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メールマガジン「法円坂」No.178(2016/3/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 冬物のダウンやセーターを、出したり入れたりと3月半ばというのに不安定
な天気です。花粉症とインフルエンザ対策のマスクが目立ちますが、春はすぐ
そこです。今年度最後のメルマガをどうぞ。
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   メールマガジン「法円坂」No.178(2016/3/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長 楠岡 英雄 です
 ・卒業前活動 (看護学校)
 ・診療科紹介 臨床検査科 
 ・メルマガご愛読の皆さま「NPO法人 キャンサーリボンズ」をご存知で
  したか?では「大阪医療センター リボンズハウス」をご存知ですか。
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記
 
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         院 長 楠岡 英雄 で す
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 3月は卒業式のシーズンです。当院にも附属看護学校があり、先日115名の卒
業生が巣立って行きました。当校の卒業生の国家試験合格率は毎年ほぼ100%で
す。4月から働く新人看護師を100名以上輩出したことになります。

 毎年、入学式では、20世紀初頭の偉大な内科医、William Osler博士の言葉、
”Medicine is an art based on science.”(医療はサイエンスに基づいたアー
トである)を引用し、在学中にサイエンスとアートの両方を身につけるようにと
話しています。

 卒業式では、サイエンスとアートに加え、「aequanimitas(平静の心)」と
いう資質を身につけるよう、話しています。

 Aequanimitasは、オスラー博士が1889年5月、ペンシルバニア大学医学部か
らジョンズ・ホプキンス大学に移るときに行った講演で強調したもので、今で
はこの講演や講演集の題になっています。

 日野原重明先生達の翻訳が出ていますが、たいへん長い講演ですので、私な
りの要約を話しています。

 オスラー博士はこの講演で、「平静の心を持つことが医師にとっていかに重
要か」について述べています。

 医師にとって最も重要な資質は、沈着な姿勢、すなわち、どのような緊急の
事態、重篤な事態においても、冷静さと心の落ちつきを失わないことである。
重大な危機に直面しても、冷静さを保ち、何事にも動じず、感情に左右されな
いことにより、明晰な判断が下せる。

 平静さを欠いた医師、すなわち優柔不断でくよくよし、それを表面に出す、
あるいは、日常生ずる緊急事態にあわてふためき、取り乱すような医師は、た
ちどころに患者の信頼を失うだろう。

 沈着な姿勢を得るためには、幅広い経験と詳しい知識が必要である。知識を
備え、経験を積めば、何事が起ころうとも、心の平静さが乱されることはない。
それは、今後起こりうる事態とその時に取るべき行為を、十分に予想すること
ができるからだ。

 沈着な姿勢と対をなす精神的な資質が平静の心である。平静の心を持つこと
は極めて難しいことではあるが、しかし、心のあり方として必要なことである。

 オスラー博士は、医師の資質として、沈着さ、平静の心について述べていま
すが、このことは全ての医療人に当てはまることと思います。常に精神を平静
に保つこと、どのような困難な状況になっても平静の心を保つこと,そうした
医療人のみが,危機的状況にある患者を救えるといえるでしょう。

 卒業生には、この平静の心を培うよう、日々、努力していただきたいと述べ
て、式辞を締めくくっています。


 William Osler. Aequanimitus. “Aequanimitus” pp.1-11, McGraw-Hill
 平静の心 オスラー博士講演集、pp.1-19、日野原重明・仁木久恵訳、医学
 書院 2003年

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     卒業前活動 (看護学校)           
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                     大阪医療センター附属看護学校 
                     第67回生 久森 夏菜

 私たち67回生は、大阪医療センターの職員の皆様のご支援・ご指導をいただ
き、3月8日に、115名全員が卒業することができました。
 卒業前に、3年間講義や実習でお世話になった大阪医療センターに、感謝の
気持ちを形にして伝えたいと思いました。
 そこで、患者様の入院生活や看護に役立つものについて、実習の中で気づい
たことから考えようと学生たちで話し合いをしました。そのなかで、テレメト
リー式心電送信機を使用している患者様が「何か入れるものがあれば、動きや
すくなるんだけどね。」とおっしゃっていたことを思い出し、テレメトリー式
心電送信機用のポシェットの作成を計画しました。患者様の安全性を考え、生
地はキルティングを選択し、色は性別や好みなど多様な方々に使用していただ
けるようにピンク・ブルー・黄色の3色にしました。異常がすぐ発見できるよ
うにモニター値を示す位置に小窓を設け、看護師さんも安心できる形としまし
た。12月から作成にむけて取り組み、1つ1つ思いを込めて手作業で計63個作成
しました。このポシェットを利用することで、テレメントリー式心電送信機を
利用される患者様の活動範囲が広がり、リハビリテーションに集中して取り組
め、より入院生活が過ごしやすくなれば幸いです。(写真)
 また、清掃活動による環境整備も行わせていただきました。病院の1階・2
階の窓や椅子、患者さんが使用される車いすなどを清掃させていただき、病院
に受診に来られた方々が快適に感じられるように環境を整えることができまし
た。(写真)
 災害時にベッドになる椅子を広げるということも初めて経験できました。
災害に備えて、いつでも使用できるように整備しておく必要性にも気づくこと
ができました。
 終了後に副看護部長さんから「臨床の場に出ても、環境整備をすることは大
切であるためこれからも続けて下さい。」という言葉をいただきました。この
言葉の意味は、本当に3年間の実習でも実感したことです。
物品の整理整頓、清掃等就職後も環境整備を確実に行い、患者様の安全を守っ
ていきたいと思います。
これらの活動は、病院の方々のご協力もあり、無事に実施することができまし
た。ありがとうございました。

 今年は4月に、48名の学生が大阪医療センターに就職させていただきます。
今後も常に感謝の気持ちをもって、私たち1人1人が主体的に動き、患者様、ご
家族を第一に考えた看護をしていきたいです。

ポシェットと清掃活動・・・
http://www.onh.go.jp/mail_magazine/sotugyomae.pdf

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     診療科紹介  臨床検査科           
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                      臨床検査診断部長 眞能正幸

 臨床検査科は、外来検査部門、総合検査部門、微生物検査部門、生理検査部
門、病理検査部門、の5部門で構成されています。そこでは、専任医師4名、
臨床検査技師40名、助手3名が勤務しており、病院内では大きな組織の一つで
す。

 外来検査部門や生理検査部門以外では直接的に患者様とは接する機会がなく
わかりにくい診療科ですが、診療に必要な客観的なデータを臨床医や患者様に
迅速に提供している診療科で、病院の医療の質に貢献する重要な診療科のひと
つです。

 当科では、これまでも、「精度保証されたデータを迅速に提供すること」を
使命として、日々の業務を実施してきましたが、平成26年11月13日に、その証
として、臨床検査の国際規格であるISO15189を取得し、国内第86番目の認定施
設として登録されています。

 外来検査部門では、採血から結果報告までを臨床検査の精度管理と考え、臨
床検査技師5名と看護師1名が担当し、6ブースで採血を実施しています。ま
た、尿や便潜血の検査、便の中に原虫や虫卵がいないかどうかの検査も行って
います。

 総合検査部門では、採血室や病棟から提出された血液をはじめとした体液中
の成分を各分析機器で検査しています。二交替勤務と輸血管理当直をはやくよ
り導入し、休日・夜間を含む24時間の検査の実施と、輸血管理に対応していま
す。

 微生物検査部門では、臨床検体からの細菌やウイルスの検査を行っています。
今流行しているインフルエンザに感染しているかどうかの検査も行っています。
病原菌に対してどの抗菌薬がよく効くのかの検査や、肝炎などのウイルスに関
する検査も行っています。また、感染コントロールチームの主要メンバーとし
て中心的役割を果たし院内感染防止に貢献しています。

 生理検査部門では、患者様の身体に直接触れて検査する生体検査を行ってい
ます。心電図検査・呼吸機能検査・超音波検査・脳波検査・神経伝導検査など
の検査を実施しています。超音波検査については、積極的に人材育成を実施し、
エコーセンターとして臨床科の要望を調整し、実施件数の増加に努めています。

 病理検査部門では、患者様から採取された組織や細胞を検査し、癌かどうか
や炎症の程度などを診断しています。今放映されている病理医を主人公にした
テレビドラマをご覧になった方もおられると思います。ドラマでは、臨床医も
病理医もデフォルメされていて、思い込みの激しい臨床医と変わった病理医が
対立するような関係に描かれています。特にカンファレンスでは十分な検討が
なされていないように描かれている点が気になります。当センターでは各種の
臨床病理カンファレンス(乳腺腫瘍、呼吸器腫瘍、皮膚科疾患、肝胆膵腫瘍、
骨軟部腫瘍等)が開かれていますが、臨床医や病理医のみならず、放射線診断
医や放射線治療医、疾患によっては細胞検査士、薬剤師や看護師もカンファレ
ンスに参加し、症例ごとに検討を行い、診断や治療方針の決定を行っており、
お互いに最良の医療を提供できるように診療の質の向上に努めていますのでご
安心いただければと思います。ドラマでも描かれているとおり、確かに病理専
門医は少ないですが、当院には常勤病理専門医が3名勤務しており、さらに、
外部から5名の病理専門医を招聘し、合計8名の病理専門医による精度の高い
病理診断を行っています。

 臨床検査科では、今後もISO15189認定施設としてマネジメントシステムに沿
って運営することで当院の医療の質の向上に貢献していきますので、よろしく
お願いいたします。


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          メルマガご愛読の皆さま
   「NPO法人 キャンサーリボンズ」をご存知でしたか?
  では「大阪医療センター リボンズハウス」をご存知ですか?   
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 2016年3月13日、厚生中央病院(東京・目黒区三田)にて、「リボン
ズハウス・ネットワーク会議」が開催されました。
リボンズハウス間の情報共有と、NPO法人キャンサーリボンズ事務局と各リ
ボンズハウス、そしてパートナー企業の皆様との連携強化のための「リボンズ
ハウス・ネットワーク会議」も今回で第6回を迎えました。
NPO法人キャンサーリボンズはいち早く「がん治療やがん患者さんを支える
生活支援」を掲げ、2008年6月に発足しました。リボンズハウスは、20
16年2月末現在、全国21ヵ所に設置されています。

「NPO法人 キャンサーリボンズ」とは・・・
わが国では、男性の2人に1人、女性の3人に1人が、一生涯にがんに罹患す
ると言われています。がんは全ての人にとって他人事ではありません。多くの
がん患者さんは、治療だけでなく、治療中および治療後の“生活”に不安や悩
みを抱えています。症状や副作用のケア、食事や栄養、美容面のケアなど、
「治療と生活」をつなぐ情報が求められています。この現状を受け止め、私た
ちはがん患者さんやそのご家族、ご友人の皆様を支援するNPO法人キャンサ
ーリボンズ(以下、キャンサーリボンズ)を設立しました。
“キャンサーリボンズ”という名前には、患者さん、がん医療やヘルスケアに
携わる多くの専門家、がんの早期発見や予防に関する啓発活動に従事する方な
ど全ての人が活動を通してリボンで結ばれ、つながっていけたら、という想い
が込められています。すべての人が誰かを支え、誰かに支えられる、そんな、
特定の誰かに負担のかかることのない新しい関係が、よりよい「治療と生活」
を実現すると考えています。
キャンサーリボンズではがん患者さんの「治療と生活」をつなぐ、様々なプロ
ジェクトをおこなっています。人々が集う「RIBBONS HOUSE」
(リボンズハウス)を実践の拠点とし、テーマに沿って以下のようなプロジェ
クトがスタートしています。

【キャンサーリボンズのテーマ別プロジェクト】
R:Release      緩:ストレスや苦痛(症状や副作用)を取り除く
I:Information    知:情報を活用する
B:Body       動:身体をほぐす、動かす
B:Beauty      美:ビューティ・ケアで自分らしさをサポートする
O:Orientation    向:気持ちを整え、方向性を定める
N:Nutrition     食:食を愉しみ栄養で身体を養う
S:Sexuality     性:性を大事にする
  ・
H:Home Town    域:地域の健康や美に貢献する
O:Occupation    働:働く、役割を担う
U:Unity       共:気持ちを共有し支えあう
S:Self-realization 己:自分を大切にし、自己実現する
E:Enjoy       楽:楽しむ、表現する
(キャンサーリボンズ ホームページより抜粋)

「リボンズハウス」とは・・・
がん患者さんの「治療と生活」をつなぐ、具体的な情報とケア体験を提供する
場所です。医療者やヘルスケアに携わる多くの専門家の手によるプログラムを
通して、患者さんがより自分らしく少しでも快適な生活を送れるよう、サポー
トしていきます。また、広く地域に開かれたスペースとして多くの人々が情報
を共有し、支えあいを実践できる場になることを目的としています。医療施設、
ショッピングモールなど国内外のさまざまな場所に開設し、各地域の特性を生
かしながら、立地に合ったソフトを展開していきます。
近畿圏では現在、8ヵ所にリボンズハウスが設置され、大阪市内では、国立病
院機構 大阪医療センター、大阪警察病院、公益財団法人田附興風会 北野病院
が開設しています。

「大阪医療センター リボンズハウス」は、2009年12月、外来診療棟1
階の患者情報室に併設しました。患者情報室は、患者さんご自身や患者さんの
ご家族の方々がその病気について、同じ病気の患者さんからの体験談を聞き情
報を共有したり、本を読んで知ったり、インターネットで調べたりなどして、
自分たちで病気について「生きた情報」を知る・読む・見る・学ぶ広場として
利用していただいています。
このリボンズハウスは、従来からがん治療や生活支援にも取り組んでいますが
、更に「がんに特化したリボンズハウス」という機能を加えて、より一層いろ
んな方々にがんの情報を提供しようということで開設しています。詳しくは各
ホームページをご覧ください。

・「キャンサーリボンズ」ホームページ 
  → http://www.ribbonz.jp/index.htm
・「患者情報室・リボンズハウス」ホームページ
  → http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html

毎年、6月21日は「がん支えあいの日」です。キャンサーリボンズでは、
6月21日を“社会全体でがんのことを考え、お互いに支えあう日”として、
「がん支えあいの日」としています。がん支えあいの日は、がん患者さんが自
分らしい生活を送るための支援を実行に移す日です。がんに関わる情報を共有
し、ひとりひとりが自分にできることを考え、行動に結びつけていけるよう、
呼びかけていきます。

人々が集う「RIBBONS HOUSE」、この12文字の一文字1文字に
キャンサーリボンズのテーマ別プロジェクトの活動の意義が刻まれています。
よりよい「治療と生活」、その実現に向かって、このネットワーク会議で得た
貴重な情報群を軸に、各地域のリボンズハウスが担う「利用者ニーズ」を充分
に理解し、今後の活動の拡大・拡充につながるヒントを模索します。そしてそ
の活動が、リボンズハウスの認知度の向上にも結び付くようにと考えています。
当院リボンズハウスの2016年度の活動は、これまで培った活動実績を足掛
かりに、この活動が近隣地域をはじめ、広くは地域社会全体につながるよう、
イベント、セミナー等の充実を目指します。
また、患者サロン、タオル帽子・布ぞうり体験教室などにみる、患者さん・ご
家族の皆さまが、おしゃべりしながら楽しさを共有できる交流の場の拡充を目
指します。
そして、「がん支えあいの日」記念イベントとして「支えあいの輪、がんと向
き合い支えあいの輪を広げよう!」を今年も継続(第6回になります)して開
催する予定です。ご興味のある方は是非ご参加ください。皆さまのご参加を、
お待ちしています。「大阪医療センター リボンズハウス」にも、お気軽にお立
ち寄りください!
ボランティア一同、心よりお待ちしています。

「患者情報室・リボンズハウス」では、人と情報をつなぐボランティアを募集
しています!ボランティアには、利用者お一人おひとりに必要な情報を得てい
ただくお手伝いを、お願いしています。資格は問いません。来室された患者さ
んやご家族の方と一緒に、病気について本やインターネットを使って調べたり、
患者さんのお話しを聞いていただくだけでもかまいません。
来室者の方が利用しやすく、“ホッとできる空間”を一緒に作ってくださる方、
少し空いた時間でお手伝いをしていただけるなら大歓迎します。
ボランティアを希望される方、お待ちしています

お問合せは、独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター
・管理課ボランティア担当    TEL:06−6942−1331(代表)
・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/
・患者情報室ホームページ  →http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html

 ボランティア希望される方のご連絡、お待ちしています。


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      看 護 の こ こ ろ        
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                     緩和ケア認定看護師 道川綾加

 木々の芽吹きに春を感じ、桜前線が待ち遠しい今日此の頃です。新年度まで
あとわずかとなり、私には期待と不安の入り混じるこの季節ですが、皆様いか
がお過ごしでしょうか。私は、看護学生の時、授業の中でがんの末期で治療
(cure)ができなくなった際にはケア(care)の力が非常に重要ですなわち看護
の力は大きいのだと教わり、緩和ケアに興味を持ちました。就職後、消化器内
科病棟に配属され、実際にがんと闘う患者さんや治療効果が期待できなくなっ
た方々を前にした時、私に何ができているのかと悩みました。もっと患者さん
をケアできる知識と看護技術を身につけたいと思い、緩和ケア認定看護師の資
格を取得しました。
 その後出会った口腔がんの患者さんは、がんによる痛みが強く、医療用麻薬
による治療が必要でしたが、医療用麻薬を使うことを拒否されました。私は患
者さんに痛みが日常生活に及ぼしている影響や医療用麻薬を使用したくない気
持ちについてじっくりと腰をすえてうかがいました。患者さんは、痛みはとり
たいものの医療用麻薬を使用することへの抵抗感や不安を話されました。そこ
で、痛みの治療のメリット、医療用麻薬の副作用、適切に使用すれば依存性が
無いこと、日常生活上の工夫などの説明をすると「あんたがそうやって説明し
てくれたら分かる」と痛みの治療を始められました。その後も痛みや医療用麻
薬の効果について詳細に記録したメモを見ながら一緒に痛みの治療を行ってい
くことができました。また、病状の進行に伴って意識障害が出た際には、仕事
をしているかのように手を動かされていました。長年してきた仕事が身にしみ
ついていて、意識が混濁している中でもその人らしさが出ているのだなと感じ
ながら、声をかけたり見守ったりご家族とご本人の生き方について話したりし
ながら最期まで過ごしました。この患者さんとの関わりを通して、身体だけで
なく気持ちや考え、仕事や生き方もふくめて患者さんを看護することで、つら
いことに一緒に取り組め、苦痛緩和につながり、痛みやつらさが少しでも緩和
した時の喜びも一緒に味わえました。
 緩和ケアでは、患者さんを全人的(身体面、精神面、社会面、スピリチュア
ルな側面)に理解したうえで苦痛をやわらげ、その人らしく過ごせることを大
切にします。私もいつもその視点で患者さんを看護できるように努めています。
患者さんの話をうかがう時は、言葉そのものよりもその言葉の背景にどんな気
持ちがあるのかを考えながら聴くように心がけています。患者さんの身体的な
痛みのみでなく、心の痛みや、社会生活での役割を果たせないつらさ、生きて
いる意味を失うつらさなどにも向きあう中に緩和ケアの看護の魅力を感じてい
ます。
 現在は、後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者さんに関わらせて頂いていま
す。がんのような痛みは少ないですが、病気にかかった事のつらさや、人に相
談しづらい孤独感、病気を抱えながら社会の中で生活していくことの生きづら
さを抱えておられるように感じ、やはり、患者さんを全人的に理解して関わる
ことの大切さを実感します。これまでの経験をいかして患者さんの理解に努め、
患者さん自身の力が発揮できるように支援していきたいと思っています。


ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 山口 歩

 研修医2年目の山口 歩です。初期研修生活も残すところあと数週間となりま
した。上司・同期・後輩に恵まれ、様々な科をローテートさせて頂き、学ぶこ
とも多く、充実した研修医生活を送っています。この研修医生活が残り少なく
なってきたことが本当に寂しいです。
 大阪医療センターは必修科が多く、また当直でも多くの先生に相談する機会
があり、どの先生も熱心に教えてくださるので、幅広い知識を身につけること
ができると思います。
 同期の数が多く、自分の症例を相談し、ともに勉強し、たまに遊びにいった
りできるなど素晴らしい環境が整っています。また、3年目以降も半数以上が
レジデントとして残るので、志望科以外にも知り合いが多数おり、相談しやす
いという恵まれた環境でもあります。
 百聞は一見に如かずなので、学生のみなさん、ぜひ見学に来て、この病院の
温かい雰囲気に触れてみてください。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 楠岡英雄
編 集 長:副院長 多和昭雄、中森正二、関本貢嗣
     副院長・看護部長 渡津千代子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 卒業旅行らしき学生の皆さんを電車の中で目にします。今しか出来ないこと
を存分にして楽しんで欲しいと思います。4月から社会人として新たな出発で
す。迎える私たちも期待を込めて準備しています。では、次号まで。


メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp

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