。
今後、臨床研究全般にこのような事前審査が必要になると考えられるが、その際、倫
理委員会の業務が過大となり、実効性に疑問が生じる。今般、アメリカでの一例であ
るが、この問題への対処法を知り得たことは、今後の国立病院・療養所における臨床
研究の推進に役立つと考えられた。

 まず、最近の治験・臨床試験は国際共同研究が当たり前になっていますが、2002年
頃はグローバル化が始まりだした頃であり、その後、アメリカにおいても国際化が急
速に広がったことが認識できました。

 アメリカでは、このジョンズ・ホプキンス大学での事件をきっかけに、被験者を保
護する体制が、まだ、不十分であったことが認識され、その後の改善に繋がりまし
た。わが国では、最近の臨床試験に関する不適正事案が多発したことで、臨床研究に
関わる倫理指針が強化され、法制化が検討されていますが、約10年の差があります。
アメリカでは被験者保護のためにOHRPが設置されていますが、わが国でも同様の体制
が必要ではないかということが言われ出しています。

 また、「臨床研究に関する倫理指針」が制定されたのは平成16年(2004年)であ
り、2002年にはまだ臨床研究全般に関する倫理性の審査を義務づけるものはまだあり
ませんでした。その必要性を感じ、審査体制についても考え出していたことが判りま
す。

 今回、13年前の文書が「掘り出され」、それをあらためて読むことにより、当院に
おける臨床研究の管理体制の原点を振り返ることができました。手前味噌で恐縮です
が、ホームページの更新にあたり、思わぬ余録がありました。


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           就任のご挨拶
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                   事務部長
                                     宮本 博之

 この度、7月1日付けで京都医療センターから赴任して参りました事務部長の宮本
博之です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 以前、大阪医療センターの企画課で2年間勤務していましたので、7年3か月ぶり
の勤務になります。
 大阪医療センターを含む法円坂近隣の勤務としては、近畿地方医務局、近畿厚生
局、近畿グループを含めると17年以上の勤務となります。懐かしく感じる次第で
す。
 ここ数年、年老いた母が田舎で少しだけ百姓をしていることと、実家の管理のため
に時間があれば手伝いに帰っています。これまで体力仕事は行ってこなかったため、
この年になって身体が悲鳴を上げていますが、都会で長いこと暮らしているとたまの
田舎暮らしもいいものと感じています。(年のせいでしょうか?)
 国立病院機構ついては独立行政法人へ移行し12年目を迎え、また、平成27年4
月からは非公務員型の法人となりました。当院も病院更新築という最大のプロジェク
トがあり大阪医療センターを利用される患者さんや、ご家族の皆さんに喜んでいただ
ける様な病院になるように努力をしていきたいと考えています。皆さん、どうぞよろ
しくお願いいたします。


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     アドベンチャーホスピタルin 大阪医療センター
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                      副院長   関本 貢嗣

 6月21日にアドベンチャーホスピタル in 大阪医療センターを開催しました。

 アドベンチャーホスピタルは主に中・高校生を対象として、病院で働いている様々
な職種を紹介し模擬体験してもらうイベントです。病院の仕事に興味を持ち将来の職
業として希望する若者の増加を願って2009年から開催してきました。
 病院は非常に多くの職種で運営されています。例えば大阪医療センターでは、医
師、看護師、薬剤師、放射線技師、検査技師、理学療法士、作業療法士、言語療法
士、心理療法士、栄養士、MSW(医療ソーシャルワーカー)、DMAT(災害派遣医療
チーム)、CRC(治験コーディネーター)、そして様々な専門知識を持つ事務職などが
働いています。また臨床研究センターでは再生医療の研究も行っています。アドベン
チャーホスピタルでは、こういった職種の仕事・活動内容を単に紹介するだけでなく
実際に体験できるように工夫を凝らした企画を用意しています。
 例えば、薬剤部では薬の調合を経験します。小さなお菓子を薬に見立てて、袋に密
封する作業ですが、毎回列をなすほどの人気です。臨床研究センターでは山中教授が
ノーベル賞を受賞し非常に注目を浴びているiPS細胞を実際に顕微鏡で見てもらいま
す。手術体験は本当の手術室で本当の手術器具を用います。DMATでは瓦礫の下の被災
者を救援します。他にも、乳がん検診、血管カテーテル治療、心理検査やリハビリ経
験など他には無い企画が盛りだくさんです。さらに院内の食堂にも協力して頂き、当
日は安価に食事をできるようにするなど、病院挙げての取り組みとなっています。
今回は前日から雨が降って参加者が少ないのではないかと心配していましたが、たい
へん盛況でした。また直前にNHKからの取材依頼があり、ニュースで紹介されるなど
のサプライズもありました。
 アドベンチャーホスピタルは毎年6月の日曜日に行います。読者の皆様には中高生
のお子さんがおられましたら是非ご紹介ください。多くの若者がアドベンチャーホス
ピタルで病院のことをより深く知ってもらえればたいへんうれしいです。


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     診療科紹介 感染症内科           
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                   感染症内科 科長
                   上平 朝子

 日頃より皆様には大変お世話になり有り難うございます。感染症内科について紹介
をさせて頂きます。
 当科は、当院が平成9年4月にエイズ治療における近畿ブロック拠点病院に選定され
ことをうけ、総合内科内に診療グループとして新設されました。平成16年12月から
は、免疫感染症科として独立した専門外来で診療を行うようになり、平成21年7月に
は、感染症内科となりました。当院は、エイズ治療の近畿地方ブロック拠点病院であ
り、診療、研究、情報発信、教育研修の4つの機能を求められています。HIV/AIDS先
端医療開発センターのホームページ(http://www.onh.go.jp/khac/)もご覧くださ
い。
 当科の診療内容は、HIV感染症の診療が全体の9割近くを占めていますが、一般感染
症(一類、二類を除く)の診療にも力を入れていきたいと考えています。
 診療体制は、医師、HIV看護コーディネーター、薬剤師、臨床心理士、ソーシャル
ワーカー、情報担当職等からなるチーム医療で患者さんの診療を行っています。ま
た、HIV感染症は全身疾患であり、全科でHIV感染症の患者さんの診療を行う体制で
す。どうぞ安心してお越しください。
 日本のHIV/AIDS患者は、毎年1,000人以上の新規感染患者が報告されており、
24,000人を越えました。当院は、西日本で最も多くのHIV感染症の患者さんを診療し
ており、毎年1年間で200名前後の新規の患者さんが受診され、HIV感染症累計患者数
は2900名を越えています(平成27年3月末現在)。
 HIV感染症そのものに対する治療は、抗HIV療法と呼ばれ、複数の薬剤を組み合わせ
て服薬します。この治療によりHIV感染症は治療できる疾患となり、服薬を継続しな
がら、普通の生活ができるようになりました。2011年には、抗HIV療法を早く開始す
ることが、患者さんの病状を改善し、予防にもつながることが明らかになり、現在、
全てのHIV感染者に抗HIV療法を開始することが推奨されています。また、近年の抗
HIV薬のめざましい進歩により、錠剤の合剤化も進み、1日1回1錠の服薬で治療が
できる時代になってきました。
 2014年、国連の合同エイズ計画(UNAIDS)では、HIV陽性者の90%が自らのHIV感染
を知り、そのうちの90%が抗HIV治療を受けられて、さらにそのうちの90%が抗HIV治療
によってウイルス量を低く抑えられるようにすること、90-90-90を大きな目標として
掲げました。
 私たちも、一人でも多くの患者さんが適切な医療を受けられるように、安心して治
療を続けられるように診療を行っています。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げ
ます。


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   小児科病棟の子ども達に素敵な絵本を届けませんか!
  ボランティアグループ「絵本サークル どんぐり」のご紹介    
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 大阪医療センターボランティアは、1997年1月に導入され、今年19年目を迎
えました。外来・入院患者さんの院内案内や、医療情報の提供、院内外の環境緑化、
音楽コンサートの開催など、患者さん・ご家族が病院で快適に過ごせるよう日々活動
しています。
  現在、小児科病棟では「綿の花 えほんの会」と「絵本サークル どんぐり」の二つ
のグループに、絵本の読み聞かせを主体に、入院中の子どもたちに素敵な絵本を届け
ていただいています。きょうはボランティアグループ「絵本サークル どんぐり」代
表・畑中 一美さんの活動を通じての手記をご紹介します。

『絵本サークル どんぐりの活動に思う』

「絵本サークル どんぐり」と名前を改めて1年。また、新たな気持ちで活動してい
ます。
小児科病棟の子どもたちに絵本を通して少しでも楽しい時間を過ごしてもらえれば
と、絵本の読み聞かせ、紙芝居、パネルシアター、エプロンシアター、手遊びなどを
しています。
1歳にもならない赤ちゃんが、絵本を見て手足をばたつかせて喜んでくれたり、ゲー
ムで遊んでいた男の子がゲームを止めて聞いてくれたり(もちろんゲームに夢中で断
られることもありますが・・・)、高学年の子どもたちが長いお話を一所懸命聞いて
くれたりと、子どもたちとの関わりの中で、こちらが和ませてもらったり元気をもら
う場面が多々あります。
治療で泣いていた子が、絵本やペーブサートを見て泣き止んでくれた時や、おうちの
方が側にいなくて、寂しくしている子が笑顔になってくれた時は、“ほっ”として本
当に嬉しいです。
病室という特別な空間の中での活動ですので配慮しなければならないこともいろいろ
あります。無理強いはしないこと。別の遊びをしたかったり、おうちの方とお話をし
たかったりする時は、その時の子どもの気持ちを優先します。
少し大きい子になると、逆に私たちに気を遣ってしんどいのに無理をして聞いてくれ
ることがあるので、常に子どもたちの表情や顔色には気を付けるようにしています。
読み聞かせの後には、絵本の貸し出しもしています。治療中で読めなかった子どもに
もおうちの方が選んで借りてくださったり、おうちの方自身が借りてくださったりも
します。
子どもたちがよい絵本に出会うお手伝いが出来て、絵本に興味を持ってもらうきっか
けになれればと思っています。
子どもたちが退院した後に、どこかで私たちが読んだ本に出会って、「病院で絵本の
おばちゃんに読んでもらった本や!この本おもしろかったなあ。」と少しでも思い出
してもらえたら嬉しいです。
今後、わずかでもレベルアップが出来るよう、日々頑張っていきたいと思います。
                 「絵本サークル どんぐり」代表 畑中 一美

  子どもたちの大好きな絵本の読み聞かせ・・・保育士さんなら毎日のように行って
います。この読み聞かせ、子どもたちにどのような効果があるかをご存知ですか?
具体的な効果として、
・子どもの精神状態を落ち着かせる。
・幸福感をあたえる。
・脳への科学的な効果も!
・読み手の脳にも働きかける。
・好奇心のきっかけをつくる。
・多くの事が絵本から学べる。
・集団での読み聞かせが刺激になる。
などがあるようです。(「保育のお仕事」ホームページより抜粋)

「絵本サークル ぶくぶく(旧呼称)」の活動は、2006年7月より、奥田 良子さ
んをグループ代表とし、小児科病棟に入院中の子どもたちを中心に始められました。
そして昨年(2014年)4月、グループ名を「絵本サークル どんぐり」に改め、
また、畑中 一美さんを新代表として、その活動は2年目を迎えました。
2015年(平成27年)4月、スタートラインでのボランティアメンバーは10名
です。「絵本の世界で、子どもたちと楽しいひと時が過ごせて・・・そして、読み聞
かせがきっかけで、本の好きな子どもになってくれることを願って、ボランティア活
動をしています。」
「一生懸命絵本を見てくれる眼差しを感じた時、病院と言う場所で、読み聞かせが出
来ることに感謝しています。これからも、子どもたちと絵本を通して楽しいひと時を
過ごせるよう工夫していきたいと思います。」と述べられています。
「絵本の読み聞かせ」ボランティアにご興味をお持ちの方は、是非ご参加ください。
一緒に活動してみませんか。
管理課ボランティア担当までご連絡ください。
お待ちしています。

・ボランティアホームページ → http://www.onh.go.jp/volunteer/
・電話番号→06−6294−1331(代表) 


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      看 護 の こ こ ろ        
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                    西8階病棟
                    山浦 仁美

 早いもので今年も半分が過ぎ、夏空がまぶしく感じられる頃となりました。日ごと
に暑さが増してきています。皆様、熱中症などにお気を付けください。私は、国立循
環器病センターで脳卒中内科、心臓大血管系の急性期の看護を経験し、その後民間の
施設を経て平成22年に改めて国立病院機構に戻ってきました。循環器・腎臓・呼吸
器・感染症・総合診療部の混合内科を5年経験し、この4月から副師長として昇任し、
糖尿病・感染症・皮膚科・形成の混合病棟に異動となりました。今回、看護のこころ
を書かせて頂くことになり、私が、2年目の時に受け持った患者さんとの関わりの中
で感じた事をお話させて頂きたいと思います。
 Mさんは50代の働き盛りの男性であり、脳梗塞で入院となりました。入院時、手足
の痺れや脱力症状を伴い、床上安静を強いられましたが、幸いにもその後症状は改善
し、ほとんど症状が残らない状態に改善しました。しかし、その後原因精査を進めて
いく中で脳動脈瘤の存在が明らかとなり、摘出の手術を受けるのか破裂のリスクを残
した状態で経過観察するかといった選択を強いられました。私は、ただ説明後のMさ
んが心配になりお部屋に伺いました。退院し、すぐに社会復帰できると考えていたM
さんは、「びっくりした」と苦笑いしながら迎えて下さいました。そして、混乱して
いる今の思いや、社会生活から一旦離れたことで、様々な事を考えた入院であった
等、少しずつ話されました。私は、ただMさんの話を傾聴することに努めました。今
までの思いを吐き出すかのように話し終わったあと、「ありがとうね、考えてみる
わ。」と言われ、その数日後、手術はせず経過観察する方針を選択されました。意思
を固めるまでの期間、手術と経過観察することによる健康上のリスクや家庭や社会に
おける自己の役割を全うすることについて、様々な葛藤があったようです。その後、
Mさんは退院され、その当時の副師長さんから「あの時、話聴いてくれて助かりまし
たって言ってたよ。よかったね。」と伝えられました。
 当時、何一つ自信を持つ事ができていなかった私は、その言葉に大変勇気づけられ
ました。患者さんの前にただ黙って座り話を聴くことも、患者さんの気持ちに寄り添
う事であり、気持ちに寄り添う事の大切さや、患者さんが生きていく意味を考える事
を支えるのも私たちの役割の一つなのだと初めて実感できた場面でした。
 副師長として1年目でありますが、日々の忙しさや慌ただしさに流されることがな
いよう、日々振り返り、その人に寄り添う気持ちを大切にした看護を提供していきた
いと思います。また、患者さんとの関わりのなかで、このような気付きを持つことが
出来るよう、後輩育成にも努めていきたいと思います。


ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 小川 拓也

 初期研修医2年目の小川拓也です。働き始めてはや1年、毎日様々な出来事に追われ
つつ、気がつけば研修生活も半分が過ぎ去っていました。この研修医日記は過去を参
照する限り、当院での研修を視野に入れた方向けのようなので、前例にならいつつ当
院の研修で思ったことを少し書かせていただきます。
 初期研修では必修科以外に自分で研修先を選ぶ選択研修期間が設けられています
が、当院ではその期間は4ヶ月と他院と比較して少ないとされています。将来を決め
た方にとっては、将来に関連する科を選択できる自由度が減るためデメリットとされ
ることが多いようです。ただ、自分が研修していた間に感じたこととして、最初全く
興味がなかった診療科もいざ実際に研修してみると意外と面白かったりすることが
多々ありました。必須でなければ積極的に選ぶことはまずないであろう科を回ると、
最初のうちは興味もないのに休日返上で忙しかったりと辛く感じる日々でしたが、慣
れてくるとその科の魅力がわかり、できることも少しずつ増えていき、ともすれば将
来の進路の選択肢にしようかなという気分になったりもします。元々の志望科があや
ふやだと収集がつかなくなるデメリットがありますが。
 なので、必須科が多いというのも一長一短で考え方次第かなと思う本日この頃で
す。研修プランに明確なヴィジョンがないのであれば、自由選択期間が短いのはそれ
ほど悪くないのかもしれません。これ以外にも当院の特徴は多々ありますが、他の研
修医の日記を参照ください。研修先選定の一助となれば幸いです。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 多和昭雄、中森正二、関本貢嗣
     副院長・看護部長 渡津千代子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 一雨ごとにボランティアさんたちの手入れの行き届いた「ひまわり」がぐんぐん大
きくなってきました。花壇の朝顔も立派に咲き誇っています。花には癒しと共に元気
づけられます。
ボランティアの皆様、いつもありがとうございます。医療人も花のようにありたいで
す。
では、次号にお会いしましょう。

メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。

www-adm@onh.go.jp

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