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 メールマガジン「法円坂」No.177(2016/2/16)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



  つい先日、ゴルフの松山選手がアメリカのトーナメントで優勝したとの報道
がありました。世界の一流選手相手に堂々とプレーする姿を見ると日本人とし
て誇らしく感じます。リオデジャネイロでのオリンピックでメダルを狙えそう
ですね。
  2月のメルマガをお送りします。
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   メールマガジン「法円坂」No.177(2016/2/16)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 です
 ・診療科紹介 麻酔科 
 ・日本病院ボランティア協会
  「2015年度1000時間活動達成表彰者」のご紹介 
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す
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 先日、日本医師会(日医)と日本航空(JAL)が提携し、「JAL DOCTOR登録制
度」を開始したとの報道がありました。機内で急病人が発生した時、医師を探
すドクターコールが行われますが、この制度は、日医が発行する医師資格証を
持ち、かつ、JALマイレージバンクの会員である医師が事前登録することによ
り、ドクターコールが必要になったとき、機内に医師が搭乗しているかを素早
く判断し、協力依頼をすることを目的にしているようです。

 私自身も、これまで、何度か、ドクターコールを受けたことがありますが、
実際に患者さんに対応したことは2回だけです。

 国際線の飛行機に乗っている時、ドクターコールを受けたことが数回ありま
すが、それぞれに興味ある経験をしました。一つは、アメリカで開催される循
環器病関係の学会に出席するために搭乗していたときですが、日本から現地に
行くにはこの便がちょうど良いということで、多数の循環器医が搭乗していま
した。ドクターコールがあったとき、10人以上の医師がぞろぞろと名乗り出
て、アメリカの航空会社でしたが、フライトアテンダントが「こんなに大勢の
医師が応答したのは初めてだ」と驚いていました。お互い、顔見知りの人ばか
りでしたから、後で「ドクターコールに応じなかった」と悪い評判が立つのが
怖くて(?)、ほとんどの循環器医が応答したのかもしれません。この場合は、
患者さんが英語しか話せないということで、名乗り出たアメリカ人の医師が対
応することになりました。

 また、これもアメリカの航空会社ですが、30年以上前はドクターコールに
名乗りでても医師の資格の確認はありませんでしたが、15年ぐらい前から、
名乗り出た際に医師である証明書の提示が求められるようになりました。当院
の身分証明書は、たまたま、日本語と英語の両方で記載されていたので、これ
を見せて了承されましたが、日本ではこのような資格を示す証明物があまりな
いので、名乗り出ても断られる可能性があります。今回の制度では、日医の医
師資格証を携行することが一つのポイントになっているようです。

 新幹線でもドクターコールがありました。京都に出張中の方が胃のあたり
(心窩部)の痛みがあるので出張を切り上げ、横浜の自宅に戻るため新幹線の
ぞみに乗られたようですが、名古屋を過ぎたあたりから痛みがひどくなり、車
掌に申し出られたのでドクターコールになったようです。診察したところバイ
タルサインは落ち着いており、心窩部痛もある程度自制できるということで、
結局、新横浜まで行き、ホームで救急隊に引き継ぎました。国際線の飛行機で
は太平洋上ではどこにも降りられないので、機内での対応となります。しかし、
新幹線の場合、途中駅で緊急に臨時停車できますから、どの時点で停車するか
が重要になってきます。車掌さんも「緊急停車しましょうか」と訊いてこられ
ます。次の駅で止めて救急隊に引き継ぐのが当然と思われるでしょうが、次の
駅の近くに病状に適した病院があるとは限りませんし、入院となった場合、自
宅から遠い病院だといろいろ不便なこともあります。このケースでは、病状と
新横浜到着までの時間を考え、新横浜まで行く方がよいと判断した次第です。

 ただ、新幹線にはAEDは積んでいますが、救急キットには血圧計もなく、
バイタルサインの判断も脈の触診が頼りという心細さがありました。JALでは、
AEDはもちろん、2016年1月からはパルスオキシメーターや電子血圧計も積
んでいるそうです。また、ドクターコールに応じた医療従事者の賠償責任を担
保する保険に加入しているそうです。

 ドクターコールに応じた場合の責任については、「善きサマリア人の法
(Good Samaritan laws)」が適用されると言われています。「善きサマリア
人の法」とは、「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救
うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができるこ
とをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という
趣旨の法です(ウィキペディアより)。しかし、我が国にはこのことを明文化
した法がなく、これまでにもトラブルになった事例はあるようですので、ドク
ターコールを実施する会社は賠償責任保険に加入していただいた方が、対応す
る医療者としては安心です。

 休暇を取って家族と旅行に出かけても、ドクターコールがかかると対応する
ことも求められる。医療職は、やはり、たいへんです。


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     診療科紹介  麻酔科           
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                         麻酔科  松田 智明

 大阪医療センター麻酔科は、日本麻酔科学会が認定する麻酔科指導医・専門
医・認定医を中心とする常勤医12名、非常勤2名、後期研修医(専修医)2名で
構成され、年間約3000〜3500例の周術期麻酔管理を行っています(平成26年4月
現在)。
 私たち麻酔科医は、安全で質の高い麻酔管理の提供と、ストレスの少ない術後
回復を目標に掲げています。その目標を実現するために、術前から外科系医師と
綿密な検討を重ね、術前評価や麻酔管理を計画し、術中麻酔管理だけではなく、
術後疼痛管理の充実にも力を注いでいます。
 私たちのモットーとしましては、1つ目は「麻酔は、うまくいって当たり前」、
ということです。なぜなら、患者様は麻酔を受けるために病院を来るわけではあ
りません。手術を受けるために、やむを得ず麻酔を受けるのですから、麻酔でト
ラブルがあれば大変です。つまり、麻酔はうまくいって当たり前なのです。その
ために、予測される合併症や術後の不快な事柄が起きないように、絶えず注意を
払っています。
 2つ目は、「手術の傷は痛くない」、ということです。なぜなら、手術自体は
成功しても、目が覚めたら痛くてたまらないということでは、苦痛というだけで
はなく、合併症を併発しやすくなったり回復が遅れたりすることにも繋がります。
 私たちは、早くから硬膜外鎮痛法を導入し、効果と副作用のバランスを考えな
がら、薬の種類や投与法の検討を重ね、質の高い鎮痛を図っています。その結果、
早くから座ったり立ったり歩いたり出来るなど、患者様の「生活の質(QOL)」
が目に見えて改善しています。
 以上のように、私たち麻酔科医は、患者様の手術中の安全を守るとともに、手
術後の速やかで快適な回復につながる麻酔管理を絶えず心がけてします。今後と
も、宜しくお願い申し上げます。
 


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       日本病院ボランティア協会
「2015年度1000時間活動達成表彰者」のご紹介   
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 大阪医療センターボランティアは、1997年(平成9年)1月に導入され、
今年導入20年目となる節目の年を迎えました。導入後「法円坂」「患者情報
室」「園芸」を初めとする多くのボランティアグループに参加していただいて
います。外来・入院患者さんの院内案内や、医療情報の提供、院内外の環境緑
化、音楽コンサートの開催など、患者さん・ご家族が病院で不安のない快適な
毎日を過ごせるよう日々活動しています。いまも8グループ、多種多様の活動
が100人を超えるボランティア皆さまのご支援ご協力により、継承されてい
ます。
 昨年10月22日、NPO日本病院ボランティア協会「2015年度総会・
病院ボランティアの集い」が、ホテルアウィーナ大阪にて開催されました。
「病院ボランティアの集い」では、例年ボランティア活動1000時間達成者
の感謝状贈呈式が執り行われ、2014年度の達成者・223名(累計435
1名)に、協会理事長より感謝状と記念バッジが贈られました。
当院では、宮野 誠さん(法円坂グループ)と澤田 悦子さん(患者情報室グル
ープ)の2名が授与され、累計達成者も34名となりました。

 この度、受賞者の澤田 悦子さんより受賞の喜びと、これまで支えてくださっ
た方たちへの感謝の気持ちや、これからのボランティア活動への思いを届けて
いただくことが出来ました。メールマガジンご愛読の皆さまに、ご紹介いたし
ます。


「ボランティア活動1000時間達成を迎えて」

                  患者情報室ボランティア 澤田 悦子

 10月22日、ホテルアウィーナ大阪で、日本病院ボランティア協会「20
15年度・病院ボランティアの集い」が開催され、1000時間活動達成の感
謝状が該当者に贈与されました。大阪医療センターから今年は、私と別グルー
プの先輩ボランティアの2名が参加しました。
 広い会場には北海道から九州まで、全国から200名以上の方々が集まり、
前方中央の壇上には、生花が飾られ華やかな雰囲気が溢れていました。理事長
の挨拶に始まり、来賓の祝辞のあと感謝状を受ける人の名前が次々と読み上げ
られ、壇上で順々に感謝状と記念バッジをいただきました。感謝状を手にした
私は、晴れがましい気持ちで一杯でした。
 私はこの病院で治療を受けたのがきっかけで、“何かのお役に立ちたい”と
患者情報室のボランティアに参加して、6年になります。
 
 患者情報室は日本で初めて、患者自身が病気や、治療方法などを学ぶために
開設された場所です。パソコンや図書、病気に関するパンフレットも多数置か
れています。パソコン操作や図書に詳しいボランティア、そして医療関係のお
仕事経験を持つボランティアの方たちが、訪れる患者さんがお知りになりたい
情報の提供などに、丁寧に対応しています。
 私は患者である以外に、何の特技もない中でボランティアコーディネーター
に助言をいただき、患者情報室のサロンの一つとして「女性のがん体験者のつ
どい(現在の女性がん患者の会・ハーブ)」を始めました。大阪医療センター
に来られるがん患者さんの悩みや不安をお聞きするために、患者同士語り合う
だけの会ですが、参加して笑顔で帰ってくださる人に出会うと、ボランティア
でお役に立てている事に喜びを感じます。
 これまで支えてくださった皆様のおかげで、無事に1000時間達成まで積
み重ねて来られた事に感謝をし、これからも患者情報室が“ほっこり”出来る
ような場所であり続けるよう頑張りたいと思います。

        
 澤田 悦子さんは、2009年(平成21年)7月より、当院でがん治療さ
れている女性患者さんやそのご家族を対象に、がん体験者のお話の場として、
患者サロン「女性のがん体験者のつどい」を始められました。また、それが
切っ掛けとなり、「患者情報室」でのボランティア活動も始められました。
 それから6年後の2015年(平成27年)7月に、ボランティア活動
1000時間を達成され、今回の病院ボランティアの集い(感謝状贈呈式)
に臨まれました。また、「女性のがん体験者のつどい」は、その間の201
3年(平成25年)4月に「女性がん患者の会・ハーブ」と改称、今も主催
者代表として活躍しておられます。
 “1000時間達成おめでとうございます”。長きにわたるボランティア
活動へのご努力に敬意を表すとともに、日々の活動を感謝いたします。今後
も数多くのボランティアの方たちが、この日本病院ボランティア協会「10
00時間活動達成者の感謝状贈呈式」に参加されることを望んでいます。
澤田 悦子さんをご紹介しました。

「患者情報室・リボンズハウス」では、人と情報をつなぐボランティアを募
集しています! ボランティアには、利用者お一人おひとりに必要な情報を
得ていただくお手伝いを、お願いしています。資格は問いません。来室され
た患者さんやご家族の方と一緒に、病気について本やインターネットを使っ
て調べたり、患者さんのお話しを聞いていただくだけでも構いません。

来室者の方が利用しやすく、“ホッとできる空間”を一緒に作ってくださる
方、少し空いた時間でお手伝いをしていただけるなら大歓迎いたします。

お問合せは、独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター
・管理課ボランティア担当    TEL:06−6942−1331(代表)
・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/
・患者情報室ホームページ  →http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html

 ボランティア希望される方のご連絡、お待ちしています。


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      看 護 の こ こ ろ        
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                 救命救急センター 集中ケア認定看護師
                 布施 ひとみ

 私は看護学校を卒業後、他施設の小児科病棟、外科病棟を経て、2001年に大
阪医療センターに就職、救命救急センターに配属となりました。現在は集中ケ
ア認定看護師の資格を取得し、CCUを経て、再び救命救急センターで勤務し
ています。
 当初は、集中治療室という環境に馴染めず、器械に囲まれた患者さんを怖々
看護していました。ある時、交通事故による多発外傷で救急搬送された患者さ
んを担当した時のことです。ご家族の面会中にその患者さんが急に暴れ出しま
した。人工呼吸器を装着しており、声が出せず、こちらの声かけにも首を振る
だけで意思の疎通が図れない状態でした。ご家族に一旦退室してもらい、医師
の指示で鎮静剤が追加投与され、落ち着いたところで再度面会してもらいまし
た。「大丈夫でしょうか?何が起こったのでしょうか?」とご家族は動揺され
ていました。患者さんは鎮静剤で眠っているため、ご本人の思いを聴くことは
できなかったのですが体の向きを変えたことで痛みが増強したことや人工呼吸
のチューブから痰を吸引したことによる苦痛があったのだと推測ができました。
ご家族へは呼吸を補助するために人工呼吸器を付けていること、チューブが挿
入されていることで苦痛を伴うために鎮静剤で眠っていることを説明して、少
し安堵の表情がみられました。
 救命救急センターへ入院される患者さんやそのご家族は予期せぬ状況で突然
の入院となり、生命に関わる不安がとても強く、ほとんどの方が現状を受け入
れられない状態です。そのため、面会時にはご家族が安心できるよう傍に寄り
添い、声かけにも配慮をします。患者さんが痛み、苦しむことでご家族も大き
な苦痛を感じます。集中治療室の患者さんのほとんどが意識障害や鎮静中で自
ら声を発することができないため、モニターの変化やアラームが患者さんの声
であり、悲鳴なのかもしれません。目に見えるもの、見えないものすべての少
しの変化を察知し、アセスメントできれば、患者さんの苦痛を取り除くことが
でき、悪化を防ぐことができるかもしれない。そして日々の看護の中で患者さ
んの安楽とは何か、ご家族の安寧とは何かと考えるようになりました。自問自
答しながら、自分にできることは何か、もっとクリティカルケア看護を学びた
いと思い、集中ケア認定看護師の資格を取得しました。今でも日々、看護をさ
せて頂いている中で患者さんから学び、育てられ、私が救われているのだと感
じています。
 
 常に患者さんとそのご家族に寄り添い、これからも声にならない声を聴くと
いう姿勢を持ち続けたいと思っています。そして、後輩と看護を語り合い、そ
れぞれの良き個性を磨き、看護の広がりにつながればと思います。

ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 庄司 絢香

 研修医2年目の庄司です。初期研修生活も残すところ2ヶ月となりましたが、
とても充実しており勉強になりました。この病院は指導して下さる先生方の数
が多く、皆さん熱心で、質問しやすい雰囲気で研修医のことを思って接して下
さいます。教科書的なことはもちろん、その先生の治療を行う時の考え方まで
気軽に教えて頂け、その理解が進むにつれ自分が今何を勉強すべきかはっきり
していくので、向上心を保ちやすいです。科によってはなかなか忙しい時期も
ありますが、それでも適度に自分の時間も残されているので、忙しすぎて勉強
できないということはほぼありませんでした。また、同期が多く、研修医室が
あってみんなで支え合ったり、時には愚痴を言い合ったりできるという環境が
あったのも本当によかったと思います。2年目になれば時間的に余裕もできて、
みんなで遊びにいったりもしました。研修先を選ぶ時には、自分の将来進みた
い科が充実しており、できれば同期が多いところがいいかと思います。学生の
方は、ぜひ一度見学にきて下さい。



                     研修医2年目 中村 彰子

 研修医2年目の中村彰子です。研修医生活ももう残り2ヶ月となってしまい
ました。この研修医日記で私の2年間の研修医生活をすこし振り返ってみたい
と思います。初めの頃は慣れない環境、慣れない仕事で毎日とても大変だった
ことを覚えています。しかし当院の研修医の数は1学年16人と多いため同期
と一緒にローテートすることができる科も多く、大変な時も一緒に乗り越える
ことができました。また、指導してくださる先生もとても優秀で優しい方ばか
りなので、とても恵まれた環境の中研修をすることができます。

 当院の初期研修ではローテートする科はある程度決まっており、自分で診療
科を選択できる期間は4ヶ月と比較的限られています。自分のすすむ診療科が
もうすでに決まっている人にとっては当院の研修システムは遠回りと感じてし
まうかもしれません。しかし、同期の中にも大学卒業時に考えていた進路と実
際に進む進路が変わっている人も多く、それは色々な診療科をまわっている当
院のシステムの影響なのではと思います。大学時代の勉強や実習と実際の現場
では異なる点が多数あり、選択肢の幅を広げることができるという点でもお勧
めできると思います。興味を持っていただけた方はぜひ病院見学にいらしてく
ださい。直接色々な先生の話がきけてマッチングの病院選びに役にたつと思い
ます。

臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 多和昭雄、中森正二、関本貢嗣
     副院長・看護部長 渡津千代子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 今年は沖縄でも雪が降るなどたいへん寒い冬となってしまいました。それで
も先日梅のつぼみが膨らみ始めているのに気づきました。
もうすぐ春です。では、また来月のメールマガジンをお楽しみに。

メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp

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